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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

花 濫 第13章焼けぼっくり4

カメラをワイドにズームして見る。見慣れた食堂だが、カメラが幼児背丈の視線の高さにあるのと、遠近感が誇張されていて、はじめて見るどこかの家の食堂のように目新
しく眺められる。カメラのすぐ前のアールヌボー調の食卓は眼前に迫って写り、料理が並べられた食卓の裏側や食卓の下に差し入れられた椅子の暗い間を通して、向こうの
明るい壁際に置かれたソフアで絡んでいるふたりが見え、自分が食卓の下に潜んで窺視しているようなスリルがあった。

床に伏せて眺めているように水平な床が彼方まで続いていて、水平線の辺りにソフアが小さく見える。ソフアのすぐ前の床には、ふたりが脱ぎ捨てた衣類が寄せる波のよう
に間近に見えた。妻の深紅のミニスカートと薄緑のカーディガンや劉のズボンなどの大きな波にに混じって、劉の格子模様のパンツと妻の小さな白いスキャンティーが小さく
溶け合うように重なって見えるのが印象的だ。

惣太郎はその時、ふと妻のブラジャーもスリップも見えないのに気づいた。妻はスキャンティー以外下着はつけていなかたのだろかという疑念がわいてきた。
カーディガンを羽織っていたとはいえ、あの薄いシルクのブラウスだけでは、豊満な乳房の陰影や突起が自然と見えることになる。それは当然劉の欲情をそそることを計算
してのことといえる。
自分が帰宅して劉と一緒に夕食をとるはずだたっ時点では、まさかそんな格好をするとは考えられないから、自分が遅くなることを知らせた後ということになる。それはに
劉が来てから電話した直後、妻がちょっと食堂から出たあの時着替えたに違いない。
あの時、妻が食堂に帰ってきて劉の前に姿を現したのを見た彼の表情が、一瞬硬直したように思えたのは、妻の薄いフラウスを透かして乳房が見えたからに違いない。いや
、それだけではない。

妻はブラウスの前のホックさえ外していたのだ。
妻は捨て身で劉を挑發したに違いない。夫の帰る前に劉と結ばれることを心底願っていたのだろう。うぶな劉の躊躇による時間を惜しんだのに違いないと思った。
いつの間に売女のようなことを覚えて……と惣太郎に怒りがこみ上げてきた時、彼はふと劉と妻の関係を思い返した。
二人は初会ではない。互いに身体の隅々まで知り合った深い仲だったのだ。
そう考え直すと、妻の大胆な挑發も劉への甘えの表現と受けとめられる。食堂に入ってきた妻の、あのにこやかな罪のない笑顔がそれを物語っていたではないか。
妻はあの電話で自分の企みを見抜いたのだろうか。それとも最初から機会さえあればその気でいたのだが、自分が帰らないことを知って一層大胆になったのだろうか。
いずれにしても大胆不敵な挑戦である。 

「せっかく忘れていたのに……知らないから…」
今日の劉のことを伝えた時の妻の鼻にかかった言葉が思い出されてきた。惣太郎はカメラをズームアップして慎重にソフアの上を調べようとした。
 リモートコントロールのボタンをゆくりと押すと、まるで自分が食卓の下をしゃがんだまま絡み合ったふたりのいるソフアに近付いていくようにカメラが寄っていく。劉が覆いか
ぶさって、激しく腰を躍動させている下に、妻の白い躯がくねっている。だがソフアの上のどこにもやはり妻の下着は見つからなかった。 

先程までは、片脚をソフアの背に揚げ、もう一方を垂らしていたのが、いまは劉の腰に強く巻き付けて、男の腰の抽送運動の快感を的確に受容するため自分の腰も男の動き
に相応して上下に動かし、その上貪欲にもさらにより一層鋭い快感を得ようと微妙な円運動までしている。フロアスタンドの光がふたりの交合を斜め横から照らしているが、
高感度のビデオカメラは、鮮明にその様子を写し出し、指向性の高いカメラのマイクも交接の微妙で淫猥な粘膜のきしる音を生よりもはっきりと拡大して伝えていた。

ふたりの会話は聞こえない。のぞけった妻の顔を両手で挟んで上から激しい口づけをしていた劉の手から、苦悶の表情でかぶりを振って逃ががれた妻が、
「ああ…いく…」
と叫んだ。その拍子に劉の背がまるまって顔を引き妻の乳房に落とした。  
しばらく揉みあっていた劉が、顔を天井に向けて激痛に耐えているような表情を皺ませたかと思うと、
「もう駄目!……」
と絶句しながら、勇猛な勢いで腰を激しく律動させはじめた。
「いって………いって…」
妻も嬌声を絶え間なく発しながら、両手を男の首に巻き付けて、腰をソフアから浮かせて男の抽送に応えて激しく揺すっていた。

劉の狂気のような動きが最後の瞬間を迎え、放出の微動を開始すると、妻は身体全体をくの字に反らせて男の身体を支えて硬直したが、最後の躍動を終えた劉が、がっくりと
全身を弛緩させて妻のうえに倒むと、互いに神経が通じあってでもいるように、ふたりは同時に硬直を解いて、ぐったりと
重なり合って弛緩していた。

惣太郎はブラウン管の明かりに透かせて腕時計を見た。まだ七時前だった。死体のように微動もしな二人の裸体の密着した腹部だけが、まだ激しい性交運動の余韻を残して大
きく呼吸しいるだけで、辺りがあまりの静寂に包まれて深夜の感じがしたからだった。久しぶりの交歓に劉は敢えなく果ててしまったらしい。
無音のなかで音を探し求めて、カメラの自動集音装置がボリュームをいっぱいにあげるので雑音が激しい。その雑音の中に微かに置時計の
秒針を刻む音だけが聞こえていたが、突然、異様に大きな擦過音が聞こえた。ブラウン管を凝視すると、劉が妻の上から下りているところだった。

ソフアから下りて立ち上がった劉の股間には、まだてらてらと濡れ光っている巨大な逸物が、もう鎌首を持ち上げるていた。
劉が裸のままカメラに近付いて来た。カメラに近付くと次第に大きく写り、やがて下半身だけになる。勃起した男根が反りかえって臍の辺りまで鎌首を持ち挙げて、何かを訴える
ように首を振っていた。劉が食卓まで来ると食卓の下に見える下半身しか見えなくなったが、コップに水を注ぐ音が聞こえた。
「飲む?」
優しい劉の声がして、向こうから、ええ、と弱々しい妻の声がした。劉がソフアまで引き返し、まだ喘ぎを残してソフアに仰向けに横たわったままの妻の前にひざまずいて、口移
で水を与えた。

「ああ…」
劉の裸体の陰で見えないが、水の旨さとも愉楽の余韻ともとれる妻の感嘆の溜め息が聞こえた。劉の頭はしばらく妻の顔の上に落ちたままなのは、あと長い接吻に変わったのだ
ろう。                         
カメラはソフアに向かって中腰になって妻の上に顔を落としている若い劉の壮健な裸体の後ろ姿と、上半身は劉の陰で見えないが、ソフアの上で片膝を立てた脚をやや閉じ加減に
して陰部を隠すようにしている妻の下半身を写していた。
一糸もまとわぬ劉の後ろ姿は、拝むように背中を曲げて妻に接吻をしている。頭は見えないが、背中も腰も脚もむきだしのまま、弓なりに躯を撓めているのが、崇高な祈りを捧げ
ている若者のように清楚に見える。無駄な肉は一切れもなく、名工の刻んだ美しい大理石の像を見るようであった。汗に濡れた肌もなめらかにしめってている。
そこに輝いているものは若さだけだった。      

妻の白い下半身の裸身が、カメラに鮮やかに写っている。最近のビデオカメラは性能がよくなって天井についている明かりだけで白昼のように鮮明に写り、色彩も見事に再現して
いる。
カメラをややアップにして妻の下半身を舐めるようにパンしてみると、二八歳の妻の体が、はじめて見る女体のように見える。こうして子細に妻の裸身を熟視したのは久しぶりだった。
妻の身体は女の盛りの成熟に匂い立っていた。腰のくびれは優しく、乳房はふくよかであった。下腹を覆う淡黒いひろがりにも、大人の匂いがあった。脚を動かすたびに揺れる内
腿の羽二重のような白い肉にも艶がある。ふたりの肢体が美しいだけに、どこかで見た写真集の美しい性愛の場面のように芸術的な匂いさえ漂ってくるような気がする。

やがて美しい男と女の塑像は、生き返ったようにひそひそと聞き取れない会話をはじめた。囁きの合間の含み笑う声だけが大きく聞こえた。
囁きながら劉の手が妻の股間に滑っていった。劉の手が触れると、妻は一瞬股間を広げかけたが、突然、
「さあ……、そうしましょ……」
と、劉の手をを払い除けるようにして起き上がろうとした。劉がすかず手をのべて助け起こした。
なにを約束したのか、二人は明確な目的を持っているように全裸のまま手を取り合って食堂を出て行こうとした。

ドアを開けてから劉が妻の手を引いて引き返すと、食器戸棚の上の時計を振り返って見て、
「まだ三時間もある」
と片腕を上げて喜びの声を上げた。劉に引き戻されよろけた妻が、その反動を利用したように劉に抱きついて、
「三時間しかないわ」
と言ってから劉の背の高い首にぶら下がるようにして自分の方から、短い接吻をした。

ふたりは間もなく笑い声を残して廊下に出て行った。
傍若無人にも、脱ぎ捨てた衣類もそのまま、家の中を全裸のまま我が物顔に出ていくふたりに惣太郎は、腹の底から突き上げるような怒りを覚えた。それは自分に対する不遜な行為
であった。若い劉はともかくとして、世間一般の常識を備えた今まで清純な挙措の正しい人妻だと、自分ばかりか誰でもがそう信じている妻までが、全裸で家の中を男と手を取り合
って騒ぐとは惣太郎にとって思いもよらない妻の行動だった。

妻が落魄したということなのだろうかと惣太郎は考えて見た。女には男に理解出来ない心理がある。
たとえば妻の交歓の時のことを考えてもそれがいえる。あの貞淑な妻が、たとえ夫のたくらみであっても、夫以外の男に次々と躯を開いていった心情の底には、勿論はじめて知った
官能への耽溺があったであろうが、知った淫欲への貪欲な願望を、巧みに夫の強制によって不本意ながら実行させられていると、自分以外の者にも自分もそう信じることで罪の意識
を回避している。

惣太郎自身も、今までは、妻自身はためらいながらも夫の強引な示唆によって、しかたなく男との歓交にはまり込み、その結果として躊躇が何時の間にか、性の官能にのたうってい
るという構図になっていると信じていた。
最初は強引に麻薬を打たれ苦悶していたのが、やがて自ら薬の快感を求めていくのに似ている。妻ももう一人前の淫蕩な女になり果てたということなのだろうか。

秘すれば花で、花がみずからを露に見せてはいけないのだ。それは結果的に、花に魅せられて集まる男達を嫌悪の情にさせるか、ありきたりの花として、なんの感動もなく蜜を食べ
るのに似ている。
だが、妻をそうさせたのも結局は自分の欲望からであって、妻を責めることは出来ないと惣太郎は思わず溜め息をついた。
これから妻をどう導けばいいのだろうか。

ふたりはシャワーでも浴びているらしい。時々妻の悲鳴が浴室独特のタイルに反響する声で聞こえる。惣太郎はふたりはシャワーを浴びながらいちゃついているに違いないと判断して
カメラのスイッチを切り、今まで録画していたビデオを巻き戻して掛けた。サ
ーチを繰り返して、先程の、終わった後の囁きの場面を出しレーシバーをかぶりなおした。
聞き取れない部分をボリュームを上げて見る。雑音がひどくなるが、かすかに囁きが聞こえてきた。

「………お食事を済ませておかなければ………」
「…………お酒は飲みたい………」
「………あのホテルの時に…………」
後は劉が妻の秘所に触ってからの、しどけない囁きだった。

問題は、あのホテルの時に、という言葉だった。何度か聞き返してみたが、そこだけしか聞こえない。劉と妻の関係は、すべてこの自宅だけだった筈だ。劉だけではない。あの留
学生達すべてに言えることだであった。

田宮と伊香保の温泉でのことがあるが、妻をひとりこの家以外で男と逢わせたことはないし、食事さえ外で男とふたりでさせた事もない。………あのホテルの時に………と云ったの
は劉の声だった。あるいは劉が、いつか泊まったホテルの話を妻に聞かせたという何気ない会話だったのかも知れない。だが惣太郎の心にはひっかかるものがあった。

惣太郎は妻が自分に内密で、妻がいそいそと男のもとに出かける場面を想像してみた。そしてホテルの一室で、男と戯れ合っている妻の裸身が目
に浮かんでくる。
その幻の光景は、今まで妻が惣太郎に見せた男達との数々の性交場面の嫉妬と被虐と陶酔の入り混じったある種の恍惚感と違って、背信の憎悪に充ちた嫌悪感しかなかった。そ
れは世間によくあるの浮気妻の頽廃と自堕落な性情と少しも変わらないからであった。
秘宝の妻を他の男に与え、その男が妻に魅せられて狂喜し、また妻も男の礼賛に応えて一層潜めていた自分さえ知らない凄艶さを現し、それによって夫の自分もまた感奮するという、
三人の間に醸し出される親和力が欠如しているからである。

最近流行している夫婦交換には、妻ひとりを男との逢引きに出してやる夫の話しも聞いていた。だがそれは夫が妻を自分の見えないところで他の男と歓交することに、ある種の嫉妬
、羨望、自虐と被虐、陶酔を覚え、妻も夫のそういう性情を満足させ自分も歓びを得るという一体感があるからこそである。
妻の裏切りがあったとすれば絶対に許せないことだ。だが、もし妻の秘事が事実であることが判ったとしたら、お前はどうするのか。
惣太郎は自分自身に訊いてみたが、ただ心の動揺が高まるばかりで返事はなかった。それよりも自分の秘宝を失う恐怖の方が先に立った。決して偽物でない秘宝と信じていたのが
仮面であったと信じたくなかった。冴子という若い妻は、自分にとって残された唯一の秘宝である。それが偽物になってはたまらないという気持ちが強かった。

まだ偽物と決まったわけではない、と惣太郎は考え直した。妻
を責めて告白させることは可能かも知れないが、それで信じていた秘宝が、ただの贋作に色褪せるのが恐ろしかった。
それよりも、妻が自分に秘して男と戯れる光景が目にちらつき、それが目前で他の男に犯されているのを見た時よりさらに強烈な高ぶりになってくるのに我ながら驚いていた。考えて
見れば、今現在の妻も、こうして自分が窃覗しているとは知らずに劉との時をわけ持っているわけで、隠れて男と過ごしたのと変わりはないではないか。ただ違うのは、自分が示唆
し、妻が劉に逢えばそうなることをほのめかしていたという、
自分と妻の間に暗黙の密約が成立していたということである。

だとすると、万一妻が自分の知らない情事をホテルで劉とわけ持ったとしても、その原因は結局自分がつくったことといえる。
妻は劉と今後絶対逢ってはならないなどと夫から言い渡されたことはない。劉や他の学生達に、移転したら一切を関係を断つと約束させたのは自分である。妻は劉とのことも禁じら
れていたわけではないから、偶然でも呼びあってでも会うことに背信を覚えなかったともいえる。ひとつの思いは、なぜ自分にその事実を打ちあけなかったか、といことだけである。

それも、その後、静謐に返った我が家の現状では、前のように性事は話せなかったのではないだろうか。
それより問題は、これからどう妻をあづかうかが問題だった。自分に隠れて密会をさせないためには、前のように情事が気楽に話し合える夫婦関係に戻す必要ある。そのめには妻に
再び性に関して気楽に話し合えるムードを復活させる必要がある。
それは再び妻に充分な性の歓楽を与え、それを容認することだと惣太郎は考えた。一度甘美な蜜を知った女王蜂は、その後絶えず与え続けなければ、大勢の働き蜂に囲まれた巣
からび出して、どこまでも甘美な蜜を探し需め続けると聴いたことがある。妻が味わった甘美な蜜である浩司が関西転勤でいないし、田宮がアメリカに帰っている現状では劉しかない。

当分劉をどう妻に与えるかが問題だ。
また曾ってのように自宅にこさせるか。いやそれだけでは、慣れがあって自分にとって刺激が少ない。自分の了解のもとでなら、外でふたりだけで会わせるのもいいではないか。
妻のバックに超小型のテープレコーダーを忍ばせるか、場所さえ確定すれば無線盗聴器を設置して、邪魔者のいない二人だけの密室での赤裸な歓交を聴くのも面白い。惣太郎は、そ
んな邪妄をしていると、再び激しい昂りに襲われた。
これは自分自身の回春効果も大きいし、一挙両得の話しだと、先ほどの怒りも忘れて悦に入った。

そうだ、妻も例え劉に惚れているといっても、新しい男を与えれば、なお一層の悦楽を知るかも知れない。いやきっと知る。なぜなら女の淫欲は、どんなに理性的な女でも、ひと
たびそうなると理性より躯が勝って、性交の快感には徹底的に実利主義、実質主義になるようにつくられているからだ。
それは女が男より低俗とか言う問題ではなく、子孫を残すために神から与えられた業というものである。暴漢に襲われた時にも、挿入されると、つい快感を感じてしまうのもそれである。
だから妻も劉のように慣れた身体よりも、初めの男に一層強い刺激と快感を感じる可能性は間違いない事実と考えられる。

それならば、この間ふと思い付いたように、帰ってくる後輩の田辺勇夫に妻を抱かせるということも現実のこととして実行していいのではないか。
秘宝をいつまでも自分のものとしておくためにも、妻の愛情を一人の男に集中させるのは危険である。
惣太郎がそんなことを考えながら、またカメラのスイッチを入れた。
だが、モニターテレビには依然として先ほどと同じ人気のない食堂のソフアが写っているだけだった。まだ風呂場か………と思った瞬間、惣太郎は床に散らばっていた脱いだ衣類が
片付けられているのを発見した。

思わず腕時計を見た。ふたりが消えてから、いつの間にか四十分が経過ぎしている。そんなに長くシャワーを浴びているわけがない。
惣太郎は慌ててカメラを和室に切り替えた。だが、和室は電気も付いておらず音もしない。高感度カメラは、わずかな庭からの明かりに、畳が冷たい暗さで静まり返っているのを写
し出しているだけだった。

惣太郎は思い切って、携帯電話を取り上げてダイヤルしながらカメラを再び食堂に切り替えた。
呼出音がしばらく無人の食堂になっていたが、やがて廊下を小走りに近づく足音がして妻が、タオル地のバスガウン姿で現れ、急いで受話器を取った。妻の顔にまだ水滴が付いている。
今までまだ風呂場にいたのである。風呂場でふたりは睦み合っていたのに違いない。
「小泉です……」
妻の声がかすれている。
「おれだ、まだ成田にいる。出発の飛行機が二時間も遅れていて、帰れないんだ。ユーナイテッドだが、機材に故障があって、修理に手間取っ
ているらしいんだ」

まあ、どうするんですか?」
「十二時には搭乗で来るって放送があったから、二時には帰れるはずだ。とんだ目にあったよ。明日は講義があるし、ついていないな。それはそうと劉はどうしている?」
「貴方が悪いのよ………知らないから……」
「もう、したのか?」
ちょっとだけ………だって、劉さん……我慢の限界だったんですもの………」
久しぶりによかっただろう」
「いやね………。そんなに遅くなるんだったら、あたしだって………」
いいではないか。ゆっくり楽しむんだな。なんなら劉を泊めてもいいんだよ」
いまそこに劉はいないのか?」
シャワーを浴びているの……そこでまた……一緒に入る気はなかったんですけど……どうしても入りたいと言うから……」
「思い出の和室で、ゆっくりと楽しんだらいいではないか」
「そうするわ。劉さん遠慮して泊まらないと思うけど……」

妻が正直に実状を報告したことに、惣太郎は気分を良くしていた。お前もいいのだろうと聞きかけた時、開け放たれたドアから劉が裸で現れた。
前は勃起したままだった。劉が妻に目線で訊いている。
「じゃあ、お帰りは二時を過ぎますのね」
妻が横の劉に認知させるように改めて言った。
「お前達が気兼ねなく出来るように、車に乗るときまた電話するから……」
お気をつけてお帰り下さい」

事務的な口調で言って妻は電話を切ると、斜め後ろにいる劉が、待ちかねたように、受話器を置くため腰を屈めた妻を後ろから抱きしめて、
「先生もっと遅くなるの?……二時だとすれば、まだ七時間もあるね」
子供のように無邪気な喜びの声を出して言った。妻は返事がなく、くすん、と笑った。受話器を置いた妻を、くるりと向きを変えさせて抱き取ると、劉は手を下げて妻のバスガウン
の腰紐を解くと、胸の辺りに両手を差し入れてガウンを脱がせた。肩からガウンが滑り落ちて、白い妻の裸身が一度に電灯の光を集めて輝いた。接吻をすませた劉が、劉の首に巻
いていた妻の腕を解いて、一方の手を自分の勃起したものに導いた。すなおにそれを柔らかくり締めてから、
「悪い坊やね……。早くシャワーを済ませて来なさい。頭を洗うのだったでしょう?」
「……残酷だな……途中だったのに……」

「あと、たっぷりと時間があると言ったのは、どなた様でしたかしら……。折角先生が貴方のために注文してくれた酢豚とふか鰭のスープだけでも召し上がらなくては失礼よ」
「うん、時間がたっぷりあると思ったら、安心して、急にお腹が空いた」
「さあ、ちゃんと洗ってきなさい。その間に用意しておきますから……」
まだ勃起したままの男根を、指先で弾いて笑いながら言った。劉が出ていくと、妻も食堂を出て行った。足音から自分の部屋に向かったのが判った。
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  1. 2014/12/03(水) 09:02:29|
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家庭訪問・公務員 (31)
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1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
胎動の夏・道明 (25)
それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (569)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
妻の黄金週間・夢魔 (23)
通勤快速・サラリーマン (11)
臭市・ミミズ (17)
野球妻・最後のバッター (14)
売られたビデオ・どる (7)
ああ、妻よ、愛しき妻よ・愛しき妻よ (7)
無防備な妻はみんなのオモチャ・のぶ (87)
契約会・麗 (38)
もうひとつの人生・kyo (17)
風・フェレット (35)
窓明かり ・BJ (14)
「妻の秘密」・街で偶然に・・・ (33)
鎖縛~さばく~・BJ (12)
幸せな結末・和君 (90)
妻を育てる・さとし (60)
輪・妄僧 (3)
名器・北斗七星 (14)
つまがり(妻借り)・北斗七星 (5)
京子の1日・北斗七星 (6)
1話完結■未分類 (1)
■寝取られ動画 (37)

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