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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

心の闇 第1回 スナックのママの誘いその1

 私は昨年1月に、長年、(16年)、勤めてきた兵庫県の南東部にある市の地方公務員から大阪の精密機械の会社に転職しました。
 それは、一昨年末、父と母が交通事故で一度に亡くなり、父が社長をしていた精密機械工業の同族会社を引継くため転職したのですが、市役所の仕事と違い、取引先との付き合い、従業員との接し方、技術面の勉強、特許の紛争、海外の取引先への訪問等、会長である伯父(母の兄69歳)の全面的なバックアップのお陰で何とかこなしていけるようになりましたが、この1年程は、土日以外は家に帰れないほど忙しい状態が続きました。
 妻のほうの原因で、私たち夫婦には、子供が授からず、子供がいれば、また違った生活になったと思いますが、私は、仕事にのめりこんでいたのです。

 このような忙しい状態が続いたのは、それぞれの部門に適切な判断をする長を置かず、同族会社によくある、会社の規模が大きくなっても社長(父)がすべてを取り仕切っていたという体制にありました。
 このことの解決のため、優秀な人材の引き抜き、有能な社員の抜擢などでそれぞれの部門の長を置き、権限移譲をした結果、5月末の株主総会(銀行、従業員持ち株会等一族以外の株主も参加した)あたりから私の社長体制が固まり、経営も順調に回っていくようになっていきました。
 特に、大学の同窓生で、大手の名門電器会社に勤めていた親友を専務として引き抜き、この専務の活躍が大きかったと思っています。
 6月になって、国内の取引先、海外の取引先にも、それぞれ担当者と一緒に挨拶に行き改革の仕上げをしました。 
 6月の3週目にはその挨拶周りも終了し、週末の16日(金曜)の夜には家に帰り、ゆっくりすることが出来るようになりました、

  妻は、私の好みの食べ物をならべ、嬉しそうに笑みを浮かべながら、
「お仕事の方大変だったようですが、おじ様から、電話で貴方が頑張ってらっしゃる事をお聞きしました。さすが渡辺の血を継いだ秀才だと喜んでおられましたよ、でもおじ様も、もう年で来年引退したいと仰ってました。
でも、今年は暑い夏になりそうで夏に弱い貴方の健康が心配です、あまり無理をしないでくださいね」と心配そうに私の健康を気使ってくれます。

「うん、心配かけてすまん、この一年ちょっとはろくに家にも帰れない状態が続いたが、もう大丈夫、体制が整ったから、暇になるとは思えないが普通の状態に戻れると思う、葉子にも、いろいろ心配と苦労を掛けたが安心してくれ」

 久しぶりに、私の母に仕込まれた妻の料理は本当に美味しく満足したあと、酒は飲めない私ですが,煙草は吸うほうで、リビングでダビドフの細巻の葉巻をふかしていると、妻が改まった言葉使いで
「貴方、ご相談があるんですが、聞いて頂けますか」と言ってきた。

 言葉ずかいに、この地方のイントネーションが残っていますが、祖父、父、私と東京の大学卒業で出来るだけ標準語に近い言葉使いを心掛けていたうえ、祖母も母も関東出身なので、妻も懸命に努力したのでしょう、おかしいところはありますが、我が家の変な標準語をしゃべります。

「なんだよ、改まった言い方で、農園の方に問題でもあるのか」
「いいえ、農園のほうは問題ありません、法人組織になってから順調に売り上げも伸びていますし、県庁の技官に来ていただいてから、作物の生育も順調です。」

「では何の相談なの」
義昭(息子)もアメリカに留学に行き、私の手を離れ、農園の方も私には殆ど手伝う事もなくなって、暇になってきましたので、外で働きたいのですが、許して頂けますか」
           
「子供も手を離れ、農園の方も手を離れてきたのなら、前から行きたいと云っていた民謡教室や、好きだった花の栽培でもやったらいいんじゃない、農園も利益が出るようになったし俺の収入も役人の時より3倍になったんだから、かなりの贅沢をしても大丈夫だよ、」

妻は少し困ったような顔つきになり、少し俯きかげんに、じっとしていました。
この妻は、ほんとに無駄使いをしない、節約好きな性格で、所謂、しまりやで化粧品にも服装にも無駄なものは買はない、堅実な性格です。
 
 結婚してからずっと、私の祖父祖母、両親を蔑ろにせずよく仕え、息子のよき母親であり、私の良き妻でした。
 その妻が、祖父、祖母を相次いで見送り、舅、姑を事故で失い、特に嫁を実の娘以上に可愛がった姑の死に衝撃を受け、そのうえ一人息子が海外に留学のためアメリカにいき手が掛からなくなり、家が昔からやっている農園も法人組織にしてから殆ど行かなくてよいようになるなど寂しくなったうえ、夫の帰らない日が多くなり、広い家で一人になって寂しかったのでしょう、あまり社交的でない妻が外に働きに出たいという気持ちになったのは、寂しいからだと思います。

「それで、どんな仕事をしたいの」と聞いてあげました、学歴は高卒(普通科)、資格、特技は何もなしのお前にどんな仕事が出来るのかと云いたいところですが、高校3年の妻と関係ができ、高校卒業後、すぐにできちゃった婚で結婚した弱みがあり、結婚後は、専業主婦で外に出したことのない世間知らずの箱入りにしたのは私だったので、これは言えない事です。

 特に私の両親が一昨年12月に海外旅行で事故にあい一度に二人を無くし、昨年の4月には、息子がアメリカに9月の留学が決まり、語学研修のため先に海外に行った事は、妻にとっては、人生の生きがいを奪われたように感じていたのでしょう。

「あのー、私がしたいというお仕事では無いのですが、貴方も知っている順子(妻の中学高校時代の同級生)のお店を手伝って欲しいと云われて。」

「へえー、順子さんは何かお店をしていたの、どんなお店」と聞くと、妻は
「スナックです」
 私は飛び上がらんばかりに驚きました。
「スナックって、お前、客にお酒を出す店だろう、所謂、水商売というやつだ。
 それで、そのスナックに、行った事があるのかい」

妻は顔を横に振りながら
「同窓会の2次会で、1度、居酒屋に1度行った事があります、カウンターがあって、その中からお料理やお酒を出してくれ、お客さんがスツールに腰掛けて、それを食べたりお酒を飲んだりするところでしょう、でも順子さんのお店には行ったことがありません」

「スナックにもいろいろあるようだが、基本的には、お酒を出す店で、居酒屋は食べ物を出す店だ、スナックは水商売で、居酒屋は料理屋だ」

「居酒屋で働いている女性はウエイトレスで客のオーダーを聞き、その料理を運ぶのが仕事だ、スナックで働いている女性はホステスといい、派手な化粧や服装で客のお酒の相手をするのが仕事だ、昔は夜の蝶と云はれていた。
  なぜ、お前がなぜ水商売の女に、夜の蝶にならなきゃあいけないんだ。
 家の嫁を水商売の女に出なきゃなないほど、家は落ちぶれていないぞ、
俺は去年やめたとは云え、市役所の部長だったんだぞ、また今は中堅の企業とは言え精密機械企業の社長だ。
家は、江戸時代は庄屋で、現代では企業の経営者で先祖代々の土地、山林を持っ、歴とした家柄だぞ、その家柄の現当主の嫁が水商売に行きたいとは、いったい何を考えているんだ」

 妻は初めて見せる反抗的な不満そうな表情をみせ、
「何も、水商売のお勤めにいくとは言っていません、順子に頼まれ、ちょっとの間だけお手伝いにいくだけです」
「ちょっとの間だけお手伝いに行くのも、長い間も、水商売の女になるのに変わりはない、家の嫁が水商売の女になって、夜働きにいき、見知らぬ男に媚びを売り、酒のお酌をするなど許される事ではない、良家の奥様というプライドがないのか、その辺をよく考えろ、社会のお役にたつなどのボランティア等なら兎も角、水商売で夜に働きに行くなんてとんでもない」

と、怒りに任せ妻にきつい事をいいました、妻は少しうなだれていましたが
 これだけ言ったのだから二度と言い出さないであろうと多寡をくくっていま
した。                                
私のプライドとか、この地方の名門の家などという時代錯誤の考えなど、本
当は思ってもいませんでした。
妻は生涯私だけのもので、世間知らずの妻に男が言い寄る機会を作る事など、とんでもない事です。
妻は強引な要求に妥協してしまう弱いところがあり、雰囲気に流されやすいところもあり、夜の世界に働きに出るなんて夫として絶対に許せません。

それでも、その夜は、久しぶりに妻を二度、抱きました。

  翌日は土曜で休みだったのですが、目覚めて早々に昨夜の妻の話が気になっていたので、市役所勤めの時に知り合った地元警察幹部(Kさん)に電話し、妻が誘われている事を正直に話し、スナック順子とママの順子の事を調べて欲しいとの依頼をしました。そのKさんは、部下の風紀係に聞いて報告すると請け合ってくれたので、解ったら携帯に電話を欲しいと伝えました。
  この依頼が終わり、空腹を感じたのでリビングに降りていきますと、妻が昨日話していた順子と何やら、真剣な表情で話し込んでいました。
  早速我が家に乗り込んでき、直接私に交渉しに来たなと思いましたが、

  昨日の話に拘っているように見られるのも業腹なので、
 「おはよー、いやー順子さん久しぶり」と努めて明るい声で挨拶をしました。

  妻も順子も私の明るい表情に安心したのか、笑顔で挨拶を返してき、妻の作ったモーニングを食べ、妻のいれたブルーマウンテンのミルクコーヒーを飲みながら、二人の会話の中に入っていきました。
久しぶりに会う順子という女性は、以前から美人ではなくどちらかと云えば不美人の部類に入ると思うのですが、色白で男好きのする、色気たっぷりの女性でアラフォー世代になってより一層、艶っぽさというか、男を引き込む妖艶さが増しているように感じられました。

順子の話は水商売で鍛え上げたというか、男を気分よくさせるためのテクニックというか、妻に向かって私を褒め上げます。
スナックに来る、程度の低い酔客とは違い、私にはこの順子の意図がありありと解かっていました。さんざ私を持ち上げ、気持ちを良くしておき、例のスナックに妻の葉子を引きずりこむ算段なのでしょう。
案の定、一通りのオベンチャラを言った後、
「ご主人、葉子(妻)ちゃんにお願いしているお店を手伝って頂く件ですけど、ご主人が納得して下さらないと葉子ちゃんから聞きました。
ご主人にお願いします、ちょっとの間、次の子が見つかるまでで結構ですから、何とかお許し願えませんか、お願いします、急に女の子が二人もやめてしまって困っています、私を助けると思って許していただけませんでしょうか」
と本当に困っているような悲しげな表情で訴えてきます、なかなかの役者です。

私は、「そうおっしゃいますが、家の葉子はずっと主婦業で、子供の母親で、農園のお手伝いを少ししてきただけですし、家では誰も酒を飲みませんので酒のつぎかたも知りません、
  それに、若いぴちぴちした娘ならいざ知らず、見た目は若くみえるようですが葉子も36歳で、もう、おばちゃんです、客のお酒の相手には賞味期限が過ぎていると思います、その上僕は、葉子にけばけばしい化粧や服装をした水商売の女になって貰いたくはありません、普通の主婦でいてもらいたいのです、それにお金に困っている訳ではありませんので妻が働きにでる必要もありません、僕の妻でいる限り、水商売に行く事を絶対に許しません」
  とハッキリお断りを言ったつもりでしたが順子は困ったような顔をし、葉子は私から目線を離し、下を向いていました。
                                   その時、胸のポケットに入れていた携帯が鳴りだしました、取り出して見る
と、例の事を頼んでいた、Kさんからでしたので、仕事の電話であるように装
おい席を立ち、妻と順子に断りを入れ、自分の部屋で詳細な報告を聞きました。
  
その内容は驚くべきもので、酒を飲めない私が、仕事の接待でいった事のあるクラブ、キャバレー、スナックの印象とは全く違うものでした。
  この地元警察の幹部は、キャリアー組ではなく、たたき上げ組の中では本当に稀な、警視正まで出世した人物で、現在は地方公務員ではなく国家公務員になっている人柄の良い、良識のある人物ですので、その報告には全幅の信頼が寄せられます。
 
  かなり長い時間、メモをとりながら報告を聞いていたのですが、電話が終わりかけの頃、階段を上ってくる足音が聞こえてきたので、少し大きな声で
 
「いやいや、本当にお世話になり、有難う御座います、貴方にはご迷惑をかけ、大きな借りが出来ました、この御恩は忘れません、近いうちにお会いしお礼を申しあげたいと思っております、また電話させていただきます」
  
とさも仕事の話である様に装い話を修了させました。
 やはり、二階に上がって来たのは妻で
 「貴方、電話が終わりましたか、すみませんが、順子がまだお話ししたいと云いますので、下へ来て頂けませんか、お願いします」

 「その話は終わった、ハッキリ断ったはずだ、俺にはもう話すことはないよ」
 
「そんな事、おっしゃらないで、小さい時からのお友達の順子のお願いですから話だけでも、もう少し聞いてやって頂けませんか、お願いします」     

と多少何時もの妻と違う感じがしましたが、先ほどの警察幹部の報告が引っかかっていたのでもう一度順子の話を聞いてやり、先ほど聞いた話をベースに順子の話を粉砕してやろうと思い、しぶしぶなふりをし妻とリビングへ降りていきました。
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  1. 2017/09/27(水) 14:43:37|
  2. 心の闇・北斗七星
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心の闇 第2回 スナックのママの誘いその2

  二階の階段から見えた順子は何かいらだっている様な感じでしたが、私の姿をみたとたんに、表情を変え、満面の笑みを浮かべながら、私に話かけてきました。
  「先ほどは、私の発言が言葉足らずで、ご気分を害されたかと思います、お詫びします」
  私が何も言わず黙っていると。
 
「私が申しあげたかった事は、葉子ちゃんにスナックのホステスになってくれという事では無く、あくまでも少しの間、お手伝いをして欲しいというお願いです」
 「私のお店は、客層も良く、年齢層も高い上品なお客ばかりでして、葉子ちゃんのように20代後半にみえる、 上品で、美人で、スタイルも良い人が一番お好みなんです。ご主人が先ほど仰っていました、けばけばしい化粧や服装は絶対させません、あくまで上品な奥様のままが良いのです。
  葉子ちゃんは、美人で、明るく、愛想も良く、お酒も強く、客あしらいも抜群で、何よりカラオケが上手でその声がすごくセクシイで魅力的です、すぐに人気が出て、ファンもたくさん付くと思います、葉子ちゃんはこのお仕事に向いている人です

  順子ママのいうことは、20年近い年の結婚生活から知っている妻からは考えられないものです、妻の葉子は、社交的なところはなく、どちらかと云えば、おとなしく引込思案の性格で自己主張の少ない女性です、とても、酔客と騒げるような性格ではありません、歌は上手ですが、出来るだけ楽譜どうりに歌う方で清純な声です。決してセクシイな歌い方、声ではありません。 
私は、ますますこの順子という女性が妻を水商売に引っ込もうとして、短期間だの、お手伝いだのと言っている口先から、人気者になるだの、ファンがたくさん付くだのと、店の商売の事を考えているだけで、引き込んでしまえば、後はどうにでもなると考えているのではないかと思いました。

 「ご主人、葉子ちゃんに絶対に嫌なことはさせません、言い寄ってくる男がいても、私が変な事にならないように守ります、ご安心下さい。
  ご主人が先ほど言われた賞味期限切れの事は葉子ちゃんには当て嵌まりません、葉子ちゃんはこれからが最高に綺麗な時です、こんな女性を家庭という檻に閉じ込めてないで、広いところに出して上げて下さい」

  語るに落ちるとはこのことで、この順子が喋れば喋るほど、その本心が見えてきます、しかし疑問に思うのは、なぜこれほど妻を自分のスナックに引き込もうとするのかと云う事で、これは何かあるのではないかと云う疑いが沸いてきますし、先ほど聞いたKさんの話が段々と気になってきました。
  妻の様子を見ていると、この順子の喋る内容が気になりだしたのか、特にカラオケの話あたりでは固い表情に変わっていきました。
  
「自分は、酒が飲めない体質なので、バーやスナックには自分で飲みに行ったことがないのでよく知りません、そこで教えて欲しいのですが、順子ママの店は、どんな営業免許で営業しているんですか」

 と搦め手から、解かりにくいように攻撃を始めました。
  妻の葉子は、なぜそんな事を聞くのか不思議そうな表情をちらっと見せました。

 「私のところは、普通のスナックで、飲食業の免許です」
 
「深夜営業の申請はしていますか」
 順子は、なんの目的でこのような事を聞き出したのか、少し疑問に思いだしたようですが、
 「深夜営業の申請はしていません」

 「そうすると。午前0時で営業が終わるという事ですね、それから、お店はカウンターだけでボックス席はないんですか、それとカラオケの装置はありますか」
 順子ママはだんだん不思議そうな表情に変わり始めましたが

 「ボックス席もありますし、当然カラオケの装置もあります」
  妻は夫が何かを探り出しに掛かったと云う事が解かったようで、ますます表情が硬くなっていきました。

 「次にお聞きしたいのは、飲食業免許のスナックでは、お客と店の従業員が一緒にカラオケを歌ったり、カウンターを出てボックス席などで一緒にお酒を飲み、お話しをすることは、違法となると聞いていますが、順子さんのお店では、どうなんですか」

  ここまでくると順子ママもさすがに何を聞き出したいのか解かって来たようで、少しずつ表情が変わり始めました。
                                 
「スナックの経営はそんな杓子定規なだけではやっていけません、お客と
カラオケでデュエットをしたり、ボックス席でお酒を注ぎながらお話をする事は当然あります、どこのスナックでもやっていることです」
 
  皆がやっているのだから当たり前という答えです。
  もっと順子のスナックは違法行為をしている事を妻にわからせようと次の矢を放つことにしました。

 「しかし、風営法の申請をし、許可を得れば、顧客の接待は当然の業務として出来るわけでしょう、なぜ風営法の申請をしないのですか、出来ないわけでもあるんですか」 
 
  このことは、先ほどのKさんからの話しで、この順子ママには、管理売春の容疑で起訴され、有罪判決がでた過去があり、風営法の申請をしても許可の下りる事は殆どない無いという事を突いたつもりです、順子の顔色が変わってきました。

 「風営法の申請は営業の相当前に出す必要があります、私の店の場合、前の経営者から居抜きで買ったもので、そのまま営業するため、飲食業の免許で行きました、そんなスナックはいっぱいあり、それが普通だと思います」

  なかなかの答弁で、中身のすり替えは感心するほどしたたかです、順子は、この葉子の亭主が違法なところを突いて、妻がスナックに出る事を防ごうとしている事に気が付いたようです。

 「次にお聞きしたいのは、バーやスナックではホステスに、同伴とかアフターとか云って時間外に客と付き合わせ、客が店から離れないよう、売り上げが増えるようにする事が一般的と聞いていますが、順子さんのスナックではどうなのですか」  

 ここまで言うと、順子ママもさすがに嫌なものでもみる目つきになり、私の持っていこうとする方向をどの様に阻止したらよいのか考えたのでしょう、少し返答に間が空きだしました。

 「私のお店では、同伴やアフターを推奨したり、強制したりは一切ありません、お客さんと店の子のお付き合いは、あくまでもプライベートの問題で店としては、何ら口の出す事では無いと思っています」

  この順子という女性は、本当にズル賢い、同伴やアフターはママの預かり知らぬ事で客と店の子のプライベートな事だといい、推奨しているのか、半ば強制しているのかも全て霧の中に隠してしまう。
  先のKさんに聞いたところでは、客の全てをママ自身の客つまり店の客とホステスの客に振り分け、ホステスには。その客の月の飲み代合計から歩合を渡すという、昔の飲み屋のシステムだそうで、売掛金の回収までそのホステスに責任を負わせているのだそうです。                               
  また、ホステスは歩合給のみだから、稼ぐには自分の客に店で金を使わす以外に道はないので、自然と客の云う通りにならざるを得ないというもので、アフター、同伴、店での卑猥な接客などに落ちていくことになるそうです。
  順子の店をやめた二人の若いホステスも、より直接的に稼ぎの良い風俗に流れていったそうです。
  そんな事を知らない妻の葉子を、誘っているのは、順子の店には、40代の普通の人妻一人とチーママと呼ばれる、チビ デブ ブスのフルオーケストラと云われている30過ぎの女ですが、これでは客足が遠のくのも無理もないということを聞いていました。

  確かに順子ママは困っているのでしょう、しかし若いきれいな子は、そんな給料が安く客筋も良くないスナックなどには見向きもせず、手っ取り早い風俗に行くか。本当に綺麗で、客にもてる子は近隣大都市の高級クラブに行くそうで、この市のスナックは、色気なしでママが一人かお手伝いと二人でやっていて、美味しい食べ物を出し、値段が安いというサラリーマンが気安くいける店が頑張っている以外の色気ありの店は相当経営が厳しくなってきており、廃業するバーやスナックも出ているようで、反面、風俗のデリヘルなどがでだしており、この市の夜の世界にも代替わりの波が来ているようです。
  順子の店は現在、ママを入れてこの三人でやっている訳で、この中に妻の葉子が入れば、人三化七の中に舞い降りた弁天さんでしょう。
                                  (この、人三化七は、ニンサンバケヒチと読むそうで私が若い時に祖父から聞いたもので、人の部分が3割、化け物のような不細工な部分が7割というブスという意味だそうで、「人三化七、酒が入れば弁天さん」と言ってました、ひどいブスの女でも、酒に酔えば美人に見えるという意味だそうで、今は死語のようで、その後聴いたことはありませんが思い出したので比喩としていれました) 
  1. 2017/09/27(水) 14:45:27|
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心の闇 第3回 スナックのママの誘いその3

  私には、順子ママが全くの嘘を吐いているか、または、云うような接客を強制しているのかどちらかで、何度か順子ママの店に妻が行ったことは間違いないと思い、順子ママに直球勝負に行くことにしました。

 「順子さんは、葉子が愛想がよく、酒が強く、客あしらいが上手く、セクシイな歌も上手でホステスに向いていると確信をもって云われましたが、僕の想像もつかない葉子の姿です、順子さんが何度かそのような葉子を見ているとしか思えません
順子さんの店に、葉子が何度か行って、その様子を見ているのですね」

  この直球勝負に、驚いたのは妻のほうで、顔色が真っ青になりコーヒーカップを持っていた手が振るえ出しました。
  順子ママのほうは、少し開き直ったような表情を浮かべ、
 
「ご主人は鋭いですね、葉子ちゃんが主人には黙っていてくれと云うので言いませんでしたが、何度かお店を手伝ってもらいました」

  妻の方を見ると、俯きかげんに顔を向け、固まったようになっていました。
 何度もスナックの手伝いと称しホステスをしていた事を夫に知られ、順子の店にはいったことがないと嘘を吐き、水商売を嫌っている夫がどれだけ怒るのか心配なのでしょう。                           
「葉子、昨日なんであんな嘘を吐いたのだ、葉子は嘘の吐けない誠実な女では
なかったのか、それが、いつ平気で嘘を吐く女になったのだ」
 
  妻は本当に誠実な性格で嘘は吐かないという女性のはずでした、これには、隠さねばならない大きな秘密があるのではないかという、疑惑が起こってきました。
  
「順子さん、妻とは真剣に話し合わねばならない事があるようです、最後に一つだけ聞かせて下さい、6月11日の土曜日に店を貸し切りにした日、妻はお手伝いに行ったのですか、行かなかったのですか、私はこの前後海外出張でしたのでわかりません、お答えください」

 葉子が泣きだしました、順子ママの顔色が変わりました、アッと口を開け、私
の手元のメモを探る様に見つめながら、この人はどこまで知っているのかと考
えているようでしたが、

 「えーと、6月10日の貸し切りはチーママにまかせていたので私は知らないんです、チーママに聞いておきます」

 「そうですか、ではその日警察の手入れがあった事もご存じないですか、警察が、公然猥褻罪でその場にいた人を逮捕したようですが」

 順子ママが震えだしました、葉子の鳴き声は大きくなり、錯乱と云っていいほ
どの状態になりました。
 
私は、今日はこれまでにしておこう、続きは明日以降ゆっくり全てを聞き出し
てやろうと思い

 「今日はこれくらいでお引き取り下さい、正直に話す気になられたらお電話下さい」                

と冷たく聞こえるように、声を落として言いました。
順子ママは、何かに怯えるように肩をおとしながら帰っていきました。
 妻の葉子は、身も世もないという風情で泣き続けていました。
  1. 2017/09/27(水) 14:46:55|
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心の闇 第4回 妻への疑惑 その1

  順子ママが帰った後も、葉子は椅子に腰かけて、テーブルに上体を伏せる状態で泣き続けていました。
  激しく泣き続ける妻を見ていて、泣く姿に可哀そうなどという憐憫の情が沸いてくることは無く、これは何かある、それでなければ、こんなに泣くはずはないとおもいました。
 
大学の時、心理学の講義で、「悲しいから泣くのではない、泣くから悲しいのだ」という話を聞いた記憶があります、たしかジェームズ=ランゲ説といったと思いますが、その時は、しっくりこず、普通は悲しいから泣くのだと思っていましたが、今の妻の激しく泣く姿を見ていますと、夫に隠しスナックに行ったことに、そんなに悲しい事があるとは思えません。
泣くから悲しいのだと云う説も場合によっては間違いではないかとも思いました。

泣き止まぬ妻に
「いつまで泣いているんだ、いろいろ聞き糾したいことがあるのにこんな状態なら話にならんじゃないか、冷静に話が出来るようになったら、上にあがって来い」
と言って2階の自分の部屋に戻りましたが、何かを忘れて来たような落ち着か
ない,苛立たしい気持ちと、妻に対する腹立ちがさらに強くなってきました。

 女性が自分に都合の悪い事が起こると、泣いてそれ以上の追求なり叱責を逸
らそうとするのを、仕事では何度かみましたが、やはり女性特有の擬態なので
しょうか、泣き脅しという言葉がありますが、それでしょうか。

(このことは、女性特有のものと思っていましたが、当地方の県議会議員が都合の悪い事を追求され、号泣したことが最近テレビで報道されたのを見ますと、例外的には男性にもあるのかも知れません)

  しかしこのまま、ウヤムヤにしてしまうと、妻に対する疑いが残ったままに
なり、妻に事実を明らかにする事で、どのような代償を払う結果になろうとも、ハッキリさせるものはハッキリさせる必要がある、自分はそのように40歳になるまで生きてきた男だという思いを強くしていきました。

  私はどんな事にでも妥協すること無く自分を押し通すと云う、強引な性格とは思っていません、しかし大事なことについては、決して、眼をつむり、知らないフリを装う事は出来ない性格だと思います。
  知らぬが仏という言葉の重みを解からぬではありませんが、大事なことは、ハッキリさせる、させねばならないという事は曲げられません。


  やはり疑問に思っているその事をハッキリさせるには、Kさんに会い、そのことが、捜査事項で外には漏らせない事実でも知る必要があると思い、迷いましたが決心し、再度、Kさんの自宅に電話をいれました。
 
  いつになく、もごもごと云いにくそうにしていた私に気が付いたのか、Kさんは  
「電話では話難い事もあるでしょうから、お会いして話をお聞きしたい、今日は休みで官舎にいますので、宜しければこちらにお出でになりませんか」
と事情を呑み込んだ暖かい返事をもらい、当市の旧市街地区にある官舎に向い
ました。 
  家を出るとき、リビングを見ると、妻はまだ泣いていましたので、何も云はず車ででました。
  途中、ローサイドにある、有名な牛肉の店により、Kの肉好きを知っていましたので、特上のすき焼き用の肉とビフテキ用の肉を財布にあるだけの現金で買い土産にもっていきました。
  世話になる人に迷惑の掛からないよう、領収書はいらない、包装は家で食べるので簡易包装でよいと云い、小さい事でも贈収賄の懸念が掛から無いよう配慮しました。
永い間、地方公務員をしていた経験が、この様な小さい事にまで気が回る様になったのでしょう。

  官舎に着くと、Kさんと奥様が笑顔で出迎えてくれました。
官舎はかなり古い木造平屋でしたが、以前の基準で建てられた立派な、和洋折中の広い家でした。

 奥さんに、重い手土産を渡し、応接間に通され、挨拶もそこそこに、奥さんが
香りの良いコーヒーを持って来てくれました、何か真剣な表情をしていた私を
気ずかい、
 「家族用のコーヒーをいれてきました、お気に召しますかどうか、家では、来  
 客用のコーヒーはインスタント、家族用のコーヒーはサイホンで煎れてます」
 
 と笑いながら話してくれました、
 「うん、僕にはめったに、家族用のコーヒーは飲まして貰えないですがねー
  家族用と云うよりは、カミさん用ですな」

 明るい冗談で私の気持ちを解してくれます。
 その奥さんがちょっとと云い、Kさんを部屋の隅に誘い、なにやら小声で話していましたが、Kさんがチラリと私を見たので、手土産の事だと思いました。

 「Kさん、私も地方公務員を16年ほどやっていましたので、お立場の事は理解しています、来客用ではなく家族用のつまらないものですが、ご賞味下さい」

と先程のコーヒーの冗談に習い、冗談で返しました。
 さすがに、賢婦人の奥さんの反応は早く、クスっと笑われ、その奥さんの反応に、Kさんも私の言わんとすることを理解されたようです。
 Kさんの出世の半分は、この奥さんの功績と云われているのを聞いたことが有りますが、さすがに、賢く、器の大きい婦人です。

 「うちの、宿六もストレスの多い仕事のようで、ご面倒でしょうが、愚痴を聞いてやって下さいね」

 「オイオイ、宿六は無いだろう、宿六は」
 宿六とは、宿つまり自分の家にいる、ろく(六)でなし という意味だそうで、しっかりしない亭主の事だそうです、今は使われない死語のようですが、このKさん宅では、今も生きているのでしょう。

 この夫婦の冗談の中にある奥の深い温かい配慮に、何か熱いものが胸の底か
ら込みあげて来るのを感じました。
 私の持ち込んだ相談事は、この奥さんも聞いているのでしょうが、そのことは
おくびにも出さず、全てを包んでしまう、たいしたものです。

 奥さんが去り、美味しいコーヒーを頂いていると、Kさんが

 「電話で話難い事の様でしたが、貴方には昔に大きな借りがあります、私に出来ることでしたら、なんでも仰って下さい」

 と優しく言ってくれましたので、妻の葉子が、私に隠してスナック順子に何度かお手伝いに行っていた事、乱交があった日にも行っていたのではないかという疑いがあり、その遊びに来ていたという30代の女性2人のうち1人は妻ではないのかと云う疑いをもっている事を話し、その女性の事を教えて欲しいというお願いをしました。

  Kさんは、かなり驚いた様子でしたが、何も云はず、応接室にある2台の電   
 話機の一台を取り(警察専用電話でしょうか)、出た相手に、今までの口調とは違う愛想の無いない云い方で、

 「風紀係のYに繫いで」と云い、すぐにその相手が出たのでしょう、

 「今、別の筋から情報が入った、確認したい事があるから、例の公然猥褻罪事件の、一件書類をもってすぐに官舎の方に来てくれ」

 といい、奥さんに連絡しに行くのか、応接室を出ていきました。
  私は、警察内部の業務の話が、こんなにも直接的で命令口調である事に、少し驚いていましたが、階級制度の明確な警察だなー、とも納得していました。

  警察の手入れがあったことの質問あたりから、順子ママが震えだし、葉子は大声で泣き出した変化から、Kさんから聞いていた、遊びに来ていたという30代の女性の一人が、妻の葉子ではないのかという疑惑が起こったのですが、いよいよその疑いがはっきりすると思い平常心では、いられ無くなっていました。

  Kさんとの会話も何か弾みませんでしたが、15分ぐらいで、Yさんが来られたようで、Kさんが席を外されました。
  一人になって冷たくなったコーヒーを飲んでいると、しばらくたって、Kさんが、応接間に帰って来ました。

 「渡辺さん、どうやら、奥さんではないようですね、2人の30台の女性のうち一人は、既婚者で亭主と一緒に淫乱遊びのためスナックに着ていた女性です、もう一人の女姓は、名前は井出友子、年齢は33歳、職業はバーのホステスで、順子というスナックの経営者と以前からの知り合いで、誘われあの日遊びに来ていたそうです。
  公然猥褻罪の方は、酒に酔って記憶もハッキリしないという申し出から、また、初犯でもあり、送検は無理であろうと考え、本人の始末書と厳重注意で、翌日釈放したようです、ただこの井出友子の身元の確認は取れていませんし始末書だけで釈放したのは、警察にも落ち度があるようです」

  私は深々と礼をし、顔を上げると、Kさんは、手を上げ、何も云うなと云う風に顔を少し横に振っていました。

「本当に有難う御座いました、帰って妻ともう一度ゆっくり話合ってみます」と云い帰ろうとしますと、奥さんも笑顔で見送りに出てこられました。
  
 「上等な牛肉の味噌漬けが4,5日ほどで出来上がります、主人の大好物ですので、主人が平らげてしまわないうちに召し上がりにお出で下さい」
  と婉曲に手土産が主人の好物で喜んでいる事を伝えてくれました。

 家に帰る途中、少し、何か引っかかるものを感じていましたが、それが何か思いだせず家に入ると、妻はリビングで出る時にみた姿勢のまま寝ているようでした。
  梅雨もこれからで気温も高くなっていましたので、このままでも風邪をひくことは無いだろうと思い着替えのため2階へ上がっていきました。
  普段着に着替え下に降りてくると、妻は気配を感じたのか、泣きはらした顔を上げようやく目が覚めたようです。

 「そんなところで、そんな恰好で寝てしまって、本当に、お前は変わってしまったなー、だらしない水商売の女になったのか、しかしこの家にいる限りはベッドで寝ろ」
  と妻を見ていると怒りが湧いてきて、きつい言葉が出てきます。
 
 「貴方、御免なさい、御免なさい」とまた泣き出します。

 「何を謝っているんだ、謝やまらなければならない事って、どんな事なんだ
 それが判らず許せるか、」
 また、妻は号泣になります

 「もういい、何か言えば、泣き出して話にならん、冷静に話合えるようになるまでお義母さんの処でも行ってこい、俺は出かける」

 「待って下さい、どこに行かれるのですか、待って下さい、お願いします、お願いします」
 母親のところへ行けという、私のいう事は聞かず、泣きながら自分の言いたい事だけを言う妻が初めて見せる自己本位な態度にますます怒りが強くなってきました。

 冷静になれない時ほど、怒り狂っている時ほど、無口になれとは、祖父の言葉です、感情に任せた発言ほど他人を傷つけ、自分を傷つけることは無い、そんな時は無口になれと教えられたことが蘇りました。

 「――――」
 
 黙ったまま、食事をとるため外にでました。
  1. 2017/09/27(水) 14:48:32|
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心の闇 第5回 妻への疑惑 その2

  一人で食事をすると云っても、土曜の夜に行くレストランを知らず、美味いものを食べさせてくれる料理屋はやはり酒がつきものだ、いろいろ考えても適当な店が思いつかず、また昼に現金の殆どを使っていたので結局は、チェーン店のファミリーレストランに行き、あまり美味しくもない、ビフテキセットを注文しましたが、贅沢に慣れた私には輸入肉の不味さに、セットの半分も食べられず残してしまいました。
  私はスマホをマナーモードにし、一人でゆっくり考える時間をつくりました。
  
帰りに、コンビニにより、家の高速、大容量の仕事用のパソコンを使いインターネットで浮気不倫の対応策を勉強しようと、喉の渇きにミルクティーのボトル2本と空腹対策にサンドイッチを2個買い8時頃、自宅に戻りました。

  家の明かりは消えていて、妻の軽ワゴン車が無く、出かけたようでした。
 妻が家にいない事に腹立ちよりも、これで、いろいろ調べたり、考えたり出来ると思い、調べている時に帰ってくれば、面倒だと思い、家のセキュリティを全て解除し、新たに全ての扉、ドアーが開かない様セットし、入り口のドアーには、チェーンを掛けておきました 

  インターネットで調べた事は、妻を調べることでした。
  浮気の兆候は、服装、下着、化粧品等に現れるという、また金の使い方にも変化が現れることが多いそうで、まず服装、下着、化粧品等からはじめました。

  夫婦の寝室と私の書斎の間にある、クローゼットと妻の化粧台を調べましたが、服についても、下着についても、派手なものは無く、これと云った変化は感じられませんでしたし、化粧品についても、もともとよく知らない私には判らないといったほうが正しく変化は判りませんでした。

  次に、お金について調べるため、クローゼットの端にある、重要なものをしまっておく部分の扉を開け、引き出しの棚、下の金庫と調べてみました。
  引き出しのそれぞれに、保険関係だの年金関係だのと云う手書きの見出しが貼ったものが9個あり、全て整然と整理されており、預金証書、カード類や証書等は金庫の中にそれぞれ、見出しが書かれた中判の封筒にしまってありました。
  とりあえず、給与の振り込み、生活費の引き出しに使っている銀行口座の書類、金庫の中の通帳を調べて見ますと、不自然なものは無く、無駄使いをせず、ある程度溜まると私の名義で定期預金にしていました。
しかし、この口座のカード、引き出しのためのキャッシュカードはありませんでした、妻が持っているのでしょう、それに、妻自身の銀行口座の通帳、カード、印鑑が見当たりません。                   

  ここまで調べて来て、妻の几帳面な性格、堅実で無駄使いをしない性格がよくわかり、家計の中からは不信な出費は見当たらず、お金の事ではないのが解りましたが、妻のあの取り見出しようには、何かあるという疑惑は消せませんでした。

  自分の書斎に戻り、買ってきたミルクティーをのみながら、ぼんやりしていると、妻のあるシーンが浮かんできました、
  それは、妻は、祖母、と母から貰うおこずかいを自分の預金に入れいくら溜まったとかいいながら、私に嬉しそうに話していたシーンでした。
  そうだ、葉子は自分自身の口座を持っていた、その関係のものは、金庫の中にも、書類入れにも無かった。
  不都合な使途の金なら、自分のへそくりから出していた可能性がある、その通帳もカードもなかった、どこに置いているんだろう。

  とりあえず、インターネットで勉強したお金を押さえ、行動を鈍らせるため、家計に使っている口座のキャッシュカードの停止に挑戦しました、土曜日の夜でしたが、書類にあった緊急連絡用の電話番号で、カードの盗難と嘘を吐き停止にして貰いました。

  次に金庫の解錠番号を変え、葉子が開けられないようにセットしました。

  不都合な使途の金なら、自分の、へそくり から出している可能が高い、あの通帳もカードも金庫の中にはなかった、と、一旦収まりかけた、疑念が再び起こり出した時、Kさんの話の中で,何か、引っかかっていたものが、頭の中に蘇えってきました。


「井出友子という、33歳の女性でーーーーー」というKさんの言葉が蘇りました。
 
  葉子の悲しい思い出を聞いた事があります。
葉子が3歳の時母が妹を生んだ、その妹が友子で、その後、3年ほどして父親が事故で大怪我をし宮大工の仕事が出来なくなり、生活の為、母が昼はパートの仕事、夜はバーのホステスで家を空けるようになり、手のかかる幼い友子を育てられなくなり、3歳の時に友子は、他家に貰われて行ったという事でした。
その事が、小学校の1年になったばかりの葉子に、どのような影響を与えたのかは解かりませんが、寂しそうに話す葉子を覚えています。
  その貰われていった家が、井出姓なら井出友子は葉子の実の妹だ。
  実の妹が、スナックで警察に逮捕されるようなことにかかわっていたとしたら、姉として心配するのもうなずける。
  
2本のミルクティーボトルを空にし、サンドイッチを2個食べ尽くし、時間の見当識もなく、家の鍵を閉めたまま、寝入ってしまい、目が覚めたのは、翌日(日曜日)の昼過ぎでした。 

  徹夜仕事をしたような、喉がカラカラ、口の中がネバネバの嫌な気分の目覚めでした。洗面、トイレの後は気分が多少よくなり、ふとスマホを見ると、メールの着信が30件以上ある事に気ずき、開いてみますと、妻からが殆んどで、順子ママからが2件、葉子の母親からが1件あり、葉子母からのメールから開いてみました 

  「葉子が夜中2時ごろ、農園社宅に泣きながらやってきました、何を聞いて  
   も、泣きじゃくるばかりで、何があったのかわかりません。とりあえず、葉子をお預かりしている事をお知らせします。お時間が出来ましたらご連絡下さい」 

家を閉め出され、自分の親のところに行ったことが解かりました。
次に順子ママのメールの一通目を見ますと着信が昨夜の7時過ぎで、

「本日は失礼しました、ご主人がバーやスナックの事に詳しいんで驚きました、しかし、私の店に関する情報は、だれか悪意を持った人から聞かれたものと思います、重要なことで違っています。
 それから、チーママに確かめましたが、葉子ちゃんは6月10日の貸し切りの日には店に来ていなかったそうです、報告します」

 また、2通目は、9時過ぎで
  
「私の言ったことで、ご主人が誤解されたのではないかと心配になり、再度メールさせていただきます。
葉子さんが、同窓会の流れで、同窓生と私の店に来てくれたことは何度かありますが、その時、他のお客様と話が合い、カラオケでデュエットをしたり、一緒にお酒を飲み、お話をしていた事があるだけで、ホステスとして働いて貰ったことはありません、その時の葉子さんを見ていて、客扱いが上手だろうなと思い、あのような事を言っただけです、誤解をなさらないでください、お願いします」

妻葉子の30通に及ぶメールは、御免なさい、許して下さい、誤解です、家に入れて下さい、等のもので、特に外出から帰ってきたと思はれる10時過ぎからのメールが多く、閉め出されて、混乱しているようで、それが4時
間ほど続いていました、2時ごろにメールが終わっている事から、実家に行ったと思はれ、葉子の母からのメールの内容と合致します。
順子ママからの1通目のメールは、昼に私が聞いたことの回答のようです。
2通目のメールは、葉子と話合い、葉子がスナックでホステスをしていた事を、曖昧にする為に考えたものではないかと思われます。
同窓生と来ていた時、他の客とも親しくなって、一緒に酒も飲み、カラオケで歌ったなど実際に在りそうなことです、
しかし、その程度のことなら、順子のスナックには行ったことがない、という嘘を吐かねばならない理由が解かりません。
同窓生とスナックに行って、店に来ていた客と、カラオケをデュエットしたり、一緒にお酒を飲んだりしたという程度の事なら、正直に言えば笑って許せることです。
あの時葉子は、他の客とお酒を飲んだり、デュエットしたりというあたりから表情が固くなり、ホステスをしていたのではないかという質問からは泣き出していたのです。
やはり、葉子と順子が打ち合わせをして考え何かを隠すためのものとしか思えません。
  1. 2017/09/27(水) 14:49:42|
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心の闇 第6回 謎の追求 その1

   メールのチェックを済まし、時計を見ると昼の1時になっていました、昨日のファミレスにでも行って何か食べてこようかと思い、歩いて7,8分だから、久振りに散歩がてら、歩いていこうと門のくぐり戸の鍵を開け外に出ます
と、義母の幸恵が自転車の横に立っていました。

  「孝幸さん(私の名前)、すんません、何があったんか心配で、来てしもうたんです、少し時間頂けんでしょうか」

   義母は確か59歳、大柄な体つきで、昔は美人だったと思われる、整った顔つきです。

  「お母さん、ご心配をおかけしました、僕も何があったのかよく判っていません、お母さんにも聞きたい事もありますので、そこのファミレスで、何か食べながらお話しませんか」

家族、特に夫婦関係の込み入った話は他人のいる所では、嫌やなのでしょう、

  「孝幸さんのお気に入りの、のり弁を持ってきましたんで、家で食べながら話させてくれませんか」

  義母ののり弁は、ご飯、のり、ちりめんじゃこが3層になったもので一番上にヒラメの刺身を醤油だしにつけたものが載っている豪華なもので、宮大工をしていた夫の弁当に義母が考えたものらしいですが、これは、本当に美味しい弁当で、九条ネギの入った白味噌汁があれば最高です。

  食べ物につられ義母を家の中に案内し、キッチンで特製のり弁を頂きなが
ら、義母に昨日からの話のあらすじを説明しました、ただ、服装関係と金銭関
係を調べた事は除外しておきました。
  話の中心は、スナックのママとの話の最中、そのスナックに警察の手入れが
あった事を聞いていたあたりから、葉子の態度が激変し、大声で泣き出し、錯
乱状態というか、話も出来ない状態になった事を詳しく義母に話ました。
  また、その日遊びに来ていたとされる大阪の30代の女性客2人も乱交に
参加したようで、一人の女性客は亭主ときていたこと、もう一人の女性客の名
前が井出友子であること、葉子と3歳違いの33歳である事をはなし、この女
性客が、妻の実の妹、友子ではないのかと云う疑いがある事を話しました。
「孝幸さん、それは、私の子供の友子と違います、うちの友子は5年前に死にました、友子が貰われていった先は、田中という、うちの小学校の同窓生です」

と、悲しそうな顔をしながら答えてくれました、幸せ薄いわが子への思いと
親として何もしてやれなかった自分の不甲斐なさを悲しむ嘆きが表れている、悲しそうな顔つきで、少し目には涙を溜めていました。

  葉子に友子の話を聞いた時、お母さんが悲しむからお母さんの前では友子
の話はしないでと云はれていたのを思い出しました。
 「お義母さん、申し訳ない、つらい事をお聞きしました、御免なさい」
  
お義母さんに謝りました、義母も気を取り直したのか、

「孝幸さん、葉子の事はうちにも、どお、なったんか、なんで嘘までついてスナックに遊びに行ってたんかわかりません、ちゃんと、話きいてみます、いまは何を言うても泣くばかりなんで、まず落着かせて、とことん聞いてみます、すみせんが、しばらく葉子を預からして貰えませんか」

私の方も、しばらく預かって貰うことは助かるのでむしろこちらかお願いしました。
お義母さんは、俯き加減に力無く自転車を押して帰っていきました。

一人になって考えてみると、妻が乱交には参加していなかった、しかし妻が何か重大な事を隠している事は間違いない、しかしそれが何かという事が解かりません。
昨日今日と調べたものでは、真相が判明しない、しかしこのまま放置しておく事は出来ないと思い、明日から、スナック順子のこと、妻葉子のこと、井出友子のことを違った面から調べてみようと思い直しました。

明日は月曜日で、また忙しい仕事がはじまります、仕事の事を考え始めると会社にとって、これからが組織的な運営をしていく端緒についた重要な時期で、家庭の事ばかりにかまっていられない事は解っています。
寝る前に、メールのチェックをしますと、妻からの訳の分からない謝罪のメールも少なくなっていましたが、義母が帰りついたあたりから、無くなりました。
義母と葉子が話し合ったのかもしれません。

パソコンを操作し、いろいろ調べているうちに時間が過ぎ、夜の8時になっていました、何か疲れてきたので酒が飲めない私が、何も考えず眠りにつくために医者に処方された睡眠導入剤を服用しました。
  1. 2017/09/27(水) 14:51:13|
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心の闇 第7回 謎の追求 その2

  翌朝、目が覚めたのは6時で、10時間ほど熟睡していたことになり、快適とは言えませんが、十分寝たなという目覚めでした。
  ふと気が付くと、朝立ちという生理現象が起こっていました。
  ここしばらくは無かった現象で、40歳になった、昔風にいえば初老、今風にいえば中年の男が朝立ちをしている事に男としての機能がまだ衰えずいるのかと思いました。

  自分の車で出勤しましたが、7時に家を出ますと、まだそれほど混んでいなくて、8時には会社に着いていました。
  会社に着いて驚いたことは、社長室長の辰巳敬子さんが出勤していることでした、その辰巳さんが、驚いた様子で、朝の挨拶をし、

 「社長、こんなに早く出社なさるのは、何かお急ぎの事がおありになるんですか」

 「いやー、急ぐ仕事があって早く来たわけではありません、家庭内のトラブルで、妻が昨日から家を出ていまして、朝早く起きたので早く会社に来たんですよ」
  父の代から秘書をしている辰巳さんは、会社の生き字引であるばかりでなく、私の家族についても良く知っている人なので、隠さず話しました。
  辰巳さんは何かを知っているのか、真面目そのもの顔つきで頷いていました。

 「社長、朝食はお済ですか、まだ召し上がっていないなら、先代社長のお気にいりでした、近所の喫茶店のモーニングをお取り寄せしましょうか」
  と云い、部屋の隅にある物入れから出前用の岡持を取り出しました、せっかちだった父が、朝飯、昼飯、残業する時の夕飯とそれぞれお気に入りの食べ物屋に社員を使いに出していた事は知っていましたので、驚きはしませんでしたが、社員を私用に使う等は、私の性格には合いませんので、

 「いやいや、大事な会社の社員さんを私用に、それも出前に行かせるなんて私には出来ません、その喫茶店に時間がありますので、私が行きます」

  辰巳室長は、笑いながら、ハイマウンテンのコーヒー、特製のベーグル、ドイツ産のソーセージ、イタリヤ産のトマトを使ったトマトジュース、フルーツサラダで一人前5千円という豪華朝食を社長のポケットマネーで秘書室の3人ご馳走してもらっていた事を話してくれました、それも9時の就業時間前に食べ終わる事が不文律になっていたようで、先代社長が従業員を私用に使っていた事ではないという説明でした。
  超ワンマンであった父が従業員に慕われていた一面を見た気がしました。
  しかし、Kさんの手土産に使ったので財布には殆ど入っていませんので財布を取り出しはしましたが、カードがそのような店に通用するのか不安がありましたが、
 
 「あのー、社長の金庫に、手提げの小型の金庫が入っていると思いますが、その中に、先代社長の個人用の現金が入っていると思います、ご不幸があって、金庫にしまいました」
  というので、金庫を開け、手提げ金庫を取り出し開けて見ますと、数百万の現金がありました。
  それを、そのまま辰巳室長に預け、依然と同じように管理して欲しいとお願いし手提げ金庫を渡しました。
  確かに、そのモーニングは高いだけあり、美味しいもので、社長室のメンバー3人と和気あいあいと食べた時に父の人心掌握術の一端を感じましたし、お金の使い方を教わったと感じました。

  特に、短大卒の新入女子社員、藤本美沙さんのつつましげにモーニングを食べる姿に、若い女性の美しさを感じ、恥ずかし気に微笑む顔に強烈な魅力を感じました。
  (ならぬことは、ならぬ)と自分自身を縛り付けてきた戒めが少し解けていくように感じていた時、順子ママのいった(家庭という檻に閉じ込めてないでもっと広い世界に出して上げて下さい)という言葉を思いだし、檻に閉じ込めていたのは、妻もそうだが、自分自身も閉じ込めていたのではないだろうか。
  祖母を見送り、父母を事故で失い、一人息子を育て上げ、妻が枠からはみ出した今、私が支えなければならない家庭とか家族は無くなっているのではないかなど、私自身が壊れていくのを感じました。
  
9時からは、役員会、特許の申請に関する打ち合わせ、各部門の長からの業務の進行状況の報告、等全て手応えのあるもので、会社の経営が順調に回り出したことが確認できる満足すべきものでした。

  昼食は、有名な鰻屋から鰻丼ぶりを注文させ(ここは出前が可能でした)、伯父の会長、親友の専務、の3人で楽しく頂きました、その席で会長に業界の付き合い、精密機械工業連合会の副会長は会長にやって貰いたい事、また豊富な経験からの意見を会社が必要としている事をつげ、引退等と云はず体の許す限り会長職にとどまるようお願いし、了解して頂きました。
  また、専務を副社長に取締役本部長3人を常務に昇格させ、会長、社長、副社長、常務3人がメンバーの常務会を会社の意思決定機関として発足させる案を提案しました。
  専務から時期が早すぎるのではないかとの異論がでましたが、会社のさらなる発展成長のための第2段階の改革で、第一段階の権限移譲が予想以上に順調なので、次期を速めて決行したいと説明し了解を取り付けました。
  
これで、1週間後には、会社に迷惑を掛けず、妻の件の解決に乗り出せる時間を作る事が出来るように、また私自身も家庭の軛から、自分の作り上げた檻から解放され、自由を楽しめるようにしていこうと考えていました。  
  1. 2017/09/27(水) 14:52:27|
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心の闇 第8回 調査

  この週は、私の心境の変化から、趣味でやっていた祖母から引き継いだ、外為取引、の口座から、端数の資金を引き出しました。

 金とは、不思議な作用を持つものだと、気がつきました、今まで、自分でお金の管理をしたこともなく、妻から渡されるコズカイの範囲で、なんの不自由も感じることなく、服装も全て妻の買うものを着ていましたが、端数とは云え億に近い千万円単位のレンガ状の現金を見た時、その金が、私に向かって、もっと贅沢をしろ、とささやいているように感じました、また端数の億単位の金は、外国銀行の口座に入れ、私としては、初めて小切手帳をもちました。

 これは、祖母の海外のタックスヘブンのFX口座から、借り入れをし、私の名義で、外為取引を始めたのが10年前で、レバレッジの大きい投機が面白く、お金という感覚はなく、ゲーム感覚でそのスコアーが伸びていくのを楽しんでいました、もちろん税金は分離課税の20パーセントを払っていました。

 金の持つ力を本当に感じたのは、贅沢な服装をし、ホテル、料理屋、レストランなどに行き値段を気にせず行動すると、人は笑顔を見せ丁寧に応対することで、人は金に頭を下げる事を知りました。
 このころになって、会社の接待で北新地のバーやクラブに行くことが増えたのですが、酒の飲めない私には、この手の接待が一番の苦手でしたが、ホステスさんを女として見るようになってから、急にもてだしました、それも、接待先にいいサービスをするホステスさんには、万札2~3枚のチップを渡しだしてからで、私のお客にいいサービスをするのは勿論、そっと、私に、食事につれて行ってくれとか、昼に会ってくれとか、どこかに行こうとか、お誘いが多くなりました。やはり、上客と認定されてお誘いがかかってきたのでしょう、私のほうは、あるサプリをある人に貰い飲むようになってから、毎朝、朝立ちはするは、いい女を見ると、勃起するはで、性欲が若いころに帰ったようになり、女を求めている状態になりました。
 
家に帰らず、会社の寮や大阪の高給ホテルに泊まり、食事も全て美味しいと云われる料理屋、レストランで贅沢をし、服装もオーダーメイドの背広、シャツを仕立て、靴までもオーダーメイドの靴を注文するという贅沢をしました。

もう一つ、金が力を発揮するのを見たのは、いやな事を自分でせずとも、他人がしてくれという事でした。

妻と、井出友子、順子ママとスナック順子の事を、かっての市役所時代の部下で、いまは、風俗関係の仕事をしている人物(Sという)に、調査のすべてをまかせました。
興信所、水商売関係の人物、風俗関係の人物などを駆使し調べてくれることになりました。
そのSのやり方は、実費は渡すものの、成果がなければ報酬は払わないというやり方でした。
所謂、金で面を叩くというやり方で、今までの私の最も嫌うやり方でしたが、私の心も壊れてきておりレンガ状の現金を2本、その人物に前渡金として渡しました。
 
  もう一つ、会社の寮やホテル住まいを続けるのに飽きてしまい、会社に歩いて行けるところに、かなり高級なマンションがあり、購入しました。
  このマンションに住めるのは、10日後の6月末とのことで、社長室長の辰巳さんの知り合いのインテリアデザイナーに頼んで、急ぎの仕事ですが、基調は白で落ち着いた雰囲気を演出するにように家具カーテン電気製品などの依頼しました、この女性が美人で、胸が大きく、腰も張ったアラサーの人で、私の好みの人で会うたびに惹かれていきましたが、人妻だそうで、積極的な行動には出られません。

  この週に、会社の方は、大きな朗報が入りました、それは、以前からアプローチをしていた、大手の自動車メーカーから、電気自動車の重要部品の性能検査に合格したので発注の詳細を詰めたいというものでした、会長以下全員で検討した結果、取り組んできた自動工程での生産で注文の量、納期、価格すべてが満足すべきもので、愛知県にも出張したりの大忙しの二週間でした、最後に残った納品の問題も、愛知県に倉庫を設け、基幹部品の製造会社にジャストインタイムで納入することで解決できそうになりました。

  6月の最終日にマンションに引っ越しが完了し、新しい生活が始まりました、7月1日に依頼していた人物(Sという)から、大体の事が判明したという連絡が入り、報告したいとのことで、梅雨の雨の中、彼の指定する北新地のはずにある料理屋美雪に出向きましたがSの指定する時間より早くついてしまいました。
出迎えてくれたその料理屋の女将が美人で、どこかで会ったような記憶があり、女将も私を見て、少しいぶかしそうにしていましたので、名刺を渡しますと、
 「やっぱり、どこかでお会いしたように思っていましたが、渡辺さんだったのですね、私、中学の同級生だった武田です、渡辺さんご立派になられて、だけど男の方は変わらず昔の面影が残ってますね」
 「あー、中学の同級生だった武田良美さんですね、やっぱり美人ですね、あのころは、あこがれの人で、学校一番のマドンナでした」
 
 「いろいろありまして、今はこんな料理屋の女将をしています」

 そんな,話をしているとき、仲居さんに案内されてSがやってきました。
  「いやー課長、お待たせして申し訳ありません、証拠をまとめるのに時間が
かかりましてお役測の時間に6分も遅れてしまいました、普通なら課
長は、5分以上はお待ちにならないルールでしたね、御免なさい」
  「あのね、もう役所をやめて2年近くなり、いつまでも課長はやめてくれないか、それに、民間人になり、大事なお客さんは、1時間でも2時間でも待つルールに変えたんだよ」
  私とSの話を聞いていた女将が、
  
  「何か、大事なお話があるとお伺いしてますので、私はこれで、失礼します」
  と笑顔で部屋をさりました。
  どうやら、S氏は女将と私が中学の同窓生を知っていてこの美雪を選んだよ
うで、料理屋に、食事はいらない部屋だけ貸してほしいと頼めるだけの関係が
あるのでしょう。

S氏は、私を上座に座らせ、自分も向かいに座り、鞄から大きな封筒を5通
 取り出し、何から話そうかと少し考えてから、
  「渡辺社長、ご依頼の調査は殆どおわりましたが、社長にはつらいご報告に
   なります」
 と前置きし、
  「ご依頼の、スナック順子のママ、山田順子とそのスナックを調べていく過程で、奥様の不倫と売春行為が判明しました、警察の公然猥褻罪の手入れがあった貸し切りパーティーも、山田順子が仕組んだ売春行為の一つでした、結果を言いますと、そのすべてに奥様が巻き込まれていましたし、山田順子の同窓生を巻き込んだ、主婦売春も明らかになりました」

  「それから、M市の警察も公然猥褻罪の手入れだけでなく、管理売春の容疑を追っているようで、ママ順子とチーママ藤田聡子の逮捕に踏み切るようで、管理売春を名目に、どうやら、やくざの関係する、麻薬組織を潰す狙いがあるようで、このままいけば、奥様も無傷ではすみません」

  「調べていけばいくほど、神戸の広域暴力団の紛争に関わっているようで、兵庫県警、警察庁上層部も関与した大きな問題となるようです」

  「これまで、調べました、(1、井出友子の調査)(2、不倫相手、松本良助の調査)(3、田中順子とスナック順子の調査)(4、チーママ藤田聡子の調査と自白のテープ、隠し撮りの写真)(5、スナック順子のホステス、代田美紀子の調査と自白テープ)をお渡しします、これで奥様の事はおわかりになると思います、それとこの証拠品をどのように使われようと、私と調べてもらった人には迷惑は掛かりません、ただの浮気調査で、それに付随し主婦売春が浮かびあがった事です」

  「Sさん、有難う、こんなに短期間によく調べてもらって、感謝します、今は混乱しており、妻との関係をどうするか判断がつきかねています、じっくり、この資料を見させていただき考えたいと思います、本当に有難う、しかし私の依頼で、パンドラの箱を開けかけたようで、これ以上危険が及ばないよう気を付けて下さい」

  「課長、いや社長、いつもながらのご配慮有難うございます、それからお預かりしたお金の清算ですが、内密にするため費用がかさみまして、750万使いましたので、残り1250万もって参りました、お受け取り下さい」
  「いや、Sさんの危険を冒しての調査の成功報酬として、受け取ってください」

「いえ、とんでもない、私はあの時、渡辺さんが身を挺して私をかばっていただいたときの御恩は忘れられません、しかし、渡辺さんのご厚意に向いることなく、私の我儘で退職してしまいました。
    今回の事で、渡辺さんに少しでもお役に立てたらと思いした事で、お礼なんて、とんでもありません」

  と目に涙を浮かべて固辞します、このSという男、私の小さい親切をいつ
までも忘れず、本気で恩返ししたいという純な心を、風俗の経営者になっても
持ち続けていることに感激しました。
 「Sさん、男が一旦出したものをしまえるか、少ないと思うが、それは取ってくれないと、困るやないか、はよそんなものしまえよ」

 と、関西弁で、昔の上司、部下の関係に戻り話しかけました、Sもそれを感
じたのか、黙って頭をさげ、その包を鞄にしまいました、私も、Sの出した5
通の、大きな封筒を自分の鞄にしまいました。
  1. 2017/09/27(水) 14:54:02|
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心の闇 第9回 調査2

 S氏から受け取った、調査資料を、時間をかけて読みだしました。 

 その1の井出智子の調査ですが、渡すが、妻の実の妹ではないかと、疑った人ですが、やはり堺市に実在する人物で、興信所の調査では、大阪のある風俗に勤める人でした。
以前から順子さんとは親しい関係のようで、スナック順子の貸し切りと称する、乱交売春には呼ばれていたとチーママの藤田聡子の証言で明らかです、洋子の実の妹ではありませんでした。

その2の妻葉子の不倫相手という松本良助の調査書を見てみますと、興信所の調査で、葉子とラブホに入る写真と出てくる写真が2回分と、スナック順子にそのラブホから直行する写真が写されていました。説明では、同伴という行為だそうです。
これも、チーママの証言で、1年以上前からの関係で、貸し切りという乱交売春に、6月10日に、この松本と一緒に参加させられたようです、この松本は、葉子と同級生で、高校の英語教師をしており、ママの順子にかなり前から、脅されていたようで、初めての参加になったようです。
警察の手入れが入った時、この松本と遊びに来ていた夫婦ということで、警察をだまし、起訴にはならずに済んだようです。

その3の、スナック順子、とママの順子の調査は、S氏の知り合いの、あるバーのバーテンダーをしている男の証言ですが、スナック順子は3年前に、居ぬきで買った店で、それまでの経営のやり方を変え、露骨な接客態度で客を引くようになったそうで、カウンターでの接客とボックス席での接客は、値段も違い、サービスも違うと云うように切り替えたそうです。
ママの順子は、地元の土建業の女になり、スナックの買い取り資金もこの土建業の社長から出たようです、
 順子ママは、以前、大坂のやくざの女で、管理売春で検挙され、その男は、麻薬関係で検挙され、塀の中にいるそうです、やはり裏では、やくざの麻薬関係が絡んでいるようです。
 順子ママは、以前の知り合い、当市の上客、などを誘い込み、売春させていたようで、これに妻の葉子も巻き込まれていたようです。

 このあたりまで読んできて、妻に対する怒りはあるのですが、私が、仕事に打ち込んでいて、妻を蔑ろにしていたという反省の気持ちも、起こってきました。
 仕事ということで、すべてが許されるのか、家庭生活の破綻の免罪符になるのかということを考えますと、私の責任もあることは確かです。
 妻を許せるのか、ということについては、到底許せるものではないが、私の責任ということを考えるとき、まずこのひどい状況から、救いだすことはしなければと思いました。

しかし、S氏が調べてくれた、その4のチーママの藤田聡子の証言と隠し撮りされた写真のはいいたSDカードを見ないわけにはいきません、どうするにしても、真実を知らなければと思い、読み出しました。
 このチーママに対する自白の強要は、どうやら、S氏の知り合いの、やくざが、脅しながらしたもののようで、その言葉使いなど私の住んできた世界と違ったもので、この藤田聡子の壮絶な人生は到底私の理解を超えたものでした。
 その証言の中に、
 「うちのような、チビブスデブの女でも、アソコに入れて、出したいという男はギョウサンいるんよ、ええ男に惚れて、その男の言いなりに、他の男に股を開いているうちに、男が、うちの上で、ハーハー言いながら、突っ込んできて、中に出してくるのがうれしくて、気持ちよくなってきて、どんな男とでも、逝くようになったんよ、飛田にいたときなんか、ショートでも逝くようになり、次に別の男が待っていて、立った物を入れてくるのが、気持ちよく、また逝ったんよ、日に5人も10人もの男に逝かされてたんよ、そのうち男なしでは、いられんようになり、飛田をやめて順子ママの紹介で客を取るようになったんやけど、順子ママが警察につかまって、ちょっとの間、ソープに行ったりしてたんやけど、あんまり客がつかんので、順子ママが個々の店を開いたので、雇ってもらったんよ。
   うん、アフターも同伴も男とホテルに行ってたんよ、店でも、アソコを触らせてたら、気持ちいいんで、トイレでさせたり、客の少ないときにはボックス席でしたりしてたんよ、うん、店でするときは、次のお客にばれんように、口の出してもろうて、飲んでたんよ、男の人って飲んでもらうの好きなんやねー」
 
 「うん、貸し切りは、大体土曜日にするんやけど、女一人に男3~4人の割合で、乱交するんや、ママがいい客を集めて、5マンくらいとっているようや、客もバイアグラを飲んで、2~3発するようや」

 「うん、薬のほうは、ママが中毒で、やっているようやけど、うちは、薬より、あれがしたいんで、あんまりやらんわ、まあときたま、しんどい時にママから買ってやることがあるけど、高いんであんまりやらへんのや、ほかの人も同じやないかな」

というのがあり、女としての大事なはずの貞操を、いとも簡単に、お金に換える人がおり、その春を売ること自体が楽しみという女の異常さに、驚きました。
 その乱交を撮ったというSDカードは一番最後に見ようと思いPCにカードリーダーをセットしておきました。

 次に、その5のスナック順子のホステス代田美紀子さんの証言は、S氏が、この美紀子さんを、スナック順子で稼げなくなったので自分の経営する風俗店で働いて貰うときの、面接のときに聞きだしたもののようです。
 この美紀子さんは、順子ママがスナック順子を開店して間もなく、ホステスとして採用された3人のうちの一人で、ご主人がバイクの事故で、片足を失い失業し、ご主人と2人の子供とを養っていかねばならなくなり、ホステスになったそうですが、40代の綺麗でもない女性がお金を稼ぐために、ママの勧める店での卑猥なサービスとママの指示する男との売春に走ったそうです。
 店での、サービスもお客がもっともっと露骨なサービスを求めるため、こんな40代の綺麗でない女を、ちやほやしてくのが楽しくなり、チーママに教えられたとうりに、サービスをするようになり、男の出すものを飲むのも楽しくなったそうで、お客やママの指示する男とセックスで、夫では感じなかった逝くということを覚え、店でのサービスの最中でも逝くことがあり、すっかり女の喜びに嵌っていったそうで、貸し切りの乱交にも抵抗感がなくなり、違う男に入れられ、際限なく逝くようになったそうです、その美紀子さんが、
 「女は、その状況になれば、どんな男にでも抱かれたいと思うようになり、大きいものでも、小さい物でも、上手な人でも、下手な人でも、中に出してもらうのが気持ちよく、逝くようになるものです」
と言っていることが、強く印象にのこりました。
 
 この時、夏の夕立のように急に黒い雲が、巻き起こり、雷と雨が降り出すように、私の心の中で大きな変化が起こりだしました。
 今まで、女性とは、清純で貞節な存在であり、男性と違い愛情のないセックスをすることは、よほどの事情がないとしないものと思っていた概念が崩れだしたのです。
 それが、受け身である女性の貞操感だと思っていたものが、崩れ、心に黒い雲が垂れ込めてきて、心が闇に包まれるような感じがしてきました。
 やはり、私は、世間知らずのお人好しだったのかも知りません。


 心に闇を持ったまま、葉子が参加したという、乱交のSDカードを見ることにしました。

 
 パソコンを立ち上げ、SDカードを開き、内容をソフトで映像をだしました、
 大きな声で嬌声が聞こえ、スナック順子のボックス席で、一人の裸の女に3人か4人の裸の男が、群がっていました、映像の中央の女には6人の男が群がり、一人は女の女性器に口付け、一人は横から、男性器を女の口に入れ、二人がそれぞれ横から女の乳房に吸い付き、二人は女の両方の大腿に口をつけていました。
 6人の男が群がっていましたので、女の顔もその体もあまり明確に見ませんでしたが、口に入れていた男が乳房を吸っていた男と交代するとき、その女の顔がみえました、妻の葉子です。
 男が口の中に精液を出したのでしょう、唇の端に白い物がついているのが見えました、葉子の顔は嫌がっている様子はなく、嬉しそうに、舌をペロリと出しその白い物を口の中に取り入れてました。
 乳房吸っていた男が、葉子の上から勃起した物を口に入れたようで、その男のお尻で葉子の顔は見えなくなりましたが、女性器を舐めていた男が、起き上がり両の大腿を持ち上げ、挿入したようです、より葉子の顔が見えなくなりましたが、男達の性戯は激しくなっていきます、女性器に挿入されたまま、別の男が男性器を口に入れ、他の男が勃起した男性器を乳房に押し付けているのがちらちらと見えました。
 その時、妻葉子の腰のあたりの痙攣と口にくわえたままでのこもった声で、
 「イグイグイグー」という声が聞こえました、聞きなれた逝くときの声で葉子が最初のアクメを迎えたのがわかりました。
 その後、入れ替わり立ち代わり男達にもて遊ばれ、何度も何度も逝ったようで、20回は達したようです、SDカードのメモリーが使い果たされたのか、1時間ほどで撮影は切れました。

 私の頭の中で、やはり見なければよかったという思いと、妻葉子も一人の淫乱な女で、助け出さねばという私の思いが、消えていました、知らぬが仏という言葉がありますが、知ってしまった今、心の闇は深く、大きくなっていくのを感じました。 

  1. 2017/09/27(水) 23:02:17|
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心の闇 第10回 行動

 翌日は、何かすっきりしない頭を抱えながら、会社にいきました、助かったのは、あまり仕事に悩まされることなく、社長室長の辰巳さんの取ってくれた、モーニングを食べ、一人で考えることがあるといい、部屋で考えをまとめました。
 それから、S氏からの資料の5の代田美紀子さんの物と、乱交の隠し撮りを除き、すべてをコピーしKさんに電話をいれました。
 Kさんは、昼過ぎには、手が空くので、署でお会いしたいと、快く面会を許可して頂きました。

 M市の警察署についたのが午後の1時を少し回っていましたが、受付の警察官に、署長との面会に来たことを話しますと、話しが来ていたのでしょう署長室に案内され、制服姿のKさんとお会いしました。
 挨拶もそこそこに、Kさんに、妻葉子のことを話し、その資料のコピーをわたしました、Kさんは、警察の捜査のことなのですべてをお話しするわけにはいきませんが、スナックの順子ママの、管理売春のことと、麻薬のことで順子ママの逮捕状の請求を検察にしていること、別件逮捕であるが、風営法違反容疑で当署に拘束していることを話してくれました。

 Kさんは、この事件で、麻薬のことが、最大の案件になっているのですが、その麻薬をおろしている、暴力団関係者がつかめないので困っています、その情報提供者に、その暴力団のことを聞き出してもらえないかと頼んできましたので、
S氏に電話をし、薬のルートのことを聞かせて欲しいがどうだろうかといいますと、渋っていましたが、神戸の暴力団から、順子ママに入るルートの関係者の名前を教えてくれましたので、Kさんに話しました。
 Kさんは、
 「ちょっとお待ちいただけますか」
といい、署長室から出ていき、30分程も待たされました。
 部屋に帰ってきた、Kさんは、
 「いやー、大変お待たせして申し訳ありません、渡辺さんからの情報は、ビンゴでした、県警のほうで特定できたようで、大変助かりました。順子ママとチーママの藤田聡子、ホステスの代田美紀子は、県警が取り調べするようです、それから奥様のことは、たまにスナック順子にたまに遊びに行っただけで、乱交売春にも参加していないので、これ以上捜査を広げることのないように手配させていただきました」
 
いつもながら、Kさんの配慮に感謝し、お礼を言おうとしますと、手を振り何も言うなと合図してきました。
 「渡辺さん、家内が、美味しい牛肉の味噌漬けを食べに来て欲しいと言ってましたのでお伝えします」
と笑いながら、話してくれました。

 M市の警察署を後にし、会社に帰りましたが、今日はなにもする気になれず、辰巳さんに電話を入れ、会社に帰らず、市役所で離婚届けの用紙を貰い、家に帰り、私に関するところに記入し、はんこ押しておきました。
 明日は土曜日で休みの日ですので、妻葉子と義母に連絡し、最後の詰めをしようと考えて、
(明日、手が空いているなら何時でもいいですから、家で会いたいと思います、お義母さんと一緒に来て貰えますか)
とメールを出しておき、鍵を開けておきました。


  1. 2017/09/27(水) 23:05:35|
  2. 心の闇・北斗七星
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心の闇 最終回 決着

  翌土曜日は、昨日の晩に何も食べず、寝てしまいましたので、空腹で目が冷めました。
  10時でしたが、何かキッチンのほうから、ごそごそ音がしますので、起きていきますと、葉子とお義母さんが来ていました。
  葉子を見ると、そのやつれようがひどく、若く見えていたのが、年相応のおばさんになっていました。
  葉子とお義母さんが、
  「おはようございます」
といいますので、
 「おはようございます」
と挨拶を返しておき、洗面所に行き、小用を足し、顔を洗い、歯を磨き、普段着に着かえてキッチンに行きますと、お義母さん得意の、のり弁と九条ネギの入った白みそ汁が用意されていました。

 これが最後の海苔弁かと思いましたが、空腹には耐えられず、美味しいのり弁を、「いただきます」といい食べだしました。
 3人とも言葉なく、黙々と食べるだけでしたが、葉子は食欲がないのか、あまり箸がすすまないようでした。
 お義母さんの入れてくれた、お茶を飲み終わると、お義母さんが、
 「葉子、考幸さんに申し上げることがあるのでしょう」
 と話しの口火をきりだしました、葉子は、
 「孝幸さん、御免なさい、取り返しのつかないことをしてしましました、謝ってすむことではないのは分かっていますが、謝ることしか出来ませんので、ごめんなさいと云はせてください、私はあなたの妻としての資格がありません、離婚してください、お願いします」

 「今日は嘘を云はず、心は昔の葉子に戻ったようだけれど、戻らないものもあると思う、葉子はもう普通の家庭の奥さんには戻れないと思う。
  全部調べてあるんだが、松本良助との不倫、それを順子に脅されて、売春をさせられて、スナックで、ひどいサービスをさせられ、乱交にも出さされたことも知っている。
   しかし、葉子がもう戻れないのは、体の淫乱な血が騒いで、どんな男にも股を開き、感じる女になったということで、もう普通の夫婦生活では満足できない女になったことだと思う。
ここに乱交売春で6人の男に甚振られ、20回も逝く逝くとよがり声をあげる女になった葉子のムービーがある。
 俺もこれを見なければ、よかったのだろうが、見てしまったんだ」

 葉子は前と違いヒステリックな態度にならず、ただ大粒の涙をとめどなく流し続けているだけでした。
 私は、昨日書いた離婚届けを出して、ここに書いて印鑑をくれといいました、証人のところには、義母に書いてもらうのと、農園の管理者の山田氏にお願いするといいました。

 葉子も、義母も涙を流しながら、書いてくれました。
 葉子には、警察の捜査は、これ以上はなく、検挙されることはKさんのお陰でないということは言わずに言わず、定期預金証書と、それの印鑑を黙って葉子に渡しました。

                         完
 
  1. 2017/09/27(水) 23:07:43|
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