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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

花 濫 第4章異常な契約6

 「そうか、君は写真がうまいんだったねえ」               
 惣太郎が言った。                            
 「冴子、田宮君はねえ、写真は玄人なんだ。日本写真クラブの会員でもあるし、日展入賞のカメラマンなんだ。そうだ、冴子も一度撮っ
てもらうといい」    
「あら、ぜひお願いしたいわ。若いうちに………」            

 今から思えば、夫と田宮がたくらんだ芝居だったと冴子は思っているが、その時は全く疑わずのせられてしまった。丁度田宮はカメラも照
明も持って来ているから、即実行しようということになり、冴子はうまく二人の甘言ににせられて、ネグリジェ姿のまま化粧だけほどこして、カ
メラの前に立たされた。     

 大きなライトが三つもセットされ、狭いリビングがスタジオに変わった。強いライトを浴びて、食に家中の花を集めた花瓶を置き、その前
に民芸風の椅子に凭れて冴子は立たされていた。三脚の後ろから田宮が何度もシャッターを切っていた。ライトの熱が冴子の肌を汗ばませて
いる。               
 「冴子さん、片脚を椅子に上げて、その膝に顎を載せて下さい。………そうそう……いいですよ………とても魅力的です。いきますよ……
…」       

 田宮の巧みな言葉に酔わされていたと、後で冴子は思ったが、その時は、本当に自分がポーズを変え、ライトが変わる度に、しだいに美
しく変化しているようなナルシズムに酔わされていた。                      
 「やはりネグリジェの下のスリップが邪魔だなあ。折角の胸の線が台無しになっているんだ。先生、冴子さんの魅力は何といっても、豊
満で真っ白い躯の線にあります。ほら、見て下さい。折角の胸の膨らみが、スリップのレースに邪魔されているでしょう。あれがなければ、
きれいな線が出ると思いませんか?」  

 惣太郎はうなずいて冴子にスリップを脱ぐことを命じた。薄い絹のネグリジェだけにされて、透ける乳房と股間を気にしながらポーズをと
っていたが、その内に、ネグリジェの胸のホックを一つ外し、二つ外して大きく胸を広げた撮影が続き、はっと気が付いた時には、乳房が
露出していた。              

 乳首が尖っていないといい写真にはならないと、田宮に乳房を愛撫され、表情をもっと妖艶にしたいと、惣太郎がカメラの見えない後ろか
ら、しゃがんだ格好で冴子のネグリジェの裾を巻くって、花芯に愛撫を加えた頃から妙なことになっていた。三人とも何時の間にか淫蕩な感
情に憑かれていたのである。     

 低い民芸調の漆塗りの角椅子に腰を降ろした冴子が、片脚は伸ばし、もう一方を引き付けて踵を椅子に載せ、その膝を抱くようなポーズ
をとっていた。ネグリジェの前ホックは全部外されていて、身体の両側にはおったようになっている。形のいい乳房が片方覗き、L字型になっ
た脚の付け根には、淡い翳りの下に縦筋になった割れ目がはっきりと見えていた。強い照明に上気した冴子の眼が潤んでいるのがよくわか
る。紅赤の鮮明な口紅を引いた唇と、桃色の乳首、片膝を抱いて前で組んだ指の珊瑚色のマニキュアの色彩を白い肌が引き立ていた。三
月末の夜にはライトの熱が強すぎた。冴子の肌が滲んだ汗で光り、撮影途中で何度も化粧を直したりバスタオルで肌を拭わなければならな
かった。

 二人の男もいつの間にか浴衣の上半身を腰紐まで肌脱ぎにしていた。顔も脂汗と異常な刺激に酔ったように赤らんでいる。深夜の静寂の
中で、冴子の躯が発散する女の甘酸っぱい体臭と、煙草の臭いが混じり合って、ライトに熱せられたい澱ん部屋の空気を隠微な情緒にして
いた。

 惣太郎が田宮の後ろから、冴子に向かって放たれているライトを遮って冴子の後ろへ回った。                     
 「そうだ。どうせここまで撮ったんだから冴子、いっそのこと全裸のヌードを撮ってもらおううね。若い時は一度しかないんだ………。さあ
………脱ごうね………」      
 惣太郎が冴子の背後からネグリジェを剥ぎにかかった。           
 「いやよ………いやよ………。辱しいわ。こんな明るいところで………」  
 胸を両手で抱くようにして、いやいやをする冴子に構わず、惣太郎は無理矢理ネグリジェを、裾から剥くようにたくし上げた。

下半身が露わになって、冴子は飛び上がるようにして椅子から立ち上がり、前から見ている田宮の視線から下腹部を隠すように腰をひねった。
強烈なライトに照らし出されて、乳房と下腹部を手で覆った冴子は、腰を屈めるようにして立っていた。            
 「さあ、その椅子に足を組んで座って下さい」              

 田宮はカメラから離れて、立ったままの冴子の腕を取って、椅子に導いた。観念したのか、冴子はおとなしく椅子に腰を下ろし足を組んだ。
カメラは見ず、俯向き、脚を組んだために陰部が隠れたためか、両腕で乳房を抱くようにして隠していた。        
 「右手を椅子に突いて、もう一方を頭の後ろに回して下さい」      

  素直に冴子は田宮の言う通りにポーズをとった。照明に浮かび上がった、真っ白い豊かな肉体を、照明のあたらない昏い陰から二人の
男の目が凝視していた。丸い肩がハレーションをおこしているように輝き、豊かな乳房が灯を吸いあつめて、薄い肌ににじんだ凝脂が鈍色
に照り返している。
 薄桃色の乳首がつんと上を向き、まろやかに張り詰めた皮膚が照り輝き息ずいている。

田宮が二、三歩進み出て、その乳房を軽く撫でた。         
 「いや!」                              
 冴子が慌てて片手で乳房を押えて前屈みになった。             
 「すみません。きれいに撮るために、乳首を固くしたいんです。先生いいですか?」  
 田宮は、窺うように部屋の隅の昏がりに椅子を持って行って座り、ブランデーグラスを片手でいじ
っている惣太郎に訊いた。                
 
「生涯に一度しかない、成熟の極まりの美しさを残すんだから、思い切って美しく撮ってくれ。冴子も折角の機会だから、田宮君の言う通
りにして、最高にきれいに撮ってもらおう」 
 「じゃあ、失礼しますよ。プロのモデルでも、これだけは必ずやりますね 」
 腰掛けて脚を組んでいる冴子の前に跪くように、脚を折ってしゃがんだ田宮が、両手を伸ばして、貴重な品物でもあづかうように、冴子の
乳房の両方を、広い裾野の方から掌で愛撫しはじめた。田宮の掌にあまる乳房が弾力をみなぎらせて弾みながら形を変える。 

 しばらく沈黙が続いた。ライトの熱気に煽られるように、室内に隠微張り詰めた緊張感の中で、しだいに冴子の呼吸が乱れていくのが、か
すかに聞こえた。惣太郎は二杯目のブランデーを飲みながら、昏い陰から二人の様子を眺めていた。

 惣太郎は酒のせいだけではなく、ライトに照らし出された妻の裸身の美しさにも酔っていた。惣太郎からは、椅子に腰掛けた妻が、斜め横
に眺められた。すでに発情をはじめているらしく、躯の内部から滲み出た、紅を刷いたように頬が紅潮し、目がすでに潤みはじめている。硬
い田宮の陽灼けした上半身が、組んで伸ばした白い冴子の脚の向こうから、ひざまずいたまま、冴子の乳房を愛撫してい
る。今は片手を、冴子の組んだ脚の、太腿辺りに置いて、静かに腿の内側を愛撫している。片手は相変わらず乳房を愛撫し、顔を冴子の剥
き出しのもう一方の乳房に寄せて、唇で乳首を愛撫しはじめた。         

 真っ白く柔弱な冴子の躯と、茶褐色で剛健な田宮の肉体の対比が、一層妻を女らしくうつくしく見せていた。妻はポーズしていた手を、今は
田宮の肩にかけ、やや上向けて目を閉じ、貌をかすかに揺らしている。羞恥がしだいに官能に侵されて、観念したようにも、没我に浸っている
ようにも見える恍惚とした表情で、口を少し開けて、小さく喘いでいるようすである。              

 「あっ……」                              
 短い冴子の叫びに目をこらすと、田宮が、思い切ったように、太腿を愛撫していた掌を冴子の股間く差し入れて、微妙な揺らし方をしていた。
指先が冴子の敏感な部分に触れているに違いないと、惣太郎は思わず身を乗り出していた。乳房を愛撫していた掌も、強く乳房を掴んでゆす
り、もう一方の乳房に吸い付いていた唇が、完全に乳首を含んでいた。冴子の上体が揺らいで、田宮の肩に凭れかかり、艶やかな両腕が田
宮の頸を抱いている。耐え難い官能に襲われているらしく、冴子は眉根に苦痛のような縦皺を刻ませ、白い歯をのぞかせた唇からは、押し殺
した溜息が、熱さを含んでひゅうひゅうと鳴っていた。田宮は写真撮影を放棄して、このまま冴子の肉体にめり込んでしまうのかと、惣太郎が
思った瞬間、田宮が敏捷な動作で立ち上がると、急いでカメラを覗き込みながら、     

 「さあ、ポーズとって! 」                      
 凛とした声で、冴子を制した。つられたように冴子が、はっとした表情でポーズをとった。長い髪がすこしほつれて額にはりつき、上気した
桜色の頬が羞恥を刻んでいる。濡れ濡れとうるおって輝きをたたえた瞳をカメラに向け、まだ先程の愛撫の余韻を充分に残している息づかい
で、小さく口をあけたままポーズをとっている妻の姿は、自分の妻とは信じられないほど魅惑的だった。艶やかに息づいている躯全体にも、
美しい牝の発情が、内部に燃え上がった官能の炎を照り輝かせ、成熟した女体のぬめぬめと吸い付くような肌が上気して桜色に染まっている。

 田宮がシャッターを切りながら、冴子にさまざまなポーズを指示している。最初照れたり、羞恥にもじもじしたりしていたが、田宮の巧みな
言葉に呪詛にでもかかったように、身体の位置を変え、ポーズを変えて行く。       
 「そうそう…………とってもチャーミングだよ。右脚をもう少し開いて………ああ、大丈夫、毛は後で消すし、割れ目ちゃんは、見えないよ
うに撮るからね………。はい! そこで、仰向けになり、腰を両手で支えて………そうそう………。両脚を上に伸ばして、そうそう………きれ
いだよ。大きな白鳥になったんだ君は………脚が翅………大空に舞い上がる………もっともっと、大きく翅を羽ばたいて………」              

 大きな食卓の上に冴子が今夜のために敷いた、ブルーのテーブルクロスを巧みに使って波を造り、その上に冴子を仰向けに寝させ、両手
で腰を支えさせて、両足を宙で、大きく開閉させている。照明の強い光りが、煌々と冴子の股間を照らし出し、淡い陰毛の一本一本から、大
きく開く度に、赤貝のように口を開ける秘肉の複雑な襞の微細な陰影や、体液の滴りまで克明に浮き出しているのを、田宮はロングやアップ
で漁るように何枚も写し撮っていく。時々、撮影を中止して、田宮は冴子の肌に流れる汗を拭いてやったりしている。ガーゼ地のタオルで、愛
撫するように全身を拭きながら、股間にまで掌を伸ばす。その度に冴子が耐え難い吐息をつくのを惣太郎は見逃さなかった。            

 「こんなものを着ていたら、自由に動けない……………」         
 田宮が惣太郎とも冴子ともつかずに言って、腰紐まで剥いでいた浴衣を脱ぎ捨てて、下穿だけになったのがチャンスだった。                  
 「田宮君が冴子に触れる度に、冴子が上気してとても女らしく美しくなるような気がする」                              
 惣太郎が冗談とも嫉妬ともとれる固い口調で言った。           

 「アメリカで見たスタジオでは、ポルノグラフィーを撮る時には、恍惚の表情や、緊迫した筋肉の動きを出すために、実際に性交させたり
刺激を与えながら撮るのが普通なんです。そのほうが美しく撮れるんです」          
 「よし。滅多にないチャンスだ。俺がシャッターを押すから、田宮君少し冴子を刺激してやってくれんかねえ」                     
 惣太郎と田宮の視線が微妙に絡んだが、すぐに互いが了解した。      
 下穿のまま、田宮が冴子の腰を抱え、その中心に顔を埋め、溢れはじめた花芯に唇をあてた。冴子が遂に声を出した。暗黙の了解が三
人にあった。カメラを三脚から外して手持ちに変えた惣太郎が演出者になって、次々と指示を与えた。  
 「君の下穿が邪魔で仕方ないんだ。取ってくれ給え」           

 冴子の恍惚とした表情や姿態を撮影するために、出来るだけ陰になって、冴子を刺激していた田宮
に、惣太郎が声を掛けた。田宮も冴子も、惣太郎の意図を理解したが、さすがに田宮ははにかんで、                  
 「いよいよ本物のポルノ撮影になりますね」               
 と照れながら、下穿をはずした。すでに怒張した陰茎が、跳ねるように飛び出した。  
 「冴子の横に寝て、斜め横から抱いて………」              
 惣太郎の指示が、しだいに露骨になり、                  
 「それじゃあ冴子が可哀想だし、最高の表情を撮るためには、君が言ったように、思い切って挿入
してくれ………」                   

 惣太郎が怒ったように興奮した声で
 
言うまでに時間はかからなかった。               
 食卓の上で、強烈なライトを浴びて、正常位で挿入し、互いに身を揉んでいるふたりを、惣太郎はカメラのレンズの中で、美しい映画でも
見るような恍惚とした感情でみとれていた。
 冴子の柔らかい太腿が、生ゴムのように弾力をみせて、田宮の大きな手が掴んだ部分をめり込ませている。田宮の腰の動きにつれて、乳
房が揺れ、テーブルクロスに散った髪がくねっていた。           
 ふたりの後ろに回って見ると、冴子が巨大な田宮の陰茎を咥えて、腰で円を描いている。田宮がそれに答えるように腰を激しく波打たせた。
そのたびに、冴子の臀が田宮を一気に呑み込む勢いで収縮する。濡れた田宮のものが、冴子の白い臀の間でちらついている。田宮が冴子
の脚を肩にかついだ。

 繋った部分が、上から惣太郎にはっきりと視えた。見慣れた冴子の局所が、無慚に歪み攻め立てられてながら、体液をほとぼらせている。   
 蒼いテーブルクロスが揺れて、田宮の律動につれてしだいにずりあがり、頭がテーブルから落ちかかった。のぞけった冴子の白い頸筋に
血管が蒼く浮き上がって見えた。惣太郎にはそれが冴子の極まりのように思えた。

 テーブルの上で、汗光りする浅黒い鋼鉄のような固い男の体に押え付けられ揺り動かされて、喜悦にのたうっている冴子は、点灯したまま
の強烈なライトに射られた白い肌が、ハレーションをおこして薄い皮膜のように光沢を輝かき、眉間に寄せた縦皺が、肉欲をむさぼっている。
成熟した女の官能のたぎりを見せている。         

 惣太郎はふと、カーテンも閉めてなかった硝子戸に、ふたりの肉欲の争奪を没我になって見ている自分の姿が、終局を目前にして狂喜の
極みにもだえているふたりの姿の奥に映っているのに気が付いて、鞭で叩かれたような気持で我にかえり、煙草に火を付けた。

 外ではいつの間にか霰混じりの小雨が寒々と降っていた。濡れた葉のない雑木の幹が、汗に濡れて輝いている冴子の肌のように艶を帯び
て夜目にも輝いて見えた。        

 成熟した男女の媾合が発散する熱気と気迫の満ちたこの部屋は、真冬の深夜とも思えぬ暖かさになまめいているのを、惣太郎は窓外の無
数の銀の糸のように降りしきる雨と対象させながら、うつろな気持で眺めていた。         

 冴子は霰混じりの冷たい雨の降る早春の夜に、嵐のようなふたりの男に紊亂されて、狂気の一夜を送って以来、自分が逃れられない性の
深淵に落ち込んだことも、ふたりの男が共謀した企みにうまうまと載せたれたことも自覚してはいなかった。         
 それは冴子が軽薄だということではなく、浩二との半年前の出来事以来、今まで体験したこともない蠱惑的な未知の世界が、冴子の前に
俄に次々と開かれて、冴子にとっては未曾有の体験の連続が冴子の神経を麻痺させてしまったということだろう。丁度、未知の国を旅して
車窓に次々現われる風景に驚嘆しているうちに、やがてそれが普通のことのように思えてくるのと似通っている。    

 その夜以来、田宮との情交が、いつの間にか、当然の慣習のようになって続いている。当初は夫に隠れるようにして需めて来ていた田宮
が、肉に関してだけは夫のように、いや夫以上に熱心に執拗に冴子を需めるようになったのは、そう時間を必要としなかった。 

 浩二の時のような衝撃的な緊張や愉悦はないが、冴子と同じ歳上の田宮との情交には、世間並みの夫婦のような落ち着きとゆとりがあ
る反面、田宮の熟達した技巧と強靭な体力は、外国女性を扱い慣れた優しさを加えて、性の歓びの深淵に目覚めかけたばかりの冴子の心
と肉を限りなく堪能させていた。田宮のどちらかというと学者らしくない世間ずれしたエリートサラリーマンのような小利口さや、大袈裟な身
振りの話し方や、歯の浮くようなお世辞を平気で使う性格は、平素の冴子は不潔そうで好きにはなれないが、こと性を共有すると、それが
呪詛にだもあったように冴子を魅了してしまう。
      
 だから、田宮が昨年の正月アメリカに一月ばかり出張していた時や、しばらく仕事で、冴子の前に現われなかった時など、かって経験し
たことのない悶々の情に躯が火照り、身をさいなむような鬱屈した心境になる。裂かれるような想いをしたこともある。    

 夫と田宮の間で、冴子の知らないどんな会話がなされているのかは知らないが、夫の出張の夜には田宮は間違いなくやって来たし、そ
れを夫も承知しているらしいことは、出張先から必ず電話してくる夫に、田宮が用件があって代わって出ることもあって、冴子にも推察出来
た。                   

 冴子が男二人の共謀にはっきりと気付いたのは、半年ほど前のことだった。夫が在宅中に田宮が訪ねて来た時のことだった。夫は田宮
が来たことを知らせても、調べ物が途中だから、あと二時間くらい待っているように言って書斎から出て来なかった。冴子が書斎に入った時
も、アイヌ語のぷテープを聞きながら一心にメモをとっていた。次の日にたまたまあるパーティーに出席する冴子は、丁度自分の部屋で着
て行く衣装選びをしていたのだが、どうしても最後の選択が出来ず迷うばかりで困っていた時だっので、田宮に相談して見ようと自室に招い
た。田宮の忠告にしたがって、つぎつぎ衣類を出して着替えている間に、突然、田宮に抱き締められた。                        

 藤色の着物を決め、それに似合うかどうか、海棠を刺繍した帯びをあてがっている時だった。口付けしながら合せただけの着物の前か
ら冴子の素肌に手を差し込んでくる田宮に、                            
 「うちの人が気付きます。止めてください………」            
 その時冴子は、とっさに夫の書斎に向いた襖が閉まっているのを確認した。  

 「大丈夫だよ。心配ない。」                      
 押し倒され、着物の裾を腹のあたりまで捲り上げられて挿入された。すぐ傍の夫に隠れて微かに睦むスリルと異常さに、思いがけない興
奮のるつぼに陥れられて、冴子は声をこらえるだけで必死だった。

 かすむ意識の底で、一刻も早く田宮が終ることを念じ続けた。 やっと田宮が終って部屋から出る時、閉ていた襖が細く開いているのを
冴子は発見して思わず声を出しそうになった。しかしその時は、冴子が襖を見たのと、田宮が襖を開けて出て行ったのとが同時くらいだっ
たから、もしかすると自分の錯覚だったのだろうと思い直した。                    

 冴子がまだ弛緩した躯を横たえたまま、恍惚の霧に包まれている時に、突然、入れ替わって書斎に
篭っていた筈の夫が入って来たにである。         
 「あなた!………………」                       
 絶句して飛び起きようとした冴子に夫がかぶさってきた。
 冴子の躯には田宮の残していったものが、まだ溢流しているのに、夫はそれを無視して冴子の中に入ってくる。そして満足そうに交わりを
続ける。練れているお前が一番いい、と最近ではよく言うし、弱くなった自分には、弾みが付いているお前が最高だ、とも言う。言葉を返せば、
冴子の躯が田宮との情交によって、高められ燃えている余韻に巧みに
便乗して、夫は冴子を征服した錯覚を覚えることで満足しているのだろう。          

 初めてそれに気付いた時は、そんな夫の行為に嫌悪を感じたものだが、いまではそうしてまで自分を愛したい夫に、同情とも感謝とも愛
着ともつかぬ、夫のおおらかさとでもいうようなものを感じて
いる。何にも増して言えることは、冴子がすっかり、こんな奇怪な生活を異常とも感じないように慣らされた事実である。
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  1. 2014/12/02(火) 15:32:50|
  2. 花濫・夢想原人
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管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
抱かれていた妻・ミリン (18)
パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
胎動の夏・道明 (25)
それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (569)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
妻の黄金週間・夢魔 (23)
通勤快速・サラリーマン (11)
臭市・ミミズ (17)
野球妻・最後のバッター (14)
売られたビデオ・どる (7)
ああ、妻よ、愛しき妻よ・愛しき妻よ (7)
無防備な妻はみんなのオモチャ・のぶ (87)
契約会・麗 (38)
もうひとつの人生・kyo (17)
風・フェレット (35)
窓明かり ・BJ (14)
「妻の秘密」・街で偶然に・・・ (33)
鎖縛~さばく~・BJ (12)
幸せな結末・和君 (90)
妻を育てる・さとし (60)
輪・妄僧 (3)
名器・北斗七星 (14)
つまがり(妻借り)・北斗七星 (5)
京子の1日・北斗七星 (6)
1話完結■未分類 (1)
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