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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

月満ちて、堕ちる刻 第壱話 「支配する、男達」

河邑五月(かわむら・さつき 仮名)は、その形の良い下唇を噛み締めた。

電車内。正午過ぎ。
何時もなら、自宅に居る筈の夫の義父、義母の二人は法事で留守だった。気遣い、早めの帰宅をする必要も無い。
だからこそ、少し遠出をした。久し振りに繁華街迄、その足を伸ばそうと、準急の電車に乗ったのだった。

車内はそう混雑はしていなかった。無論途中から乗り込んだ五月には座る場所は無い。それでも良かった。いや、いい筈だった。
しかし、五月は後悔していた。

車両の両開きのドア。その前に立った。車内は結構揺れる。自然と五月の両足は少し間を広げて踏ん張る形を取った。
その時。何かが、足首に当たったのを感じた。
反射的に五月の口元は「済みません」という形に開き、その場を退けようとした。
その右方向への行く手を阻もうとするかの如く、そのドアに長身の若者が凭れ掛かる。
五月は、驚いた様に逆の左にと向きを変えた。
その方向にも、今度は小太りの若者が背を向けて立ちはだかる。
何時の間に、二人は現われたのか。全く解らなかった。

五月は嫌な予感を感じた。
目の前では、見慣れた光景が右へと流れていく。しかし、五月の焦点は既に定まった所には無かった。

背後にいる何者かが、その身体を押し付けて来ていた。
額に汗が浮かんでくるのを感じる。誰が背後にいたのか、その性別すら解らない。だが、それは直ぐに判明した。
堅くなった物が、五月の尻の部分に押し付けられ始めたのだった。
男の動きは大胆そのものだった。スカートの裾がゆっくりと上がり始めていた。動揺する五月を余所に、その裾は腿の上部迄捲くられていった。
今日の服装は、白いブラウスにグレーの薄いフレアースカートを着用していた。軽装に素足だった事を、五月は悔やんだ。
男の行為は、より大胆になっていく。
恐怖と羞恥で声は愚か、背後を向く事も顔を上げる事も出来ない侭、五月はその下唇を噛み締めた。
左右では若者が、五月の項垂れた頭部の上で何か会話を交わしている。聞き取れない。只、何かを言った後、下卑た笑いだけは耳に飛び込んでくる。
「!!」
五月は俯いたまま、その眼を裂ける程に開いた。

自分の両足の狭間には、手提げの紙袋が置かれている。その中にはビデオカメラらしい機材が、五月の股間を真下から仰ぐ形でその全てを撮影していた。更にはそのカメラ側部から、折畳式のモニターが背後から痴漢行為を続ける男に向けて、その画面を点灯させている。五月からも、その画面が逆像となって覗き込めた。
自身の両足、脹脛からその上部、尻から股間迄の全てが映し出されている。真っ白い尻に、白いレースのショーツが噛み付く様に食い込み、その肉を腿の付け根へと押し出す様に食み出させていた。
その食み出した尻の肉が、裏腿の表面が、電車の揺れに合わせて波打っている。

五月は絶望感と、嘗て経験した事の無い恥辱を感じた。
車内のアナウンスが次の停車駅を告げてから未だ数分だった。到着までに十分以上在る。鼓動が加速を付けて昂まっていく。
次の瞬間、五月は声を放ちそうになるのを覚えた。
背後の男が、スカートを腰迄捲り上げていた。その裾を束ね、何かクリップに近い物で下がらぬ様に止めた気配が在った。
五月の口が無言の侭、大きく開く。穿いていたショーツが一気に腿まで降ろされたからだった。五月の顔が泣き出しそうに歪む。男は両手でその剥き出された尻をわし掴み、捏ねる様に揉み始めていた。

男の行為は正に狂態だった。
公衆の面前で、電車内で、そのスカートを腰迄捲くり上げられ、その尻を剥き出しにされ、両手で弄ばれている。五月はドアにその両手を押し付け、両の腕で自身の顔を隠していた。額がドアのガラス
の振動を伝えている。
一体、何人の人間がこの行為に気付いているのか。背後からは、自分の下半身が全て露出されているに相違無い。
五月の身上を知っている人がいれば、どうすればいいのか。

背後の男は、今や二人の協力者を得てか、五月の下半身全てをその手で、指で、犯そうと懸命に動いている。
尻を両手で左右に割る動作を繰り返し、楽しんでいる。
堅く眼を閉じ、その唇を血が滲む程噛み締めて堪えた。
両脇を固めた二人も共犯だろう。今は何も会話していない。五月の
身体を、打ち震える反応を伺っているに違いなかった。

五月の身体がびくんッ、と弾んだ。
無骨な指が尻の下から前へと周り込み、股間の亀裂をなぞり始めていた。五月はその場に崩れそうになった。それを背後の男は許さなかった。分厚い左手が五月の腹部に回され、その尻を突き出させる格好で支え上げた。五月はドアに上半身を押し付けられ、両手を壁に密着させて嘆く「罪人」の如く、態勢を取らされた。

五月はこの行為が現実とは思えない侭、全てをもぎ取られていく屈辱感に飲み込まれていた。あれだけ恐怖に戦き、屈辱に嫌悪した股間が、男に反応し始めていた。指は惨酷な程、繊細な動きに変化していたのだった。
一番敏感な、亀裂の上部。其処に生えている陰核は、女の貞操そのものを否定して、堅く頭を擡げている。亀裂の奥から止めど無い蜜が溢れ出し始めていた。

五月の身体が、その下半身が連続的に跳ね始めた。
痙攣を起こしたかの様に、尻が跳ね、上半身が震えていた。
声も出せず、五月はドアに震える吐息を吐き出した。男は今や突き出した尻を左手で巻き取る格好で支配し、右手を尻の裏から奥へと
伸ばし、激しい振動を送り続ける。
その振動を受けて、五月の盛り上がった真っ白い尻が、ブルブルと波打って表面を揺らせている。ドアに押しつけた白い指が、その表面に爪を立てる。五月は項垂れた首を左右に振り続けた。

【もう、全てを支配される・・・助けて・・・許して】
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  1. 2014/07/10(木) 00:26:03|
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月満ちて、堕ちる刻  第弐話 「紅い瞳の、欲するものは」

「もう、その位にしたら?オッサン」
不意に、背後から男の声が上がる。五月の身体が反射的に強張った。直後、背後の圧力が弱まり、その声に身を引いた。
 五月は素早くショーツを引き上げ、その場にしゃがみ込んだ。
突然出来た背後の空間に、今まで横にいた二人の若者が割って入ってきた。
五月はしゃがんだ侭、身を縮め込む様に両手で自身を抱いた。言い知れない恐怖感に、鳥肌が立つ。
だが、二人は意外な行動に出た。

「早くスカート、上げなヨ。隠してやっから」
一人がそう言った。やはり若い声だった。顔などまともには見れない。困惑する五月を余所に、若い男二人はその侭五月を覆い隠す様にして背後に立った。後ろを向き、床に座り込む様な姿勢の五月には、その行為が救いの為なのか動揺していて、理解も出来ない。
 思わず、両手を後ろに回す。剥き出しの腰の上部で、捲くれたスカートが落ちない様、クリップで留めてあった。焦り、震える手はそれを掴めない。我に帰れば、恐怖と屈辱感が五月を支配していた。

「な、何だよ、アンタ」
背後から震えた声が、聞こえる。中年の男の声だ。
「何だじゃネエヨ、オッサン。痴漢するにも程があるって」
辺り憚らぬ声が、中年に向けられている。
電車内がざわめき始めていた。
クリップが外れた。捲くれ上がったスカートの裾が降ろされ、剥き出しの下半身を隠す。
五月はやっと、ゆっくりと振りかえる事が出来た。

目の前に、中年のサラリーマン風の男の背中が見えた。その後頭部を付きぬけて、前に立ちはだかる男の顔が在った。
上背が在る。長髪で髪の毛は金色に近い。浅黒い痩せた頬には薄っすらと髭が生えている。だが、若い。どうみても未成年だった。

「その紙袋、見せてみな」
若い長髪の男が言う。背を向けた中年は何も言わない。
黙した侭、震える背中は明らかに動揺している。
「ほらよ」
五月の右側にいたもう一人が、男の足元に在る紙袋を奪う。
「な、な」
何をすると言いたいのか、中年は上擦った声を洩らし、それを奪おうとする。
その両手を羽交い締めにする、両脇にいた二人。
車両内の全ての人々が興味深々の眼をこちらに向けていた。
さつきは未だ、立てなかった。脚に力が入らない。

「何だ、コレ?」
受け取った金髪の男が、右手を高々と上げる。その手にはあのビデオカメラが在った。
微かなざわめきが上がる。
長椅子に座っていた主婦達が何かを互いに耳打ちしている。
出来る事なら、この場から立ち去りたかった。
その時、車内のアナウンスが聞こえた。到着駅が近い事を告げる。
さつきは再び背を向けたまま、ゆっくりと立ち上がった。
今度は、好奇の視線からその身を隠す為に。



駅の改札前。
五月は言い様のない不安に駆られていた。
痴漢行為を行った中年の男は、この停車駅に着くと同時に、先程の若者三人に引き摺り出された。
「あの」
「改札の前で待っててよ、コイツ突き出してくっからサ」
小太りの男が振りかえって笑った。爽やかさには程遠い笑みだった。

五月は迷った挙句、その若者達を待つ事にした。
決して好青年には見えない三人だ。どちらかと言えば「危険な風貌、雰囲気」さえ秘めている。
しかし、自分は助けて貰った。真横の二人の行動に疑問は残ったが、このまま礼も告げず、立ち去る訳には行かない。
だが、やはり駅員に呼ばれるのだろうか。
あれこれと聞かれ、あのビデオも見られて・・・・。

「よお、お待たせ」
不意に背後から肩を叩かれ、軽い悲鳴を上げた。
「参ったな、俺らだヨ」
「チカンじゃねえって」
振りかえった目前には、両脇にいた二人の若者が立っていた。
「あ、あの・・・有難う、ございました」
五月は未だ動揺しながらも、深く一礼した。
五月は思った。
やはり、この二人は若い。派手な格好をしてはいるが、未だ高校生位の年齢に違いなかった。

「あの・・・」
「あ?」
「いえ・・・・もう一人の方は」
一人足りない。あの一番長身の若者は何処にいったのか。
「ああ、マコト?もう直ぐ来るって」
小太りの方が答える。パンク系の黒いTシャツが張り裂けそうに伸びている。もう一人の細い若者も同じような赤い長袖のカットソーを着ている。髑髏のイラストが、威嚇している様に思えた。
「来たゼ、マコト」
長袖の若者が言う。五月は人込みの中に、一際目立つ長身の男を見つけた。
長い髪を掻き分けながら近づいて来る。
そして、手にはあの紙袋を持っていた。
「お待た・・・」
五月の前に立つ。その男に向かい、頭を下げ、礼を言う。
顔を上げ、改めて男の顔を微かに見た。
未だ眼はしっかりとは合わせられない。何処まで見られたのか、という危惧は捨て切れなかった。

五月の眉が微かに曇る。
目前に立つ若者。その両目が血の色をしていた。
正確には、その「瞳」のみが異様に赤いのだった。
先程は、全く気付かなかった。コンタクトなのか。

だが、この状況下でその質問が出来る程、五月は積極的な性格では無い。寧ろ、控えめで大人しい性格。
痴漢に遭っても、毅然とした態度で拒否出来ない性格。
そんな従順な性格を、自身は決して好きではなかった。
もっと強く凛とした、女性に憧れた時期も在った。
だが、そんな性格を、その心を愛してくれる人もいる。
不意に、夫の顔が浮かぶ。
今頃は仕事に没頭している事だろう。
その夫の声を、仕草を思った。
そして。
目の前に、あの赤い瞳が在った。笑っていない。いや、表情が無いのだった。
一瞬、背筋が冷たくなるのを感じた。

自分は今、何をしているのか。
どうしてあんな行為に遭ったのか。
周りの雑音が大きく耳に響いてくる。
改めて、周りを見渡す。

駅の雑踏の中、五月と三人の若者はその光景に可笑しい程馴染んでいなかった。
三十三歳の、人妻。十代の金髪の男が三人。通り過ぎる人々の視線が突き刺さってくる。
「あの」
「いこうぜ」
赤い眼がそう言った。紙袋を下げた手の甲が見えた。赤いモノが付着している。

【あれは・・・・血?・・・誰の・・・・さっきの男の人?】

「あ、あの・・・」

五月の声は流され、若者三人は改札を抜けて行く。
その背中を見つめながら、五月は何か名状しがたい予感を感じた。
決して、いい予感では無い。
「ついてこい」と言わんばかりに、その背中達は告げている。
そして、言いたかった。いや、聞きたかった事が聞けていない。
躊躇したのは、数秒か。
五月はその右足を踏み出していた。

  1. 2014/07/10(木) 00:26:52|
  2. 月満ちて・hyde
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月満ちて、堕ちる刻  第参話 「偽りの、刻」

「でさ、バッカなんだゼ?コイツヨ」
「ウルセエヨ、もういいっての」

その喫茶店は、駅前の角に在った。
無論、入った事など無かった。派手な看板にガラス張りの壁が、五月には好きになれなかったからだ。
内部は外観から想像するより遥かに広かった。しかし、客層は想像通り若く、話し声も店内に大きく響いている。
五月が苦手とする、店だった。
増してや、前に座っている人間は知り合ったと言うにも程遠い、間柄と言える。

だが。

「そーだナ、マコトがモテるはいいとしてもヨ、オメーは別」
「何でだヨ」
「その腹じゃな、女が寄ってこねーヨ?」
「これでも痩せたっつーノ」

五月の前で、若い男の二人が会話を続ける。
荒い、今風とでも言うのか、喋り方は幼く、そして愛嬌さえ在った。
店内に入って約半時間。五月の表情も徐々に硬さを無くしていった。自分でも驚く程、心は変化していた。先程までの「危険な雰囲気」に満ちた、あの若者達とは思えなかった。

「だベ?五月さん」
「はい?」
「ほら、ビョウになんか興味ないってヨ」
「ビョウって言うなってノ、オメーは」

五月は両手で口を塞いでいた。不快なのでは無い。可笑しかった。
若者はやはり高校生だと言う。十七歳。だがその指の間に、煙草の煙が揺らいでいる。耳にはピアス。本物かも知れない、肩への小さな刺青。
彼等が路を練り歩いてくれば、皆避けて通るに相違無かった。
五月にしても、それは一番苦手な人種の筈だった。

「五月さんの旦那さんってサ、どんな人?」

ビョウと呼ばれる向かって右側の小太りの若者が、そう言う。
身を乗り出すのが癖なのか、何時もテーブルに置いた黒いポシェットを左脇に抱えて聞いてくる。
慣れれば、それも変では無く、可笑しく見える動作と成るのだと感じた。

「そうですね・・・優しい人です」
五月は微かな笑みさえ浮かべ、返す自身に少し驚いていた。
今や五月は名前や年齢、居住している街まで話していた。
強制や脅しでは無く、質問に正直に答えていた。
そう出来た自分に、何故か嬉しい気さえしていた。
見掛けでは、人は判断出来ない。
最近の少年は在る意味、悪い大人より怖い。そう思っていた。

「ビョウさんって、変わったお名前ですね」
「だろ?」
左に席を置く、ナオと呼ばれる若者が五月に向かって人差し指を出す。如何にも「その訳を聞け」と言わんばかりの動作で。

「ちょっと待てっつーノ、俺ホントはサ」
「ビョウはサ、一分と持たネエから、ビョウ」
「一分?」
五月は聞き返し、微かに首を傾けた。意味が解らない。
そして、その眼を少し見開くと、伏せ目がちに黙った。

「アレ?怒ったのカナ」
「ナオが悪りいナ、これはヨ」
ビョウが例に因って、黒いポシェットを左腕に抱える動作をする。

五月の脳裏に一瞬だけ、先程の行為が走った。
眼を上げると、神妙な顔つきで五月を覗く二人の顔が在った。
それは十七歳の少年の顔であった。

「もう・・・」
少し抗議するつもりで、その二人を軽く睨む。
「うわ、色っぺーなあ、オイ」
「俺、今サキッポ出たかも」
「サスガ、ビョウだな」
一気に笑いが出た。

【この二人は・・・・悪い人なんかじゃない。でも・・あの人は】

「あの・・マコトさんは何処に」
「ここだって」

五月は、声のする方を見上げた。
あの、マコトが立っていた。
「遅いってノ、マコトはヨ」
「あーあ、いいトコだったのに、テメーは」
「車、取って来たゼ」
マコトは、二人の口調に全く合わそうとしない。
「・・・車?」
五月が思わず聞き返した。車を取ってくるとは聞いていなかった。
「ああ、家迄送ってやるよ」
「え・・・・・・でも、そんな、結構です」
思わず、強い口調が出た。
「イイって、乗れヨ。あのビデオも車ン中だしヨ」
「え、そうなんですか」
五月は思わず身を乗り出した。
聞きたかった事。それはあのビデオをどうするつもりなのかという懸念だった。無論、自分の所有物等では無い。それでもあのテープは貰いたかった。あの行方が気が気で無かったのだった。

「アンタにやるヨ、あれは」
「・・・・・」
五月は思った。どうして今返してくれないのかと。
「あのオヤジ、アンタを付け狙ってるゼ」
「・・・・え」
「アンタの名前、家、全部知ってるらしい。警察に突き出すって言ったら、やってみろ、お前も五月も出てきたら刺してやるってヨ」

五月は黙った。声が出ない。又、あの震えが始まっていた。

「だからヨ、ぶん殴ってやった」
「何処をヨ」
ビョウが聞いた。
「顔だ。歯ぁ折ってやったヨ」

【あの手の甲・・・・その時の・・】

「だから今日は家の前迄送ってやる、アブネエからな。警察に言うのはその後でいいだろ」

【そんな・・・そこまでして、どうして】

「どうしたヨ」
「・・・・どうして、そこまでしてくれるんですか」
五月は優しさと恐怖を同時に受けた思いだった。声が奮えていた。

マコトは暫く黙った。そして口を開く。
「似てるンだよ、アンタは・・・」
「誰に、ですか」
「・・・・・・・・・知ってるヤツにな」

五月は未だ狼狽した眼をマコトに向けていた。
「さあ、立てヨ。家まで送るヨ」
五月は腕を抱えられながら、無言で頷いた。
  1. 2014/07/10(木) 00:27:40|
  2. 月満ちて・hyde
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月満ちて、堕ちる刻  第四話 「堕ちてゆく、月」

その一軒家は、先程の駅から車で30分程走った場所に在った。
居間に置かれた、黄色い皮製のソファー。
長身の若い男が、長い脚を投げ出して座っていた。

チャキッ、チャキッという金属音がフローリングに床に響く。
男はその右手にバタフライナイフを持ち、器用に右方向、左へと回転させている。
それを回す男の眼には、表情が無かった。
只、その瞳だけが異様に紅い。


河邑五月は、キッチンに立っていた。
先程知り合った三人の若者達に差し入れた、コーヒーカップを洗っていた。
不意に人の気配を感じ、振り返る。
「・・・・え?」
五月の足下に、あの「ビョウ」がいた。
キッチンの床を舐める様に屈んで、五月の両足の狭間に、その右手を入れている。
「何、してるんですか」
声が上擦る。まさか、と思った。
ビョウは五月を見上げ、笑みを浮かべた。その笑みは、あの駅で見た「嫌な笑み」だった。

五月がスカートの裾を押さえながら、その身を引く。
真下に在ったのは、あの「黒いポシェット」だった。
「分からねえノ?これがヨ」
ゆっくりと立ち上がり、中身を取り出す。
五月は眼を疑った。
その中に入っていたのは、あのビデオカメラだった。
「撮らせて貰ったゼ、バッチリと、ヨ」
「映りはどーよ」
その脇に来た「ナオ」が、手を伸ばし、モニターを取り出す。
「まてヨ、巻き戻してからだっつーノ」
五月は両手でその胸を抱くようにして、後退った。
「な、に、を・・・・撮った、の」

【まさか・・・あの喫茶店でも・・・】

「おお、バッチリ」
「うわ、スゲー食い込みジャン、自宅での人妻、半ケツってヤツ?」
「こりゃあ、売れるって。逆さ撮りだけでもヨ」

「・・・売る・・・って・・どうい、う事、なの」
五月の唇が、あの屈辱感に再び震え始める。

「これにヨ、アンタのレイプシーンを混ぜて売るワケ」
ナオはその髪を掻き上げながら、淡々と言い始める。
「さっきサ、サ店でも隠し撮りしてたヨ。普段の服装とか、会話とかヨ織り交ぜてナ」
「じゃ、あ、さっき、の、お、とこ、の、ひと、は」
余りの驚愕さに、呂律が回らない。
「グルだヨ」
「だっ、て、殴った、って」
息さえ困難になるのを、五月は自覚した。
「知らねエそれは。多分マコトが只殴りたかっただけじゃねえノ」

「三十三歳、熟女ってヤツ?五月さん美人だしヨ売れ」
五月は全ての言葉をビョウが言い終わる前に、踵を返した。
逃げ出す様に走る五月を、二人が追う。
静寂な一軒家に、ドンドンと足踏みするかの如く、三人の足音が響き渡った。
五月は二階へと続く階段を、その髪を振り乱しながら掛け上げる。
その姿を真下から見上げながら、追うビョウとナオ。
「バッカじゃネエ?何で玄関から逃げねえンだ」
「ドーテンしてンじゃねえ?しかし、スゲエ美味そうなケツしてンな、左右に振りやがってヨ」

五月は階段を昇り切って直ぐ左手に在る、ドアノブに手を掛ける。
一気にそのドアを開けた。
「はい、そこまで」
ナオがその手を掴み締める。
「何ヨ?寝室ってヤツ、コレ」
後から来たビョウが粘い声を出した。
「何だヨ、五月さん、分かってンじゃねえかヨ、そー言うコト?」
掴まれた右腕を引っ張られ、その寝室へと引き摺り込まれる。
悲鳴を放ちながら、五月はその首を激しく振った。
五月は暴れた。生まれて初めて感じる恐怖だった。
「ビョウ、縛るモン出せ!」
ナオは五月を羽交い絞めにしながら叫んだ。
「ンなコト言ったってヨ」
ビョウが辺りを見渡す。ドアの傍に在る、書斎に使っているのだろう、五月の夫のものらしいデスク周辺を探す。
その時、マコトが無言で入ってきた。
その口をナオの掌で封じられた五月と、目が合った。
五月は縋る様な眼で、マコトを見た。
だが、その紅い瞳には感情が無かった。

「オイ、早くしろヨ!」
「待てヨ、今探してるってノ!」
書斎の本棚に在る数々の本が床に撒かれていく。
「マコト!」
マコトはダブルベッドの脇に在る、箪笥の引き出しを片っ端から開けていく。五月の下着類もフローリングに散らばる。
その中に在ったパンティーストッキングを掴んだ。
慣れた動作で、その中心に幾つもの「結び目」を結び上げる。
五月は首を捻じ曲げ、その動作を恐怖に見開いた眼で見た。

マコトが結んでいない一本をビョウに手渡す。
ビョウはナオと五月の間に割って入り込み、五月の両手を後ろに引き回す。五月が悲鳴を放つ。両手を交差され、その部分にストッキングが撒かれていく。
マコトが、悲鳴を放ちながら首を左右に振り続ける五月の前に立つ。
無言でその髪を掴み、引き上げる。五月は、ウンッ!と唸った。蒼白な顔が跳ね上がった。
もう一本のストッキングがその頬を巻く様に縛られる。
マコトは、五月の頬を片手で摘み上げる。五月の口元が開いた。
その開かれた口元に、幾重にも重ねられた結び目が押し込まれる。
「アッ、オオオ、オッ・・・」
白い歯が、その結び目を噛む。五月の眉根が苦悶に歪み切った。

「カメラは」
息一つ乱さず、マコトは言った。
「あ、一階に置いてきたヨ」
反対に息を弾ませたビョウが返す。
「取ってくる、オメーラ用意しろヨ」
項垂れた五月を他所に、マコトは寝室を出た。

「さあ、拝めンゼ?コイツの乳とか、ケツ」
「剥けヨ、時間がネエぞ」
ナオは崩れそうになる五月の身体を背後から支えた。
白いブラウスの合わせ目に両手が掛かる。五月は微かにその首を振った。
「いいねエ、その仕草ヨ」
一気に左右に引き裂く。バッという音と共にボタンが飛び散る。
「おお、透けてンゼ・・こいつのブラ。乳首バリ透け」
レースのショーツの揃いのブラジャーを、ビョウが凝視する。
「スゲエな、コイツ・・・いい身体してンゼ、真っ白だヨ」
「早くしろヨ、テメー」
覗き込みながら、ナオが言う。
「はいはい」
ブラウスが肩まで剥かれ、縛られた後ろ手の部分に丸め込まれる。
ブラジャーが前面部分を持たれ、真上に引き上げられた。
「ウンッ!」
五月は気張った様な声を放ち、その真っ白い喉元を見せて仰け反った。
形の整った乳房が、上下に揺れ動きながら露出する。
「うわ、結構デケエ・・・Dくらいはあンゼ」
「下も脱がせヨ、見てねーで」
「はいヨ、ウルセーなテメーは」
ビョウが五月のスカートに手を掛ける。引き摺り降ろそうとするが、張り出した腰の部分で引っ掛かり巧く抜けない。
「ファスナー、左横!」
「サスガ、レイプマンナオ」
五月は仰け反った侭、その下半身を剥き出さされた。
「食い込んでるゼ・・・最高だなコイツ・・おまんこの毛は・・と」
ショーツが足下迄落とされる。
「ン!ンンン・・・・」
ナオの肩にその首を載せたまま、五月は天井を仰いだ。
その結び目を、歯が折れんばかりに噛み締めた侭で。
  1. 2014/07/10(木) 00:28:34|
  2. 月満ちて・hyde
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月満ちて、堕ちる刻  第五話 「十七歳達の、征服」

目の前に、真っ白な剥き出しの下半身が在る。
括れた腹部とは対象的に、左右に張り出した豊満な腰だった。
その下腹部が、女の荒い息遣いとに同調して、ゆっくりと波打つ。
上部に在る臍は丸く窪み、腹部全体には黒子一つ無い。
滑らかな肌は、血管が透けて見える程白く、艶やかだった。
股間に生えた陰毛は決して濃くはない。黒く直毛気味の陰毛を女は持っている。縦長で、割れ目に沿ってその形が出来ていた
そして、その下では抵抗の証なのか、閉じられた両の腿肉が屈辱を訴えるかの如く、微かに波打ち痙攣していた。

「オイ、ビョウ!」
その前に屈み込み、噛み付く様な目で五月の股間を見つめるビョウに、ナオは一喝した。
ハッとした顔を上げるビョウ。
「犯す用意しろ、オメーからだろ」
「・・・・・・わかったヨ」
陰に篭った声がビョウに口から出た。それは興奮し切った若い少年の歪んだ心を露にしている。

五月は仰け反った侭、硬く目を閉じた。
自分はもうすぐ犯される。決して逆らえない。力ずくで奪われる。
それも徹底的に汚され、辱められ、その姿をビデオに取り込まれる。
自分の年齢の半分程の少年達に、幾度と無く犯される。
この三人は、若い。絶対に一度では満足しないだろう。

五月が初めてセックスを経験したのは、二十四歳の事だった。
世間一般から見ても、十分に奥手な方と言えた。
相手は同い年の同僚。初めての経験で三度も要求された。
二度目は後背位を要求され、苦痛を訴える五月を余所に、男は只管その腰を叩き付けてきた。男の実家の元、両親を気にする余り、一切の
悲鳴を堪え、枕に顔を埋めて行為が終わるのを待った。
男はその腰を五月の掲げた尻に押し付けて、呻いた。
そして息も絶え絶えの五月を仰向けに転がし、三度跨ってきたのだった。
男は若かった。若さ故の未熟さ、荒荒しさが、そうさせたのだろう。
だが、少年達は若干十七歳だ。
五月は、その秘めたる「強暴さ」と相反するであろう「長けた技量」に恐怖した。

「ほら、今回はこのマスク、使えってヨ」

もう、何も思えない。瞼の裏には、闇だけが広がっている。
全てを思考する力が急速に失せて行くのを感じていた。
只、反応する事だけは死んでも避けたかった。
愛する夫と暮らすこの家で、共に寝起きをするこの寝室で、どんなに弄ばれようと、感じてはならない。
いや、感じる筈が無い。
どんな事をされようと、この場所だけでは絶対に感じてはならない。
「生きた人形」になる決意を、五月は固めた。

「何だヨコレ、銀行強盗かヨ、俺ら」
「黙って付けろって、ビョウ。沼田さんがコレにしろって言ってたゼ」
「チッ・・・あのやくざオヤジ」

五月は身体が宙に浮くのを感じた。
ドスッ。ベッドが撓む音がして、自身の身体がバウンドした。
「パンツは足首に絡ませとけ、その方がいい」
マコトの声がする。
「ブラも摺り上げたままでいいンかヨ」
ビョウが返す。
「ああ、ブラウスもそのままだ」


男は、家路を急いでいた。
帰宅するのでは無い。一旦、自宅に戻るのだった。
寝る間も惜しみ、朝方まで掛かって仕上げた「資料」。
あれが無ければ、今日の勤務は終わらない。
男は左手首を自身の目下に差し出す。
「三時か・・・」
あの書斎の上だろう。
男は、自身の迂闊さに舌打ちした。
こんな日に限って、午前中のコールに妻も両親も電話には出なかったからだった。
「会社に戻れば、四時過ぎか」
男は、再度独り言を呟いた。


マコトはビデオカメラのモニターを見ていた。
2.5インチの折り畳みの液晶画面。黄金色に近い黄色いシーツを被せたダブルベッドの上。横向きで五月が這わされている。
膝を付き、その真っ白い尻を天井に向けて真上近くに迄掲げさせられている。
柔軟な上半身が折れる様にして、シーツに埋まっている。
表情を撮る為、その首は左に曲げさせ、その顔をこちらに向かせている。後ろ手に引き上げ、縛り上げた両手首は丸め込まれたブラウスで見えない。引き上げたブラジャーの下部から、両の乳房が重たげに垂れ下がって見える。
その掲げた尻に顔を埋め、尻たぶをわし掴んだまま責める男。
何かを吸い取り、舐める音が寝室に響く。
覆面を被った小太りの男も全裸だった。
決して長くは無い男根が、天を向いて怒張している。
五月の眉間に、深い皺が寄っている。その瞼は硬く閉じられていた。
ストッキングの猿轡を噛み締め、時折その張った裸体を痙攣させる様に跳ね上げる。
苦悶に歪むその口は、決して屈しない意思を示しているのか。

覆面はその目鼻、口部分を露出させた造りだった。
誰かは、分からない。
五月だけが、その全てを晒していた。
覆面の男が、尻から顔を離す。そして平手でたった今舐めていた尻を平手で打ち据え始めた。
パン、パンッ、という打音が掲げた尻を波打たせる。
その度に、ンッ!ンゥッ!という気張った呻き声が五月の噛んだ猿轡から洩れる。

やがて画面の左端から、もう一人の覆面を被った男がベッドに上がり込んだ。這ったまま尻を打ち据えられる五月の裸体が、その重みでゆらり、と揺れ動く。
背後の黒い覆面の男が叩く行為を止めた。
五月の腹部が大きく波打っている。
五月も無言なら、男の二人も無言だった。
只、荒い息遣いだけが、寝室に響く。
五月の前に立った赤い覆面の男が五月の首元に手を伸ばす。
「あ・・あ、あ・・」
猿轡を外され、その口から溜息とも呻きとも取れる声が出された。
その後ろではストッキングの縛めが解かれる。
五月は全裸の侭、その裸体をベッドに埋めていく。
そしてうつ伏せになり、死んだように腹這った。

「OK、カットだ」
マコトの声が放たれる。相変わらず抑揚の無い声だった。
「女の方向、変えろ。前から女のオマンコ、撮るぞ」
その声にも、五月は反応しない。死んだ様に目を閉じて動かなかった。
「マコト」
黒い覆面が言う。
「何だ」
「喋っていいかナ、俺」
「ア?」
マコトはテープを取り替えながら、五月蝿そうに答える。
「いいオマンコしてるなオメーとか、言いながらヨ、犯りてえンだけどナ、俺」
「ぶん殴られてーのか、ビョウ?」
「・・・・」
「オメーはダメだ、ワケのわかんねー事ホザくからヨ」
「俺は、何時もどーりかヨ、マコト」
ベッドに這ったままの五月を真上から見ながら、ナオが言う。
「ああ、いいゼ」
テープを入れ替え、モニターをセットする。
「ナオは、女に色々言わせろヨ、オメーは声がいい」
「だとよ」
這ったままの五月の尻を両手で撫で回すビョウに、ナオが言う。
「いいケツしてンヨなあ、マジで。ぱんぱんに盛り上がっててヨ・・・柔らけーしヨ・・早くオマンコしてえ」
ビョウは執拗に撫で回す。尻の表面がブルブルと細かく波打っている。叩かれた手形が、赤く消え残っている。
五月は動かない。只、硬く目を閉じていた。唯一の抵抗だった。

「位置つけよ、カメラ回すぜ」

ナオがうつ伏せた五月をあお向けに転がす。真っ白い裸体が揺れた。
ビョウがその両足首を掴み、カメラに向かってその脚を向けさせる。
五月の裸体がベッドの上で90度回転した。
「OK、始めろ」
マコトが言う。
カメラのタリーランプが赤く点滅し、録画の為、内部のヘッドがテープに張り付く。その機械音がした。

ナオが五月の頭に回り込み、その顔を後ろ向きに立ったままの姿勢で跨いだ。
「目を開けろヨ」
五月は従わなかった。
ナオはそのまま屈み込み、五月の頬を両手で掴んだ。
「口、開けろ」
五月は微かに首を振った。
ナオは無言のまま、五月の口を抉じ開ける。無理矢理に五月の顎が呻き声と共に押し下がっていく。
ナオはその侭、股間にだらりと垂れ下がった男根を五月に押し込む。
「ン!グウウウ・・・」
「舐めろ、コロスぞ」
グッ、とその赤黒い男根を五月の喉元迄押し込む。
「ンンンッ・・・・・」
五月は広げた両手でシーツを掴み締めた。
咲きこんだ。呼吸が出来ない。
「分かったろ?舐めナ」
もう一度、男根を咥えさせられる。半分程で口一杯になった。
「出来ンだろ?いつも旦那にやってるみてーに、舌使えヨ」
五月は従った。もう、同じ事だった。どの道、犯される。
ビョウがベッドの端に屈み込む。五月の足元だった。
そしてその両足首を掴み、その侭折り曲げる様に高く持ち上げる。
五月のくぐもった声が響く。
ナオが交代する如く、その足首を掴み、左右にゆっくりと割っていく。
「ンンンン・・・・ウウ、ン!」
限界迄、五月の両足が開き切った。
ビョウがベッドの端で屈み込み、剥き出された五月の中心部を凝視する。深い亀裂が、生き物の様にその裂け目を露にしている。天井を向いた角度に近い程、五月の尻は広がっていた。亀裂の真下に在る、窪んだ肛門が剥き出しにされ、ビクッ、ビクッ、と息づき蠢いていた。
ビョウが、その股間にむしゃぶり付いた。
「ン!ンウウウウウ・・・」
五月はナオの男根を含んだ侭、仰け反って首を振った。
「ほら、舌がお留守だゼ?五月さん」
ナオが五月を見下ろしながら言う。
五月の広がった両足の指が内側に折れ曲がっていく。
その股間では、蹲ったビョウが顔を埋め込んで喘いだ。
猫が水を舐める様な湿った音が、寝室に響く。
「ウメエヨ、コイツのオマンコ・・・匂いも全然しねえヨ」
「ウルセエぞ、黙って舐めろ」
マコトがカメラを構えたまま言った。
  1. 2014/07/10(木) 00:29:37|
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月満ちて、堕ちる刻  第六話 「目撃」

河邑雄一(仮名)は、自宅の前に立った。
玄関のノブに、手を掛ける。
スッ、と音も無くそれは開いた。

「何だ、帰ってきてるのか」
誰に言う訳でも無く、そう呟く。
そして、目下に置かれた複数の靴に気付いた。
雄一の眉が曇る。
一つは妻である五月のヒール。だが、その周りに無雑作に脱ぎ捨てられた派手なスニーカーが二足、そして刺々しい鋲が並んだブーツ。その大きさは日本人離れしていた。

【何だ・・・誰か来ているのか・・・】

来客が在るとは聞いていない。増してやこの靴等の持ち主に心当たりも無い。見るからに、その持ち主の姿が想像出来る靴だ。

その時、微かな声が聞こえた。雄一は思わず、二階の方を仰ぐ。
短い、呻き声だ。ンッ、ンッ、とも、グッ、グッ、とも取れる気張った女の喘ぎ声だった。
雄一は靴を脱いだ。全身から汗が噴出すのを感じながら、階段を昇って行く。
その声が鮮明になってくる。声と同時に何か柔らかく、それでいて重みの在る物を打ちつける、独特の打音が同調して響いている。

寝室のドアが、十センチ程開いている。声と打音は其処から洩れていた。
「堪ンねえ、スゲエ、締まるヨ、コイツの、オマンコ」
若い男が、上擦った声を放つ。
「オラ、舌もっと使えってヨ、ホラ」
更に、別の男の声が重なる。
階段を昇り切った、向かって左手のドア。
ガラス格子を填め込んだ造りの扉の奥に覗く、光景。それが雄一の眼に突き刺さってくる。
裂けんばかりに、カッ、と両目が開く。

向かって左奥の角に置かれた、ダブルベッド。
その中央に、全裸の女が這っていた。
背後に、女の真っ白い尻を突き上げて責める小太りの男。
頭を覆う様に、黒い覆面のような物を被っている。
更に、その女の前に、同じ格好をした全裸の男。
赤い覆面をし、女の頭部を両手で鷲掴み、自らの股間に押し付けては戻す荒い動作を続けている。
女は苦しげに呻きながら、前後の男に奉仕している。
脚を投げ出し、座り込んだ前にいる男の腰を、白い指が掴んでいる。その先端が迷うように離れては、背後からの責めに反応して、男の腰を握り締めている。
その脇の下部で、垂れ下がった乳房が前後に踊っていた。

「オオオオ、オッ、オオッ・・・」
背後の男が、喉を振り絞り、感極まった声を放った。
掲げ上げた尻を両手で掴み絞め、小太りの男が忙しなく腰を振りたくった。肉のぶつかる打音が重なり、女は這ったまま、絶望的な響きの呻き声を洩らした。
「アッ!オッ!オオオオ・・・」
覆面を被った後頭部を揺らせながら、男は再び咆哮する。
渾身の動作で二度、激しく尻を突き上げる。
女の盛り上がった尻が、ドチッ、ドチッ、と跳ね上がった。
グウッと、その腰を押し付けて男が反り返る。
女の背中が同調してググッと、山なりに盛り上がる。決して注がれてはならない物を強引に注入された証だった。
男は、一滴残らず注ぎ込もうと、押し付けた下腹部を更に密着させる。その動作で、女の尻が男の圧力で横に伸び、更に上へと掲げられていく。数秒間、その姿勢が続いた。
耐え切れぬ様に、か細い嗚咽が塞がれた女の口から洩れていった。

そして、小太りの男は男根を引く抜く。
粘った音が微かに響いた。
水糊に突っ込んだ棒を抜けば、そんな音になるのかも知れない。

たった今までそれを咥えていた赤銅色の大陰唇が捲れ上がり、ゆっくりと原型に戻っていく。
男が、女の尻から降り、身を離す。
掲げたそれを、崩れる様にベッドに落しながら両腿を開いたまま無言で腹這っていく女。
「オイオイ、ケツは上げとけヨ」
女の前で、男根を口に含ませているもう一人がその両手を伸ばし、中腰でその括(くび)れた腰をわし掴んで持ち上げる。
「カメラに、よーく観てもらえヨ、アンタのザーメンだらけのオマンコをヨ」
女の尻が再び持ち上がっていく。赤い覆面の男は、続ける。
「デカイケツ、上げたままで、俺のチンポを、しゃぶりナ」
女は肘を付き、その両腿を開いたままでその姿勢を強引に保たされた。
「よーし、そンでいい。どーだ、そっちはオマンコ、見えるか」
女の頭部を再び握り締め、赤い覆面が腰を前後に揺らす。
「もっと、吸え、唇も使え、お前、三十三なんだろ、テク在ンだろーがヨ」
女の表情は見えない。
セミロングの髪がその肩迄に掛り、前後に揺れながら女の横顔を隠している。口を塞がれた女の荒い息が、その鼻から喘ぐ様に洩れている。時折短く呻く。男根がその唇に吸われ、密着して戻る独特な音が部屋に響き始めた。

「よく見えねーナ、おいビョウ、オマンコ広げてこいヨ、このカメラじゃよく映ンねえンだ」


【カメラ・・・??!!男は二人じゃないのか!!!】

今、雄一の目前で犯されている全裸の女。
その顔を見る迄も無い。それは、妻の五月だった。
何時の間にこうなったのかは、判らない。
只、五月が合意の基で行われている行為でない事は、一目瞭然だ。
妻は、間違い無く「複数の男達」に陵辱されている。
当然ながら初めて垣間見るその光景は、余りにも衝撃的で在った。
妻は愚か、他人のセックスでさえ目前で繰り広げられる事など皆無だろう。
増してやそれは妻であり、相手は見ず知らずの男達で在った。
雄一の胸中は、嘗(かつ)て経験した覚えの無い、強烈な憤怒、そして嫉妬に覆い尽くされていた。
  1. 2014/07/10(木) 00:30:35|
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月満ちて、堕ちる刻  第七話「挑戦的な、愛撫」

「後でもう一回犯らせてくれンだろ?スゲエ締まるンだって、コイツのオマンコヨ・・・暖かくてヨ、溶けたチーズに突っ込んだみてーなンだヨ、俺がイク時ビクッ、ビクッて動いたしヨ、感じてンゼ、ゼッテー」

余程昂奮しているのか、早口に奮えながら黒い覆面の男が言う。
そして這ったままでもう一人の男を咥える五月の尻の前にしゃがみ込んだ。
「ウルセエぞ、ビョウ!ゴタゴタ喋ンじゃねーぞ、テメーはヨ」
隙間の開いたドアからは見えないもう一人の男が言う。
「ヘイヘイ、敵(かな)わねーナ、やくざの息子にはヨ」
「テメー、何か言ったかヨ」
若い声が返す。しかしそれは、若いそれには決して無い、独自の威圧感に溢れていた。
「ナオ、未だ持つか?」
その声が、五月の前で中腰になり男根を咥えさせる赤い覆面に告げられる。
「ちょっとヤベーナ、この女、ホントは巧えーンじゃネエ?」
五月は無言で、ゆっくりとその顔を上下させている。
しかし、その動作に抑揚は感じられない。
只命じられた行為を実行しているだけに思えた。
「よしビョウ、左手で女のオマンコ広げナ。そのアップの後でナオに突っ込ませるからヨ」
ビョウと呼ばれた男が、ベッドの端にしゃがみ込む。
五月の足元でその左手を伸ばし、掲げた尻の中心に在る性器を広げる。親指と人差し指が「OK」の型に似たものと成った。そしてそれを両腿の付け根に押しつけ、五月を広げさせていく。

五月の夫は凝視した。
黒い覆面の男が、五月を広げていく。
大陰唇が左右に裂く様に広げられた。野太い指の行為でそれは薄く伸び、口内の粘膜の如く血管を透けさせた。
更には奥に隠れていた小陰唇までもが剥き出され、臼桃色の膣口が
喉奥を晒した様に捲れ出した。其処からは先程吐き出された精液が溢れ、ゆっくりと外部へ滴っている。
それは粘い毒液を必死で吐き出そうとする、五月の肉体の意思の様に思えた。

河邑五月は、堅く眼を閉じていた。
未だ、一人しか済んではいない。後、二人もいる。
口内では、もう一人の少年の男根が膨れ上がって暴れていた。
先程の少年の男根はそう大きく無かった。触らなくとも、分かる。
女性としての哀しい構造だった。
犯されている際も、只、鈍痛と屈辱感だけが在った。
そして何より、快感を掘り起こされる程の時間では無かった。
だが。

「もうもたねえヨ、いれるゼ」
口元から、長い男根が引き抜かれる。熱い息が、五月の口元から出た。それには自分自身、嫌悪しそうな響きを伴っていた。
仰向けに転がされた。乳房を痛い程握り締められる。
寄せ集める様に揉まれ、頂点に在る乳首を舌で転がされる。
餓えたケモノが、上質の肉塊を投げ与えられた如く、少年は唸り声さえ発しながら行為に没頭している。
口での長い行為が、火を付けている。我慢の限界という気配が在る。
「旦那とは、週に何回、オマンコ、してんだヨ」
臍に舌を入れながらの、問いだった。
五月は黙したまま、堅く眼を閉じて堪えた。
「言えヨ、言わなきゃ、ケツの穴、犯すゾ」
「・・・・・・・・・に、か、い位、で、す」
ナオと言う少年にしか聞こえない声で、五月は呟いた。
「さっき、バックで、犯られてヨ、感じたのか、え」
五月は首を振った。本心だった。感じてはいない。
「ダンナは、どんな、体位で、オメーを、抱くンだ」
五月は仰け反った。指が入れられた。簡単に二本を埋め込まれた。
残っている精液が、潤滑油の役割を果たしている。
「言えヨ、淫乱女、こんなに濡らしやがってヨ」
首を振る。そうでは無い。自分が感じているのでは無い。
二本の指が激しく中で前後し、親指がその上部の陰核を軽く撫で回す。何度も同じ問いを耳元で囁かれる。
五月は幾度と無く、唇を割りそうになる声を必死で堪えた。
犯される直前に抱いた「技量への懸念」が的中していた。
少年は、五月の反応をある種冷静に見ている。
その顔を覗き込み、時には狡猾な笑みさえ浮かべた。
自分の顔が紅潮し、熱を持っているのが自覚出来た。
このままでは、屈服してしまう。
長い指は的確に狙いを定め、五月を弄び嬲り続ける。
広げられた部分は、耳を覆いたくなる音を発して撓(たわ)み続ける。五月の意思と反比例して、受け入れる態勢を整えている。
その両手を、少年の肩に回したい衝動を、震えながら堪えた。
迷う手が、シーツを握り締める。
少年が、その両手首を掴み、上へと引き上げた。
五月の両手が万歳の形に押さえ込まれる。少年は器用に自分の両腿で、五月の両脚を左右に割る。
熱く反り返った男根の先端が、五月の開いた亀裂を撫で回している。歯を食い縛った。喉元がその行為に反応するかの様に、上下した。

「ウメエナ、ナオは」
「クッソー、俺が道開いてやったンだっつーノ・・・」

「前、と・・・・・う、しろ、で、すッ・・・」
泣くような声が、自身の口を割った。少年は執拗に陰核をその亀頭で責める。擦り付け、軽く叩き付ける。
やがて、少年は五月の両足を抱え上げて裂く様に広げた。
「オメーは、どっちが、感じるヨ、五月」
五月は今は自由になった左手を伸ばし、自身の口を甲で塞いだ。
甘い声が、出ている。信じられない思いだった。
少年は、膣の入り口を大きい亀頭で突付き、抜いては充血し切った陰核をそれで叩く。五月はその度に短い悲鳴を放った。
「前、か、ら、で、すッ」
悲鳴交じりの声が出た。
「じゃあ、マズは、前ナ」
少年が五月を折り畳んだ。
恐ろしい程長い男根が、一気に押し込まれていく。
五月は堅く頭を擡げた乳首を震わせ、その口を大きく開けた。
反り返った男根は、十分に潤った五月の内壁を抉る様に進入し、更なる奥へとその全体を誇示するかの如く、突き進んでくる。
子宮内に迄届きそうなそれは、五月の裸体を硬直させ、全ての理知を、想いを放棄させていく。
「さあ、泣けヨ、オマンコ女」
五月はその少年を声を追い払う様に、左右に首を振りながら嗚咽を放った。
  1. 2014/07/10(木) 00:31:29|
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月満ちて、堕ちる刻  第八話 「殲滅される、心」

河邑雄一は、寝室の扉の前で跪(ひざまず)いていた。
その両目は瞬きさえ惜しむ程、見開いたままだった。
ドアの隙間、十センチ程から覗く光景は、凄まじいものであった。

妻の嗚咽が止まない。その体格、声からも未青年ではないかと判断出来る男は、妻の両脚をその肩に担ぎ上げ、ゆっくりと突き上げている。
褐色の引き締まった尻が前後に踊り、妻の両脚が応じて揺れ動く。
広げ切った真っ白い脹脛(ふくらはぎ)に力を込めているのが分かる。若い男に押し潰される様に、妻の左右に広がった尻の中心に、その赤銅色の裂け目に、野太い男根が突き刺さっている。
長いストロークで、出し入れされる。その度に裂け目からは白乳色の体液が、先程吐き出された男の精と入り混じって滴り落ちる。

妻は、五月は明らかに感じていた。
突如、この光景に出くわした時、雄一は五月が「陵辱」を受けている事を直感した。
脱兎の如く、飛び込むつもりだった。
夫も、義父義母も不在の中、妻の五月は暴漢達にその爛熟した裸体を剥き出しにされ、抵抗も出来ずに犯されていたのだ。
命を賭して、助ける覚悟だった。たとえ暴漢が何人居ようとも。夫として、そして愛する女の為に。

だが雄一は、飛び込めなかった。
憤怒は在る。目前で、五月を犯している男に殺意さえ感じる。

五月の裸体が、揺れている。先程より男の動きは速くなっていた。
「何処に、入ってンだ、俺の、チンポは、ヨ」
五月は答える代わりに、甲高い悲鳴を放つ。尻から腿にかけての表面が細かく波打ち、男の動きに連動する。妻の声は断続的に響いている。夫の雄一との行為では、滅多に聞かれない響きを持っていた。

怒り、憎しみ、そしてその何倍も大きな感情が、今の雄一を凝視し続けるだけの存在に踏み留めさせている。
余りにも強烈な寝室の光景に、暫くはその「最も強大で、抜き差しならぬ痛み」として、胸中を激しく絞め付ける感情の意味に気付かなかった。

「女、横向けろヨ、ナオ、ケツから犯ってくれ」
端でカメラを構えているのだろう。三人目の男が言う。
妻から、男が離れる。長い男根が膣からずるり、と抜ける。
白い裸体が転がされ、横向きにされる。その豊かな尻を抱え上げられ、五月はベッドに肘付く。
「バックも好きなんだろ?オマンコ女の五月はヨ」
五月は垂らせた首を振って拒絶する。余りにも弱い抵抗だった。
赤い覆面が、笑っている様に見える。反り返った男根を握り、狙いを定める。
「ンフ!」
五月がその顔を跳ね上げる。男根が掲げた亀裂に押し込まれていく。きいいい、とも、ひいいい、とも取れる金切り声が五月の食い縛った唇から洩れた。
「ほら、ヨッ」
男が五月の尻に腰を押し付け、打ち込む様に一突きした。ドチッ、という音を発して尻が跳ねる。
「あはッ!」
裂ける程その口を開き、五月は叫んだ。
男が中腰になり、本格的な動きを始める。
「チンポは、どこだ、何処に、入ってる」
「アッ、アッ、あはッ、ああッ!!」
五月の叫びが、雄一の耳を打ってくる。泣き声交じりの鋭い悲鳴だった。シーツを掴む白い手は、それを引き千切らんばかりの力が篭っている。打ち込まれる度に、掲げた尻から背中に掛けての肉が、上へ上へと波打って揺れ動く。
「オラ、オマンコだろ、そーなンだろ、五月」
五月の悲鳴が一層高くなる。
男はその言葉を連呼する。その発するタイミングと腰の動きが連動する。執拗に繰り返す。
寝室には、男の下腹部が五月の尻を打ち叩く打音と、甲高い悲鳴だけが響いている。
そして、妻が嗚咽交じりに、その言葉を言わされた。
「聞こえ、ねえヨ、はっきり、言え」
「お、まん、こッ、で、すッ」
五月は涙を流さず、声だけで泣きながら答えた。答えながら激しく首を振りたくった。言わされてしまった自責の念を表していた。
それを聞いた男が、堪らなくなったのか激しく腰を揺さぶった。
妻の嗚咽がそれに重なる。
男の身体が硬直する。五月は上半身を崩す様にベッドに埋めていった。
数秒間。
寝室に静寂が訪れる。
そして。

五月の腹這った上半身が、ゆっくりと起き上がる。背後の男が後ろから両手を回し、抱きかかえたのだった。
「まだまだ、これからだヨ・・・・人妻さんヨ」
五月の上半身が起きあがったまま、正面を向く。股間には、男の男根が貫いたままだ。
「俺ら、十七だゼ?抜かずの、なんて当たりメーなンだヨ」
「あ・・・・おうッ・・・」
五月の低い呻きと共に、その両腿が男の両手で掴まれ、左右に広げられる。男は上半身を倒し、五月を正面に向けたまま更に自身の両足もベッドに広げていく。
五月は男に背を向ける様に跨り、その両足を思いきり広げ切った体制を取らされた。
「・・・お、ねが、い・・・もう、許し」
五月は、首を仰け反らせて言葉を詰まらせた。男が下から突き上げている。

嫉妬だ。
それも、名状し難い程、この身を焼き尽くす業火に包まれた痛みを感じる程の。
今まで気付き上げた全ての形が、音立てて崩れ落ちる程の。
妻の剥き出された性器に、男の男根が生き物の如く出し入れを繰り返している。白い喉元を見せて苦悶に喘ぐ妻の表情とは裏腹に、その下に在るもう一つの唇は歓喜に満ちた動きで、男根を呑んだり吐いたりしている。

雄一は多分、もう一歩も動けない自分を確信した。
  1. 2014/07/10(木) 00:32:31|
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月満ちて、堕ちる刻  第九話 「女という、生き物」」

天井を見上げている。
その景色は何時も「夫との営み」で時に見上げる景色だった。
部屋の壁と同色の、真白い板が縦に走っている。
その光景が揺れる。上下に。
五月は仰け反って喘いだ。半開きの唇からは独特の響きを湛えた声が、寝室に響いている。
夫とのセックスでは普段、声は余り出さない筈だった。感じてはいた。だが、羞恥心がそれを拒む。夫はその事が多少不満なのだろう、五月に悲鳴を上げさそうと「今、何処に入っている」と聞かれた事も在った。
言わされ、喘いだ記憶が在る。
夫だからこそ、従った思いだった。そう思っていた。

「もう、二発分、入ってるゼ、五月の、オマンコに、ヨ」
少年の上に跨り、その両脚はM字型に大きく開いている。
少年が五月の両膝を掴み、引き広げていた。
自身の足の裏が、少年の腿に乗せられている。

「どうヨ、三十三歳、未成年に、犯られて、感じるンかヨ」
貫きながら、少年が耳元で囁く。
ベッドの直ぐ側で、凝視する黒い覆面。喋る事も無く、只一点を食い入る様に見つめているのか。鼻息が異常に荒い。
カメラは未だ、その全てを余す所無く取り込み続ける。三人目に成るだろう、その撮影者も無言だった。
五月は首を振り、喘ぎ続けた。自身の股間で響く、男根を呑む音が堪えられない程、卑猥に、そして大きく響いている。
羞恥は、堪えず在る。この音にも、少年の言葉にも、今の体位にも。
だが、反応していた。十分に感じていた。ナオという名の少年。十七歳の性戯は凄まじかった。変則な体位ながら、反り返った男根は易々と五月を奥まで貫いている。槍に似た亀頭が、陰核を擦り上げ、恥丘の内部を抉る勢いで何度も往復する。
その度に、反る様にして自身の上半身を支えた腕が、少年の脇でブルブルと震える。乳首は泣きたい程に堅く尖っている。全身が貫かれている思いだった。前後、上下に巧みに振られる。
五月は、その度に甲高い悲鳴を放った。
少年は未だ卑猥極まりない言葉を、五月に投げ付ける。
五月はやがて服従した。
その言葉を言わされた。
もっと、私の嫌らしいオマンコを突いて下さいと、悲鳴交じりに叫ぶ。言わされると、更に高い悲鳴が五月の口を割った。
もう何処まで堕ちるのか、自身でも判断出来なかった。
自分の物とは思えない声が、言葉が、唇を支配し続けている。

「ダメだヨ、もう一回やりてえヨ」
その行為を真下で仰ぐ様に凝視していたビョウが言う。
「なら、口だナ、オマンコはもうザーメンでズルズルだからヨ」
マコトが答える。カメラを平然と構え撮影を続ける。
この少年だけは、冷静さを欠いていない様だった。悶え喘ぐ五月の裸体を、ガラスの様に冷たい眼に写しながら低い声で言った。

ビョウは揺れ動く五月の前に立った。
「早く跨げヨ、もう直ぐイクぞ」
下から突き上げながらナオが言う。
ビョウが五月の上半身を跨いで、中腰に成る。
五月が真っ白い喉元を見せながら、その顔を左右に振る。
振りながら嗚咽を放った。ナオが突き上げている。

ビョウは真下に在る、五月の顔を凝視した。
清楚で美しいその顔は、泣き出しそうに歪み唇を噛み締めている。
堅く眼を閉じたまま天を仰いで喘ぐその顔を両手で挟み込む。
「あ、アアッ・・・」
その顎を抉じ開けた。白い歯が見える。高い鼻筋が通っている。耳元が抜ける程白い。決して染めてはいない光沢の在る髪が指に絡みつく。親指でその頬を撫でながら、その怒張した男根を咥えさせた。
「アオ!オウンン・・・」
「舌、使え、オマンコ女!」
ナオの口調を真似た。躊躇いがちな動作で、柔らかい舌が少しずつ絡んでくる。ビョウは女の様な声を洩らした。
「ウフ、ンフッ、ウンッ!ウン!ンッ!」
ナオがその下から激しく突き上げてくる。
その度に口を塞がれた五月の喘ぐ声が、早くも限界に近い男根を震えさせる。熱く洩れる息が、ビョウの下腹部を撫でる。
ビョウはアアアアッ、と喚きながらその男根を引き抜いた。
五月の顔を挟み、その頬に男根を押し付ける。
猛烈な勢いで、その先端から濁った白乳色の精液が迸(ほとばし)った。
五月は仰け反ったままで、それを顔面で受け止める。その部分は髪から左の頬迄を汚し、飛沫して付着した。
「もう、いいかナ俺、マコト」
苦しげにナオが喘いだ。
「いけヨ、中出しだ、ビョウ、どけヨ」
ビョウが慌てて飛び退く。ベッドがユラッと大きく弾む。
「中に、だすゼ、オマンコ女、嬉しいかヨ」
五月は答えなかった。食い縛った歯の隙間から低く高い呻き声が洩れていく。
激しく突き動かされる。又、食い縛った筈の唇が大きく開いた。
又、絶頂に追い遣られる。
身体全部が反応している。膣が慌しく衝動を繰り返し始めていた。
子宮が収縮しては伸びている。乳首が歓喜に延び切って震える。
「アッ、ああッ、あはッ!あはあッ!」
狂った様に首を前後左右に振りたくった。
近所にも響きそうな声が、自身から放たれていく。
被虐の快感に打ちのめされていた。
犯され、そして死ぬ思いで反応している。貪欲に、性器は少年を貪って喘いでいる。
女とは何かと、一瞬だけ思った。
人の妻と成り、幸せに暮らすその奥底に在る、恐ろしい妄執が自分にも存在したのかと、驚愕した。
ナオが一刻一刻、刻む様に腰を打ち付けた。
子宮に熱い流動体が注がれるのを感じながら、五月は絶叫した。
  1. 2014/07/10(木) 00:33:28|
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月満ちて、堕ちる刻 第拾話 「堕ちた月の、行方は」

「いい女じゃないスか、これならイケますよ」
細面の顔に似合わない、大きな黒縁の眼鏡を掛けた男がいう。
「だろ?俺もそう思ってヨ、態々(わざわざ)お前を呼んだ訳ヨ」

十畳程の事務所。
数人の男等が、29インチのテレビに映される画面を食い入る様に凝視している。
そのモニターには、三十前後に見える女が、赤い覆面を被った男にその豊かな尻を抱えられ、突き上げられている場面が映っている。
真横からのアングルだった。
ベッドに付いた片手を後ろに引き上げられ、その表情が隠す事が出来ずにいる。手綱の如くその腕を引かれて、呻き喘いでいた。
豊満な乳房が突かれる度、ブルブルと前後に揺れ踊っている。

「で、どうだ・・・何本位イクと思う」
事務所を見渡す様に置かれたデスク。その革張りの椅子に腰掛けた男が、眼鏡の男に言う。
「そーですね、50セット・・・つまり五千本はイクンじゃないスかね、この女だと」
「いい尻してましたよ・・・・・美人ですしね」
立ったまま、そのやり取りを聞いていた中年の男がその口を挟む。
男は、この事務所に似合わない風貌を持っている。どう見ても草臥(くたび)れたサラリーマンにしか見えない。
「なら、上代二万で一本(一億)か、こりゃあ凄えな」
「ネットで流します。マニアが飛びつきますよ、三十三歳の美人妻、高校生に生出しレイプ、顔出しって謳い文句で」

<何処に、入ってンだ、言えヨ、五月>
<オ、マンコ、ですッ>
女が泣く様な声で言っている。尻から腿にかけての肉が波打って揺れている。その尻を打つ男の責めに、肉の打音が激しく響く。
女は嗚咽を放ちながら、その首を振りたくっている。

「いいなあ、この女・・・俺でも興奮しますね・・・雰囲気在るし・・乳も尻も堪ンない肉付きだな・・・サツキって言う名前なんスね」
摺り落ちそうな眼鏡を人差し指で上げ、男が呟く。
「五月生まれなんだってヨ、だからサツキだと、なあマコト」
「・・・・・・・ああ。だとヨ、サテンで言ってた」
眼鏡の男の横で、長い脚を組んで座っているマコトが返す。
「いないンスよねえ、最近の人妻でこういう古風って言うか、淑やかさを持った、それでいて熟れた女が・・・いやあ、いいなあ」

<あ、オウッ・・・オ、オ、オ・・>

五月が低く呻く。
画面の女は一度放出され、そのまま男に跨がされていた。その両脚が画面に向かって左右に引き広げられていく。
幾重にも脂の乗った裏腿の付け根に、赤銅色に裂けた性器が剥き出す。野太い男根が、その亀裂に反り返って突き刺さっている。
下の男が突き上げ始めた。五月が喉元をこちらに見せ付ける様にして仰け反った。


「綺麗なオマンコしてるヨなあ、この五月って女ヨ」
椅子に反り返った姿勢で、男は煙草に火を灯す。
「尻も最高です。ショーツが食い込んで、半分位、尻の肉が食み出してるんです、スカートの中で」
歯切れの悪い響きで、中年男は笑いながら言う。前歯が足りない。
「ウルセエ、覗きヤロウ、ウザいンだテメーはヨ」
マコトが、噛み付く様に言った。
「今度は奥歯、折ってやろーか?」
「マコト」
椅子の男が制す。
「何時も楡がその役買って出るから、オメーらが女犯れンだろ」
楡と呼ばれた男は、黙している。上目遣いにマコトを見ている。
粘着質を持った目線だった。
「覗きヤロウがヨ、俺にも犯させろなんてホザクからヨ」
「おお、二本目は口ですね」
聞いてもいない口調で、眼鏡の男が言う。
いきり立った男根を咥えさせた黒い覆面の男は、アアッと叫んで放出する。五月の顔に精液が飛び散った。白い顔が歪められる。
「早えー・・・もう出したンすか・・相変わらずビョウクンは・・・で、マコトクンは」
「ア?」
マコトが例の口調を発する。
「この次かな、お得意の駅弁ファック」
ビデオカメラを手に取り、早回しのボタンに手を掛ける眼鏡の男。
白い裸体がノイズの中で乱舞し、場面が変わる。
「登場、か」

画面が元のスピードに戻る。
その中央で五月が立たされ、床に両手を突いてその裸体を支えている。長身の浅黒い体が五月の腰元を鷲掴んでいる。
逆さまの背中の中央、背骨が苦しげに浮き出している。垂れ下がった五月の髪が、支える両腕の狭間で振り子の如く前後に踊っていた。

「あれ?立ちバック、嫌いじゃなかったっけ、マコトクン」
「・・・・・」
五月は甲高い悲鳴を放ち続けている。剥き出した項が透ける様に白い。
その長身故、胸部から上が画面を超えて切れている。
引き締まった腹部が、盛り上がった尻を打ち叩いている。尾骨がその形を剥き出す様に見せている。マコトの責めに、五月の尻肉が飛び散らん程の勢いで波打って弾んで揺れ動く。
赤い覆面より一回り大きな男根が、掲げられた尻を裏から刺し貫いていた。

「顔が見えなきゃ、ノレないって言ってたよね、この前」
「女に依るンだヨ」
珍しく感情の入った響きで、マコトは言った。
苛立った感を含んでいる。

五月が叫んでいる。苦悶とも歓喜とも取れる悲鳴だった。
「アイツに似てるからじゃネエのか、マコト」
煙草を揉み消した男が言う。
「顔を見ながらは、出来なかったンじゃねえのか」
「黙れヨ、瘤チンヤロウ・・・・」
マコトは言うなり、席を立った。其処に留まるのが我慢成らない雰囲気だった。
「マコト」
男が声を掛ける。
「なあ、この女、何処に住んでる?教えろヨ」
「・・・・ビデオで犯った女は深追いすんな・・アンタの口癖じゃなかったっけ」
背中を向けたまま、マコトが言う。
「足ツイたら、ヤバい・・・だから一度だけにしろ・・だったヨな」
部屋の空気が凍る。
誰も喋らなかった。男にそんな口調で返せるのも、マコトを覗いて誰もいる筈が無い。
「・・・・教えろ」
男が言う。
静かに、そして強い口調だった。
「知らネエな、忘れちまったヨ」
長身の背中が開いたドアに消えた。

「楡」
「・・・・・はい」
歯の無い、口元が開く。
「知ってるナ、お前さんは」
二本目の煙草に火を付ける。
「ええ、知ってますよ沼田さん」
楡が笑みを浮かべる。
「この女は前から私が眼を付けていたんです。住所、氏名、電話番号、家族構成、亭主の」

楡は喋り続ける。
沼田と眼鏡の男は呆気に取られていた。
どうしてこんな男がやくざなのか、眼鏡の男はどうしても理解出来なかった。
寒気がした。それは今まで感じた事の無い、無性に嫌なものだった。
  1. 2014/07/10(木) 00:34:32|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾壱話 「見えない、絆」

河邑雄一は、夜目にも白い双の乳房を凝視していた。
それを掴む。荒々しく揉みしだく。両手の指の狭間から、軟い乳の肉が溢れていく。

あの悪夢の陵辱を目撃した日から丁度一週間が過ぎていた。
結局最後迄、愛する妻を助ける事は無かった。
寧ろ強暴な嫉妬の塊と成り、陵辱を受ける白い裸体を只凝視し続けたのだった。
男達は雄一に気付く事は無かった。三人が順に犯し、その狂態をビデオに収め続けた。

【助けるべきでは無かったのか・・・夫として、主として】

思わず、強く握り締める。乳輪がその周囲を伸ばす様に浮き上がってくる。妻は黙したままその白い首筋を露にした。
強い欲望が在った。結婚して三年。週に二度は妻を抱いていた。従順な妻は何時も応じていた。今までは。

そして今日まで、雄一は堪えた。
恐ろしい程の、妻の肉体に対する欲望。いや、怒りに近い嫉妬。
そして相反してあの陵辱を受けた五月を抱く事に、自責の念が雄一を苦しめた。
そして何よりも、妻が拒否するのではという恐怖が在った。
しかし妻は、求めると黙ってその身体を開いた。
そして、冷静に見ても妻は普段と何ら変わらない態度で、雄一と接していた。

【何を考えている・・五月・・・苦しくは、辛くは無いのか・・・】

そんな筈は無かった。
夫に尽す妻だった。家事もそつ無く、義父義母にも波風立てる事無く柔らかい物腰で接する、素晴らしい妻で在った。その淑やかな性格故、妻自身の苦しみは計り知れないものが在る筈だった。
増してや、あれ程迄に、肉体が反応し続けたのだ。感じているなどとは、決して口には出さない妻だった。しかし、夫である自分には刺すような痛みで、その反応が確認出来た。
だからこそ、犯され辱められて尚感じた自分を、五月はきっと恥じ悔やんでいるに相違無かった。
最後の男に立ったまま背後から貫かれ、妻は泣き喚いていた。許しを乞い、叫びながら、何度も絶頂に追い遣られていた。
夫である自分には、決して見せなかった妻の激しい反応だった。
その狂態が、今もケロイド状の焼け跡の如く、脳裏に焼き付いている。決して消える事は無い。一生斯かろうとも。

激しい嫉妬が沸いた。
妻の上半身を引き起こし、怒張した男根を咥えさせる。
妻は従った。何時もの様に黙して奉仕を始める。肌蹴(はだけ)たパジャマから形の良い乳房が覗いている。雄一は妻の髪を掴むと右側に押し分け、その奉仕する表情を覗き込んだ。
きめ細やかな白い頬が、窄まり頬張っては膨らむ。
強暴な想いが、雄一の両手を動かす。
「ン、・・・ン、・・・・」
その頭を振られ、息だけで小さく妻が喘いでいる。暖かく柔軟な舌が男根を優しく絡め取っている。

【どうだったんだ・・感じたんだろ・・五月・・】

喉迄出そうになる言葉を幾度も飲み込んだ。
勝手だと、雄一は自身を想った。今や妻を犯した男達よりも、犯され喘ぎ、悶えた五月に対して責める気持ちが自身を支配しつつ在る。男達はビデオを取り終えた後、その覆面を外した。派手な風貌のそれらはどう見ても十代にしか見えなかった。

口での奉仕を続けさせたまま、妻の穿いているパジャマを取り去る。しっとりと軟い太腿の感触が、男根を更に怒らせる。
その揃えた両腿の狭間に、半ば強引に左手を割り込ませた。
妻が咥えた口元を微かに歪ませる。

若者が出ていく際、雄一はその身を隣の客間へと潜めた。
助けたかった。それは本心だ。しかし、あの陵辱を目撃された事を、この妻が気付いたのなら、それは夫婦の破滅へと限りなく近づいてしまう事は明白だった。
妻は夫の前で乱れた事実に、自身を苛み続け、決してこのままの生活に甘んじようとはしないだろう。
たとえ、夫が許そうとも。

穿いているショーツを引き降ろし、股間に手を伸ばす。其処は愕く程に潤っていた。あの日の陵辱は、妻にとって何を想わせるのか。
妻は犯された。ビデオにも撮られている。このまま、一度だけでの陵辱では済まないだろう。男達は自宅さえ知っている。

激しい苦悶と、快感が雄一の股間に渦巻く。
妻から身を離し、その身体をベッドに倒した。男達に辱められた場所。妻が悲鳴を放ち、被虐に快感に嗚咽を放った場所。
雄一はその両脚をゆっくりと抱え上げた。
柔軟な白い下半身は、剥き出されて広がった。左の腿に、丸まったショーツが絡まっている。

【次に犯しに来たなら、もう助けるしかない】

どの道、破滅が近いのか。
あれだけ愛し合い、大切に想っていた絆とは何だったのか。
脆いからこそ、愛しいのか。ならば強い愛とは何なのか。

亀頭部分を、妻の膣口へと埋め込む。
妻が、ああ、と小さく洩らした。
体重を掛け、妻を折り畳んでいく。妻は上半身を反らせて雄一を呑み込んだ。その中は泣きたくなる程、暖かかった。
肉襞が男根を包み、ある程度の圧力を持って締め付けてくる。
重ねた肌の部分が、妻の女としての肌を、肉感を、そして感触を震える程に感じている。
男達が放った精液は、只、この凝脂の肌を滑り落ちただけに思えた。どんな事をされようと、この真っ白い肌だけは、汚す事は出来ないのだと感じた。
何物にも変え難い、妻の全てが今、胸中に在る事に雄一は気付いた。

【俺が悪かった・・もう離しはしない・・・どんな事があろうとも】

絆など、見えなくていい。
互いに同じ苗字を名乗り、籍を入れるだけの行為だけが夫婦と呼称する証などでは無い筈だ。
犯された事は、時間が解決してくれる。決して口には出さない。
そして、若し次が在るなら命を賭して守る。
妻を責めてはいけない。黙して堪えるその胸中を、察して余りあるなら、自分が堪えなければならない。

雄一は、そう自分に言い聞かせた。
勝手な理屈かも知れない。
だが、今はそれを否定するだけの余裕が無い。
このままでは妻共々、男達に、そして止めど無く膨張していく嫉妬に押し潰されるのを待つだけだ。

何もしない事が、する事の数倍も苦しいものである事を知った。
妻が小さく喘ぎ続けている。
そして強烈な快感が、雄一の男根を占領した。
  1. 2014/07/10(木) 00:35:24|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾弐話 「新たなる、屈辱」

河邑五月は、寝室に在る姿見の前にその両膝を付き座っていた。
午前十時過ぎの暖かい日差しが、窓越しに差込んでくる。
鏡を見ながら、そのセミロングの髪を両手で束ね上げ、一括りにして結い上げる。その動作に五月の上半身がグッと反り、踵に乗せていた重たげな尻が持ち上がる。ブルーの綿ブラウスの胸元が乳房に突き上げられて、誇示する様に盛り上がった。
そして、五月は自身の顔を凝視した。

蒼白な顔をしていた。今から外出する女の華やかさは、其処には無い。口角が微妙に歪み窪んでいる。自然さを振舞おうとも、真一文字に閉ざした唇は今にも震えだしそうだった。
ネクタイを巻く。身に纏う紺色のスーツに合わせて買った、女性用の短いネクタイ。渋い地模様は夫の趣味だった。
正装に近い格好で出かけなければならない。家の者には中学時の同窓会と嘘をついた。
他にどんな言い訳が在るというのか。

腰迄の丈の、ショートジャケットに手を伸ばす。ゆっくりと羽織って五月は立ち上がった。
もう一度、五月は鏡の前で自身の全身を見た。
誰が見ても仕事か、相応の会合に出かける様にしか見えないだろう。
目に留まるとすれば、ストッキングを穿いていない事か。
そして。

バッグの中で携帯電話が鳴る。聞こえるか聞こえないかの、最小の音量だった。五月が調整したのだった。義父義母に聞かれてはならない。
慣れない手つきで携帯を通話ボタンを押す。それは自分の所有物では無かった。
「・・・はい」
妙に低い声が出た。自分の声とは思えない。
<着替えたか>
男の声がした。聞いた事も無い、中年の男の声だ。
「はい」
<手紙に書いてあった通りの格好だろうな>
「・・・はい」
受ける手元が汗ばむ。このまま携帯を床に投げ捨てたい心境だった。

<はい、では分からんな。丁重に質問に答えろ>
「言われた通り・・」
<言われた?ご命令と言え>
男の声も微かに震えている。それは昂奮の余りそうなっている響きが在った。
「ご命令、通り・・・タイト、でスーツに致しました」
五月は目を閉じて言った。
<パンストは>
「穿いて、おりません」
<よし、出かけろ>
男の声は続く。
<今からこの携帯は繋いだままにしておけ。同封してあったイヤホンマイクを差して、耳で聞いておけ。絶対に外すな・・・わかったな>
「はい・・・・わかりました」
五月はバッグから黒いイヤホンマイクを取り出し、携帯電話のジャックに差し込んだ。そしてイヤホンの部分を左の耳に押し込む。
<何か喋ってみろ>
男の声が、イヤホンを通じて鮮明に鼓膜を振動させた。その独特な口調に鳥肌が立ちそうだった。
「何を、言えば、よいのですか」
五月は喉に何か詰まった様に、その声を詰まらせた。早く会話を終わらせたい。夫の両親が気付く恐れが在った。
<よし。鮮明に聞こえるな・・・・表に出ろ>
「・・・・・はい、わかりました」
消え入りそうな低い声で、返した。


玄関のドアを閉め、駅に向かって歩く。
誰にも会わない事を願った。後での言い訳が複雑になってしまう。
<相変わらず、いい尻をしているな>
不意に耳元で男の声が響く。五月は振り返った。
午前中とは言え、駅前には多数の人々がいた。子供を連れた主婦。初老の男。学生風の青年。中年の男も多数いた。
「何処かで、見て、いるのですか」
思わず、聞いた。真横を通る中年の主婦らしき女が、眉を潜めて通り過ぎる。
男は息だけで笑った。五月の両の二の腕に、鳥肌が噴き出す。
<もう、何も言うな。お前はどうせ逆らえない。命令通りにするだけでいい・・・分かったら一度だけ、返事をしろ>

五月は答えなかった。駅に登る階段の前で立ち尽くしていた。
膝が細かく振動している。どうにかすればこの場に倒れてしまいそうに、身体が傾いでいる。見えない声の主に、身体中が底知れぬ恐怖を感じていた。その嫌悪感に、皮膚が、肉体が、悲鳴を上げていた。
<・・・・へ、ん、じ、をしろ>
一刻一刻、刻んで男は言った。怒気を含んでいる。
「は、い、わか、りました」
五月は真一文字の唇を更に歪め、返事をした。
階段に向けて歩き出す。

<ちょっと待て>
五月の脚が固まった。その脇をサラリーマン風の男が、先程の主婦と同じ表情をして通り過ぎる。
<スカートの丈が長いな・・・>
長くは無い。
宅急便で届いた荷物に梱包されていた携帯電話と、一枚の手紙。いや命令文か。それにはミニのタイトスーツで出かける様指示が成されていた。五月は言われた通り、一番丈の短いタイトを選んでいた。
両の膝が完全に露出している。膝上の半分程が剥き出していた。
<其処で今から三つ程、ウエストの部分を折り曲げろ>

五月は俯いた。そしてその両目は地面を凝視するかの様に大きく見開いていた。
そんな事をすれば裾が後十センチ程も擦り上がってしまう。増してや五月は素足だった。剥き出しの太腿がその付け根に近い所迄を、晒す事になる。その姿で階段を上がる行為など、出来る筈が無い。
両の握り締めた拳に力を込めた。
<亭主の職場・・・あのビデオを此処から郵送すれば、明日には間に合うな・・>
五月の身体が震えた。小刻みに。与えられた屈辱を飲み干す様に。


楡は五月の背後にいた。
その距離は七メートル程か。正確にはその距離感を保ったまま、斜めに、前後に、時には通り過ぎ、その位置関係を巧みに変えながら。
五月の両手が前に回った。クッ、クッ、と小刻みに紺色のタイトスカートの裾が上がっていく。二回折られた所でその行為は止まった。
楡は凝視した。
真っ白く張った両の裏腿が剥き出している。背後のスリットが擦り上がったせいで、尻の厚みに圧迫されその三角形に成った隙間を広げている。閉じた両腿の付け根が見え隠れしていた。
やや在って、五月はもう一折ベルト部分を折り曲げた。グッ、と裾が更に三センチ程上がる。裏腿の全体が完全に露出し、厚い尻たぶがタイトの裾を山形(やまなり)に変形させた。
静脈が透けそうな腿の付け根から、食み出した尻の下部の肉がその曲線を覗かせる。
黒い下着なのか、押し広がったスリット部分からはその生地さえ微かに見えた。

<いいぞ、かいだ、ん、を、昇って、いけ>
楡は息が苦しくなる程の高揚を感じていた。
五月は、ゆっくりとその脚で階段を昇り始めた。
楡は、気付かれない様に距離を保ちながらその後を追う。
後から階段を昇る人々は、五月のその姿を凝視していた。
急に急いでいた脚を止め、露骨に五月の背後に付こうとする中年もいた。
<ゆっくりと、歩け・・・大丈夫だ、ギリギリ、尻は見えないぞ」
呻く様に、楡は言った。
それは全くの出鱈目だった。
五月が脚を上げる度に、その裾は更に擦り上がり、その腿から尻にかけての部分を剥き出しにさせた。厚みの在る真っ白な尻が、昇り行く者の真上で左右に揺れ動いている。スリットからは、尻の割れ目に埋まる様に食い込んだ黒い下着が、その股間部分までを晒していた。

五月は階段を昇り切り、裾が更に上がっている事に気付いた。
その直後、叩く様な動作で両手を後ろに回して裾を引っ張った。
嘗(かつ)て経験した事の無い屈辱感が、全身を支配する。
泣きたかった。両手で顔を隠し、しゃがみ込んでしまいたかった。
前を向く事も出来ないまま歩く。
見慣れた駅が、そうで無くなっていた。羞恥の拷問を受けさせられる場所へと、その姿を変えていた。
項垂れたその肩を、突然掴まれる。五月はその人物が誰かも確認出来ないほど、狼狽していた。



「ええ・・・・大丈夫ですよ・・・今見つけました」
駅構内の男子便所。歯切れの悪い声は、其処から響いていた。
「はい、手は一切付けてません、よ、沼田さん」
男の声は時折上擦る。何かに耐え切れなくなった様に。
だが、歯の無い口調が電話の相手にそれを悟らせなかった。

洋式便器の備えられた個室。その一番奥側。
二人の男女がいた。
女は洋式便器の蓋の上に乗せられている。蓋越しに用を足す格好で便器に跨り、その両膝を立てさせられている。
便器の裏側には、下着一枚のみを穿いた中年の男が立っている。
黒いブリーフから怒張した男根を飛び出させ、女に咥えさせている。
女のブラウスが肌蹴、胸元が露になっている。ブラジャーは着けたままで擦り上がり、双方の乳房が剥き出している。
穿いていた小さなショーツも腿の部分迄捲くり上げられ、裏腿の中間で丸まって留まっている。
「ええ、勿論です・・・指一本触れてません」
個室を個室とする筈の、そのドアが開け放たれている。
その前には手洗い場が在った。張られた大きな鏡を、男は凝視している。
女の両の脹脛を、男は掴んでいる。上に持ち上げ、女の尻から股間部分を、鏡に曝け出させていた。女の白い下半身は、幼女が抱えられ小便をさせる格好に似た形を取らされている。
広がった裏腿の付け根から、女の性器が剥き出している。その亀裂の下部に在る、窄まった肛門迄もが鏡に余す事無く映っていた。
「ええ、仰る、とおり、の、いい女、です」
男はその顔を歪めた。絶頂が近い証だった。
鏡を凝視しながら、女の両膝を広げては閉じる動作を繰り返させる。
その度に、女の股間に裂けた大陰唇が、その亀裂を生き物の如く広げては、奥に生えた陰核を覗かせている。
女はその顔を左奥へと曲げ、その唇を窄め、膨らませる。硬く目を閉じたまま、全てを諦めた様に奉仕している。
だが、ネクタイで後ろ手に縛られた両手は、その苦悶を訴えるかの如く蠢き、悶え、苦しんでいた。
そして、ゆらゆらと揺れる女の足の裏は、哀しい程真白く、儚く透き通っていた。
  1. 2014/07/10(木) 00:36:21|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾三話 「見知らぬ、世界」

2020。

その部屋の番号だった。楡と言う男に来訪するよう命じられた部屋。
その地方都市では、隋一高級とされるホテル。最上階に在るそれは、聞かずともスイートで在る事は容易に判断出来る。

河邑五月は、その長い廊下を歩いた。
踏み込めば、ヒールが埋まりそうな絨毯が敷き詰められている。
静まり返った館内は、平日という訳だけでは無いだろう。このような階の部屋をリザーブ出来る人間は、そういるものでは無い。

エレベーターの中迄、楡は付いて来た。いや、連行されたというべきか。
逃げない様にか。口を犯し、その口中に自らの欲望を注ぎ込んで尚、男は五月の身体をエレベーターの中でさえ撫で回した。
「どんな風に犯されたか、後日聞くからな」
服の上から乳房をわし掴んで、楡は呻いた。
その響きには自分の獲物を差し出さなければならない、嫉妬さえ感じられた。決して手を付けるなと言われ、五月の口を犯した。
黙っていろと、念押しされた。自分が影で若者や、ビデオ業者を操っているからと。私の奴隷になれとも、楡は言った。
悪い様にはしないからと。姑息で狡猾な手口を使い慣れている感が在った。
今までその技量で、あの世界を生き延びてきたのかも知れない。
どうしてこうなってしまったのか。
あの、普段の生活は何処へ行ってしまったというのか。
五月は、地に脚が付いていない様に感じた。
今から、その組織を牛耳る男に抱かれなければならない。
暴力団の幹部だという。あの若者達三人から際限無く受けた陵辱を、あのビデオで余す所無く観たのだという。
又、犯される。一度では済む筈も無い。優しい愛撫等は到底期待も出来ない。連中は自分の事を、欲望を吐き出す為の肉としか思っていないだろう。人権も、女として、人妻としての立場も怒張した男根で貫き通すに違いない。踏み躙る事こそが、楽しみなのだろう。
そんな人種と、この様な展開で接触する事になろうとは夢にも思わなかった。

部屋の前に立つ。
歯が鳴っている。逃げたかった。先程の楡の時とは明らかに異なる恐怖が、全身を震わせている。
逃げるべきか、と咄嗟に考えた。逃げて、警察へ駆け込むべきなのか。そうなれば、全てが明るみに成る。夫にも、義父義母にも、世間にも。それでも構わないと、恐怖に戦く心が叫んでいる。
涙が溢れていた。助けて欲しかった。相手は暴力団の人間だ。法の裁きを受けようとも、後の報復が何より怖かった。
薄いグレーの絨毯に、玉の様な涙が滴り落ちる。

どれほど、時が流れたのか。
2020号室の重そうなドアの前で、五月は声も漏らさずに泣いた。バッグからハンカチを取り、目頭を、頬を拭う。
そして軽い堰が出た。一度、二度。
その時。
音も無く、目前の扉が開いた。五月は息を呑んだ。
目の前には、女が立っていた。
「五月さんですか」
女は静かに聞いてきた。自分と変わらぬ程の歳か。整った細面の顔立ちをしている。
「は、い」
声が上擦った。意外な人物の登場に、驚愕していた。
「御入りになって」
女はドアを大きく開ける。その時初めて女の全身が確認出来た。
黒いサテン地のドレス。ノースリーブの脇から細い肩が剥き出している。胸元が深く割れ、真っ白い胸元が露になっている。
五月は戸惑った。そのドアの向こうから、複数の男の声がする。
「どうぞ」
女が五月の腰に手を回し、柔らかい動作で且つ強引に、部屋の中へと招き入れる。手馴れた動作だった。
足元が縺れそうになるのを、五月は覚えた。

アプローチとしては十分な、絨毯を敷き詰めた廊下。
奥行きの広さがはっきりと確認出来た。
女に支えられるようにして、五月は奥へと進んだ。
何か会話をする、男の声。
こちらをじっと見つめる、スーツ姿の若い男。五月を噛みつく様な眼で凝視する。それは、女を見つめる眼では無く、警戒し威嚇する殺気に満ちていた。
五月は思わず目を逸らせた。
「大丈夫、こちらへ」
女は、五月に声を掛ける。落ちついた響きだった。
五月は、女にしがみ付きながら歩いた。

部屋の内部が眼の前に広がる。
三十畳以上は在るのか。壁一面に張られたガラス窓。大きなリビングの真中に、真紅のソファーが向かい合わせに二つ。其処に座る二人の男。
その側近なのか、夫々の背後には屈強そうな男が一人ずつ仁王立ちになり、その手を後ろに組んでいた。
五月でさえ、いや誰が見ても、その雰囲気で男達の素性が一見で判断出来るだろう。
「お待ちください」
五月から、女が離れる。
女が五月から見て向かって奥側に座っている男に向かう。
光沢の在る、ロングドレスが床上で優雅に舞う。その後姿は五月の眼を大きく開かせた。
縦に割られたスリットはそれを鋭利な刃物で裂いた様に、真上に伸びている。その先端は女の尻の半分迄を覗かせて伸びている。下着を穿いていないのか、亀裂が剥き出し、尻の曲線が露になっている。身体に張りついたデザインが、女の体付きを一見で確認出来た。五月より若干細い様に思える。だが、美しい女だった。
真白い背中の窪みが、しなやかに曲がっていく。

「五月様が、来られました」
耳打ちする様に、女がその男に言った。
男は握っているグラスを煽りながら、五月を見た。
浅黒い頬張った顔がこちらを向いている。角刈りの頭髪が、その風貌を更に際立たせている。四十半ばの歳か。その眼は大きく、どんな些細な物体も見過ごす事は無い様に思えた。

男は何も言わず、女に顎を使った。女が一礼する。
五月は又、震えている事に気付いた。
膝が抜けそうにガクガクと音を鳴らしている。
男達は再び会話を始めた。五月の事などどうでもいいように思えた。その事が、逆に恐怖だった。何を言っているのか聞き取る余裕など無い。只、感じた事の無い空気がこの部屋には充満していた。
それは、普通の暮らしをしている人間には、きっと一生感じる事の無い雰囲気だった。
それが、今。こんなにも身近に感じている。
光景も、置かれた立場も、何もかも信じられない思いだった。
「これを」
「・・・・え」
女が、黒い布を手渡す。それが何なのか分からない。
「どうぞ」
白い手がすうっと、部屋の奥へ伸びる。
五月はその方向を見た。白いドアが在る。
「・・・・・あ、あの」
「聞いておられませんか、楡の方から」
「何の、こと、でしょう」
声が擦れている。水が欲しかった。
「では、ご案内致します」
女はドアへ向かう。五月を連れて。
  1. 2014/07/10(木) 00:37:40|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾四話 「反乱の、行方」

「でヨ、五千万ってどの位ヨ」
小太りの男が、その細い眼を丸くする。
新居一樹が、擦れた独特の声で聞いた。
「取敢えず、テメエの趣味の悪りいポシェットには入り切らねえヨ」
長身の若者が、皮製のパンツを穿いた長い両足を組替える。


彼らにとっては何時もの喫茶店、三人の若者達がいた。
「しっかしヨ、マコトもヤルよナ」
「ああ、マジ。ヤクザ脅しにカケるなんてヨ」
「そンなんじゃねえって・・・気に入らねえだけだヨ」
そう言うと氷川誠は、煙草に火を点ける。
「って、あの沼田がかヨ?マコトの親代わりなんだろ、あのオッサン、いいのかヨ」
有吉直哉が、返す。
「親なモンかヨ」
マコトは眼を天に向ける。紅い、瞳だった。



水割りを作る手が震える。
一抱えは在ろうかという、大理石のテーブル。其処に置かれた、数々の高級酒。値段は愚か、名称も分かる筈が無い。
その部屋も二十畳はあろうかという、ベッドルームだった。
漆色の家具類。壁面に設置された棚には、更なる酒類が並べられている。
キングサイズのベッドは、ペルシャ風の絹であろうカバー。重そうな額縁に填められた画は、フェイクとは思えない。

「五月さん」
隣へと続く、ドアが開く。あの女がドアよりも白い顔を覗かせた。
はい、と答える。心臓が昂まった。
「早くしてね、お待ちよ」
ドアは閉まる。平然とした女の態度を残して。
河邑五月は、グラスを手にした。
光り輝くそれは、バカラだろう。分厚い瓶に湛えられた琥珀色の液体を、それへと注ぐ。
五月は、あの女と全く同じ服装を着用していた。
この部屋に来て間も無く、手渡された黒い布は黒いサテンドレスだった。折り畳まれたその狭間には、同色の下着迄揃えられていた。
黒い、紐状のデザイン。Tバックとでも言うのか。それは五月が何時か通信販売で目にした「バタフライ」と呼ばれるパンティーに酷似していた。
股間だけを辛うじて覆う部分以外は、全て紐で出来ている。
あの女同様、ドレスは五月の尻の半分迄を露出させている。歩けば剥き出しの尻たぶが揺れているのが安易に確認出来るだろう。
それ以外、下着など全く身に着けていない。

接待。
そんな言葉では、言い表せられない。
奉仕、いや、服従なのか。
五月はドアを開けた。
臼紫色の霞が、部屋に充満している。
苛立った煙草を何本も捻消したような空気。
気のせいか、先程より男達の会話のテンションが上がっている様に思えた。
軟い絨毯が、足音を即座に吸収していく。
「そんな話しはアテにはなりませんよ、沼田さん」
その長髪をオールバックにした男が言う。
似合っていない。若く見せようとしているのだろうが、その体格と品の無いダブルのスーツが打ち消してしまっている。
「期限は1ヵ月後。きっちりと、一本ですから」
沼田と呼ばれた男の横に、五月は立った。
深く一礼する。そうしろと言われていた。見張り役なのか、背後にいる若い男の視線が、下半身に突き刺さってくる様に感じた。

「わかっていますよ、それは」
全く分かっていない口調で、沼田が返す。怒気さえ含んでいた。
五月はその両膝を付き、何杯目かの水割りをテーブルに置いた。
「何が在ったかは存じませんがね、決済を伸ばせとは無茶な話しですよ、貴方らしくも無い」
早口で、男が言う。
その風貌は、沼田の雰囲気とは又異なっていた。
何かインテリな感じがする。只、それでも善人には見えない。
五月は立ち上がり、深く一礼した。胸元が大きく開き、左右の乳が垂れ下がるのが自身でも自覚した。
何度も観られている。今更隠そうとも思わなかった。
失意の念が、身体を、心を呪縛している。
沼田の視線が、一番執拗だった。楡から聞いた幹部とは、この男の事の様だった。
この会合の後、この男に犯されるのか。
あの女は、沼田の女なのか。それとも自分の様に、支配された人の妻なのだろうか。
絶望し、やがて飼い慣らされ、あの様に従順な女になるというのか。
女が、テーブルを片付けている。
五月と目が合った。狼狽する五月を余所に、女は薄い笑みを浮かべた。
それは舞いながら掌に落ちて消え行く、雪に似ていた。
五月も、やがて微笑んだ。
極めて薄く、たった一瞬。
そうしたかった。女に、自分と同じ哀しみを感じた。
本能的に。女として。
  1. 2014/07/10(木) 00:38:34|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾五話 「目撃」

河邑雄一は、繁華街を歩いていた。
所謂外回りの途中だった。雄一は仕事では滅多にこの場所には来ない。只、業務上必要な書面が切れ、通りかかったこの街に降りたのだった。

文房具店を探す。
地方都市としては、この繁華街が一番栄えている場所である。
地元商店街とでも言えばいいのか、不景気ながらもその集客力はさほど落ちていないのではないかと感じた。
行き交う人々は、若者と、老夫婦、夫人、そしてサラリーマンが少し。午後を少し過ぎた時点では、その客層は正にこんなものだろう。

不意に、雄一の脚が止まる。
目の前の、少年にその目は向けられていた。
茶色に染め上げた髪。派手な風貌。今時何処にでもいる、少年。
だが。
その体格には、見覚えが在った。早足に成る。追い越しそして、距離感を持って再度少年の顔を振りかえった。

【コイツ・・・・・・・・間違い無い!】

雄一は、全身の血が逆流していくのを感じた。
小太りな体格。背は雄一の肩程しか無いだろう。堅そうな髪にパーマネントがきつく当てられている。
見間違える筈も無い。
この少年こそ、妻の五月を犯していたあの三人組みの一人だった。
雄一は、一気に脚を早めその少年の前に立ちはだかった。

「な、何だヨ」
少年は、雄一を見て言った。
威嚇する目と狼狽する声が交じり合っている。
「お前、名前を言ってみろ」
そう言うなり、少年の肩をわし掴んだ。声が奮えているのは雄一も同じだった。だが怯えているのでは無い。憤怒が身体中を駆け巡っている。
「ア?」
少年は、その肩を振りほどこうと雄一の手を掴んだ。
雄一は更に両手でその腕を逆に押さえつける。揉み合う形となった。
「ンだヨ、テメエはヨお!」
少年が怒号を放つ。もう、早くもその周りには人の囲いが出来始めた。
「五月の、亭主だ!」
雄一も、叫んだ。あの時の、殺意にも似た怒りが込み上がっている。
少年の顔が一瞬凍りついた。そして一気に驚愕の表情を浮かべる。
「お前!あんな事をして!」
雄一は少年を地面に捻り倒した。冷静な心など、消し飛んでしまっていた。相手が未成年であろうが構わない。殴り倒すつもりだった。
少年は地面を転がった。殴ろうと右手を振り上げる。
その時、その手が何物かに掴まれる。
見物人の一人だった。中年風だが、腕には自信が在りそうな男。
「アンタ、何してるんだ!止さんか!」
「離せ、離せえ!」
我を忘れて叫ぶ。警察を呼べ、と誰かが叫んだ。
雄一は歯軋りをした。
少年が、地面を幾度も転びかけながら逃走していく。
何故、こうなるのだ。
警察を呼ぶ立場は、自分ではないか。悪いのは、罰せられるのは、姑息に走り逃げていくあの少年の方だ。
雄一は満身に力を込めて、背後からの拘束を振り解いた。

「アンタ!おい!」
男が叫ぶ。雄一は走った。
あの少年を逃してはならない。全力で追いかけた。



「なるほど、そう言う事でしたか」
冷静な声で、男が言う。
「御恥ずかしい限りですよ、井浦さんには」
沼田が返す。低く呻く様に。

スイートホテルの一室。
その寝室には、二組の男女がいた。
並んで設置されたキングサイズのベッド。双方に分かれ、それぞれが全裸で絡み合っている。
「しかしねえ・・・このままで済ますつもりですか」
井浦という男の股間には、一人の女がその頭部を埋めていた。ゆっくりと上下している。
「済ませません」
答えた沼田の股間にも、全裸の女が怒張した男根を咥え奉仕している。
「恩を仇で返すか・・・筋モンが、なめられたものです」
沼田が、女の髪をわし掴んで上下させる。

河邑五月は、呻きながらそれを奥まで呑み込んだ。
節くれ立った野太い男根だった。隆起の瘤が複数埋め込まれているのが分かる。
丁寧に舌を絡め、頬を窄めた。
沼田に、その命までも牛耳られている気がした。早く終わって欲しい。その一心で奉仕を続けた。
抱かれずに済む筈は無かった。それは覚悟していた。
隣には、先程の女が同じ様に尽している。
二人の女が、並べられて奉仕をさせられるその行為が、今の五月を無抵抗にさせていた。
逆らえない。本物のやくざだった。只恐怖心が在った。
増してや、沼田は今、明らかに苛立っている。
言いようの無い怒気が、含んだ男根をより怒らせている様に思えた。
五月は固く目を閉じ、その顔を上下させた。
あの少年達に犯された時の様に、無になろうと覚悟をしていた。
そして、反応だけはしたくない。そう思っていた。
屈服するのは、命じられた事に服従する行為だけでいい。
女として、反応する事はもう堪えられない。

「で、どうされるんですか、これから」
井浦が奉仕していた女をそのまま自身の上に乗せる。
女は短い悲鳴を放って、上半身を仰け反らせた。
小ぶりだが、形の整った乳房が上下に踊り始める。
女はその両手を井浦の胸に乗せ、仰け反っては喘いでいる。
「そうですねえ・・・取敢えず」
沼田は五月を仰向けに転がした。
五月が両手でその顔を覆う。両足首を掴まれ、裂ける程左右に引き広げられた。
「一匹毎、吊り上げてシメるか」
沼田の顔が剥き出された五月の股間に埋まる。五月は声も無く身を捩った。分厚い舌が膣に押し込まれている。
「マコト以外・・・・殺るか、ですね」
「まあ、どっちにしても」
井浦が女を裏返し、その尻を抱え上げる。
女が金切り声を放つ。その真っ白い尻が音を発して揺れ始める。
「ビデオ、取り帰して、早く、一億、払ってくださいね」
「ア、アアッ、アッ、アッ!」
女が枕にしがみ付いて喚いている。
「ええ、勿論」
五月も裏返された。枕にしがみ付く動作迄、隣で犯される名も知らぬ女と同じだった。何かを抱きしめたかった。そうでないと気がふれてしまいそうな感じがした。
五月は、長く気張った様な呻きを洩らした。
膣壁を抉じ開ける圧力を持って、沼田の男根が押し込まれていく。
やがてそれは、五月の中に全て収まった。鈍痛と、容量感一杯になった感覚が股間を支配する。
「いい女でしょ、この、五月って女は」
沼田が抱え上げた尻に跨っている。突かれる度に五月は短く呻き続けた。
「ええ、その女なら、イケるでしょうね、一本」
井浦が、責めに揺れ動く五月を見ながら女を突き上げる。
「あとで、代わりましょう、いい、オマンコ、です」
「お願い、しますよ」

全裸の褐色の裸体が、二つの真白い尻に跨り突き上げている。
その双方の尻は、同じ様に揺れ、独特な打音を発して波打っていた。
二人の女の悲鳴が交差する。激しい責めに堪え切れなくなった様に、どちらも甲高い悲鳴となって。
やがて、男達が呻いた。
  1. 2014/07/10(木) 00:39:28|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾六話 「奪うもの、奪われしもの」

息が切れそうだった。
ぜいぜいと、膝を抱えて佇む姿は中年に近い。

「クソ・・・・何なんだヨ、ありゃあ・・」
行き付けのゲームセンターの前。小太りの少年が独り言を呟いた。
「何で分かったンだろ・・・」
新居一樹は、又独り言を言った。
心底愕いていた。まさかあんな場所で、犯した嫁の亭主が現われるとは考えてもいなかった。
それにしても納得がいかない。何故、自分がその犯人だと判ったというのか。
あのビデオは未だ、一樹の手中に在る。
マコトに言われた通り、ビデオ業者の男の部屋に侵入し、大元で在る「マスターテープ」を奪ってきた。編集の直前であった。ダビングさえ行われてはいなかった。

「どっかで観たのか・・・あのテープ」
再三、独り言を言いゲーム機の前に座り込む。激しい鼓動は治まってはいない。
「いや、ゼッテー、そんな筈ないよナ」
しつこい位の独り言。一樹は動揺していた。落ち着かせる為に、何か喋らなくては気が済まない。
斜め前に立つ、女子高生の二人組みがこちらを見て笑っている。
黄色に近い茶色の髪。下着が覗きそうな程、短いスカート。
一樹はその気になって髪を掻き上げる動作をした。
「見て見て、アイツ」
「やっぱ、ヘンー!」
二人組みは身を捩らせて笑った。一樹は事の成り行きに漸く気付く。
「オラ、見せモンじゃねーゾ、ブス!」
「コラ」
背後から、何物かがその頭部を叩く。
「うわあッ」
一樹は椅子から飛び上がった。
「スゲエリアクションだな、ビョウ君ヨ」
振りかえった其処に、氷川誠が立っていた。
「ビ、ビ、ビ」
「ア?」
マコトが屈み込む。女子高生は笑い転げていた。
「ビョウって、言うなって、ノ」
マコトは笑わなかった。呆れた様に只ビョウを見つめる。
「オメエヨ、こんなゲーセンで女見てンじゃねーヨ・・・俺ら、今から金の受け渡し場所をヨ」
「それどころじゃねーッテ、マコト」
裏声で叫ぶ。女子高生の笑いが再び起こる。
「ア?何だヨ」
「アイツに遭っちまったヨ、アイツに」
「・・沼田か」
マコトの声が低くなる。
「じゃなくって、ダンナだヨ、五月って女のダンナ!」
「・・・・・・・・どーいう事ヨ?ビョウが知ってンのか、そいつの事」
マコトがゲーム機の上に腰掛ける。
「ちげーヨ!向こうが俺の顔を知ってンだっつーノ!」
「何・・・・・・・?」
「五月って女をヨ、俺が犯した事も知ってンだって!」
「相手が、そう言ったのかヨ」
二人組みが黙ってこちらを見ている。
「見せモンじゃねーっつったのが、聞こえなかったかテメーラ」
マコトが睨み上げる。女子高生は足早にその場を去った。
「言ってねーけど、あの怒り様じゃきっと知ってンヨ、アイツ」
「・・・・・・」
「殺されるかと、思ったってノ」

マコトは黙した。そして口を開く。
「何で・・・判ったンだ、そんな事」
「知らねえヨ!」


「広げろ、奥まで見える様に」
有無を言わせぬ口調だった。五月は、ベッドの中央で仰向けに成り、自身の両足首を掴み締めていた。
「もっと・・・限界迄広げろ」
五月は従った。腿が攣りそうな程、左右に広げて見せた。

今や寝室には、五月と沼田との二人だけがいた。
井浦は、あの女を連れて引き上げていた。
「お前、子供を産んだ経験は」
沼田が剥き出した股間に屈み込んで凝視している。強かに酔っている。グラスを片手に持ち、五月の性器を覗き込んでいた。
「あり、ません」
「だろうな・・・・綺麗なマンコしてやがる・・」
五月はヒッ、という悲鳴を放って仰け反った。膣の中に、グラスの氷が押し込まれている。
「おお、よく溶けるな・・・」
氷を指で掴み、中で往復させる。
「ア、オッ!い、い、いひッ!」
五月の首がその行為に対して激しい抗議をする様に、左右に振られる。両足がびくびくと跳ね上がり、脚の裏が内側に折れ曲がろうと蠢く。
「俺は、奪う事が好きでね」
「あっはッ!」
五月が白い歯を見せて叫ぶ。
そのままの姿勢で貫かれていた。Vの字に広がった五月の両足がそのまま折り畳まれていく。
「あッ、おッ、アウッ!オウッ!」
口が大きく広がる。閉じても男根が一気に押し込まれ、その度に叫び声を放つ。
真っ白い裸体が、褐色の裸体に幾度も上から何かを打ち込まれる様に、その広がった股間に下腹部を叩き付けられる。
パアンッ、パアンッ、という打音が寝室に響き渡る。
「ウ!ウン!ウグ!ンウッ!」
五月の身体は完全に近い形で、沼田に折り畳まれている。ともすれば、広げ切った両脚の甲がベッドに付く程畳まれている。
「人の所有物を奪う、力づくで」
押し広がった両腿の中央に、真上から野太い男根が突き下ろされる。尻が縦に弾んで揺れ動き、跳ね上がる。
五月は叫び続けた。
「それで、ないと、燃えない」
沼田は五月の真上で腕立て伏せをするが如く、上下に動き責める。
五月は自身の両足首を、血が滲む程掴み締めて首を振った。
「それが、このザマだ、ガキに、一杯、食わされた」
縦横無尽に揺れ動く乳房を、沼田はわし掴む。
五月は歯を食いしばった。それでも嗚咽がその口を割り続ける。
「感じて、いるのか、五月」
五月は黙って首を振った。嘘だった。十分に感じている。
若者達には無かった無骨な男根を呑み込み、奮えながらその部分は締め付けようと蠢いている。
突き下ろされる度、勃起した陰核が擦り上げられ、膣にめり込もうと歪んでいく。堪えられない感覚だった。
心は如何に抵抗し、相手を憎悪しようとも、この身体がいう事を聞かない。
沼田は三度目を行っている。執拗だった。氷を入れられる直前迄、気が遠くなる程剥き出した部分を責められていた。
「どうなんだ」
沼田が五月を担ぎ上げる。その腰に跨る格好を取らされる。
「言ってみろ、正直に」
腰を掴まれ、上下に揺り動かされる。五月は仰け反って叫んだ。
「感じますッ、かんじ、ますッ!」
腰が貪欲に動き始めた。五月は嫌悪する様に首を左右に振った。
だが、その動作とは裏腹に、豊満な腰は貪欲に沼田を咥え込んで上下に踊っている。
「俺の、女に、なれ、五月」
五月は嗚咽を放って首を激しく左右に振った。
「いや、嫌ああ!!」
沼田は怒った様に五月をその上で反転させ、上半身を起こして五月を腹這わせる。
「聞こえなかったのか、五月」
尻がグッ、と掲げられる。音を立てて男根が突き刺さってきた。
五月は鋭い悲鳴を放った。
「俺の、女に、なれッ」
ドチッ、ドチッと重い音を発して、盛り上がった尻が波打って弾み、責めに揺れ動く。
「あはッ!あはあッ!」
五月は絶叫した。そして誓わされた。
全てを任せ、貴方の女になりますと、叫ばされた。
  1. 2014/07/10(木) 00:40:22|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾七話 「命を、賭して」

「でヨ、どーすンだヨこれから」
小太りの少年は缶コーヒーを煽って、そう言った。
「架空口座ってヤツ、見つけたらしーゼ。ナオがネットでヨ」
長身の少年が、受ける。
「只信頼出来るモンかどうか、確かめてンだヨ、千円放り込んでナ」

夕刻近く。
二人の少年が、駅に向かって歩いている。
それを見つめる、眼が在った。眼鏡の奥深く、それは鈍く輝き、呑舟の魚の如く鈍い憎悪を放っていた。

「そんな口座、信用出来ンのかヨ、マコト」
「だから確かめてンだろーが」
二人の会話は続いた。苛立ちが在る。それは「架空口座」の真意の事だけでは無かった。
「何で・・・判ったンだ?」
マコトが呟く。何度も口にした言葉。
「だから、知らねーってノ!俺ら、マスクもしてたジャン?」
「・・・・クソ、何で面割れてンだヨ・・・」
マコトは歩きながら皮のジャケットに手を伸ばす。
引き抜いた「ラッキーストライク」は空だった。
舌打ちをし、パッケージを握り潰した。



河邑雄一は、駅に続く道を歩いていた。
少年の行方は判らない。完全に見失っていた。
疲労の色が濃い。闇雲に走り続けた。捕まえての後の事など考えてもいなかった。
只、一度でいい。殴ってやりたかった。あの少年は間違い無く、妻の五月を犯した犯人の一人だった。そうでなければ、逃げはしないだろう。自分と取っ組み合いの喧嘩に成った筈だ。
五月が陵辱を受けていた光景は、今も胸中に刻み込まれている。渇して消えない火傷に似ている。責めに揺れ動く真っ白い裸体が、嫉妬の業火となり、今も雄一を苦しめていた。

「そうだ、ビデオも持っているのか・・・」
うわ言の様に呟く。何とか居場所を見つけ取り戻せないものか。
それも、あの妻には感付かれる事無く。

時計を見る。四時を過ぎていた。
行き交う人の波が、自分の目の前を通りすぎていく。
歩道に伸びる影は長く、伸びて揺れている。日は、落ちる時間を刻々と短くしている。
季節はもう直ぐ変わろうとしていた。秋から冬へ。冬は人恋しい季節となる。寒さに耐える為の温もりが欲しくなる。
妻は今、何をしているだろうと思った。
その優しい、白い微笑を思った。


「何処いくんだヨ、マコト」
「ヤニだヨ、買ってくる」
マコトは歩道に設置された自動販売機に向かった。
黄金色に輝く夕日が、眼に眩しかった。思わず目を細める。


雄一の脚が、止まった。
先程と同じ感覚。在る人物を見つけ、気付き、立ち止まったその感覚。
斜めに刺し込む金色の光の中、立ち止まって缶コーヒーを持っている少年。


マコトは販売機の前にいた。携帯電話の着信音。
左手で電話を取り出す。
「はいヨ」
「マコトか」
三枚目の硬貨を挿入する手が止まった。
「覗き野郎かヨ」
マコトは言った。楡の声に間違い無い。
「子供の火遊びは、もうこの辺で止めたらどうだ」
硬貨を入れる。販売機の各ランプが点灯した。
「歯を入れる金が、欲しいのか?オッサン」
目当てのボタンを押す。煙草を吐き出す機械音。
「もう一度だけ言う。大人をからかうと」
「痛い目に遭うってか?上等だ」
釣銭が落ちる音。
「やってみろ、ヘタレ痴漢野郎」


雄一はゆっくりと、歩いた。
今度は逃がさない。際まで慎重に近づくつもりだった。
少年は気付いていない。
無防備な姿勢で、立ち止まった侭伸びをしている。
「・・・・・・?」
雄一の眉が曇った。
少年の斜め後ろ。雄一の斜め目前。
一人の男がいた。スーツ姿の男。それだけなら見落としてしまう。
だが、男は立ち止まって動かない。そして、少年を見るその眼は尋常では無かった。放つ雰囲気は一般人のそれでは無い。
直感で、そう感じた。

「何だ・・・・アイツ」
次の瞬間、雄一の目が大きく開いた。
その若い男は上着から、何かを取り出した。
鋭利な表面が、夕日の光をその侭の明るさで跳ね返す。
雄一は少年を見た。全く気付いていない。
男が、少年に向かった。
「いかん!」
そう叫んだ。その直後に雄一も走り出していた。
  1. 2014/07/10(木) 00:41:16|
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月満ちて、堕ちる刻  第拾八話 「揺れる、想い」

「ねえ、おかあさん、おとうさんは」
「遠い所に・・・・・居るのよ」

円らな、瞳。何も疑う事の無い表情。

「ふーん・・・帰ってこないの?」
「・・・・・そうね」
母は優しく未だ幼い少年を抱き上げる。
「帰ってくるんでしょ、おとうさん」
「・・・・・良い子にしてれば・・・きっとね」


「あの人は、誰?」
「・・・・・・」
「ねえ、誰なの」
少年の目線の先。見知らぬ男が立っていた。
「・・・・・新しい・・・・お父さん・・よ」
「え・・・・」
「よろしくナ、ボウズ」
分厚い掌が、少年の頭を撫で回す。痛いだけだった。

夜。
聞いた事の無い、母の悲鳴。
短く喘ぎ、執拗に叫び続ける。何かを打ち据える様に響く打音。
少年は隣の部屋で布団を被り、両耳を小さな手で塞ぎ続けた。

ある日、少年は母の姿が見えなくなった事に気付く。
散かった部屋。あの男が背中を向け、胡座を組んでいる。
「おじちゃん、おかあさんは」
「知るか、あんなスケはヨ」
少年は肩を竦め、微かに震えた。母のいなくなった部屋は、酷く荒んでいる様に思えた。たった一日で。
「ねえ、おか」
「逃げたンだよ、あの女あ!」
男がコップを壁に投げつける。少年は飛び上がった。
涙が溢れて止まらない。泣き声を必死で堪えた。
「どこ、に、行ったの・・・」
「前の亭主のトコじゃねえか」
まさかな、と続けて言い、男は又笑った。
「てい、しゅ、って」
しゃくりあげて、喉が上下した。
「お前のオヤジだ、おとうさんだよ」
「ぼく、も、いき、たいよ」
「行きたい、だと?」
男は笑った。半袖の奥から、刺青が覗いている。一緒になって笑っている様に見えた。
「そーか、行きたいか」
男が振り返る。酒焼けした赤銅色の顔が少年を見る。

「天国、へか?」



「ウアアアアア!!」
氷川誠は、飛び起きた。その叫び声に周囲にいた若者達も驚愕する。
「うわ!」
「きゃあ!」
マコトはゆっくりと周囲を見渡す。魘され、我に帰った表情。
その額には、脂汗がべったりと光っている。

「オイオイ、どーしたヨ・・・マコト」
「熱でもあるの?マコト」
触ろうとする少女の手を払い除ける。
「何でもネエヨ・・・」
右手の甲で、汗を拭う。
「マコトでも、怖い夢に魘されンのか?」
誰かの声に、皆が笑った。
マコトは笑わなかった。

あの日から三日が過ぎている。
有吉直哉と付き合っている、少女のアパートだった。
家出してきたのだと聞いている。その他には何も知らない。
その素性も、年齢さえも。

「今頃、どうしてンのかナ・・・・」
「ア?誰がヨ」
新居一樹の独り言に、有吉直哉が答える。
「五月さんの、ダンナだヨ」
「助かったンだろ?そうニュースで言ってたジャン」
煙草を探す仕草をしながら、ナオが言う。
「でもサ、腹刺されたンだゼ?痛かっただろうナ・・・」
そう言いながら、首を伸ばす。
ナオの仕草に気付いた少女が、同じ様に煙草を探している。真っ赤なミニのタイトスカートを穿いていた。剥き出しの腿が張り詰めている。光沢の在るそれは、十代半ばの肌だった。
その四つん這いで突き出した尻をビョウは覗いていた。
豹柄の下着が露出してしまっている。
「あ、エッチ!」
振り返った少女が言う。そして煙草を隣のナオに渡した。
「テメエ・・・ホント変わらネエな」
呆れた表情で煙草を咥え、ナオが言った。
「な、何がヨ」
「この前までヨ、助けてくれた、身代わりになってくれたって泣いてたクセにヨ」
「だって、そうじゃネエかヨ・・・助けてくれたンだゼ?俺を押し退けて、自分が身代わりに刺されてヨ」
ビョウが言う。
「パンツ見ながら言ってもシマラネエヨ」
少女が吹き出して笑った。
「笑うなってノ、カナはヨ」
「何で?」
「中坊のクセにヨ」
ナオが続ける。
「あ、ひっどーい、ナオまでカナを子供扱いして!」
「静かにしろヨ、テメーラ!」
マコトが一喝した。全員が黙する。
「テレビのボリューム、上げてくれ・・・カナ」
カナが拗ねた様に膨れた頬を向けたまま、リモコンを掴む。

見慣れたニュースキャスターが、例の如く神妙な顔で原稿を読んでいる。


<・・・・で起きた「通り魔事件」は未だ犯人像さえ明らかになってはいません。当局は目撃者情報に全力を注ぐと共に、その場にいた二人組の少年が、事件に何らかの関わりを持っている可能性が在るとの見方を強め、この少年達の行方も捜索中です>

「冗談じゃねえゾ、俺らは」
「ウルセエ、黙れヨ」

<尚、少年を庇った形で刺された会社員の男性の意識はしっかりとしており、警察は近くその時の状況を犯人像を含め詳しく聴取する予定です>

「うわ。でっかーい」
カナと呼ばれる少女が思わず声を上げる。
画面が病院を映し出す。夜景に聳えるそれは、総合病院の様に見えた。
「バカやろう・・・映しやがった・・・・」
「ア?何がヨ?」
ナオがマコトに問う。
「・・・・・何映してンだ」
言うなりマコトは立ち上がった。
「おい、マコト、何処行くンだヨ」
ビョウが声を掛ける。
マコトは答えなかった。
「ヤバイゼ、マコト!俺らサツにも」
ナオも上擦った声を掛ける。
薄い造りのドアは、返事も無く閉められた。
  1. 2014/07/10(木) 00:42:10|
  2. 月満ちて・hyde
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月満ちて、堕ちる刻  第拾九話 「蒼い、月明かりの中で」

河邑五月は、夜道を歩いていた。
疲労感が濃い。その足取りは重かった。
ともすれば、アスファルトの中に穿いているヒールが埋まり、五月の全身を闇へと呑み込んでしまうのではないかと思った。

<どうして・・・・こうなったの・・>

夫が刺された。犯人は判らない。
得意先回りをしていたのだと言う。不意に目の前の男が、少年に向かい、刃物を持って近づいた。
自分は咄嗟に走った。結果、静止しようとして立ちはだかり、刺されたのだと言う。

携帯電話で報せを受けた時、五月は貧血を起こし道端で倒れた。
あの沼田に犯され、家路に着く途中の出来事だった。
偶然にも夫の同じ病院に運ばれ、そこで対面した。
ベッドに横たわる夫を目の当たりにして、言葉が出なかった。
ついさっきまで、人の妻で在りながら「犯されていた」自身。
性の奴隷となる事迄も、約束した自分。
その間に、夫が刺されたのだ。
絶句し、震えながら見つめるしか無かった。

だが、そんな五月に夫は笑顔を見せた。
「悪かったな、心配かけて」
その血の気の無い、笑顔。五月は只泣くしか無かった。
号泣した。謝る事も出来ない。その、言葉が言えない。
気がふれた様に泣き続けた。周囲が狼狽する程の乱れ方だった。
警察の人間も席を外し、医者も退いた。
それでも五月は泣き続けた。今までの、言い様の無い「全ての罪」が一気に溢れ出し、止まらなくなったのかも知れない。
そんな様子を見ていた義父と義母が、見兼ねて五月を別室へと運んだのだった。

「その犯人、覚えてるの?」
「いや・・・・全くだ」
「じゃあ・・・あなたが庇ったっていう少年は?」
「覚えが無いな・・・」
「服装とか、年齢とか・・」
「うーん・・・どうだったかな、二十歳前後かな」

今日になって、やっとまともな会話が出来た。
「警察の人には、その事を?」
「ああ、さっき来てたから、一応言っておいた」
点滴を受ける二の腕が、心なしか痩せた様に思える。

「どうして・・・そんな危ない事・・」
見舞いの林檎を見つめながら、五月は再び問うた。腹部を刺された夫は、未だ流動食さえ受け付けられない。
剥いてあげたい気持ちが、歯痒かった。
「さあ・・・・でもな」
「でも?」
「放っておけないだろ?普通は・・」
五月は溜め息をついた。どう言えばいいのか。夫は、雄一は優しすぎる。
それが、時に五月を困らせる事さえ在った。
贅沢な悩みだ。それが魅力で在る筈なのに。

「あなた」
「ン?」
「その・・・少年達だけど」
五月は俯いた。心臓が踊り始める。
「あなたが・・知っている人とかじゃないのね?」
「勿論だよ、知っていれば相手も逃げたりはしないさ」
「・・・そうよね」


五月は、歩きながら夜空を見上げた。
満月だった。
舗装された歩道に、五月の影が延びて揺れている。蒼い光が背後から差し込んでいる。
月は、太陽の何十万分の一の明かりしか無い。何かの本で読んだ。
そうは思えない。今日は特に明るく思える。
只、熱が無い。心地よく照らされ暖めてくれる、何かが足りない。
地球という惑星に捕らえられ、永遠に「奴隷」の如くその周囲を周り続ける衛星としての運命を、嘆いているのかも知れない。

寒さが身に沁みて来た。
今日は早く帰りなさい、と言った夫。その過剰な程の優しさ。
だが、暖かい。この、蒼い月光とは違う。


「只今、戻りました・・・」
五月はヒールを脱ごうとした。そして見慣れぬ靴が置かれている事に気付いた。
黒い、大きな。男物の靴。
「ああ、五月さん」
義母が出迎える。
「お義母さん、未だ起きてらしたの」
「ええ」
「お義父さん、もうお帰りになられたのですか」
義父は親戚の所へ行っている。あの事件から、呼び出しがひっきり無いのだった。
「いいえ、未だよ。それよりもね」
義母が小声に成る。
「はい?」
「警察の方が・・・御見えよ」
「え・・・・」
叉かと、思った。事情聴取は今日も行った筈だ。
こんな夜更けに自宅に迄来るなんて。五月は叉溜め息をついた。
「で、どちらにおられるんですか」
「二階の客間よ、お一人だけど」
「じゃあ、私が」
「私も、行こうか」
「いえ、お義母さんはもう、御休みになって」
「あの、御茶はお出ししたから」
「はい、有り難うございます」

義母も疲れている筈だった。五月は結った髪を整えながら、二階へと続く階段を上がった。

「失礼致します」
「はい、どうぞ」
五月は客間の戸を開けた。そして頭を下げ、挨拶をした。
「ご苦労様です・・・」
そう言い、五月は顔を上げる。一瞬、その眉根が寄った。
「覚えて、おいでですか」
目の前には、歯の無い男が座っていた。
あの、笑みを浮かべて。
  1. 2014/07/10(木) 00:43:00|
  2. 月満ちて・hyde
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月満ちて、堕ちる刻  第弐十話 「長い、夜の始まり」

六畳の和室。中年の男と、三十路を過ぎた女。
漆色のテーブルに向かい合わせ、座っている。
女はベージュ色のスーツ。男はグレーのスーツ。
互いに言葉は無く、只、押し黙っている。
だが、男の粘着質を持った視線に、遠慮は無い。
蒼白な顔の侭、俯き加減の女を凝視している。

「何時まで、黙っているつもりかな」
男が、その口を開いた。独特の口調で。
「どうして・・・・ここが・・・・分かったのですか」
河邑五月は言った。重い、擦れた声だった。
「私達の、素性を」
男は茶を啜った。耳を塞ぎたくなる音が和室に響く。
五月は血の気が失せていくのを感じた。
「なめて貰っては、困りますね」
目の前の五月は、俯いた侭で膝に手を付いている。
その顔が、不意に上がる。我慢成らない気配で。

「警察なんて、嘘を」
五月は男を見た。敵意に満ちた眼だった。
楡は、微かに動揺した。
初めて見せた、五月の敵意だった。
「おやおや、怖い顔も出来るんですね・・・奥さん」
楡は笑った。
「ご用件は、何なのですか」
静かに、しかし強い口調で五月は言い切った。
「そうそう、あのビデオの事ですがね・・・」
「もう、無いのでしょう?貴方達の手元には」
「・・・良くご存知で」
楡は少し驚いた様に言った。
「あの・・・少年達が・・盗んでしまったと聞きましたから」
「そう・・・それで困っていましてね」
「私には、関係ないわ」
大きな瞳を向け、楡を睨む。

楡康彦は、焦りを感じていた。
五月の態度は、この前よりも明らかに変貌している。
夫が刺され、精神的にもかなりのダメージを受けている筈だ。
だが、この気丈さは何なのだ。
自棄を起こしているのか。

「いい服を着ているね、五月さん」
「ご用件をどうぞ」
即座に返してくる。五月の口調は変わらない。
「脱ぎなさい、五月」
五月は黙った。楡は口調を強める。
「下着姿になれ」
楡は唐突に言い放った。
「警察を呼びます」
五月は立ち上がった。有無を言わせない態度だった。
「ご主人は気の毒でしたな」
大きな声で、楡は叫んだ。
五月の脚が止まる。
「奥さんが、やくざに犯されている間に刺され」
「止めて!」
五月は息だけで、叫ぶ様に制した。
楡は笑みを浮かべた。
「おっと・・・お義母さんに聞こえたかな」
楡に背を向け立ち尽したまま、五月は動かない。
両脇に下げた拳を握り締めている。
その身体が微かに奮えている。怒りのせいなのか。屈辱への恐怖か。
「あの時と同じだな・・・・五月」
楡は舌で上唇を舐めた。尻の厚みで盛り上がったタイトスカートを
凝視する。
「又パンツのラインが透けてるぞ・・・相変わらずデカい尻に小さなパンツを食い込ませているみたいだな」
五月は押し黙ったまま動かない。
勝った、と楡は思った。一旦は窄んだ股間が、急激に膨れ上がるのを感じた。
「医者や患者に、その尻を見せつけて悦に入ってるのか」
五月は踵を返した。
立ち尽くした姿勢のまま、楡を睨んだ。その眼には涙が溢れている。
「いい表情だ・・・服を脱げ」
「・・・・・」
「警察、呼ぶか?構わんよ、私は。オマンコ剥き出しで尻振りながら、泣いて呼ばせてやるよ」

見開いた視線が床に落ち、大粒の涙が滴り落ちる。
ポタポタと、畳に染み落ちていった。
「何て・・・酷い・・・人なの・・貴方は」
奮える声で、五月は言った。
「哀しいか、え?澄ましやがって」
楡は胡座を組み、反り返る様に両手を後ろに付いた。
「お前の亭主を庇った、ガキ。誰か知ってるんだろうな、人妻尻奴隷さんよ」
楡が笑う。弱い物を甚振る、喜びに満ち溢れた響きが在った。
「・・・・どう・・・・いう、意味?」
五月が顔を上げる。その表情は異常な程狼狽していた。
「ま、さか・・」
「偶然とは怖いな・・・お前を犯した連中の内の二人だよ」
  1. 2014/07/10(木) 00:43:58|
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月満ちて、堕ちる刻  第弐十一話 「再会の刻」

和室に備え付けられたサッシの窓から、蒼白い光が漏れている。
真夜中過ぎの月の灯は、六畳間を余す事無く照らしていた。

「両手は真っ直ぐに伸ばせ・・・そうだ。直立不動の姿勢を保て」

 粘着質の低い響きを持って、その男の声は響いた。
 男は、その畳を敷き詰めた中央に胡坐を画き、目の前に立っている女を粘い視線で凝視し続ける。
 女はその目前に立ち尽くしていた。全裸に近い裸体にはスーツの下に穿いていた濃いブルー色のショーツだけを身に着けている。華奢なデザインのそれは、両端の生地の幅も細く、左右に張り出した女の両腰に埋まりながらその肉に噛み付いている。

「いつもそんな卑猥なパンティーを穿いているのか?お前は・・・人妻の癖に・・・」

 男は勝ち誇った声でそう言った。女は答えない。真っ白い裸体を晒した侭、直立不動の姿勢で目を閉じている。
真白い下腹部が、ゆっくりと息衝き波打つ。
その下には小さな三角の布が張り付き、深い角度を描くV字の切れ込みが、女の股間を辛うじて隠している。

「三十三歳とは思えんね・・・その下着は」
男の眼が、噛み付きそうに女の股間を食い入る。大儀そうに首を傾げて続ける。
「どうなんだ?そんな下着をいつも穿いているのか?返事をしろ」
男が語気を強める。女は促された様に、はい、とだけ言った。低く震えた声だった。何かに怯えている感が在った。例えばそれは、同居人には悟られたくは無いという怯えが。

「この前・・・やくざに犯されながら・・感じたのか?お前は・・どうなんだ」

男が上唇を舐める。女は固く眼を閉じた侭、俯くように首を垂らせた。そして、ゆっくりと左右に振る。
女の乳房が、その動きに合わせて揺れ動く。血管が透ける程の白い肌がその乳房を包み込み、更に蒼白く映えている。

「正直に白状しないと・・・只では済まんよ」
男が溜息交じりに洩らす。絶対的有利の立場に在るのか、その声には狡猾な自信が満ち溢れていた。

「・・・・感じ・・・ました」
女は俯いた侭、そう呻いた。言わされてしまった恥辱の念が和室に響く。
「どんな体位が、一番感じたんだ・・言え」
「・・・・わかり、ません」
「正直に・・・・言え。何度言わせるんだ、お前は」
男の声も震えていた。しかしそれは興奮の度合いが高まりつつある証拠であり、男の歪んだ性癖が露出した瞬間でもあった。

女は、言わされた。男は更に詳細を聞いてくる。
体位の詳しい内容、どんな声を放ったのか迄を白状させられた。
「それは・・・あのガキ達に犯された時も同じだったか」
「・・・・・・はい・・」
女は答えた。嘘はもう吐いていない。正直に言った。身体が傾いで倒れそうに揺らいでいる。
「その侭で、後ろを向け。両手は真横にぴったりと沿えてな・・・お前は奴隷だ・・・らしくしろ」
男は言いながら着ている背広を脱いでいる。
女は従った。

「デカイケツしやがって・・・・そんなに食い込ませてどうする気だ?男を誘惑しているつもりか」
背後から容赦の無い、下卑た言葉が投げられる。
男が近づいた気配が在った。
「半分程・・・食み出させてやがる・・ぶりんッ、て感じでよぉ・・」
男が真下から覗き込んでいる気配が在る。晒した尻を凝視している。

「さて・・・」
男が立ち上がった様に思えた。次の瞬間、下着が指が掛かり、腿まで一気に引き下げられる。
ひッ、と言う息を引き込んだ声に成らない声が女から出た。
女の盛り上がった真白い尻が、下着を下ろされた反動でその表面を波立たせながら露出した。



 河邑雄一は、病院のベッドにいた。
消灯された院内は静まり返っている。だが眠れない。
腹部の痛みは和らいでいる。しかし熱っぽいだるさは依然として在る。風邪などでは無い。刃物が進入した証なのだろう。未だ身体が悲鳴を上げているのかも知れなかった。

 どのくらい時間が過ぎたのか。
雄一はふと、その眼を開けた。窓から差し込む光は満月のそれだった。それがシーツに反射し、病室全体を蒼い光で覆い尽くしていた。
その床に伸びる影。

「・・・・よお・・元気か・・」
その影はそう言った。



「じゃあ・・・お前が一番感じた体位・・・その格好を再現してみろ」

 楡はそう言った。目の前で背を向けた侭立っている全裸の女、河邑五月に向かって。
 五月はややあって従った。黙した侭その両手を伸ばす。ゆっくりと上半身を前方へ折り曲げていく。 
「それが・・・お前の感じた体位の格好か・・・五月」
「・・・・・は、い・・そうです・・」

五月は苦悶を交えた呻きを洩らす様に言った。
髪が逆様に垂れ下がり、畳に落ちる。両手をその畳に付けて身体を支える。尻が真上近く迄上がり、揃えた両脚が無様に左右へと蟹股に拡がった。掲げた尻が屈辱で床に落ちそうに揺れる。全裸で行うには余りにも卑猥な姿だった。
そして自分の真後ろには、あの楡が居る。
究極と言える屈辱の姿勢だった。
そして、それはあの若者達に犯された際も、やくざに陵辱を受けた時にも従わされ、絶頂に追い遣られた体位の格好だった。雌同然の扱いで貫かれ、被虐の悲鳴が際限なく五月の口を割った。だがそれは心の奥底に隠した被虐の歓喜を誤魔化す為に、そう叫んだのだった。
顔を打ち振りながら、嫌と叫びながら、自身の乳首は硬く尖り続け、尻は貪欲に男根を呑んでは吐いて揺れ続けた。

何故、ここまで楡に従うのか自身でも解らなくなっていた。
あの少年達と知らずに助けた夫。殺害を妨害した故、その夫が更なる危険に晒されると言った楡の言葉。
それに屈服したからか。夫を助けて欲しければ命令に従えと言われたからか。
そう、きっとそうだ。それ以外に何が在るというのか。
五月は自身にそう言い聞かせ、楡に尻を掲げた。
だが。
得体の知れない恐ろしい何かが自身の中で芽生えつつあるのを、五月は恐怖していた。


 楡は息を呑んだ。 
目の前に、三十路を過ぎた人妻の尻が在る。盛り上がった尻の肉山が豊かなまろみを帯びて艶やかな光沢を放っている。
その肉山を左右の掌で鷲掴む。パン、という打音が和室に響く。
同時に、ンッ!という気張った呻きが五月から洩れた。
白い尻が撓み、指がその中へと埋まっていく。弾力に富み、且つ得も言われぬ軟い尻の感触が、楡の脳を痺れさせる。

「この格好で、犯されたのが、一番、感じた、のか」
 楡は上擦った声でそう言いながら掴んだ尻を両手で揉み、捏ね回す。
「・・・そう、ですッ・・」
思わず耳を覆いたくなる甘い声が出そうになる。五月は必死で堪えた。

 尻全体が五月の性感帯であった。知っているのは夫ではない。自分自身だけだ。撫でられても、荒々しく掴まれても感じる。しかしその事を知ったのは最近の事の様に思える。
何故、こんな身体になってきたのか。自分はこんなにも卑猥で淫らな女だったのかと、自身に問うた。
そして、その事をこの男にだけは悟られては成らない筈だった。
しかし、それは今左右に捏ねられ、揉みしだかれている。垂れ下がった乳房も一緒に踊っていた。乳首が頭を擡げていた。尻の中心が熱くなってきている。五月はその感覚を追い払う様に歯を食いしばって堪えた。

「立った侭、尻から犯されて感じましたと言え」
五月は黙った。不意に尻を打たれた。平手が飛ぶ。
楡の言葉をそのまま返した。変態女、と言われて再度平手が飛ぶ。パンッと、小気味のいい打音が響いた。
五月は血が滲むほど下唇を噛んだ。苦痛のせいでは無かった。
「亭主と、やくざのちんぽ、どっちが大きかったんだ、白状しろ」
 楡が掲げた尻を左右に掴み広げ、割る。そして中央に寄せ集めては又広げる。それを繰り返す。
「やく、ざ、の、ほう、ですッ」
蟹股に広げた両腿が震えて痙攣している。尻の奥から水糊を掻き回す様な音が出始めていた。
「この、尻奴隷が」
そう言うと容赦の無い平手が五月の尻を打った。
五月は崩れ落ちる様にその両膝を付いて突っ伏した。
楡がその両手を掴み、後ろ手に引き回す。五月の両手が交差され、ベルトで縛られた。
仰向けに転がされ、両脚首を掴まれて引き裂かれんばかりに拡げられる。
五月は声も無く仰け反った。楡の男根が音を立てて押し込まれていた。
「どうだ、オマンコ女、いいか、どうだ」
五月はその細い首元を晒した侭、泣き出しそうな顔を歪めて黙している。反り返った上半身の上で、両の乳房が上下に踊る。乳首は硬く尖り切っていた。
下敷きになった両腕に痛さも何処かに消し飛んでいる。
声だけは堪えなければならない。義母に悟られてしまう。その一念で堪えた。
苛立った様に、楡が五月を再度転がす。
尻を掲げさせられた。
「尻から、犯してください、楡様、と言え」
五月は小声で従った。その声は自身でも恐ろしい程、恐怖だけでは無い、何か期待し、そして奮えていた。
もう堪えられないのは明白だった。これ以上責められたく無い筈だった。
 次の瞬間、五月は無言でその口を裂く勢いでカッ、と拡げた。
尻が掴み広げられ、剥き出した肛門に楡の分厚い舌が押し込まれていた。
舌が肛門を押し広げ、内壁を掻き回す。五月の背中が捩れ、気張る様な呻きが急に高くなり、嗚咽の声が洩れ始めていた。
再度、五月の唇が大きく拡がる。楡はその下に在る濡れそぼった膣に無骨な指を捻じ込んていた。出し入れをしている。
五月は、縛られた両手の指で幾度も空を掴んでは、引っ掻く様な動作をし続けた。
  1. 2014/07/10(木) 00:45:48|
  2. 月満ちて・hyde
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妻・友子の不倫告白!・ヘタレ旦那! (18)
妻の浮気を知ってしまった。・美作 (2)
ピアノレッスン・悦 (5)
アルバイト・凛 (14)
元ヤクザの情婦にされた妻・574 (13)
観光温泉ホテル・公務員亭主 (16)
奥手でおとなしい妻が後輩に仕込まれた・名無し (6)
寝取られ妻が本気で妊娠まで・浩二 (5)
ナース妻を寝取られて・由美子命 (10)
写真館派遣の妻・無知な夫 (7)
私の身に起きた事実。・ファイター (10)
イケメン部下と妻・・・リュウセイ (9)
変貌する妻・雄治 (18)
僕の厄年・田舎おやじ (10)
訪問介護・サンコウシン (6)
狙われた人妻・亜紀・恋愛小説家 (7)
マラソンを愛する妻・スポーツトレーナー (3)
妻が汚れてしまった・常陸の親方 (10)
妻は専務のおもちゃだった・道騎士 (6)
妻の二人の夫・妻を愛する夫 (27)
見えない檻・生き物係り (30)
美樹がやられた・無能な夫 (41)
愛妻を・・・・川島クロード (12)
序破急・中務 (75)
月の裏側・久生 (14)
婚約者の調教動画が見つかって (12)
官舎 送別会・公務員 (5)
撮られていた妻・スネ夫 (8)
夫婦の恩返し・赤とんぼ (8)
1話完結■職場関係 (20)
■義父または近親 (65)
妻は義父のモノ・クスコ (3)
イトコと親友に、そして・・・ ・正光 (16)
巨乳妻・ゆうき (18)
家族遊戯・六郎汰 (14)
疑わしい行動・圭太 (9)
妻の絶頂・こうくん (5)
■隣人または友人 (491)
はちきれそう・ゆう (7)
仕掛けられた糸・赤いかげろう (6)
本当のこと。・一良 (14)
リフォーム・とかげ (22)
友達・悦 (13)
悪夢・覆面 (10)
ビデオ・はじめ (4)
言えない真実、言わない真実・JOE (17)
私しか知らなかった妻・一樹 (3)
妻の秘密・光一 (54)
清楚人妻 一夜の陵辱劇 ~親友に騙された~・仁 (6)
俺が負けたので、彼女が手コキした (5)
惨めな自分・子無き爺  (6)
田舎・マス夫 (16)
秘密・POST (14)
新妻の幻想・TAKA (4)
遠方よりの友・ちかこmy-love (11)
管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
抱かれていた妻・ミリン (18)
パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
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冬のお天道様・道明 (26)
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