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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

風 Ⅰ

「きゃ~・・やっぱり凄いよ風~」
エンジンをかけたまま、咥え煙草に火を付ける私の顔を、いち早く降車してフロントウィンド越しに覗き込む、妻・笙子の軽いウェーブがかかったセミロングの髪の乱れようは、聞くまでもなく荒れ狂う辺りの様子を伝えていた。

初夏の香りを伝える郊外の山間部の頂き近くの展望台は絶好の観光シーズンを迎えた土曜日の午後三時過ぎだと言うのに人気は全くなく、百台近い広い駐車スペースに停まっているのは、私達の乗って来た4WDただ一台だけであった。
予報では今日の夜間から季節外れで超大型の台風が直撃する事を伝えており、さすがにこんな日に山に向かってドライブを楽しむ連中など皆無なようだ。
「美味しい空気を吸いに行きたいなあ・・・。」と言う妻のリクエストに応えて重い腰を上げたのは午後を過ぎてからで、時間的にも遅すぎたようだった。
頂きへと向かって走らせる4WDは下山を急ぐかのような対向車と何度も擦れ違ったが、ここまでただの一台も同方向へ進む車には出会わなかったような気がする。

踊るように舞う妻の髪の毛やジャケットの生地のはためきを見ていると、不安な気持ちが湧き上がるが、そんな杞憂を打ち消すかのごとく初夏の陽射しは透き通るような明るさを降り注がせ、栗色に染められた妻の髪にキラキラと夢のような輝きを与えていた。
その限りなく美しい新緑の山々と反射の色彩は束の間の二人だけの時空を演出しているようにさえ感じるが、狂ったように乱れ踊る髪の毛の一筋一筋がポッカリと大口を開けた罠のように影に潜んでいた。

「とても立っていられないわよ・・吹き飛ばされちゃいそうよ。」
助手席に戻り髪を直す妻の横顔が日の光でキラキラと輝く。おそらく光沢の有る粉が練り込まれた白粉なのだろう頬や鼻筋で微細な発光を見せている、パール状の練りで濡れたような質感を演出する薄紅色のルージュは誘い込むような誘惑に満ちた趣さえ感じ取らせた。
薄桃色の薄手のニットカーディガンは鎖骨を深く浮き上がらせ肩先まで露出させており、インナーのタンクトップの肩紐を覗かせ、その先には妖しい双の隆起が息衝いている。
また下肢ではすっかり肉付きを増した腿や腰の麿みが肌にピッタリと密着した白のスラックスの生地をパンパンに張り詰めさせ、光沢の有る同色の革ベルトでくくり出された腰の括れは子を産んだ腹とは思えないほど上下の肉付きをきつく絞り込んでいた。

最近は長く、母親や妻としてしか笙子を見ていなかったな。こんな思いが唐突に湧き上がってきた。
今年、三十路を迎える笙子は母や妻としても申し分なかったが、女としても充分過ぎるほどの魅力を湛えている事を今更ながらに再確認させられた。
ふっとシート越しに後方を振り返って見たが、やはり展望台に人影は無く、いつもなら飲食物や携帯品を商う売店さえもシャッターを閉ざし静まり返っている。
ただ時折、突風の不気味な声が木々を軋ませる音のみが辺りの静けさを打ち破る。
「ねえ・・パパ・・・もう下りた方が良いんじゃない・・ここって霧も出るって言ってたじゃない・・。」
笙子は木々がざわめく度に不安げに辺りを車窓から見回した。
「上陸は夜だろ・・まだ3時過ぎだぜ。こんなに晴れ渡ってるんだし、まだまだ心配いらないさ。」
「でも・・山の天気は変わり易いって言うじゃない・・。」
笙子はやはり落ち付かない表情を浮かべながらカーラジオの周波数を操作した。
「・・現在、大型で強い勢力を持つ台風6号は伊豆半島の南西に有り依然強い勢力を保ちながら北北東に緩やかな速度で進行し伊豆、関東地方を暴風圏に巻き込むのは今夜半十時前後に成る見込みで台風の上陸が予想される地域では厳重な警戒が・・・」
私はカーステレオにCDを挿入しながら、「な、十時って言ってるじゃないか・・まだ6,7時間有るんだぜ、道だってガラガラだし、まだまだ大丈夫さ・・。この時期にここがこんな貸し切りみたいに成ってる事なんて、まず無いんだし、着いて直ぐ帰っちゃうなんて勿体無いよ。」
笙子の不安を和らげようとカーステレオから流れ始めたR&Bのメロディーのボリュームを高めると車外の雑音は微かにしか聞き取れなくなった。
不安げな様子の妻の手を握ると肩を抱き寄せた。
驚いたような笙子の口を塞ぐように自らの口を付けると肉厚な唇が柔らかな弾力を返してくる。
後頭部を掻き抱き口腔内を貪りながら目線で変化の無い事をルームミラーで再確認し終えると掌を笙子の下肢へと這わせて行った。
久々に妻と恋人同士に帰ったような一時に、邪魔者の無い事に感謝さえしながらも重大な事を忘れ去っていた・・・邪魔する者が何故、誰も居ないのかと言う訳を。
カースステレオからは何億ターブもの声量を誇るディーバの甘い歌声が罠のように車内に響き渡っていた。
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  1. 2014/11/09(日) 15:31:13|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅱ

「どうしたのよ・・いつだって全然、来ないくせに・・。」
激しく吸い合った口角からルージュを食み出させた扇情的な表情で恨みっぽく睨み返す笙子だったが、息を乱したその口許からは決して拒絶の色を漂わせてはいなかった。
前部の戒めを割り裂いて侵入した私の掌を逆に握り返すと更に股間の奥へと押し付けた。
笙子のそこは早くもヌルヌルに滑りを帯び、暖かな花蜜を湧き出させていた。
「いやらしいなあ・・・。」
悪戯心から軽く辱めの言葉を投げると、「ううん・・・。」と甘いうめき声を上げると「パパのせいよ・・・ずうっと放っておくから・・・。」と頬を上気させ淫らがましい目線で我が目を見上げる。
まるで娼婦のようだ・・・こう思った・・・。それは決して非難しているのでは無い、逆にいとおしくて仕方が無かった。これほど魅力的で官能的な女性をどうして今まで放りっぱなしにしていたのだろう。自分の愚かさ加減と妻への済まない気持ちで胸が一杯に成る。

媚びるような眼差しを乗せて見上げる顔を真上から掌に力を込めて伏せさせると笙子は、既に高まり切った股間に頬を摺り寄せ細い指先で器用に堅く閉じ合わされたジーンズのジッパーを引き下げた。
「もう・・来るなら夜、来てよね・・・こんな場所じゃ出来ないじゃない・・。」
恨みがましい抗議を口にしながらも塗り込められたルージュを胴体に擦り付けると根元近くまで一気に呑み込んだ。

助手席のシート上の狭いスペースに両膝を付いて尻を浮かせた横座りの姿勢で頭を伏せ、背を丸め込んでギアレバーを上体で跨いでリクライニングさせたシートに寝そべる私の下半身に情熱的な奉仕を加える。
笙子の口技は舌を巻くほど実に巧みだ、喉奥まで男根を飲み込む深吸も纏わりつくような舌技も、たっぷりと分泌される唾液も、甘く漏れ出る吐息さえもが五感を徹底的に刺激する。
意図的に角度を下げたルームミラーには、そんな笙子の上下する頭部がしっかりと映し出されている。
右手を頬面に添え垂れかかる長い髪をかき上げると肉厚の唇を覆い被せて頬を窄めながら唾液を絡め一心にしゃぶり抜く横顔がしっかりと捉えられた。
一杯に飲み込まれた男根は全長を視界から消し去り、スライドする口端から日に光る唾液の筋が幾筋も股間を濡らしながら溢れ出しており、きゅっと窄めた頬肉の窪みが小刻みに収縮を繰り返し、その度に股間には痺れるような快感が走る。息を吸い込む鼻腔はリズムを刻むように径を広げ、吐き出される熱い息使いが陰毛をそよがせる。
まるで猫が皿のミルクをしゃぶるかのような水音を奏でながら、「む・むふ・・むう・・。」と鼻先から引っ切り無しにくぐもった吐息が漏れ出す。
閉じ合わさった切れ長の瞳は動きに合わせて眉間を中心に引き攣り、長い睫毛が蠢き角度を変える度に微細な光りが反射する。
奉仕を加えながらも笙子が自ら気を遣っているのは、吐き出される熱い息と次第に赤みを増す項の火照りが証明していた。
重々しくニット地の下で打ち震える豊乳を弄んでいた左手を再び白地のスラックスの股間に這わせると、意外にも笙子は頑なに手でその動きを制止した。
「だめ・・よ・・。」
「何がダメなものかよ。あれほどはしたなく汚してやがったくせに・・・。」
辱めの言葉を再び吐いたが、笙子はガンとしてこれを許さない様子だ。
「なぜだよ・・お前だって・・欲しいんじゃないのかよ。」
「もう・・当たり前でしょ・・でもパパどうせ自分だけ気持ち良くなって、終わっちゃうじゃない・・私だって、これ以上刺激されたんじゃ堪えられなくなっちゃうもん・・。」
伏せていた顔を上げると恨みがましい目線で睨みながらも、指先での愛撫は中断される事無く続けられていた。
小指を除く四本の指の腹を添えて、すっかり潤滑油を得て泥濘む生殖器に急速度のスライドを与えられると、勃起状態になっても亀頭の根元を覆い隠す包皮が捲られ、敏感な生紅い先端が完全に露出する、冷たい外気が触れた過敏な小頭には早くも限界が訪れつつあった。
「それとも・・ここで私も往かせてくれる・・・。」
妻がこう言い終わらない間にも、堪え性のない精がドプンッと笙子の掌の甲に吹き零れた。
「いやだ・・ちょっと~。」
笙子は慌てて後部座席に置かれたボックスティッシュに手を伸ばすが、間に合うはずもなく、温い体液は幾筋かの小さな放物線を描きながらジーンズの生地や妻の薄桃色のニットの袖口にも降り注いだ。
「も~・・汚れちゃったじゃない・・薄い色だから染みになるでしょ。」
笙子は自分の着衣に付着した粘液が気になる様子で、股間を白濁で汚したままの私はそのまま放置されていた。
甘美でいながらも何とも締まらない射精感に身を震わせながら、前方の視界を奪っていた笙子の身体が立ち退いた後のフロントウィンドウから刺し込む西日に目を眩ませていたが。今一度目を凝らして良く見ると、ポツポツとフロントウィンドウに跡を付ける雨の雫に気が付いた。
  1. 2014/11/09(日) 15:32:00|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅲ

あまりのんびりしていてはまずいな・・。
ぼんやりと考えながらも身体には一向に起き上がる気力が湧いてこなかった。
私はいつも射精の後、この状態に陥る・・。
元来、精力はあまり強くは無かった。一度精を放ってしまえば精力ばかりか気力までもが失われてしまう、気だるい感触に行動を起こす事が困難となってしまうのだ。
幾度となく妻にセックスの恨み言を聞かされてきたのも、この精力に問題が有る事は明らかだった。

笙子は手馴れた手付きで私の股間をティッシュペーパーで清めると、寝そべったまま動こうとしない私と同じようにシートをリクライニングさせ身を横たえ目を瞑った。
「パパァ・・今日はどうしても聞いて欲しい事があるの・・。」
私は特別、相槌も打たずに横になっていたが、笙子はそれには構わずに話しを続けた。
「あのさあ・・パパはさあ、私や祐馬にとって申し分のない夫だと思ってるし、優しい父親とも思ってるのよ・・・。」
「でもね・・ひとつだけ・・」
笙子は言葉を選ぶように一旦、口を閉じて見せたが、意を決したように再び話し始めた。
「ひとつだけ耐えられない事があるの・・。」
ここで再び間を取ると一気に言葉を吐き出した。
「私達のセックス、パパはどう考えてる・・。」
「どうって・・。」
言葉の意味を解せない振りをしてはみたが、笙子の言わんとする事は粗方、想像がついていた。
「もともと、パパがセックスを余り好きではない事は分かってるのよ・・でも最近のパパは、ちょっと酷くない。」
「全くと言っていいほど、求めてくれなくなったし、私ってそんなに魅力がない・・。」
「それに私から求めてやっと一緒になれたと思っても・・いつだって今みたいに一方的な形で終わっちゃって・・私は何年も取り残され続けてるのよ・・。」
「別に枯れちゃう年でもないし・・まだ三十を少し過ぎたばかりじゃない・・。それに私だって間も無く三十に成るけど・・三十歳ってさあ・・仕事にも家庭にも一番油が乗ってる時期だって言うじゃない・・勿論、性だってそうなんじゃないかと思うんだ・・。」
妻の恨み言はいちいち尤もな事だと思っている・・ただ私にはそれに応えられるような気力も精力も持ち合わせてはいないように思えた。
いや、精力は乏しくても性欲は無いわけではなかった・・だがどうしても妻との営みにそれを見出す事が出来ずにいると言っても間違いではないだろう・・。

興奮気味に一気に捲し立てるように思いを吐き出した笙子は一転して声の調子を落とし、静かに言葉を継いだ。
「怒らないで聞いてね・・。」
「今週の水曜日に、虎に会ったの・・。」
「何!お前・・。」
私は思わず語気を荒げてしまっていた。

下山虎雄太、通称“虎”私達の婚約期に突然、現れ私から笙子を奪い取ろうとした・・まるで今日の台風のような男の名だった。
笙子は私が大卒後、新入社した今の勤め先でもある化粧品販売会社に高卒で美容部員として、私よりも2年早く入社していた。
社内でも群を抜く美貌の持ち主に若かった私は夢中に成った。
スラリとした長身で際立って長く伸びた四肢、無駄な肉を削ぎ落としたようにキュッと細く縊れた各関節部からなだらかな曲線で連なる、弾むような弾力に満ちた肉丘。
切れ長の目と先が角張ったように尖って見える鼻筋がシャープでキツイ印象を与えるが、横に広がっていながらも肉厚な唇が丸みを感じさせ二十歳前の若さで有りながら妖艶ささえ演出する。
これだけなら正にセクシャルボンバー・・・と言う感じなのだが、愛くるしい笑顔と明るく姉御肌の性格が、外見から来る近寄り難いような雰囲気を打ち消していた。
派手な職業柄、浮いた噂の立つ同僚社員が多い中、浮付いた話題も皆無だった。
そんな彼女に猛烈にアタックを繰り返し念願かなって晴れて婚約を取り付けた時は天にも上る気持ちだったのを覚えている。

式の日取りや式場も決まり後はゴールインを待つばかりとなったある日、虎は唐突に現れた。
式を控え既に退社して婚儀の準備に余念がないとばかり思っていた笙子が父母と同居している筈の実家に帰っていない事が分かったのだ、式まで二月を切った頃だった。
笙子は高卒後、東京の我が社へ入社したが、出身は東北で式後、再び上京するまでは実家に戻っている筈だった。
携帯電話も今ほど流通してはおらず、笙子はまだ所持してはいなかったため、いつも連絡は彼女の方から私の携帯にかかって来るのが常だったのだが、笙子の選んでいた式衣装が手違いから予約されていない事が分かり事後策を検討するためどうしても連絡が付けたかったので、珍しく私から実家に電話を入れたのだ。
だが何度電話をしても笙子は留守で家族も話を濁すばかりで埒があかない。また、ほぼ毎日かかっていた彼女からの電話もこの時期に限り何故かかかって来なかった。
もやもやした気分にケリを付けるべく週末に東北新幹線に乗り込んだのだ。
  1. 2014/11/09(日) 15:32:43|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅳ

私が現れると家族も観念したのか、ある電話番号を教えてくれた。事後談だがこの時、笙子の両親は非常に気を病んでいたようで何とか自分たちだけで穏便に済ませたいと対応に苦慮していたらしい。
滞在したホテルから電話を入れると、思った通り男が電話口に出た。笙子を呼び出すように必死で説得したが聞き入れられなかったが、翌日には笙子の方から私の携帯に連絡が入った。
電話口で泣き崩れて詫びを繰り返す笙子を何とかなだめて、駅前のレストランに呼び出した。

虎は笙子の高校時代の同級生で高卒後、地元の自動車整備工場に勤めたらしいが僅かの期間でケツを割り、職を転々とした後、現在は性風俗の店でマネージャーのような仕事をしているらしかった。
そんな男と笙子が一緒に居るのは全く解せなかったが、この虎と言う男の写真が笙子のアルバムに貼られている事は以前から知っていた。
彼女は高校時分の彼氏だと言っていたがどうやらそうでは無かったらしい。
写真で見た虎は、いかにも族風できつい目付きをしたなかなかの男前で、当時、ぐれて族のギャラリーとして浮付いていた笙子の憧れ続けた男だったのだそうだ。
彼女が言うには、何度も何度も告白したが、いつも取り巻きの中に女が居て、どうしても手に入らなかった相手らしい。
手に入らないが故に、いつも笙子の中で理想のアイドルとして存在し続けていたらしかったが、既に年月がこれを風化しひとつの寓話として祭り上げられた若き日のノスタルジーへと変化していたようだ。それがこの準備帰省で大きく釦を架け替えたと言う事らしかった。

笙子の帰省に合わせて地元では婚約祝いと同窓会を兼ねたパーティーが旧友達の手で行われ、虎もこのパーティーに出席した。
この時、虎は既に結婚をしていたのだが当に関係は破局を迎えていたらしい。
参加した旧友達は東京暮らしですっかり都会的に洗練された笙子に感嘆し、度肝を抜かれたらしく方々から嘱望の声が湧き上がったと言う事だ。
だが、一番驚いたのは、他ならぬ虎だったようで翌日から猛烈に笙子にアプローチをかけて来たらしい。
別居中の妻と別れて笙子と一緒になりたいと申し出たそうだ。
笙子の方も大きく心が揺らいだ、憧れ続けても決して手には入らなかった偶像がいとも簡単に目の前に舞い降りたのだから。

しかし、まず身辺の整理が先と条件を出す笙子に対し、とにかく早く一緒に住もうの一点張りで、笙子もこのいい加減さには呆れ果てたらしいのだが、昔日の思いが遂には心を惑わせ、手を引かれて虎の根城に連れ帰られたらしい。

「勘違いしないでね・・・。待ち合わせたり連絡を取り合ったりした訳じゃないのよ・・・。優子と・・ほら、居たでしょ私らと同期入社で・・岸田優子・・。今は山内優子って名前が変わってるけど・・。あの娘と渋谷で買い物してて・・そしたらね若い男の子にスカウトされそうに成ったのよ・・。でさ、当然、断わるじゃない馬鹿じゃないんだし・・。でもしつこいのよ・・半べそかいたみたいに成っちゃって、よしたら良いのに優子が最初、少しからかって相手になったから・・その気に成っちゃったみたいでさ・・。」
「で・・OKしたってのかよ・・。」
「まさか・・。でもね今日収穫なかったら首が危ないから、後は適当に理由つけて断わってくれたら良いから、上司との面会だけでも付き合って欲しいって土下座までするのよ。」
「OKしたんだ・・。」
「うん・・・ちょっと可愛そうに成っちゃって・・期待させた私達も悪かったのも有るしね・・。」
「全く・・危ない目にでも遇ってたらどうするつもりだったんだ・・。」
「うん、だから・・事務所でって言うのを断わってハチ公前に呼び出せって言ったんだ。」
「何のスカウトだったんだよ・・・。」
「モデルって言ってたんだけど・・風俗の仕事だったみたい・・。」
「大方そんな亊だろう・・分かり切ってるじゃないか・・おばさん二人捕まえてモデルも何も有ったもんじゃないだろ・・歳もわきまえろよ。」
「あら・・随分な言い方よね・・でも、虎も言ってたけど最上級の商品に成れるのは間違いないって・・。無理強いはしないけど、億単位の金を稼げるってよ・・。」
笙子の言葉は、大袈裟に誇張された部分を内包しているのは間違いないが、実際に男にとって相当、魅力的である事は私も充分に認識していた。
「で・・現れた上司ってのが下山だったって訳か・・。」
「その通りよ・・ちょっと肉付きが良くなってたけど・・いかにもボスって感じで・・貫禄充分でちょっと格好良かった・・。」
「・・・・。」
  1. 2014/11/09(日) 15:33:26|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅴ

甘い歌声を響かせていたCDは既に一巡して再び、最初の曲が再生されていた。
展望台へ来てから早、一時間が経過したことになる。
「で・・又、誘われたのか・・虎の野郎に・・。」
考えを巡らせ、なかなか次の句に結びつけられないでいる様子の笙子に呼び水を向ける目的で、自ら声をかけた。とにかく余り愚図愚図している場合でもなかった。

「とにかく相変わらず、恐ろしく自分勝手でさあ・・私達の都合なんて全く無視して料亭に連れて行かれちゃったのよ・・。凄い所でさあ・・良く政治家なんかが会合してるような庭付き個室になってて・・。奥座敷まで有るの・・あれってボディーガードなのかなあ怖そうなお兄さん達が部屋の前で見張っててさあ・・でも優子ったら私の気も知らないで媚び売りまくっちゃってるのよ、感激~何て言いながらくっ付いたりしちゃっててさあ・・。私まで冷や冷やしちゃって・・。」
「そんな事より、虎に何をされたんだ・・。」
「だから言ってるじゃない食事をよばれたのよ・・優子ったらだらだら飲んじゃってるしさあ・・時間が無いって言ったら車を用意させるって言って。」
「帰って来たのか・・。」
「そうよ・・祐馬だって帰ってくる時間だし、だらだらしてられないじゃない。黒塗りのリムジンで送ってもらっちゃった・・。」
「虎にか・・。」
「ううん・・虎はまだ飲んでたから・・。」
「優子もか。」
「そう・・あの娘、帰ろうって言っても動かないんだもん・・。」
「おいおい・・そんな所に優子一人残してきて大丈夫だったのか・・。」
「分からない・・でも彼らに無理に引き止められたんじゃないし・・優子の意思で残ったんだもん・・子供じゃないんだし・・仕方ないじゃない。」
「でも優子だってご主人が有るんだろ・・。」
「だって・・どうかされちゃうって決まってる訳じゃないもん・・私達は一応スカウトを受けたって事に成ってるんだし。優子にその気が有るんなら無理強いは出来ないもの・・。」
「その後、優子とは連絡とったのか・・。」
「・・ううん・・。」
「何だよ・・様子くらい聞いてやったら良いじゃないか・・友達が心配じゃないのか。」
「それがね・・優子の携帯、不通に成っちゃってるんだ・・。」
「不通・・。」
「うん。解約しちゃったみたい・・。」
「家は・・。」
「彼女・・子供はまだだから・・帰ってないのよ・・ご主人も電話に出ないの。」
「放っておくつもりか・・。」
「ううん・・週明けには心当たりを当たってみる・・でも、男と女なんだし彼女の意思ならどうにも出来ないけどね・・。」

車窓に振りかかる雨粒は、かなり大粒に成ってきている。
「で・・お前は虎に何か言われたのか。」
「・・遣り残した事がひとつ有るって・・。」
「遣り残し・・。」
「あの時の同棲のね・・遣り残し・・。」
「どう言うことだ・・。」
「お前を無理にでも抱いておかなかった事が何時でも心の中に引っ掛かってたって・・。」
・・抱いておかなかった・・確かに笙子はそう言った。だが好き合った同士が僅かの間とはいえ一週間も同棲して男女の関係が無かったと言うのか・・。
口には出さなかったが、虎から笙子を奪い返した時、その事だけは覚悟の上で元の鞘に収まろうと涙を飲んで決意を固めた・・それが私の早合点だったと言う事なのか・・。
「馬鹿な!抱かれなかっただと。一週間も同棲しておいて無垢のままだったとでも言うのかよ。」
「パパには言ってた筈よ、あの頃の私はセックスが怖かったって。」
確かにそれは幾度も笙子から聞かされてはいた、それにしても・・。

笙子は私と付き合い始めた頃、自分は半分だけバージンだと良く言っていた。
と言うのは最初の彼氏と結ばれようとした時、女性器を抉じ開けようとする男根に依るあまりの激痛に耐え切れず、許しこうて逃れようとしたのだそうだ。
だが若い男の性欲がそれで収まる訳はなく、強引に割り裂こうと力ずくで身体を重ねられ再び襲う激痛から夜具をずり上がって身を守ろうともがいた、だが男は是が非でも道を求め腰を送り続けた・・。笙子は壁に追い詰められ男の顔を掻き毟って泣き叫んだがメリメリッと無上にも寛げられ命運、憑き掛けた次の瞬間あえなく堪え切れない精が弾け、寸前で危機を免れた。
これで笙子のバージンは難を逃れた訳だが、全くの無傷と言う訳ではなく、半分くらいの挿入を許していたため、半分だけバージンと言う表現に成ったと言う事だった。

それは分かっている・・。しかし笙子が虎と同棲した時には、既に私と処女喪失を済ましていたのだし、セックスが怖かったと言う理屈は通用しない筈ではないのか。
  1. 2014/11/09(日) 15:34:25|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅵ

「勿論、直ぐに要求されたわ・・。でもどうしても無理だったのよ。」
「無理って・・。」
「だから・・怖かったのよ・・だから・・口と手で・・今までだってずっとそうして来たから・・。まだ若かったしセックスの悦びだって知らなかったから・・。」
「でも・・可笑しいじゃないか・・。ずっと以前はそう聞いていたように口や手で満足させてやってたって事は分かるさ・・。でも虎の時は、もう俺と済ませていたじゃないか・・。」
「そうよ!でも怖かったんだもん仕方ないじゃない・・。」
笙子は急に語気を荒げた。私には彼女の言っている事が、飲み込めないでいた。
「わかったよ・・悪かった。信じるよ・・で虎はその後、どうしたんだ。」
「分かってない・・パパは全然、分かってないのよ・・。私の気持ちも自分の事も。」
こう言って笙子は深く溜息をついた。私の胸にも言い様のない不安が渦巻き始めていた。

「パパ・・。」
笙子は一転して穏やかで、それでいて強い意思を感じさせる低いトーンの声で喋り始めた。
「私も女になったの・・子供も出来て、性の悦びも知って・・もう娘じゃないのよ・・。」
その声はいちいち噛み締めるように慎重に選ばれながら発されていた。
「パパは私がパパにバージンを与えた本当の意味を知らないのよ・・。」
「本当の意味・・。俺を愛していたからじゃないのか。」
「もちろんそれも有るのよ・・。でもそれだけだったら他の男と同じように決して許さなかった・・。でもパパは他の男になかった安心感を私にくれたの・・だから・・挑戦してみたくなったの。私だっていつまでもバージンとさよなら出来ないでいるのは、本当はすごく辛かったから。」
「安心感・・。」
「うん、パパも知ってる事よ・・多分・・。」
「はっきり言えよ。ここまで聞かされてごまかされたんじゃ、かえって酷だし。」
「分かった。言うね・・でもパパを傷つけちゃう事に成るかもしれない・・。」
「・・構わんよ。俺だってもう少年じゃない、傷ついたら自分で薬を付けるさ。」
こう強がってみたものの本当は、聞くのが怖い気もしていたが同時に得体の知れない興奮を覚えてもいた。

「じゃ言う。ゴメンね・・それはパパのが小さかったから。」
驚きはしなかった・・自覚していたし・・予想もしていた。だが笙子本人の口から聞かされるとさすがにショックだった。
「あの痛みを思い出すと男の人のあれを入れられるのがずっと怖かったけど、回りではみんな彼と出来ちゃってて私だけが取り残されるようで不安だった。だからパパのを見た時、これなら痛くないかもしれないと思ったの・・。」
やはりそうだったようだ・・しかし考えてみれば故に笙子を射止める事が出来た訳で、何が幸いするかは本当に分からないものだと感じた。
「今までに付き合った人の誰よりも小さかったし、形も先が隠れて膨らんでないから擦られる事もないように感じたの。この人と出来なきゃ一生出来ないかもしれないとも思ったわ。」
「はっきり言うなあ・・短小、包茎って言うんだよ・・はは・・ついでに早漏だし・・。」
笑って見せたが多分、頬が引き攣っていたに違いない。
「思った以上にスムースに行ったの。これで女になれたって・・嬉しかった。」
「でもまだ俺以外とは出来なかったって訳か・・。」
「虎の事よね・・私、ずっと虎に抱かれたかったの・・あの鋭い目と低い声と盛り上がった筋肉を思うだけでゾクゾクするほど興奮していたの・・あなたに悪いと思いながらも抱かれてる時、いつも虎の事を夢想していた・・。自分で慰めた事も有るわ・・。」
惨めだった、弱い事を気に入られて手に入れた妻に、強い者への憧れの空想をされていたのだ・・。
「だから・・虎のが、もし普通の男と同じ位のサイズならきっと与えていたと思う。でも彼のサイズは特別だったの・・。両手で握っても半分近く握りから食み出すの、しかも太くて指が回り切らないから手でやる時も両手を使って・・先を口で遣るの・・テニスボールみたいな玉がビクビク震えて強い臭いの極端に粘つく濃い液がビューーって天井に届くんじゃないかと思うくらいの勢いで筋を引いて飛び出すの。やっと往かせた時には身体中ベタベタでへとへとに成っちゃって・・セックスするより遥かにハードなの。」
「分かった・・もういい・・それ以上言うな・・。」
笙子が化け物のような巨根と格闘する姿を想像すると被虐的な興奮が胸を渦巻く。

「でも・・それはね・・全部、昔の事なのよ。」
「どう言う事だよ・・。」
「今はね・・あんな大きな物でされたら、どうなってしまうんだろうって・・。こんな気持ちにさせたのもパパが余りに長い間、私を放っておいたからよ・・。女にもね・・性欲ってあるのよ・・。」
  1. 2014/11/09(日) 16:19:01|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅶ

強い日差しを届けていた青空には、厚い暗雲が垂れ込め正に嵐が近づきつつある事を示し始めていた。
笙子は一気に心の内を吐き出し、今はただじっと身をシートに沈め目を閉じている。
そろそろ動かねば困った事になりそうだと考えながらも脱力感が五体を支配し、なかなか起き上がる事が出来ない。
“コッコッ”ボリュームを上げたBGMに混じり、微かな音が耳の横で聞えた気がして、サイドウィンドウに転じた目が点と成ってしまった。

かなり本格的に降り出した雨の中、青い雨合羽を頭からスッポリ被った壮年の男がしきりに窓をノックしている。
慌ててウィンドを下げると、強い突風が車内に湿った空気を一気に送り込んだ。
笙子も突然の事態に慌ててリクライニングのシートを起こすと身なりを整える。
「あ~・・別に邪魔をする訳じゃないんだけどね・・この天候でしょ・・ここ閉鎖するんだ・・鎖するから出られなくなるよ・・あ・・私はこの公園管理官の者ですがね。台風の事は知ってらっしゃるでしょ・・早く山を降りなきゃ身動きできなく成ってしまいますよ。」
ルームミラーで後方の出入り口を見てみると黄塗りの軽トラックが止まっており、傍らではもう一人の管理官が支柱に繋がれた鎖を手に我々の方をじっと観察していた。
二人ともシートをリクライニングさせていた上、ルームミラーも妻の口技を受ける間、車内方向に転じていたため迂闊にも後方に全く注意を払っていなかった。
いったい彼らは何時からここに居たのだろう・・。ふっと自分のジーパンのジッパーが押し開かれたままに成っているのに気がつき慌ててシャツの裾を押し下げた。
「あ。済みません、直ぐに出ます。」と告げるとギアをバックに入れて慌てて車を下げた。

雨粒はどんどん大きく膨らみ始め、それが風に吹かれて斜めに降り付けているのが目視できる。
車をターンさせ鎖を手にした男の脇を抜け、展望台を後にすると登山口の矢印の方向に走り出る。
雨はワイパーを一杯に操作しても尚、見通しが効き難いほど強さを増していた。
「見られてたのかなあ・・。」
笙子が始めて口を開いた。
「いやあ・・かなりの時間、喋ってたから・・多分、その頃だよ、来たのは。」
と言ってはみたが確信が有った訳では無論なかった。
路面は雨が川のように溜まり出しており非常にスリッピーな状態に成って来ている。慎重にスピードをセーブしながら下って行き、ヘアピンを最徐行でカーブする。
“ガッガッ・・ガッガッガ・”いきなり後部で車体が沈んだかと思うと、タイヤが路面の振動をモロに拾い始める。
「うわ・・・!」
かなりの衝撃が車内にも届き、私は慎重に路肩に寄せて車を止めた。

「パンクだよ・・。」
チョット確認に出ただけで、水を被ったようにずぶ濡れに成って車内に戻った。
「予備のタイヤ積んでるよね。」
笙子はタオルで私の髪を拭いながら心配そうに尋ねる。
「ああ・・スペアは勿論、有るんだけど・・。信じられないけどパンクしてるのは後ろ二本ともなんだ。」
「予備一個しかないの・・。」
「うん・・。でも心配ないさ、ロードサービス呼ぶから。」
私は携帯電話で登録しているロードサービスの番号を呼び出したが、呼び出し音さえ聞えない・・。
「まいったな・・圏外だ。山の中だからな。」
笙子も自分の携帯を確認するがやはり同じ様子だった。
「まいったな・・。」
「どうするの・・こんな所で・・野宿。」
「少し歩けば電話が繋がるかもしれないから、ちょっと行ってくるよ。」
「え~。でも危ないよ、この天候だし台風が来るんだから。ここに居れば暖房だって効いてるんだし、何とか成るでしょ。動くにのはやめてよ、私も一人じゃ不安だから。」
確かに笙子の言うのは尤もだったのだが、さらに困った事にガソリン残量が余り無いのである。普通に下山するにはガス欠を起こすような残量ではないが、一晩吹かしっぱなしではとてももたない。
それにしても・・・。私は外で見たタイヤの状況に首を傾げた・・・。
パンクしたタイヤには大きな、それも真横に切り裂いたような傷が残っていたのだ。
思案に暮れていると、後方でパッとライトを上向きにパッシングする車が有るのが目に入った。
  1. 2014/11/09(日) 16:20:35|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅷ

「だめだな・・軽トラのタイヤじゃ擦っちまう・・。」
先ほどの壮年の公園管理官と名乗る男は私の4WDの後輪脇にしゃがみ込んで懐中電灯で車体の下を確認する。
「少々擦っても、はまりさえすりゃ何とか走れると思いますので、どうかお願いしますよ。」
私は雨曝しで突っ立ったまま頼み込んだ。
「う~ん、しかしな、もしもそれで事故でも起こされたんでは、我々の首が飛びかねないんでね・・。とにかくこっちの車に移って公園事務所で対策を考えましょう。」
軽トラの運転席では若い方の管理官がしきりに事務所に戻ろうと叫んでいる。

彼らの提案は尤もで、手数をかける事を詫びながら、軽トラックに乗り移る。
だが軽トラックは元々二人乗りのため、何とか三人は乗れても四人はチョット無理なので私は雨合羽を借りて荷台に乗る事になった。
しかし・・いくら私の方から後ろに乗ると言ったとは言っても、妻も同乗する訳だし普通なら自分達が後ろに乗るからと言うのが当たり前なのではないかと思いながらも荷台に上がった。
運転席の窓が開き、若い管理官が首を出し「旦那さん、事務所までは舗装してない道路を走るからかなり揺れぜ、そこの荷作り紐で身体を縛りつけときな、でなきゃ落っこちてもしらねえぜ。」と丁寧な壮年管理官とは対照的なぞんざいな物言いで告げた。

私は当に身を荷台に縛り終えたが、壮年管理官は一向に4WDから放れようとせずにいつまでも懐中電灯で車体を確認している。
また笙子も4WDの助手席からなかなか放れようとしない。
何を愚図愚図してるんだ・・。私はヌレネズミのように荷台に座りこまされたままで、降り続く雨によって尻の下には大量の水溜まりが出来ており、一刻も早く事務所まで運んでもらいたい状況だと言うのに。
「奥さん、先にあっちに移って下さい。」
「いえ・・私は後で良いですから。どうそ先にお乗り下さい。」
どうやら乗車順でもめているらしかった。
「わしは窓側から山林のチェックをする仕事も有るんだ、真ん中に座ってはナビ役も出来ないだろう。だから奥さんが先に乗って欲しいんだ・・。それとも何か変な心配でもしているんですか。」
こう言われては笙子も渋々従がわざる終えないようで、重い腰を助手席から上げると、ジャケットを頭から被り小走りに軽トラックに乗り込んだ。
笙子が乗ると壮年管理官もそそくさと後を追って乗り込み、ドアを閉めた。

リアウィンドウから座席の三人の肩から上が見える。
やはりかなり窮屈でお互いの肩と肩は接し合っており、車がカーブを曲がる度に笙子が身をよじって接触を避けようとしている様子が覗える。
二人の管理官はにたにたと笑みを浮かべながら何やらしきりに喋っているが私からは勿論何の話かは皆目、聞き取れない。
ただ時折、笙子が明らかに頭で否定を示しているのだけは分かった。
軽トラックはやがて舗装路から山林内の山道に入り込んだ。
山道と言うよりも獣道と呼ぶ方が相応しいような、木々が低く垂れ込めたアップダウンの激しい泥道で、荷台の私に木々の枝葉や、泥塊が襲いかかる。
これほどの悪路に拘わらず車は、私の苦境を無視でもするかのごとく、スピードを緩めようともしないばかりか更にアクセルを強く吹かすのが分かった。
大きく上下動する荷台上で私の尻は激しくバウンドする。紐をかけていなければ当に路面に跳ね飛ばされていただろう。
だがそれは荷台ばかりでは無かった。
座席でも当然、激しい振動に襲われ、とりわけ座席の無い中央にかけさせられた笙子の身体はシート上で飛び跳ね踊り狂う。
二人の公園管理官はシートベルトをかけているのだが笙子には当然、シートベルトは無い。
下手をすれば天井やフロントウィンドウへ頭から叩き付けられてしまう危険さえあった。
助手席の壮年管理官は激しく揺すられる笙子の肩をしっかりと両腕で抱きかかえている。

十分ばかり走っただろうか、軽トラックはようやく木々が少し切り開かれた台地で停車した。
見るとこのトラックと大して変わらないくらいの建て地に鉄筋の小さな建物が建てられていた。それは建物と言うよりも鉄の扉がある以外は屋根や窓さえも無い、ただのコンクリートの箱であった。
「さ、奥さん、足元が滑るから気をつけて降りて下さい。」
まず壮年管理官がドアから降りると笙子に手を貸しながら鉄の扉の施錠を外す。
遅れて若い管理官がエンジンを切って下車する。
「すみません。結び目が濡れて解けないんです・・。ちょっと手を貸してもらえませんか。」
声をかけると若い管理官は作業着の胸ポケットからかなり巨大なサバイバルナイフを取り出し、刃先を向けるように私の身体近くの綱をスパッと切断した。
その無表情で無言の行動に私は思わず背筋に冷たい物が走ると同時に、4WD車のタイヤに刻まれた鋭い傷跡を思い返していた。
  1. 2014/11/09(日) 16:36:15|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅸ

公園管理局の事務所と呼ばれた建物に入ると、内部は外観以上に更に不自然だった。
外部同様、コンクリート剥き出しの壁面は愚か、床に至るまで何の加工もされず、装飾品のひとつも置かれてはいなかった。
事務所と言えば当然、OA機器や事務机くらいは置かれていると思うのだが、ポータブル冷蔵庫とビデオ内臓のテレビが無雑作に床に置かれた以外はパイプ椅子さえ置かれていない。
恐らく以前は何かの観測小屋として使われたものなのだろう、かなり巨大なブレイカーボックスが天井角に設置してある。
酒やビールの空き瓶や乾き物のカスや紙屑などが散乱し、かなり散らかっている。
そして部屋の大半を占める、ど真ん中にスプリングの効いていそうな大きな青いマットレスが置かれている。彼らはここで寝るのであろうか・・それにしてはマットレス以外は布団や毛布、枕さえも置かれてはいなかった。
「まあ・・むさ苦しい所だけど、適当に座って下さい。」と言われて私は疲労困ぱいの身体をマットにかけさせた。
「奥さん、あんたも座りなよ。そうして突っ立てられたんじゃ落ち付かねえじゃないかよ。」
若い管理官がいら付いたような口調で笙子を見上げる。
笙子はギクッと肩を窄めながら、じっとマットレスの表面を見下ろしている。
少し暗い照明の中、目を凝らして妻の目線を辿ってみると、マットレスの表面には無数の黄ばんだ染みが刻まれていた。
それは染みが付いていると言うよりも、全面に染みが折り重なり染みの上から幾重にも新たな染みが重なり合っていた。私がその事に気が付かなかったのは余りに大量の染みのために、まるで表面の模様のように見えていたためだった。
また笙子を見上げていて、天井に設置されたビデオカメラに気が付いた。防犯用などに良く見かける物だがこんな所に何故必要なのか皆目見当がつかなかった。

急かされ笙子は尻を気にしながら私の隣に慎重に腰を下ろし、小声で囁いた。
「冗談じゃないわよ・・。車が振動するのを良い事に支える振りして、胸や腰を弄り回すのよ・・、それにやらしい事を平気で口にするしさ・・でっかいオッパイだなとかさ、ゆさゆさして狭いのに邪魔になるぜ・・とか・・やだもう・・。」
やはり連中は始めからそれが目的で笙子を真ん中に座らせたようだった・・。不快感で胸が一杯になりながらも、ここは堪えて何とか今夜を無事すごさねばならなかった。
「あの・・電話を貸して頂けますか。家とロードサービスにも電話を入れたいんで。」
と頼みながら室内を見回したが電話機らしい物は見つからなかった。
「すまんなあ・・。この事務所は電話を置いてないんですよ・・携帯がだめでもワシとこいつはトランシーバーで交信できるから必要無いんだ。外に連絡する時は車でこの一寸上に有る爺さんの宿屋まで行くんだ。ホンの1、2分の所だからね。」
呆れ果てた・・、この連中は本当に公園の管理官なのだろうか・・、いくら互いの交信に不自由がないとは言っても本部からの連絡などはどうしているのだろう・・。
胡散臭さを拭えないまま、何とか手立てを考えねばならなかった。
「じゃ、そこへ連れて行ってもらえませんか・・。どうしても置いてきた子供の事で連絡を取らないとならないんです。それに宿屋なら今夜、泊めてもらえれば尚、助かるし。」
「馬鹿言うなよ、お前らよくよく勝手な奴らだな。こんな台風の日に宿屋が飛び入りの迷惑な客を泊める訳がないだろう。」
若い方が立ち上がって噛み付いて来たが、壮年の管理官はそれを手で制しながら、「そうだなあ・・でも爺さん所はこいつの言う通り、恐らくこの天気じゃから、他に宿泊客は無い筈だし、働き手も休みを取らせたんじゃないかなあ。」
「ええ、でも部屋さえ貸してもらえれば良いんです・・今夜の雨風さえ遣り過せば良いだけですから。」
「ここに夫婦で泊まってもらうのもちょっと気が引けるし・・じゃ、行って見ますか。おい、ちょっと車、出してやれや。」
「え~、またかよ・・ここに寝りゃ良いじゃないかよ・・一晩くらい。俺はその方が嬉しいんだけど。」と笙子の身体をニタニタしながら無遠慮に眺める。
笙子もそれを感じるのか、しきりにジャケットの前を閉じ合わせている。

今度は、壮年の管理官は同乗せず、真ん中に私、助手席に笙子が乗り込むと、若い管理官は乱暴にアクセルを吹かせ、軽トラックを斜面に向かい急発進させた。
車はミッションカーでハンドルチェンジの旧式車だ。運転手がチェンジレバーを操作する度に真ん中に座った私は肘で胸を押される。
さっき笙子がこれで辱められたのは容易に想像できた。
「旦那さん良い奥さん持ってるよなあ、メッチャ色っぽくて堪らねえや・・特にあの分厚い唇で楽器を演奏されたら極楽だろうな・・全く、羨ましいぜ。」
ハンドルを握りながら猥褻な軽口を叩く。
「そんな事は有りませんよ・・もう、おばさんですし・・。」
一応、謙遜を込めてこう返答すると、この若者は呆れ果てたずうずうしさで言葉を返して寄越した。
「へえ・・じゃ俺に譲ってくれよ、な~に一日だけでもOKだぜ。一日ありゃあ、十発以上ぶちこんでやれるからよう・・。へへ、そしたら奥さんの方から帰りたくな~い・・なんて言われちまうかもしらね~けどよ。その代わりあんたにゃ俺の十代のスケを回してやるぜ徹底的に色事を仕込んであるからこっちはこっちで離れられなく成っちまうかも知れんぜ・・・ガハハハハ。」
余りの無礼に返す言葉が見つからなかった。一刻も早くこの若者から開放されたかったが、今の立場ではそれも叶わなかった。
笙子は真っ暗な木立の奥を食い入るように見詰めたまま硬く口を閉ざしている。
今はただ一刻も早く車が宿屋へ到着することだけを祈った。
  1. 2014/11/09(日) 16:36:59|
  2. 風・フェレット
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風 Ⅹ

若い公園管理官の腰にぶら下がっているトランシーバーが小刻みな呼び出し音を響かせた。
「はい。」
すでに日も落ち真っ暗な山路の上、猛烈な風雨で視界も殆どない状況の中で、車体を大きくバウンドさせ高速走行しながら片手でトランシーバーを操作する。
見ているこちらの方が冷や冷やし通しだった。
「ああ、これじゃまずくね~か・・折角のチャンスなんだしよ・・。」
「は~ん、成る程なあ・・そりゃ良いや・・へへ・・楽しみだぜ。うんわかった爺さんに頼んでおきゃ良いんだな、ああ・・わかったちゃんとやっとくよ・・じゃ後でな。」
交信が終わると同時に車は、急停止した。
そこは電灯が消えていたので気付かなかったが、「たつみ荘」と看板を掲げた二階建ての小じんまりした鉄筋家屋の前だった。

「ありゃ、ありゃ・・大変なずぶ濡れじゃないか・・まあまあ、早く上がりな。な~に気にせんでええから・・困った時はお互い様じゃよ、さあさあ。」
小柄な老人は二人分のスリッパを揃えて、我々を迎え入れた。
「どうも済みません・・お世話になります。突然、伺って申し訳ありません。」
恐縮しながらも深く頭を下げて、下足箱に履物を納めて上がり込んだ。
「気にせんでええ、気にせんでええ。じゃが今日は生憎の天候で他の客は全て予約をキャンセルしてきたもんで、従業員には休みを取らしてしもうたんで何のお構いも出きんのじゃ・・料金はええからその点は勘弁してくれなあ。」
老人はさもすまなそうに話す。
「そんな、無理に上がり込んだのは私達なんですから、サービスなんて構いませんけど、料金だけはちゃんと取って下さいよ。」
「まあええ、まあええ、兎に角、早く部屋へ案内しよう。さあどうぞ。」
「お邪魔します。」
先を行く老人に続いて二階への階段を登り始めると、下から若い管理官が大声で「夫婦二人っきりで貸し切じゃ夜が激しくて大変だろうから、爺さんの耳障りにならん部屋に案内しておけよ。」と下品な言葉を投げて寄越した。

「さ、ここじゃ。」
階段を登ると三室分の襖戸が並んでいた、老人はその中央の部屋の襖を開き蛍光灯のスイッチを灯した。
部屋は正面に大きな窓がある以外はがらんとして何もない八畳ばかりの和室に成っていた。
普段は山々の緑が一望できるであろう大窓は台風のため生憎、雨戸を閉ざしていた。
中央に座敷テーブルが置かれ、座布団は重ねて角に積まれていた。それ以外には小さなテレビと冷蔵庫、貴重品入れの金庫に空調の室内機が置かれているだけだった。
それよりも私達が異様に感じたのは、部屋の両側が壁ではなく襖で隔てられているだけだった事だ。これでは入り口も含めて誰でも好きな時に入室が可能と言う事に成る。
「ほんに酷い目に合おたのう。二人とも濡れ鼠のようじゃ・・、まず風呂に入るのがええじゃろう、このままでは風邪を引いてしまう。幸い湯は今しがたわしが使っておったんで直ぐに使えるから、二人で入って来るがええ。その間に有り合わせの物しか無くて申し訳ないんじゃが食事の支度をして置くから、上がったら食堂まで来てくれ。」と言いながら手拭と二人分の浴衣を差し出した。
今まで緊張感ですっかり忘れていたが、ずぶ濡れの身体は冷え切っていて、安心すると同時に身震いするほどの肌寒さを感じた。
「あの、風呂の前に電話をお借りしたいのですがこの部屋には電話は無いようですね。」
「ああ、電話か・・そうなんじゃ、不便で良く怒られるんじゃ・・携帯も使えんからなここら辺りは・・。電話は帳場に赤電話が置いてある、実は金を入れんでも掛かるようになっとるから自由に使ってくれ。」

「もしもし、ああお袋か・・ごめんごめん、実は台風の中で車がパンクしてしまってな。うん心配は無いんだけど・・祐馬な・・もう一晩、泊まらせてくれる。うん、明日は成るべく早く戻るから・・うん、そっちも台風、気をつけてな。じゃおやすみ。」
電話をしている横では、若い管理官が何を愚図愚図しているのか爺さんとしきりに小声で話しこんでいた。
「パパ・・お風呂、お湯が入ってないんだけど・・。」
先に浴室へ向かっていた笙子が廊下の奥から声をかけてきた。
「おお、そうじゃった、そうじゃった。」
爺さんは慌てて声の方へ私を促しながら向かって行った。
「今日はのう、客が無いんでわしが入る為に男湯しか湯を入れとらんのじゃ。けども他に客も無い事だし、ご夫婦なら一緒でも良かろう・・今から入れておってはかなり遅くなるしのう・・。」と我々の背を押した。
  1. 2014/11/09(日) 16:38:06|
  2. 風・フェレット
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風 ⅩⅠ



「何だかこんな明るい所で恥ずかしいね。」
笙子はずぶ濡れの着衣を脱ぎ捨て、脱衣篭に投げ込むと手拭で前を覆ったが小さな布切れで隠し切れるほどか細い肉体ではなかった。
「やだ~・・またちょっと、ついちゃったかな~・・。」
腿の辺りを擦りながら脱衣所の大鏡に裸身を映して苦笑いを見せる。
笙子は気にしているのであろうが、以前の細身の身体よりも肉が程よく付いて丸みの増した今の身体の方が男にとってはずっと魅力的に映る事だろう。
傍らに私の痩せ過ぎでガリガリの身体が映っていたが笙子の余りに肉感的な肉体と並ぶと圧倒的にみすぼらしく見えた。
浴室内は四畳半くらいの広さで家庭の風呂場と比べればかなり広いが大浴場とはとても呼べるような物ではなかった。
その奥、三割ほどを占める湯船いたっては、多少湯量は多めとは言え普通のユニットバスであった。

先に湯に浸かる笙子の頭上を越えるように湯船の縁を跨ぐと、下から股間に指が伸びてきた。
「何だよ・・。」
「何だって・・いいじゃない・・これ私のだもん。」と言って悪戯っぽく笑った。
「よせよ、どうせお前の気に入ってるようなもんじゃないんだから。」
「あっ・・やだ~、怒ってるの・・さっきの事、あんなの嘘に決まってるでしょ。パパが余りにも構ってくれないから・・たまにはちょっと苛めてみたくなるじゃない・・。」
「じゃあ・・全部、嘘だって言うのかよ。さっきの話し・・。」
「虎の事でしょ・・。馬鹿ね~信じないでよ・・あんな話。その気ならそのまま残って来るでしょ・・。私はパパが居れば・・って言うか・・ネッ・・してくれたら満足なの。でもしてくれないから・・。」
「じゃ・・ちっちゃくても良いのかよ。」
「ううん、良いかって聞かれても、私、パパのしか知らないから・・分かるわけ無いじゃない。でもね・・無視されるのって辛いの・・分かるでしょ・・自己嫌悪に陥っちゃうんだから。」
隣に並んで座り肩まで湯にどっぷりと浸かると昼間からの疲れがどっと噴き出すように感じた。
笙子によって、久々に精を搾り取られ。散々、不満の捌け口を聞かされ。台風の最中、アクシデントでずぶ濡れになり、得体の知れない公園管理官に振り回されて。一年分の労力を一辺に使わされたようにさえ思えた。

「うふ・・硬くなって来た・・。」
嬉しそうにゆるゆると私の分身に摩擦を加えながら、自らの下唇を舌先で舐め回している。
その表情は完全に発情した牝の顔に成っている。
「ここで、しちゃおうか・・。」
笙子はすっかり理性が消し飛び、制止が効かない様子だった。
「見て。」と言うと自らの股間に差し込んでいた左手を湯面に持ち上げて、指先を私の鼻先に突き出した。
その指には呆れた事に湯に浸かっていたにも拘わらずドロリと濃厚な善がり汁がたっぷりと貼り付いていた。
「もう、いつでも準備オーケーよ。今日は散々、あなたにもあいつらにも刺激されっぱなしだったから、もう限界なの・・このままだと切れちゃいそうよ。ね、お願い。」
言うが早いか腰を浮かせて私に跨ると、右手で分身を固定しゆっくりと腰を沈めた。
「あ~~・・あ・・久し振り~・・嬉しい・・。」
湯船の縁に両手を付いて腰を激しく上下させる。大きな白桃のような尻が眼下で現れたり沈んだりする度に大きく湯面が波打ち縁から溢れる。
丸々と量感を湛えながらも、きつく縊れたウエストが視覚的にも強烈な刺激を大脳に伝える。
「はう・・はう・・パパ、パパ。もっともっと激しく・・ねえ~ん。」
更なる強い接触を求めて後ろ手に私の腰を抱き締めて尻と恥骨をピッタリと密着させる。
「あ~・・あ~・・まだ・・まだよ~もっともっと・・ねえ~動いてェ~~。」
呆れた事に湯の中での連結にも拘わらずヌメヌメした分泌液が纏わり付いて包み込み、薄まって潤滑不足に陥りやすい水中性交に何の支障もきたさなかった。そればかりか沈みこんだ相臀の窪みから吐き出される白濁が湯を染め特有の臭気さえ漂わせる。

今や笙子は快感のみを求める牝に成りきって貪欲にテンションを高め切っている。
「あ~~お、あ~~おおお・・あと少しあと少しよ~~~。」
笙子の声だけが浴室に高々と木霊し、密閉された浴室ならではのエコー音が響き渡る。
「・・!」
私は狂ったように打ち振られる笙子の大尻を両手で強引に制止させ動きを封じた。
「や~~・・・何よ~・・もうちょっとなの~ねえ~。」
半べそをかいたような切羽詰った顔で私を振り返る笙子の口を掌で塞いだ。

「ご主人・・ご主人・・」
微かな呼び声は笙子の耳にも届いたようだった。
浴室の入り口は銭湯のような総ガラス張りのサッシ戸で湯気に曇ってはいる物の脱衣所の風景を全て映し出している。
そしてその中央付近に主の老人が立っているのが見えた。湯気によりその顔までは確認出来ないものの浴室の中を覗っている様子はハッキリとわかった。
「はい、何か・・。」
大きな声で返事を返す。
「いやあ・・済まんです・・あの、さっき電話されたロードサービスから電話が掛かっておるんですよ。」
「はあ・・ですが、今日は宿泊するから修理は明日の朝で良いと言っておいたんですが・・。」
「それが、台風で出動できないから明朝はかなり混雑するらしくて・・。天候さえ回復したら今夜にでも済ませておきたいらしいんじゃ・・。で、故障車の正確な位置が知りたいらしくてのう・・。」
「分かりました・・じゃあ。風呂から出たら電話を入れますよ。」
「それが・・そう言うたんじゃが・・その担当者は出先からかけてるらしくて・・電話口で待ってるから、是非、呼んで欲しいと言うんじゃ。」
「そうですか・・じゃ、直ぐ出ます・・ちょっと待ってて貰って下さい。」と言うと爺さんは脱衣所から立ち去った。

「仕方ない・・ちょっと行ってくる。」と声をかけるが、寸前でお預けを食わされた笙子はふてくされたような表情で尚も股間に手を差し込んで白濁を掻き出している。
「聞かれちゃったかなあ・・。」
「う~ん、かなり大声で泣いてたからなあ・・多分・・。」
「あんな、おじいさんでも性欲って有るかしら・・。」
「どうかなあ・・老人って言っても個人差は有るだろうし・・とにかく行ってくるよ。あまり待たせる訳にも行かないし。」
「分かったわ・・でも早く来てね・・この状態じゃ私、気が狂ってしまいそうなの・・。」
「分かったよ・・それにしても好きだなあ・・おまえ・・。」
「もう・・あなたのせいだからね・・好きになったのも・・欲求不満に成ってるのも。」
怨みがましそうな笙子を残し、手早く浴衣を身に付けた。
きちんと揃えてある二組のスリッパの一つを履くと浴室内を振り返る。
やはり湯気で曇ってはいても中に居る笙子の輪郭線はハッキリと見て取れた。
その笙子は湯船から上がり縁に腰掛け、こちらに背を向けていた。湯気に薄っすらと浮き出す、その白い肩から臀部へ続くなだらかなラインは溜息が出るほど艶めかしかった。
  1. 2014/11/09(日) 16:38:58|
  2. 風・フェレット
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風 ⅩⅡ

「わかりました・・・それじゃ、明朝。」
帳場の赤電話の受話器を置くと首を傾げた。
爺さんの言うように、受話器は外されていたものの回線は繋がってはいなかった。
念の為にロードサービスへ此方から電話を入れてみたのだが、先方から連絡を入れたと言う記録も約束の修理時間の変更も予定にはなっていないと言う事だった。
ならば・・爺さんはどこからの電話を取り次いだと言うのだろう。
明かりが消えて真っ暗な帳場の奥へ声を掛けてみたが爺さんのいる気配は無かった。
食堂へ回ってみると、テーブルには既に夕食の用意が並べられていた。鯵の開き、冷奴、簡単なサラダに御櫃が置かれている。朝食のような簡単な食事だがこれは仕方が無いことだろう・・だが腑に落ちない事に、食事の用意は二人分ではなく四人分出されている。
可笑しな事ばかりだな・・と思いながらも、厨房の奥に声を掛けるが、やはりそこも消灯され人の気配は無い。
もう自室へ引っ込んで休んでしまったのだろうか・・何か変だな・・と少し不安を感じながら浴場へ続く廊下を引き返す。

脱衣所のドアを開くと下足場にスリッパが散乱していた。
え・・確かさっき出るときは笙子のスリッパが行儀良く揃えて置かれていた筈なのだが。
良く見ると笙子のスリッパは元の場所にキチンと置かれているのだが、それ以外に二組のスリッパが乱雑に脱ぎ散らかされているではないか。
私は慌てて、脱衣所との目隠しに下げられているカーテンに身を秘せ、気取られぬよう慎重に中を確認してみると、脱衣篭に脱がれた私と笙子の着衣以外に、やはり二着の薄緑色でお揃いの作業着がこれまた乱雑にベンチの上に脱ぎ捨てられていた。
奴らの・・その作業着は間違いなく先ほどの公園管理官の二人が着ていた物に間違い無かった。

胸の鼓動が外に聞えてしまうのではと、錯覚してしまうほど激しく高鳴った。
浴室のガラス戸越しに中の様子がぼんやりと浮き上がっている。
手前にはサッシ戸を背にした二つの背中が、かなりハッキリと浮かび上がっている。
短、長のかなり背の高さの違うがっちりした筋肉質の身体は当然のように全裸で尻の割れ目まではっきりと曝け出している、腰タオルすらも巻く事なくすっぽんぽんで仁王立ちしている。
その目線のやや前方には、先程と同じ位置でやはり此方に背を向けて浴槽の縁に腰掛けている笙子が、こちらは湯気でかなり輪郭を失ってはいる物のちゃんと見て取る事が出来た。
浴室内の雰囲気からして笙子は音を忍ばせ入り込んできた無頼漢の存在に未だ気がついてはいないようだった。
「そこで何をやってるんだ。」
若い管理官の声がハッキリと私にも聞き取れた。
「パパ~!遅~い・・。」
笙子は声の主を私と勘違いしたようだった。
返事をしながら上体を捻じって振り返った笙子の口からけたたましい悲鳴が上がった。
「なに~~!あなた達・・何してるのよ~!出てってよ!」
慌てて湯船に身を投げ落とす大きな水音が響いた。
「何してるとは俺達の台詞だ、あんたこそ男湯で何をやってやがるんだ!」
「ええ~~・・だって、お爺さんが宿泊客は私達だけだって言ったから・・。」
「何を寝ぼけてやがるんだ!俺達も今日の台風を避けてここに泊まることに成ってるんだよ。俺達が男湯で入浴して何が悪いんだ!」
「そんな・・だって・・確かに・・・。分かったから出ますから、少しだけ出ていてください・・これじゃここから出られません。」
笙子は半ば泣き声に成りながら、懇願している。
だが男達は我存ぜぬと言った態度で湯船の湯で身体を清めて、笙子の浸かっている湯に足を差し込んだ。
「や・・やあ~来ないで~。ね・・直ぐ出ます・・だから後生ですから少しだけ・・少しだけ・・あっちへ行ってて下さい。」
だが彼らは無情にも肩までどっぷりと湯に浸かって笙子を両側から挟み込んでしまった。

どうしたら良いのか皆目、判断が付かぬ間に・・笙子は奴らの手に掛かってしまうかもしれない。カーテンに包まって中の視界から身を隠すように様子を覗いながらも、足は竦んでガタガタと震えるばかりで一向に踏み込む決意がつかなかった・・。
奴らの言う通り、マナーに反し男湯に入っていたのは笙子の方なのだから。
「奥さん・・さっき面白そうな事してたな。」
「知りせん・・。」
恐らく身を庇いながら固まっているのだろう・・私は笙子が早く自分で脱出を試みる事を祈っていた。
「知らないって・・ははっ、俺ちゃんと見てたんだぜ・・。奥さん、マンズってたんだろ。」
「いや~!やめて・・ち・・ちがう・・違います。」
「ははは・・お手々の指が股に突き刺さってる所、ちゃんと見えてたぜ・・。あんた、欲求不満かよ。」
笙子の返答は聞えなくなった・・恐らく半べそをかいているのかもしれない。
「俺なあ・・美人の奥さんのあんな姿を見せつけられちゃったから今、大変なんだぜ。」と言うなり湯から勢い良く立ち上がり、笙子の正面に立ち塞がった。
「きゃ~~~!」
笙子の甲高い悲鳴が響き渡り、両手で顔を押さえるのが分かる。
「へへ・・びっくりした~・・でっかいだろ。亭主とは比べ物にならんだろ。」
「知らない・・見てません。」
「はは・・奥さん、お顔押さえても指の間からしっかり見てたでしょ・・分かっちゃうんだな~全部・・はははは」
流石に辛いと見えて笙子は覚悟を決めて立ち上がると、湯から飛び出した。
「お~・・良いオケツゥ~きゅ~て締まりそうだな・・ズッコンズッコンさせてよ~。てっぺんまで行かせてやるからよ~。」
卑猥な嘲りを背に浴室から飛び出した。

私は笙子の脱出を察知すると急いで廊下に飛び出た。
笙子も僅かの更衣時間で顔を真っ赤に上気させて転がり出てきた。
「おっ!どうした・・」
私はたった今、用事を済ませて戻ったような演技をしながら小走りに向かって来る笙子の身体を抱きとめた。
「あ・・・あなた・・・何でもない・・湯が熱くて少しのぼせちゃったみたい・・もう、出ましょう。」
笙子は肩で息をしながら項から顔にかけて真っ赤に上気させている。
着衣は借りた浴衣を羽織っただけで前は両手で閉じ合わせているだけだった。
その手に握られているだけの浴衣の紐が緊急事態の名残を伝える。
「あ・・ああ、じゃ食堂へ行こうか・・。もう用意が出来てたみたいだから。」と廊下を逆に引き返した。
浴場での出来事は笙子が切り出さない限りは黙っておこうと思ったが脱衣所に置いたままの二人の濡れた着衣が気になった・・。
あれが無ければ明日着て帰る服がなかった。ただ、今取りに戻れば奴らと当然出会うことになってしまう・・。ほとぼりが冷めてからでいいか・・ぼんやりと考えていた。
  1. 2014/11/09(日) 16:41:16|
  2. 風・フェレット
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風 ⅩⅢ

雨戸越しの窓から聞こえる揺さぶられた木々の悲鳴が大型台風の強風を伝えている。

キチンと中央に敷き詰められた夜具の上に大の字に寝そべるとそのまま寝入ってしまいそうなくらい身体はクタクタに草臥れ切っていた。
にも拘わらず大脳の片隅では妖しい倒錯感が蠢き感覚を痺れさせる。
もしもあのまま湯船から逃げ出さなければどのような事態が起こっていたのであろう・・。
まだ夜具には入らずに部屋の片隅に追いやられた座敷テーブルに肩肘を突いて、何事か思い詰めたような表情でじっと手元に視線を落とす妻、笙子の浴衣姿を眺めやる。

笙子は風呂から出て小一時間が過ぎようとしているにも拘わらず相変わらず肌を赤らめ薄っすらと汗を滲ませ、時折手にした手ぬぐいを首筋に這わせる。
台風の影響か今日は閉め切っていてもさほど暑さは感じないのだが彼女の周りにだけ暑気が立ち込めているようにさえ見えた。
長い髪を梳き上げうなじを拭うと両手の肘が高く持ち上がり、緊急避難で着ける暇の無かったノーブラの胸が前方に突き出され頂きの両突起が浴衣の薄生地を押し上げクッキリと輪郭を晒す。
その乳頭が明らかに硬くしこっているのが伸ばされ張り付いた生地の隆起で見て取れる。

どう見ても妻が平静な状態には無いことは明らかだった。
その様子は私の五感にも尋常ならぬ興奮を呼び起こしていた。
笙子は今日は元々確かに異常な程、官能を昂ぶらせてはいた・・されど性急とさえ思われた私へのアプローチは今は影を潜めている。
部屋に戻るなり先程の浴場での営みの再開を予想していた私は明らかにはぐらかされてしまっている。
彼女の胸中にはどのようなシナリオが描かれているのであろうか・・・。
その想像は私を倒錯の淵に誘い込み股間では高まりが浴衣の前合わせを突き破ろうともがき苦しませている。
その愚直の真上で腹がクウクゥ~とだらしなく音を立てる。

空腹は当に限界を超えている。何せ今日は朝飯にトーストを一枚食べたきり何も口にしていなかった。
浴場を離れて向かった食堂のテーブル上に四組の食事を目にした笙子は、食欲がないので部屋に帰りたいと言い出した。無理もなかったが彼女一人を部屋に戻す事は更に許され難い事でもあった。

「パパお腹空いてるんでしょ・・私に構わずに食べて来てよ。」
笙子は此方に向かって座り直してニッコリと微笑んで見せたがその目元が決して笑ってはいない事は永年連れ添った夫婦ならば容易く見破ることが出来た。
彼女はどう考えているのだろう・・奴らに抱かれたがっているんじゃあるまいか・・・。こんな考えが湧き上がった。
「はは・・奥さん、お顔押さえても指の間からしっかり見てたでしょ・・分かっちゃうんだな~全部・・はははは」風呂場での若い方の言葉がまざまざと蘇った。

「ね・・行って来なよ、二人とも手を付けないんじゃお爺さんに悪いし・・それにお風呂に置いて来た洋服も干しておかないと明日、困るし・・それも取って来てくれないかな。」
笙子の言う通りだった、食事はともかく衣類だけは早く干しておかなければ間に合わなくなってしまう。
取り敢えずそれだけを先に済まそうと考えると、気だるさを振り切って部屋を後にした。

階段を半ばまで降りて階上を振り返ると一転踵を返して足音を忍ばせながら再び二階へ戻ってみた。
一人になった部屋で笙子は何を考えているのか・・・どうしても気が先に向かわなかった。
予め、やや残して置いた入り口の襖の隙間から室内を覗う。

笙子は居場所を夜具の上に移して両脚を真っ直ぐに寛げて投げ出し、左腕で上体を支えて置き上がっている。
空いた右手は夜具の脇に持ち出されたボックスティッシュから数枚を抜き取ると浴衣の下肢の前合わせを肌蹴て股間を拭い清めている。
大慌てで飛び出した浴場からは上と同じく尻を包む下着も持ち出せなかったらしく、開いた股間部は漆黒の蔭りがいきなり露出された。
吸い取られて湿ったペーパーを掌で握り潰し無造作に脇に放ると、中三本の指を幾分湾曲気味に立ち上がらせて再び股間に差し入れる・・暫くの間、口元を真一文字に食い閉めながら擦っていたが、動きが下方から上方へと弄る動作に変化するにつれて見え隠れしていた指の腹は完全に飲み込まれて視界から消え失せ、にも拘わらず肘を中心に円を描くように律動する腕の動きは加速度的に激しさを増して行った。
結んだ唇は歯を立てて噛み締められ血の色を滲ませる。
堅く食い閉められているにも拘わらず絶息にも似たうめきが鼻腔から激しく漏れ出し、支えの左腕は力を失って夜具に崩れ落ちて、ただ掌だけはきつく片乳の底部を絞り締め中指の腹で勃起した突起物を埋め潰す。
「ふ・・は・ふう・・はっは・・」
血走って見開かれた両目と血の色に噛み潰された肉厚な唇、そして熱い息を吹き出しこれでもかと言わんばかりに径を広げた両鼻腔、熱病に浮かされたように高潮しビッショリと玉の汗を吹き出す絹肌。
耳には明らかに再び大量に分泌された粘液が掻き回され泡立つ湯音が届く。

妻の自慰を盗み見ながら激しく勃起した実直は臨界点を迎えつつあった。
このまま零してしまえば浴衣は二度と着れなくなってしまうだろう。
見開いた目が名残惜しげに残留しようともがく欲求を辛うじて押し止めると階段をやはり忍び足で下り脱衣所に飛び込むと一目散で妻の脱ぎ捨てられた着衣を目指した。

白のスラックスを投げ捨て、薄桃色のカーディガンを押しやり、薄グレーのタンクトップをはやる心で持ち上げたが下着は姿を消し去っていた。
握り締めた性器は嘗てないほどにカチカチに固まり鈴口からは白濁が混じり始めていた。
慌てて床に投げ捨てた笙子の着衣を這いつくばって拾い集め、スラックスの股間部を裏返しにして鼻に押し付けて、雨水を吸い込んで重く湿ったタンクトップで欲情を包むと這いつくばったままドクドクと渾身の精をぶちまけた。

倒錯的な射精感に身を震わせキツクあてがった妻の着衣を汚辱し力なく呆け切った身の耳の端で二階へと続く今しがた自分が下ってきた階段を軋ませながら上がって行く足音を微かに聞き取っていた。
  1. 2014/11/09(日) 16:41:59|
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風 ⅩⅣ

タップリと己の欲望が張り付いたタンクトップを浴室内の床に引き伸ばして固形石鹸の泡を塗り付けた。
水気を含んだ精液はカリカリに固まって泡立て洗い流す手を梃子摺らせる。

それにしても笙子の下着は何処に消え失せたのか・・間違いなく妻は浴衣の下には何も付けてはいなかった。
すぐさま二人の公園管理官の顔が浮かんだ・・奴らのいずれかが奪い取っただろう事に疑う余地はなかった。
笙子が逃げ出した後の脱衣所で凶悪な男根を奮い立たせたままで物色する姿が目に浮かんだ。
グズグズしてはいられなかった、既にあの野獣達は妻を残した階上に消えている・・いや、最早手遅れと成ってしまったかもしれなかった。
夜具に横たえた裸身を執拗に慰める笙子の姿と、鋼のような浅黒い肉体に凶器をそびえさせた二体の獣がオーバーラップする。
このようにのんびりと洗濯をしている場合ではなかった。洗面器に水道の流水を満たすと残骸処理も不充分なままタンクトップを押し込み手早く揉み濯ぐと堅く水気を絞った。

階下から見上げると既に消燈された二階通路は薄暗く、闇が不安を増幅させる。
両手に水分をタップリ含んだ夫婦の衣類を抱えて、階段の真下に立つとここで履いていたスリッパを脱ぎ捨てた。
早鐘を打ち続ける胸を深呼吸で何とか鎮めながら素足で階段の床を踏み進む。極端に緩やかに床の軋みに注意しながらそろそろとまるで泥棒猫のように闇に身を潜める。

二階の三室のうち真ん中の我々の部屋と、奥の襖の隙間から闇に沈む廊下に真っ直ぐな光が二本伸びていた。
その真ん中の暗がりに身を秘すようにしゃがみ込んで両耳の感覚を研ぎ澄ましてじっと聞き耳を立てた。

互いの部屋からは暫く話声は聞かれなかったが時折、テーブルにグラスを置く音が静寂を裂いた。
奥の部屋ではビールを飲んでいるようでグラスの軽い音に時としてドンと重量を感じる瓶が置かれる音が混じる。
「おい、大概にしとけよ。要らん事をやってる暇はないぞさっさとやることだけやって戻ってこいよ。」
はじめに壮年の管理官の声が響いた。とそれを合図にしたようにギチギチと畳を踏みしめる音と争うような着ずれの音が声の方向とは逆の自室の方から漏れ聞こえた。
「へっ・・仕方ねえなァ・・何を格好つけてやがるんだ。べとべとのチリ紙ばら撒いてあんた限界まで催してるんだろ~が。」
若い管理官は既に笙子の傍らに座しているらしく、物音に続いて叱咤するような強い語気で言い寄る。
「だ・・だめです・・主人が・・主人が戻ります。」
笙子は辺りに気をつかうように小声でたしなめる。
「ふん、あの亭主は腑抜け野郎さ、その証拠に車の中で散々女房が辱められたって言うのに一言の抗議も出来やしない・・或いは風呂場での一件や今の状況だってとっくにご存知かもしれないぜ。」
胸を撃ち抜かれたようなショックを感じた・・この男達は私の性癖の全てを当に知り尽くしているのかもしれなかった。

「ほれ、兄貴に免じて今は辛抱しといてやるがな・・聞き分けて早く飲み込んじまいな。」
「い・・いやです・・何なんですか・・怖い。」
「へへ・・心配には及ばね~ぜ・・奥さんを天国にお連れする高価なもんだよ。普通なら勿体無くて使えないところなんだぜ・・だがよ兄貴があんたをぞっこん気に入っちまったと見えてよ・・へへ・・特別サービスって訳さ。分かったらてこずらさずに聞き分けな。」
激しく争うような物音が暫く続いていたが、強く頬を張り飛ばすような鋭い打音が轟き、静けさが戻る。

「最初から大人しく言う事を聞いてりゃ痛い目に遇わずに済んだのによ・・よ~しよし良い子だ・・へへ。ほれこのビールで飲み込め。」
「ああ・・お酒は駄目なんです・・お茶で・・。」
「ポットの茶にはご亭主用の薬が入ってるのは、奥さんだって知ってるだろ・・。それにアルコールで飲めば薬効も倍増するんだ・・自分のためだと思って、きゅ~っと一気に飲み込め。」
「む・・ぐっ・・。」
どうやら笙子の抵抗もここまでのようだった。
無理やり飲まされたのは恐らく、麻薬か媚薬の類であろう・・それが一体どれほどの効果を生むものなのか知識は全くなかったが、妻の身が安じられると同時に言いようのない興奮にかられた。
「ははは、これで準備オーケーだ。後は・・奥さん、上手く亭主にも飲んでもらうんだぜ、それも成るべく早くな・・強烈な効き目だけど効き始めるまで三十分はかかるから、奥さんの方が間に合わなくなっちまうからよ・・へへ・・頑張ってな。」
部屋どうしを仕切る襖が乱暴に閉ざされる音が響き、男達の誇笑と笙子のくぐもったような嗚咽が後に残された。
  1. 2014/11/09(日) 16:42:38|
  2. 風・フェレット
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風 ⅩⅤ

たったひとり食堂の椅子に腰掛けて屋外の強風のしらべを聞くともなしに聞きながら自問自答を繰り返していた。
いかほどの嵐でも過ぎ去ってしまえば、後には快晴の夏空を残す。同じように我々夫婦を襲おうとしている暴風もやがては穏やかな涼風へと姿を変えてくれるのだろうか。
危険な嵐を避けようと逃げ込んだ先に更に危険な大嵐が大口を開いて待ち受けていた事に気付かなかった迂闊さを・・いや逃げ出そうと思えば逃げ出せたかもしれないにも拘わらず、あえて隙間風の侵入を見て見ぬ振りをした愚かさに気分が澱んだ。
だがそこには嵐への畏怖を感じるのと同時に吹き荒ぶ様を目視したい、相反する二つの自己が存在した。

笙子が奴らから全てを強制されたとは思えなかった、強制されて無理やりやらされるのならば何か弱みでも握られていない限りは、彼女自身が私に一服盛るなどと言うことは有り得ない事だろう。
無尽蔵に膨らんだ肉欲を抱えきれずに弾けてしまった妻の苦悩が胸を締め付ける。
猛烈な葛藤と罪の意識に苛まれているのだろうか・・そこには哀れな女の肉の性が内包されているように思えた。
恐らく笙子はひとりで向かう先を悩み抜いているに違いなかった。

「どこに干そうか・・。」
部屋に戻った私は濡れた衣類を手にぐるりを見渡した。
異常を感じさせる物はどこにも見当たらなかったが隣室との境の襖に微かな隙間が有ることを見逃さなかった。
「あの桟でいいんじゃない・・ちょと高いけど机に乗れば届くでしょ。」
言うなり笙子は夜具をずらすと座敷テーブルを移動させ上に登った。
おかしな桟だな・・思いながら壇上の笙子に衣類を一枚づつ手渡した。
その桟は床面から2メートルちょっとの高さに部屋の中央に意味もなく渡されていた。レールが彫られている訳でも装飾が施されている訳でもない単なる角材で手を伸ばせば何とか届く高さであった。
構造上の支えならば天上に打ち付ければ良い筈だったが、天上とこの桟には1メートル近い隔たりが有った。明らかに後から据え付けられた物だと思うが、その目的はさっぱり分からなかった。
「パパ、それも早く。」
最後に手元に残ったタンクトップを笙子はじれったそうに催促した。
淡いグレーの布地には雨露とは明らかに異質の染みがこびり付いていた。
手渡されたタンクトップに笙子は一瞬、目線を止めたが無言で干し終えると畳に戻った。
下着が無い事にも気付いていない訳はない筈だったが、何も触れようとはしなかった。

「お腹、膨れた。」
笙子は食事の事をあれこれ喋り出したが、例のお茶をすすめようとは一向にしなかった。
私は少しはぐらかされたような気分で試しにこう言ってみた。
「何だか喉が渇くな・・お茶、貰える。」
笙子は一瞬、ビクリと身体を引き攣らせたが、そっとポットに手をかけた。
だがなかなか茶を注ごうとはせずこんな事を言い出した。
「パパ、それよりビール飲まない・・私もちょっと喉渇いちゃって。久しぶりに二人でゆっくり出来るんだし。」
言い終わらないうちに冷蔵庫からビールのボトルを取り出すと栓を抜いてグラスに注いだ。

良く冷えた泡を飲み干しながらそっと笙子を観察した・・案の定、彼女は縁を嘗めただけでグラスはテーブル上に置きっぱなしになっている。
私も余り過ぎると自分自身に自信が持てない事もあってチビチビと嘗めるように嗜んだ。
  1. 2014/11/10(月) 01:07:09|
  2. 風・フェレット
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風 ⅩⅥ

かれこれ二十分にも成ろうか。不自然な程、明るく振舞う妻と明日の予定をあれこれ話し合っていたが、ビールは一向に進まないままだった。

「このまま台風に居座ってもらった方が笙子は嬉しいんじゃないの。」
他愛のない軽口のつもりだった。と言うよりさっきは笙子自身、お陰でゆっくり出来てかえって良かったじゃない・・などと口走ってもいた。
それなのに彼女の反応は私の予想を大きく裏切って見せた。

「どう言う意味よ!嬉しいって・・そんなわけないじゃない。祐馬の事だって心配じゃないの・・。」
突然、語気を荒げた笙子の額には玉の汗が浮かび上がっていた。
「どうしたんだ、急に冗談に決まってるじゃないか。」
「ごめん・・つい・・」
口元をピクつかせ、握った手の甲が微かに震えていた。
良く見るとポッテリ厚めの唇の粘膜はメイクを落としているにも拘わらず朱を流したように赤く染まっており、耳朶や頬肉も風呂上がりのように上気している。
「ああ・・パパちょっと暑くない・・・」
「そうだな・・冷房、強めようか。」
「ううん、大丈夫・・何か私、変よね・・疲れてるから・・気にしないで。」と言いながら仕切りに豊かな胸を覆う浴衣の生地を指先で持ち上げている。
どうやら飲まされた薬が効力を発揮しだしているようだった。

以前に大衆週刊誌で身体の粘膜を火照るらせる媚薬の話を読んだ事があった・・真っ赤に変色した唇といいその記事を思い起こさせる。
だとしたら恐らく乳首の粘膜も同じように火照って生地の擦れの刺激に過敏に反応しているのだろう。
そうしているうちにも今度は折り畳んだ脚を組替えたり、腰をモゾモゾと浮かす仕草も交え始める。
両膝はゾリゾリと擦り合わされて肉付きの良い左右の太腿を盛んに上下入れかえている。
「パパ・・ビール、進まないのね・・。」
「ああ、酔っぱらうとコテンと寝てしまいそうでな。」
「あら、もうやる事も無いんだし眠ったっていいじゃない。」
「それもそうだな、だけどこのままうたた寝ってのもだらしないだろ。」
「じゃ・・」
言いかけて笙子は思い止まって口を結んだ。その目は夫の私ですらぞくっとするくらい妖艶に潤んでいて縁を桃色に染め上げた目線が卓上のポットを凝視していた。

「じゃって・・何。」
薄とぼけて聞いてみたが本意はとっくに伝わっている。
笙子の苦境が一刻の猶予も許さぬほど切迫している事は、あくまで平静よ装いながらもムズムズと引っ切り無しにモジつかせる紅潮した肌身が物語っていた。

「う・・ん・・じゃ・じゃあ・・お・茶にする・・」
呂律さえ危うくなっていると見えて言葉は切れ切れに搾り出される。
そして遂に笙子の小刻みに震える細い指先はポットの湯を急須に注ぐと、チビチビと軽い湯気を立てる液体を湯呑に注いだ。
  1. 2014/11/10(月) 01:08:06|
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風 ⅩⅦ

笙子の両手に握られた湯呑は戸惑いがちに差し出されかけたが、ほぼ半ばでふらふらと湯の気を立ち上らせたまま握り締められたままとなった。

「ふぁ~眠いや・・お茶を飲んだら目が冴えちまうかもしれないな。」
わざとらしく欠伸を交えて語りかけた。
「うふ・・パッチリめ・・目を覚まして・・もう一度・飲み直す。」
口では茶を勧めるような言葉を吐いていながらも一向に私の前まで湯呑は届かなかった。
とにかく笙子自身、官能と罪悪感の狭間でもがき苦しんでいるようだった。

身の振り様を自身、決めあぐねてはいるものの、ただひとつハッキリしているのは辛うじて笙子を制御しているのは私の存在のみなのであろうし、それさえ失せてしまえば瓦解は明白であった。
反対に私さえ睡魔から身を守る事が出来たなら、大切な妻の操を失わずに済むかもしれないと言う事でもあった。
彼女の苦悶は奴らから盛られた媚薬によるものだ。だがその事態を招いた責任は少なからずも自分による所が大であった。
ならば彼女の苦悶を自ら取り除いてやることが出来たなら、全ては元通りの夫婦のまま家族のままでいられるではないか・・・。

湯呑を握り締める笙子の腕を引き剥がし、強引に手前に引いて夜具に縺れると、痛々しいほど真っ赤に充血した唇に自らの舌を割り込ませて激しく貪った。
「ふ・・ふう・・ふう。」
口を塞がれたまま笙子の鼻腔から灼熱の息が噴出す。
襟元から手を差し込んでタプタプと鼓動に合わせて波打つ豊乳に手を這わせると驚いた事に先端の勃起は普段の倍ほどの巨大さに膨れ上がっていた。乳頭を抉られると彼女は頭を背け猛烈な抵抗を示した。
「何故・・・」
「と・・となり・・となりにき・・聞こえちゃう・・」
返答を聞くなり、カーと頭に血が上った。
髪の毛を束にしてひっ掴んで再び口を割ると、太い腿を閉じ合わせている下肢を膝頭で強引に割り開き手指を中心に捻じ込んだ。
剥き出しのそこは想像通り・・いや・・想像を絶する程のドロドロの蜜を吹き零しており内股全体がヌメヌメと糸を引いていた。
既に開き切った源泉に指先をこじ入れると丸で湯に浸したかのように熱い熱を伝える。

三本の指を沈めて掻き回すとじゅるじゅると後から後から粘り付くように濃厚な膿を果てしなく湧き出させる。
それでも笙子は抵抗を収めようとはしなかった。
四肢を振り回して夜具をずり上がろうともがく上体に掛け布団を被せて簀巻き状態に押さえ込むと露出した下半身に顔を埋める。
そこは丸で男の射精を既に受け止めでもしたかのごとく糊のような白濁に塗れていた。
更に卑猥に食み出た肉唇はやはり真っ赤に充血し、完全に包皮を捲り上げた上部の陰核共々、見慣れた妻の持ち物とは思えぬほどに巨大に変形していた。
この有り様では、辛抱を続けることなど全く不可能に感じると共に、得体の知れない媚薬の恐ろしいまでの威力に愕然とさせられた。

極端な酸味と塩分で舌先にピリつくような刺激を感じながら、亀裂をなぞると舌腹に層になって愛汁が乗り上げる。
「うひー・・・・!」
パンパンに膨れ上がってつるつるに表皮をテカらせる牝芽に歯を立てると掛け布団の下から感極まった遠吠えが轟いた。
  1. 2014/11/10(月) 01:08:54|
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風 ⅩⅧ

相変わらず踵で夜具を蹴りながら逃れようともがくのとは裏腹に、舌腹に張り付かれ汁気を啜られながら淫裂を寛げられる下腹部はやや臀部を浮き上がらせ無精髭の口元に突き出されて接触を追いかけ始め、確かなる肯定を示し出している。

「いじわる・・いじわるーー・・」とうめくように発すると断続的な喘ぎが堰を切って漏れ出した。
「うお・・おおぃぃーー・・はっ・はっ・・ふうぅーーんん」
最早、自制は利かない様子で逃げ惑っていた身体は上下に打ち振られ明らかな催促を促す。
「あーーおお・・おょょょょ・・・ねっ・ねっ・・ふ・ふさいでええええーーーー・・もう・・もう・・」
掛け布団の中から両手を伸ばして私の頭を掴み掻き毟る。

くそっ・・笙子は俺の物だ・・貴様らなんぞに渡して成るものか・・。
脳裏に二人の公園管理官の日に焼けた下品な顔が浮かんでは遠のいた。
だがその決意とは裏腹に、善がり汁やら陰毛やらがベタベタに張り付いた顔を上げて見下ろす己が股間は先程の風呂場での漏出が祟り力なく項垂れたまま黒毛に埋ずもれていた。
そうでなくても既に車中で柔らかな口と手にかかり一度解き放たれている本懐は容易に回復するとはとても思えなかった。今更ながら状況を省みない軽率な行動を悔いた。
だが今はそれを呪っている暇は無かった。
一度火が点いた笙子の下肢はブリッジするように膝を持ち上げ、駄々を捏ねるように激しく打ち振られ、その度に中心部からは湛え切れない湯滴を白いシーツに飛び散らせる。
腰の高さまで振り上げられた腰部を両腕で支えて、再び口を吸い付かせると「もうーー・・そ・そうじゃなーい・・入れてーー入れてーー入れてーー・・」と狂ったように連呼する。

下から笙子の腰を抱え込んで上方に支えながら膝立ちの姿勢で、やや直毛気味に性器に向かって流れを見せる陰毛に埋めた視線の先で隣室との襖の隙間が今や顔の半分ほどの間隔で隙間とは呼べないほどに広がっているのが覗えた。
その先は真っ暗で何も確認することは出来なかったが、舌なめずりするような男達の視線がもろに感じ取れて、前合わせを肌蹴て顔を出す脆弱な愚息を尻を落として前方からの視界から遮った。

「入れてーー・・入れてーー・・意地悪しないでーー・・おかしくなっちゃうーー・・ねえ・・入れてーー・・ねっ・・入れてーー・・」
今や笙子は完全に理性を失い欲望に取り付かれた木偶に成り果てていた。
舌先を壷口へ差し込むと満々と満ち溢れた淫汁が押し出されるように零れて口腔内に驚くほどの勢いで流れ込んできた。
そして緋貝のベロの交わいの頂点で屹立した淫核は脈を打つかのごとく蠢き媚声を搾り取る。

「やーん・・やーーん・・ちがぅちがーう・・もっとーー・もっと太いのが・・いいーいいのーーー・・」
その浮かされたうわ言のような要求は、ただ単に舌先や指での愛撫よりも互いの性器の接合を請うているに過ぎなかったのだろうが、性的に追い詰められた私の耳には全く別の辛辣な抗議の声のように響いた。
「うーん・・やーーん・・ちがぁーう・・あれぇ・・・あれ入れてー・・もっとぉ・もっと・・太いの太いのぉぉょぉ・・」
私の顔面を流れ落ちる汗の雫と笙子の熱湯がずぶ濡れにしながら、挿入していた指の本数を四本に増やして抉るように掻き混ぜた。
「あああぁぁぁぁ・・・あーあー・ぉぉっ・・おっ・おっ・・・ふっぇぇぇぇーぇぇー・・・」
大凡、嘗て聞いた事も無いような極まった喘ぎを切れ切れに発しながら、臀部に総身の力を込めて食い千切らんばかりに締めつけてくる。

「ねぇ・・ねえ・・お願い・・お願い・・・やってー・・嵌めてぇぇぇぇぇ・・・」
胸から上を掛け布団に包まれたままの姿勢で、腹部を大きく波打たせながら哀願する笙子の淫裂から、差し込まれた我が手を伝い流れ出た汁線が肘から夜具のシーツにポタポタと無限に滴る。
それはまるで真っ赤に弾けた石榴の果肉をひとつひとつ押し潰して果汁を搾り取っているような、正にそんな風に見えた。
  1. 2014/11/10(月) 01:09:51|
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風 ⅩⅨ

眼前で口を開いた暗空を見つめる目に焦りの色が広がる。
そしてそれは自己の不遇を嘲笑うかのようにグングンと身幅を広めながら押し寄せる錯覚を生じさせる。

相変わらずも激しく下半身を波打たせながら、せがみ続ける笙子の絶唱は猛獣の唸り声のように失意の胸に突き刺さる。
乱態と雄叫びと吹き出す情炎の熟肉に襲われる痩身は更なる無力を増幅させ、猛獣に詰め寄られる子山羊の如く竦み果てる。
妻を救い出す決意も、逆に妻によって崖っ淵へ追い込まれ、眼下に大口を開く暗空の底へ今にも突き落とされようとしているように思えた。

「ねえぇ・・どうしたのよ・・」
笙子はようやく掛け布団から抜け出すと寝乱れた髪を獅子の鬣のように逆巻かせ、隈の浮いた焦点の定まらない熱病患者のような目をようよう上げた。
無力感に冷め切った劣情を抱え込まされて座敷テーブル脇の座椅子に身を逃した私を恨めしそうに覗う。
「だめなんだ・・」項垂れた目を伏せたままこれだけ言うのが精一杯だった。

笙子は四つん這いの姿勢で夜具を抜け出すと畳面を這い無言のまま傍らまで寄り掛かると私の浴衣を両手で押し広げた。
薄い胸板に埋めた頬を徐々に摺り下げながら覗かせた舌先を肌に這わせる。
股間でいじける突起を指の腹でじゃらしながら滑らせる舌先で下腹の翳りをじょりじょりと掻き分けて中心に向かう。
「絶対・・絶対に立たせるから・・」と強い語気で告げると分厚い唇から唾液の塊を落としながらずっぽりと飲み込んだ。

笙子の口戯は実に巧みだ。たっぷり分泌された唾液を泡立てるように絡めて口腔内の舌と両頬裏とを盛んに蠢かせて、実に繊細にそして実に情熱的に激しくしゃぶり抜く。肉厚の唇は吸い付くように強く、霞めるように微弱に速度にも緩急を加えながらスライドし、厳しい吸引できりきりと吸い上げたかと思うと大きく息を吸い込んで戒めを解く。
私はいつからかこの極めて甘美な口戯の虜にされてしまい、ままに精を吹く事に無上の悦びを感じるようになっていた。だがこれこそが笙子を性的に追い遣ってしまった最大の原因でもあった。

しかし今日と言う今日は、こんな愛撫でさえも一向に効き目を得られなかった。
項垂れ縮み上がった根元は舌腹の挑発にもうねうねと逃げ惑う一方で、遮二無二含みこむ笙子の横顔にも狼狽の色が覗えた。
相変わらず粘膜を火照らせているのだろう、投げ出した私の両足の間で膝を畳み込み背を丸めて奉仕を続けながらも片方の手は、ゆるゆると上下する腰の奥に前方から差し込まれていた。

苦悶に歪めた表情で自慰を繰り返す笙子を見つめていると、最早これまで・・・との観念の情が胸を締め付けた。
そして前方の闇から、今にも血に飢えた二匹の獣が一糸纏わぬ裸体に凶悪な角を生やして現れる幻覚に襲われる。
引き立てられる笙子は私に一瞥をくれると悲しそうな目を投げ軽く一礼を返し両の手に獣の角を握り締め闇へと連れ去られた。

延々と舌を絡める笙子の唇を割り裂く塊が一角獣の角に変化すると、絶望の幻覚が嫉妬の炎を灯すと同時に息苦しいほどの興奮を呼び覚ました。
それは左右に自在に揺れ動く舌に翻弄されつづけていた愚息に押し戻す抵抗力を蘇らせつつあった。
笙子が辱められる・・狂おしいばかりの絶望感、そして灼熱の嫉妬。明らかな敗北を意味する妄想がぐるぐると脳裏を駆け巡る。
閉じた目から熱いものが込み上げてくるようだった・・だが・・これほど興奮した事は今だ嘗て経験した事さえなかった。

閉じた目を開くとそっと卓上に視線を走らせる。
笙子は芯を見せ始めた私に更に濃厚な奉仕を続け、一心不乱にしゃぶり尽くす。
目線を例の湯呑で止めると突いていた肩肘を崩しそっと掴んだ。
そして手早く茶を急須の中に捨てると空になった湯呑を胸の前に固定した。

いいのか・・自分が何をしようとしているのか分かっているのか・・。
引き返すのは今しかないんだぞ・・相手は自分よりも遥かに屈強で、しかも二人連れだ。笙子の身が移ってしまっては万に一つの奪回のチャンスもないだろう。
それでもお前は引き返すことの叶わない橋を渡ろうと言うのか・・。

自問自答を繰り返してみたが、脳裏に浮かび上がるのは獣の一突き一突きに我を忘れて鳴き狂う妻の倒錯の姿態ばかりであった。
淫水を吹き零す股座にメリメリと食い込む鋭利な凶器を思う時、我が愚直は完全に勃起状態を回復していた。

「パパ!ほら。大丈夫・・。」
笙子が嬉しそうに顔を上げるが早いか、いやほぼ同時に胸前に掲げられていた湯呑が鈍い音を立てて畳に転がった。
  1. 2014/11/10(月) 01:10:46|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩ

「パパ・・パパ・・」
笙子は転げ落ちた湯呑を注意深く拾うとテーブルに置き、私の肩を揺り動かして数度、呼びかけた。
狸寝入りを見透かされないように注意しながら規則的な寝息を演出する。
起きないと悟ると首を擡げたばかりのペニスを手に取り、痛いほどの力を込めて握り締めた。

タイミングを充分に計った上で閉じ合わせた目蓋をゆっくりと持ち上げる。
部屋の照明は落とされ、空調の風もきわめて緩やかなものに変更されていた。
座椅子に寄り掛かったままの私の身体には薄手の布団が肩まで掛けられており、念を入れるためだろうか、足元の一端を座敷テーブルの足が踏みつけている。これによってテーブルは不安定な状態に置かれ仮に身動きをすればテーブルが軋み物音を起こす可能性が高まっていた。

笙子は窓の脇に設えられた洗面台の前に立っていた。
明かりを消した室内でここの照明だけが灯され、鏡面に笙子の顔が半分だけ映し出されていた。

台風の喧騒は既に峠を越したようで、夜の静寂を水道の流れる音のみが打ち消していた。
その水に浸された手拭が細い指先で固く搾られ、浴衣の前を肌蹴た股間の辺りを丹念に拭い清めている。
ドロドロに溶け切った残骸や肌をぬめらせる発汗を本来ならばシャワーで清めたいところなのだろうが、生憎ここには内風呂はおろかトイレや洗面室すら用意されてはいない単なる四角四面の和室なのである。
その中で申し訳程度に壁に設置された洗面台の前で、やや両膝を外に開いたはしたない中腰姿勢で懸命に膿を剥ぎ取る。
ようやく身を清め終えると、きっちり浴衣の帯を締め直して汗の玉の浮かぶ顔を洗い流し、寝乱れた髪に丹念にブラシを通しながら面の具合を鏡に映して入念な点検を施す。
大きく見開いた目で、舌先を少し覗かせて唇に湿り気を与える仕草は、とても艶かしく我が胸を締め付ける。

身支度を終えた笙子は私の元に戻り再度、肩を揺り動かして反応を探ると、意を決したように立ち上がり隣室との襖境に向かい合った。
だがなかなか踏ん切りも付かない様子で再び鏡面に対すると再度、容姿を見定めながら深い溜息を零した。
迷いが頭を駆け巡るのだろうか、立ち上がっては俯き、座しては目を閉じ眉間に指を添える。
じっと私を見つめていたり、両膝立てて抱え込み瞑想に暮れたり、逡巡は果てなく続くのかとさえ思えた。

「うっ・・」
膝を抱え込んだ姿勢で夜具に座り込み、頭を伏せたまま突如低い唸りを発す。
抱え込んだ手を腹に這わすと手の腹で腹部を圧迫する。
眉間に刻まれた皺は険しさを増し、再び薬効が身を焦がすのを知らせていた。
片時、猛烈な責め苦と戦う様を覗かせながら奥歯を軋ませる擬音を鳴らしていたが、大きく上向くと息を精一杯吸い込んで、ゆっくりと吐き出しながら音も無く立ち上がった。

笙子は再び襖と対峙すると襟元を詰め、帯をきつく締め固めると肩で大きく深呼吸をして背筋をピンと伸ばし胸を張るように姿勢を直すとゆっくりと歩を踏み出した。

その後姿は実に堂々として先程までの逡巡や苦境の様を微塵も感じさせなかったが、私の目には妻の精一杯の虚勢のように映った。
華奢なくらい細く括れたウエストに巻きつく帯が殊更に細さを強調し、母親特有に豊かに張り出した尻丘とのコントラストは見事な重量感を伝える。すっと伸びた背骨から項に続くラインは微小の歪みも生じておらずやや筋肉質な両腕の付け根や肩甲骨を包み込む青湯文字の安っぽい白色の浴衣の背は汗で張り付いている。
既に真ん前まで到達した笙子の手はゆっくりと襖の引き手に伸ばされかけたが、そこで又も躊躇うように真下に降ろされると、首を捻って私の方を振り返った。
その背を切ない思いで食い入るように見詰めていた我が目は突然の事に慌てて閉じ合わされたが、見つかったかもしれない・・と思う不安で胸は早鐘のように鼓動を高めた。

「パパ・・起きてるの・・」
やはり小声で問い掛けを返して寄越した。
緊迫した空気を切に自覚しながら、何事も無かったかのような寝息を繰り返した。
俺は・・何をやってるんだ・・起きている事を白状しさえすれば、笙子の身は・・いや・・苦悩は救われるかもしれないんだぞ・・・。
このまま境界を越えさせたならば、お前の愛した女は二度と帰って来れなくなるかもしれないんだ・・それでもお前は行かすのか・・それは何故なんだ・・・。
笙子が汚されようとしている・・それを助長するのが夫としての態度なのか・・・。
笙子が汚される様の目撃者たらんとしているのだぞ・・それとも目撃したいとでも言うのか・・・。
笙子が汚される様を目撃したら・・お前は元の自分に戻ることが出来るのか・・・。
笙子が汚される、それも自ら出向いて・・お前はそれを許すことが出来るのか・・・。
笙子が汚されたならば・・許すことが出来ると言う確証・・そんな物がある訳は無い・・・。
笙子が汚されたならば・・そればかりか嫉妬に狂うであろう・・笙子は俺にとって掛け替えのない妻であり女でもある・・・。
笙子が汚されると言う嫉妬・・笙子が汚されると言う侮辱・・笙子が汚されると言う悲しみ・・・。
そして・・笙子が汚されると言う・・興奮・・・。
興奮・・何故・・何故なんだ・・でも・・見たいのか・・・。
笙子が汚されると言う事実・・嫉妬・・見たい・・見たい・・・。
俺は頭が変に成ってしまったのか・・いや・・そうじゃない・・そうじゃない・・・。
ずっと前から・・笙子は汚されていた・・私の妄想の世界の中でずっと以前から・・笙子は汚されて・・いや・・俺が汚し続けてきたんだ・・虎に・・下山虎雄太に・・・。
笙子が汚される妄想がなければ・・俺は興奮する事が出来ないで来た・・だから・・虎が・・いつも虎が必要だった・・・。
笙子が汚される妄想・・もはや・・それは妄想では満足できなくなってしまった・・そう見たい・・・。
笙子が汚される所・・それが・・見たい・・見たい・・興奮する・・泣きたい・・泣きたいよ・・・。

「パパ・・ねえ・・パパ・・」
私はひたすら寝息を立て続けた。それがいかなる結果を産もうとしているかは理解もしている・・だが・・もう・・戻れない・・自らの性癖を呪わずにはいられなかった・・・。
呼び声をたてる笙子は、まさか私が妻を汚される場面に興奮を感じているなどとは夢にも思ってはいまい。
自分の不貞をその胸で悩み抜いたに違いない・・。
起きていながらも不貞に向かおうとする妻をたしなめない夫が居る事など考えもすまい・・。
私の様子に変化がない事を確認すると、また境に向き合った。

笙子は再び襖の引き手に手を掛けると遂に境界線を自ら乗り越えていった。
  1. 2014/11/10(月) 01:11:38|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅠ

ピシャッ!
襖戸を閉ざす渇いた音が八畳間に響いた。
物音を避けるように注意深く引かれたようだが、立ち込めた闇と静寂と極度の緊張状態の中では微かな音でさえりんりんと耳に木霊するが如く響き渡った。

こうして笙子の姿は完全に我が視界から消え去った、だがその残像はいつまでも隔壁の前に居残っているように思えた。
いや、居残っていて欲しいと願う心が去って行った姿を打ち消したいともがいているのかもしれない。
妻は何を目にし何を感じているのか・・・見る事は叶わずとも何とかその所為を探ろうと聴覚を研ぎ澄ます。

「どうされました。奥さん・・何かご用かな。」
かなり長い沈黙が続いていたが、まず口を開いたのは壮年管理官の穏やかながらも強い威圧感を与える低音のしわがれ声だった。
だが、それも一時の事で隣室は再び重い沈黙に支配されていた。
「そうして黙って突っ立っていらしても意味が分かりませんよ・・何かご用ならそれをお聞かせ下さい。」
「そ・・そんな・・・。」
堪らず口を開いた笙子の声はか弱く震えていた。
「そんな・・ですか・・・。何か奥さんの気に触ることでも致しましたかねえ。一考に思い当たらないんですがね。」
「ひ・・ひどいですわ・・そんなおっしゃり方・・。」
「ひどいだとっ!いきなり他所の部屋に飛び込んで来といて、ひどいってのはどう言う了見だ!ええっ!」
じっと押し黙っていた若い管理官の怒声が響く。
「し・・・き・・聞こえてしまいます・・。」
「ほう・・聞こえる・・どなたにでしょうかねえ。」
「聞いてることに答えろよ!じゃなきゃ益々大きな声に成っちまうぜ。」
「しゅ・・じん・・です。」
「ほう、ご主人はお休みですか。」
「は・・はい。」
笙子の悔しそうに奥歯を噛み締める顔が目に浮かぶようだった・・ただ犯すのでは済みそうもない彼らの遣り口は、妻の尊厳さえも奪い取ろうと言う意図が見え見えであった。

「なるほど、ご主人がお休みに成るのを待って、いらっしゃった・・とこう言う訳ですかな。」
「ふふん・・旦那に知られちゃまずい用件って訳だな・・美人奥様のご用って奴は・・ふへへ」
「やめて・・やめてください・・私ばかりのせいじゃ・・あ・・ありません。」
「ほう・・それじゃあなた以外にも誰かに責任が有ると・・そんなおっしゃり方ですね。」
「ああ・・どうか後生です・・もうそれ以上、私を辱めないで下さい。」
「どう言う意味だ!俺たちゃ何もあんたに強要なんてしていない筈だぜ。」
「ひ・・ひどい・・ひどすぎます・・・。」
笙子のすすり泣くような嗚咽が漏れ出る。無理もなかった・・じわじわと真綿で締めつけられるような誘導尋問にあいながらも女の哀れな性に身を責め付けられているのだから。

「お願いです・・何も言わないで・・おっしゃるように致します・・だから・・言葉で辱めるのは、後生ですからお許し下さい。」
「致します・・ふむ・・我々は別に何も致す積りなどございませんよ。」
「ああーーー・・何故・・何故、そんな惨い・・・事を。」
「ふふ・・つまり奥さん、あんたにゃ抜き差しならねえある事情ってのが有るんだろ・・洗いざらい白状してスッキリしちまいなよ。でなきゃ困るのはあんたの方だろ。」
「まあ・・奥さん、私共もこうしてお知り合いに成れた訳だし、素直にさえ成って頂けたら、何も無下に扱おうとは考えてはおらんのですよ。」
「卑怯です・・そんなおっしゃり方・・元はと言えば全てあのお薬のせいじゃ有りませんか・・・。」
「ふーん・・全てねえ・・本当にそうかどうかハッキリさせなきゃ成らないようだな・・・おい奥さん、ちょっと部屋の電気をつけてみな。あんたの言うのが正しいのか・・それとも嘘偽りを言っているのかキチンと証明してやるから・・ほら早くしな。」
暫く押し問答のような答弁が繰り返された後、遂には笙子が折れたようで襖戸の継ぎ目から目映い蛍光灯の明かりが漏れ出した。

「ほう、こうしてじっくりと拝顔させてもらうと・・成る程奥さん・・実にお美しいですなあ。昼間は雨にずぶ濡れでメイクも剥がれてしまっていながら、あれだけ魅力的だったんですから当然と言えば当然だが・・そうしてメイクをすっかり落としてしまっていてもその美貌だ、今までにかなりの男の方を虜にしていらっしゃったんでしょうなあ。」
「そ・・そんな・・虜だなんて・・そんな事ありません。」
「いやいや・・その上その見事なプロポーションだ、振り向かない男など居りますまい。スラリと細身でいながらもその見事な張り出し具合ですから・・私のようなじじいでさえ圧倒されておりますからなあ。」
「いやです・・見・・見ないで下さい・・本当にそんな事はありません・・・。」
「いやー・・ふへへ・奥さんそれこそ、そんな事はねえだろう・・65のEカップって言ったら充分に巨乳だろ・がはははは。」
「ど・・どうして・・・。」
「これ奥さんのだろ、脱衣所に落っこちてたぜ。」
「い・・やあ・・落ちてなんているわけ有りません・・私はちゃんと洋服の下に入れましたから。」
「ふふ・・じゃ・・別の人のだね・・残念だなあ・・すっげーいい匂いがするんだ・・ホーラ・・へへ・・だから間違いなく奥さんのだと思ったんだけどな・・・。」
「いや・・やめて・・やめて下さい・・変なことしないで。」
「ひひ・・じゃやっぱり奥さんのなの・・。」
「返して・・返して下さい。」
「ひゃーははは・・お揃いの下の方はもっと良い匂いがしてたぜ・・酸っぱいような生臭いようなナ・・へへ」
「やだー・・へ・・変体・・そんな・・そんな・・。」
「まあ奥さんが相手じゃ変体にでも何でも成っちまうわなぁ・・実際。へへ・・ほーらこれだ・・ちょっとチンコで擦ったけど別に汚しちゃいないぜ。」
「うう・・・。」
「でよお・・奥さん。ここの裏っかわの当て布になあ・・何か一杯くっ付いてたぜ。」
「い・・やあー・・やめて返して。」
畳の軋む音が笙子の抵抗を伝えていた。
「おら!大人しくしねーか。今更じたばたしたって詮無いだろうが。見ろよこれ・・何でこんなに汚れてるんだ。ええ!おい!」
「やめてーえ。」
「まあまあ・・いいじゃないか返してやれよ。別に下着に用はないだろう。」
「へへ・・こうやって抵抗されるといじめてやりたくなるじゃないですか・・取り乱す美人妻ってのもなかなか乙なもんでしょ。」
どうやら壮年管理官の窘めで笙子は下着を奪い返したようだった。だが勿論それで終わった訳ではなかった。

「奥さん、さっきは俺達が薬をどうのこうの言ってたようだが、それ以前にあんた充分に発情していたんじゃないの・・それをみんな俺達のせいにしてもらったんじゃ困るぜ。それによ・・旦那は何でグウスカ眠っちまったんだ・・。それも俺達のせいだって言うのかよ・・ええ」
「そ・・それは・・。」
「どうなんだ・・お前、亭主に茶を飲ませたんじゃないのか。」
「うう・・。」
「おかしいですね。奥さん、別にご主人を眠らせなくても、ご主人に協力して貰えばよろしかったろうに・・それをワザワザ我々の勧めに従ったのは一体何故なんですかな。」
「もう・・もう許して下さい・・悪かったの・・全て私が・・・ううう・・」
「そうなのですか・・奥さん・・私は実はそうではないと思っているんですがね・・奥さんは悪くない。違いますか・・・悪いのは我々・・いえいえそうでもない。確かに私達も奥さんも少し倫理に反する行いは有ったでしょう・・だがそんな行いをさせた本当の原因は呑気に眠りこけていらっしゃるご主人に有るのではないですかな・・如何です。」
「ち・・違います・・悪いのは私なんです・・。あの人は・・あの人は・・」
「ふふ・・あの人はな・・役に立たなかったんだろ・・へへ・・違うのかよ。」
「うう・・・う。」
「泣いてちゃわからんだろーが・・ええ、おい!」
「はい・・はい・・・でもでも・・パパが悪いんじゃない・・。」
「奥さん、そうご主人は悪くは有りませんよね・・ただし・・奥さんの望みを叶える事は出来なかった・・違いますか。」
「うう・・そ・・そうです・・その通りです。」
後には笙子の号泣が尾を引くように残され、相変わらず座椅子で様子を覗う我が身は凍り付いたように身動きすら出来なかった。
  1. 2014/11/10(月) 01:12:58|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅡ

遂に肯定を余儀なくされ切なくすすり泣く声は、辛うじて堪えていた自尊心を粉々に打ち砕かれた絶望の響きに聞こえた。

「そんなに自分を責めるもんじゃありませんよ・・奥さん・・誰にだって理性だけでは制御が効かなくなる時ってのは有るもんですよ。それにあなたは今まで自我を捨て去りご主人のために尽くして来なさった・・違いますかな。」
つい今しがたまで決して触れられたくなかったであろう、胸奥に秘めた切ない殻を力ずくで割り裂いた無情の輩は一転して、哀れみ慰めるような口調で問い掛けた。
「ううー・・・うああー・・」
笙子の嗚咽が一瞬高まると後は声にも成らずにしゃくり上げるような悲嘆が漏れる。
「辛かった・・辛かったんだね・・奥さん・・あなたは良く辛抱なさった。でもそれも今日で終わりにしようじゃあないですか・・この一夜は奥さんあなたのために神がご用意下さった特別な一夜なのかも知れませんよ。さあ、誰もあなたを責めたりはしない・・子供に返ったように素直になって偽りの仮面を脱ぎ捨てるのです。それが自己に正直な正しい生き方だと心から念じるのです。」
「う・・う・・で・・でも・・それじゃ・・しゅ・・主人にどう顔向けすれば良いというのですか・・主人は良き夫です・・良きパパで、私の大切な人なんです・・その人を裏切る事を神がお許しに成ると思われましょうか・・。」
「安心なさい・・奥さんがそう思ってさえいればご主人はあなたの物ですよ。良き夫であり父親だ・・何も変わりはしませんよ・・そうご主人は何もご存知ないのですから・・ただいくら良き夫であり父親であったとしても、男性として決して良き男では無かったのではありませんか・・。あなたは今まで通り良妻賢母を続ければ良いのです・・だが女としての開放も同時に手に入れる時なのですよ。」
「そんな身勝手が許されるとは思いません・・それは主人を愚弄する事にもなります。」
「何を馬鹿げた事を考えていらっしゃるのですか、ご主人はあなたを満足させようともなさらないのでは有りませんか・・それこそが身勝手と言わずに何と言うのです。」
「ですが・・。」
「そうでは有りますまい男と女は互いに悦びを共有する事によって関係が成り立っているとは思いませんか・・にも拘わらずご主人は一方的な快感に終始なさっている。奥さんの表情や苦悩を見ていれば全て手に取るように分かるのですよ・・。奥さんひょっとしてあなたはご主人以外に男の方をご存知では無いのでは有りませんか。」
「は・・はい・・その通りです・・私は主人しか知りません・・ですが、それがいけない事だとでもおっしゃるのですか。」
「いやいや、いけないなどとは申してはおりませんよ・・ただそれは奥さんにとっての最大の不幸なのかも知れないと・・こう申し上げたいだけです・・お分かりに成りますか。」
「不幸・・なぜ決めつけられるのですか・・。」
「ははは・・奥さん、もちろんそのような女性の全てが不幸だなどと申している訳ではありません。生涯ただ一人の配偶者と全ての悦びを分かち合えるご夫婦は幾らも有りましょう・・・ただ、奥さんあなたは果たしてそうだと言えるのですか。」
「・・・・」
「言えないのであるならば・・堪える事のみが尊いなどと言うのは、今の時代には全くの時代錯誤・・現に奥さんはご主人以外とのセックスに対する好奇心で満ちている・・そうではありませんかな。」
「そんな・・私は・・ただ疼きを止めたかっただけ・・相手は主人ではいけないと言う訳では無いですわ。」
「ふん、そうでしょうね・・でも止められないんでしょう・・ご主人では・・。」
「・・・・」
「その証拠に奥さん、あなたは今日我々二人から数々の性的な嫌がらせを受けた・・もちろん、非礼は詫びましょう・・ですがあなたはそれに嫌悪感を抱いているような演技を繰り返しながらも・・実は欲していたのではないのですか・・ご主人とは対照的な浅黒い肉体労務者風のごつごつした肉体に渇望を覚えていたのではありませんか・・・。だからこうしてここに現れた・・違いますか・・。」
「わ・・わからないの・・でも・・性的な刺激を受けたのは事実です。なぜこんな気持ちになったのか・・・。」
「ありがとう、奥さんやっと素直に話してくださいましたね・・分からないのは当然なのですよ、これは理屈では無い・・女の本能の疼きなのですから。」

妻に隠れて様子を覗う私に途方もない狼狽が襲い掛かった。
確かに私は笙子を淫獣たちの手に自ら進んで譲り渡してしまった・・そうする事で自己の倒錯する欲望を満足させようとした。
しかし、それはあくまで淫獣達が淫獣の所為によって行われる儀式のつもりでいた・・だが隣室で繰り広げられているドラマは私の想像を越えてしまっていた。
薬の罠によって自制の効かなくなった笙子が淫獣達の獣欲を満たす道具と成り果てて性を強引に搾り取られてしまったならどれほど気が楽だったかもしれない。
だが、笙子は自ら自分の淫らな欲望を白状してしまっていた・・奴等が笙子を心身ともに私から奪い取ることに成功しつつある事は事実だと述べた妻の言葉が証明していた。
  1. 2014/11/10(月) 01:13:49|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅢ

「へっ・・そろそろ良いかな・・美人奥様の思いも何となく分かった事だしよう。何だか可笑しくっていけねえや・・つまりえっちしたいんだよな・・な・・奥様・・へへ」
「そんな事は言ってません。私だって成りたくてこうなったんじゃありません。」
「へへ・・笑わせるなよ・・格好つけたって身体が疼いて仕方ねえんだろうが・・ええ、奥さん」
「あ・・あなた・・最低ね・・。」
「かー・・おっさん・・あんまし甘やかしすぎるから、図に乗ってやがるじゃねえかよ・・この奥方様はよ。」
「ふふ・・まあ、良いじゃないか。ケンケンせずに仲良くやろうや・・ねえ・・奥さん。」
「で・・ですが・・げ・・下品過ぎます。」
「悪かったな・・俺りゃあ産まれつき下品に出来てんだよ・・あんたは・・さぞ上流のお育ちなんだろうがよ。」
「上流だなんて・・そうは言ってはいませんは・・ですがあなたのは下品過ぎます。」
「わーったわーった・・申し訳ございません・・でもよ、ご立派な御託並べてるそのお口だがな・・ポッテリして最高に猥褻なの知ってるか?その唇で尺八吹かれたくて堪らねえんだ・・下品はお互い様だぜ。」
「そんな・・あなた本当に最低ね・・・。」
「へへ・・それに比べておっさんは優しく悩みを聞いてくれて・・さぞご満足頂いてたようだがな・・そのおっさんだってあんたがしゃくり上げる度にプルプル震えるノーブラのデカパイを横目で見ながらギンギンに勃起させてる筈だぜ。」
「おいおい、俺に振るなよ・・折角、良い雰囲気に成ってるんだから。ねえ・・奥さん。」
「で・・ですが・・私・・凄く・・不愉快で・・これって侮辱ですは・・。」
「侮辱・・そうですかな・・私はそんな気は全く有りませんよ・・ですが奥さんから挑発を受けたのは事実ですがね。」
「挑発だなんて・・誤解ですわ・・私はただ・・。」
「ただエッチしたかっただけだろ!何で自分がここに来たのか良く考えやがれ!」
「・・・・。」
「あいつはね奥さん・・口は悪いが間違ったことは言ってはいませんでしょう・・と言うよりも三人の中で一番正直だ・・そうは思いませんか。」
「でも・・・。」
「奴は奥さんとしたいと言っているのですよ、正直に言うと私だって同じです。それは奥さんが余りに魅力的だったからですよ。」
「でも・・私は人の妻なのですよ・・・。」
「そう・・人の妻ですよね・・・それも目一杯の悩みを抱えた人の妻だ・・。奥さん男にはね色んな奴が居るんですよ・・人の妻だから諦めようと考える男も居れば、人の妻だから尚更、奪い取りたいと思う男もね・・。」
「あなた方は・・後者だと・・。」
「そうです・・その通りだ・・でね・・そう思う男の大半は自身の性技に自信を持っているものなのですよ。」
「・・・・。」
「何もセックスに限った話でも有りませんが。奥さんだって、そう思われませんかな、どうせ不義をはたらくのなら楽しめなければ話にならない・・違いますかな・・・つまり、ご主人とでは満たされない何かを相手から与えられたいと考えませんかな。」
「そ・・そりゃあ・・もしそうなったら・・そう思うかもしれませんが・・・。」
「それは当然の事でしょう、ご主人とで何もかも満足なさって居るのならば不義には走りますまい。」
「はい・・。」
「それとね・・まあ、余談ではありますが、不義をはたらかれる夫にも二つのタイプが有るのをご存知ですかな・・・ひとつは・・そう、怒り狂って怒鳴り散らす夫、又ショックで落ち込んでしまう夫・・・。あともうひとつはどんな夫だと思われますか・・・。」
「あと・・ひとつ・・・わ・・分かりません。」
「ふふ・・あとひとつ・・それはね・・自分の妻が他人に寝取られて悦ぶ夫・・・。言いかえれば自分の妻が他人に寝取られる事で性的興奮を感じる夫ですよ。」
「そ・・そんな事が・・・。」
「知らなかったですか・・たくさんいらっしゃるんですよ、最近は・・・。あなたのご主人の事を言っている訳では無論ないので勘違いしないで下さいね。そんな夫達はね・・大概、性的なコンプレックスを抱え込んでいるものなのですよ・・例えば妻の欲求に応え切れなかったり、或いはご自身の性器のサイズに劣等感を抱えていたりね・・・。」
「・・・・。」
「あなたのご主人は如何ですかな・・人並みの性の能力を有されておられますかな・・・。奥さんの悩みを聞いていると、心なしか案外、当たっているようなそんな気もしないではないのですがね・・・。」
「主人の事はおっしゃらないで下さい・・私自身の事は兎も角、主人には何の罪も無いのです。それを言葉とは言え辱めるような事を喋る訳にはいきません。」
「ふふ・・まあ良いでしょう、それはおいおいに白状して頂くとして・・。そんな世界の夫達全般の話としてはですがね・・そのようなコンプレックスを抱く夫の多くはね、最初に自身の妻が他人にそれも性的に遥かに自分を凌駕する相手の手に掛かって、到底自分では不可能な程の快楽を与えられ奪い取られて行く妄想に取り付かれるのです。」
「そ・・そんな事、考えられません・・。逆です・・不可能ならば守ろうと考えるのが常識ではないのですか・・・。」
「そう・・常識なのかも知れませんな。ですがそのような夫達の多くは非常識かもしれない・・と言うよりは劣情感によってでないと興奮できなくなってしまうのですよ。つまりマゾ・・・ですな。」
「・・・・。」
「そのうち、そんな夫達の妄想はどんどんエスカレートして行くのです・・・。最後にはね妄想では満足できなくなってしまってね・・実行にうつすんですよ。分かりますか。」
「そんな・・そのご主人は、もう奥さんを愛せなくなる・・と言うことですか。」
「いえいえ、全く逆でね・・愛していれば愛しているほど興奮するのですよ・・。そんな夫達の奥さんはね、殆どが魅力的な方ばかりでね・・つまり妻が美しければ美しいほど奪い取られるショックも大きいと言う訳ですよ。マゾの男にとってはねショックこそが興奮できる材料なのですから。」
「し・・信じられません・・・。」
「でしょうね、良くは分かりませんがこんな倒錯の世界は何も夫達ばかりの話じゃなくてね・・最近は妻達の中にも夫を奪われて興奮する方もいらっしゃると聞いています。そしてねこれも夫の場合と全く同じで、こんな妻達のご主人の多くはやはり美男子であったり性的に優れた機能をお持ちの方らしいですからな。」
「女にも居るのですか・・そんな人が・・・。」
「ええ、そうらしいですね・・但し女は男と違って現実的で受身ですから人が如何こうされると言うよりも自らの快楽を追われる方が圧倒的に多いようですから、こんな方はかなり少数だと聞いておりますがね。」
「知らないことばかりで・・・。」
「無理も有りません・・・満たされない女は、人の事よりもまずは自分の事の方が先決課題でしょうから・・奥さんだって例外では有りませんからな。」

この男達はどこまで私の性癖に気がついているのだろう・・。
今こうして狸寝入りを決め込みながら聞き耳を立てている事など全て感付かれているのではないかと言う不安感に襲われる。

その時突然、目の前の闇が取り払われ蛍光灯の目映い明かりが八畳間を照らし出した。
「どうして・・何故・・主人が起きちゃう・・。」
笙子の狼狽した叫びが木霊した。
「心配ねえよ、あの睡眠薬を飲んだら何が有ろうと明日の朝までは目が覚めやしねえよ。隣は暗がりだから良くは見えねえが・・ほら、ご主人は呑気に寝息をたてて熟睡中だぜ・・自分の妻が何をくっちゃべってるかも知らずに間抜けなもんだぜ。」
「で・・ですが・・別に開けないでも問題はないじゃないですか・・・主人の目が気になって集中できません。」
「へーん・・集中ねえ・・それも心配ねえさ、俺達の手に掛かれば、すぐに旦那どころじゃ無くなっちまうからよ。楽しみにしていなよ。」
「お願い・・後生ですからそこを閉めて下さい・・罪悪感で息苦しいの。」
「いえね・・奥さん、あの薬を飲んでいれば絶対に目は覚めんのですよ・・・ですがねさっきも言ったようにマゾの夫と言うのは美しい妻を寝取られることで興奮するんですよ。美しければ美しいほど汚された時のショックは大きい・・・正に奥さんのようにね。だが心配ないご主人は決してそんな性癖の持ち主では無いと思っているのですよ・・・ですがこれ程の最上級の人妻がご主人がいらっしゃるにも拘わらず難なく我々の元にやって来れたと言うことはね・・何故なんだろうなあと考える訳ですよ。」
「主人が仕組んだと・・・。」
「そうは言いませんが、もし私があなたの夫ならこうも不用意に美しい妻を野放しにはしなかっただろうなあ・・何てね・・私は勿論、マゾの性癖など持ち合わせてはいませんからね・・反対に他人の所有物を奪い取る事にこそ生甲斐を感じる方ですからね。」
ばれている・・私の稚拙な小細工などはこの男達には筒抜けなのだろう・・。だが・・私がそれを明かせば笙子を絶望の淵に追い込むことに成ってしまう・・何が有ろうとも演技を続けなくては成らなかった。

「ねえ・・奥さん・・心配ありません・・心配ありません・・朝までぐっすり眠り込んでおりますよ・・そう・・あの薬を飲んだなら・・ふふ・・飲んでいたら・・ですがな。」
息苦しいほどの視線を感じながら、寝たふりを続ける・・頬に冷や汗の雫が垂れ落ち、危機感を募らせる。
それなのに私は、また別の事も考えてもいた・・。
立ち塞がっていた襖が開け放たれた事によって笙子の一部始終を目視する機会にも・・また巡り合えたのだから。
そして隣室からは笙子の驚いたような小さな悲鳴が聞かれた。
  1. 2014/11/10(月) 01:14:43|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅣ

「ちょ・・よして。」
「いいじゃねえかよ・・どうせ直ぐにスッポンポンに引ん剥かれんだから・・ちょっとくらい辛抱しなよ。ネンネじゃあるめえしよ・・。」
「いやーあ・・やめて、やめて!」
「そのブックリした偉そうな出っ張りを拝ませて欲しいんだよ・・どうせ屈んだ襟元から粗方、見えてるんだし減るもんでもねえだろーが!おらっ・・こっち来いよ!」
「お願い!やめて!やめさせて下さい!」
どうやら若い管理官は強引に浴衣の襟合わせを寛げようとしている様子だった。
目を開けばその蛮行の一部始終を目視する事が可能であったが、顔全体に降り注いでいる目映い蛍光灯の光線がそれを躊躇させた・・・。目を開けば隣室から確実に狸寝入りを見透かされてしまう。
「いやーーああ!」
笙子の叫びに嫉妬心は燃え上がり切ないほどの緊張に襲われるが、股間で興奮状態を示し続ける愚息は更に硬化し痛いくらいに反り返っていた。

「おいおい、勘弁してやれや。いきなり引っ掴まれたんでは奥さんも心の準備がつくまいて・・。無論、奥さんとて肌を見せずに事が済むとは思ってはおらんだろうから、ここは穏便に一度奥さんの顔を立ててやろうや。」
「でもよ・・おっさんは良いぜ・・枯れかけてるんだろうからよ。けど俺はこうムラムラさせられたんでは収まりが付かないぜ。」
「お願いです・・そんな暴力的な行いにはどうしても躊躇いが有るんです・・女にとってこう言う事にはムードだって必要なんです・・だから無理やり犯すような真似だけは控えて下さい。でないと私・・もう応じることが出来なくなってしまいます。」
「ちっ・・歯痒いな・・偉そうに吼えやがって・・いくら拒否した所で俺がその気になりゃあ、あんた一人突っ込むくらい朝飯前なんだぜ。」
「おいおい、言葉を慎むんだ。俺達はあくまでも奥さんの欲求を取り除いてやろうとしているだけなんだ。無理やり犯そうなんて事は考えもせんし、させもしない・・立場を良くわきまえろ。」
「・・・・。」
どうやら壮年管理官の一括で若い方も渋々折れたようだった・・だが奴が何の魂胆も無く笙子の意向を汲み取る訳など有り得ようもない。これは得体の知れない何かの前触れのような気がして仕方がなかった。
恐らく笙子は気がついてはいないのだろうが・・強制ではなく自らの意思で淫らな行為に及ぶ事こそ笙子にとっていや其ればかりではなく私にとっても堪えようもない屈辱でしかないと言う事に・・。
それよりもいっそ無理やり犯されてしまった方が幾らか心も楽な筈だった。

「ふう・・やれやれ・・奥さん大変申し訳なかったね。」
「いえ・・どうもありがとうございました。」
礼を述べている・・笙子は愚かにも礼を述べている・・自身にとって最も恐れなければ成らないのは、血気にはやる若者よりもむしろ余裕しゃくしゃくで場の流れを取り仕切っているこちらの男だと言うことに一切気がつかない様子だった。

「さあ、それじゃあらためて始めようかと思うんだが・・。奥さん大丈夫ですかな。」
「ええ・・何とか・・。」
「ふん、その表情を見ておるとまだ完全と言う訳では無いようじゃな・・だが、あいつが言った通り今のままでは一向に先へ進んで行かんのでな・・それに奥さんの方とてジリジリと疼きが増して来ておろう。そこでな・・ちょっと考えたんじゃが・・全てを奥さんに委ねようかと思うんじゃ、奥さんの準備が整い次第で結構じゃから、自らその浴衣をお外し下さらんか・・無理にではなく・・奥さん自身の意思でのう。我々はそれを辛抱強く待っておるでな。」
「そ・・そんな・・」
「そりゃあそうじゃろう・・着たままって訳にはいかん・・我々とて協力しようにも奥さんに何時までも抵抗されていたんでは叶わん事、そう思うじゃろ。」
「・・・・。」
「ほれ、立ち上がって下され・・ここでじっと待っておりますでのう・・。」
妻が渋々、立ち上がるのが気配と着ずれの音で分かった。
これでは何よりも辛い、晒し者である・・笙子も自身の判断の甘さを痛感させられている筈だった。
だが、巧妙な遣り口に掛かり追いこまれた先からは容易には抜け出せそうもなかった・・・何故ならこれは全てが笙子の顔を立てると言う偽善の元に行われているのだから。
だが・・いくら巧妙では有ったとしても笙子自身に拒絶の決意さえあれば脱出は可能な筈であった。
全ては自らの意思で彼らと性行為を行うという前提の元で進められた話である、彼女さえそれを拒否すればシナリオ的には頓挫する筈である・・だが、笙子は大人しく立ち上がり好奇の視線の矢面に晒されている。
これは笙子が望んで彼らの手に己を委ねようとしている証明でも有った。勿論、始めての経験でもあり不安や罪悪感や恐れなどのマイナス感情がごちゃ混ぜになって圧し掛かり無垢な身に猛烈な躊躇いを与えてはいるであろう。
だがそこから逃げ出さないでいるのは其れにも勝る肉欲に取り付かれてしまっているからにほかなかった。
そこめで笙子を追い込むのは媚薬の影響も有ろう・・だが其ればかりとは到底思えなかった。

隣室は一転して不気味に静まり返り固唾を飲んで見守る猥雑な空気に満ちていた。
笙子は何を思い何を考えているのか・・哀れな生贄の立場が我が事のように思いやられた。
このまま何処までも無体な要求に屈せず自己の・・いや夫である私の尊厳をも守り通して欲しかった。
それなのに女身の弱さ、悲しさ、淫らさ・・これらの生業の深さに打ち負かされ、強欲に汚される姿を夢想し興奮状態は極限まで膨れ上がっていた。
  1. 2014/11/10(月) 01:15:34|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅤ

一体どれほどの時間が経過したのだろう・・悟られぬよう目を閉じ合わせているため途方もなく長い時間のように感じられたが、実際にはさほどでもないのかもしれない。

隣室はシンと静まりかえり時折、男達の咳ばらいの音や寝返りを打つかのような夜具の摺れ音が響くだけであった。
笙子はそのまま立ち尽くした状態で放置され、淫らな好奇の視線に晒し者にされたまま一切の物音も発っしはしなかったが、やがて沈黙に耐えかねたのか遠慮がちなおずおずとした口調で弱々しい言葉を吐き出した。
「辛いです・・このままでは倒れてしまいそうです。」
「ふむ、汗がひどいな・・これだけ寒いほど冷房が行き渡っていると言うのにどうした事です。」
「あ・・暑い・・暑くて倒れそうです・・。」
その声は更にか細くうっかりすれば聞き逃してしまいそうなほどに力を失っていた。
「暑い訳はないんだ・・。限界が来てるんでしょうかねえ・・ならば尚更、早く決心なさった方が奥さんのためでも有るんじゃないですかな。我々もそれを今か今かと待っておるのですよ。」
「ああ・・無体な・・これでは良い晒し者ではありませんか・・。」
「さよう・・おっしゃる通り早く決断なさらねば、晒し者に成ってしまいましょう。奥さんの頑張りは充分にお見せ頂きましたから、ここからはもう辛抱はお止めなさい・・奥さんさえ強情を張りさえしなければ極楽が待っておるのですよ。」
「ううう・・・。」
辛いのであろう笙子のすすり泣く声が痛々しく胸に響く。

暫くべそを啜る音を零していた笙子だったが、何か身動きを始めたようで両足で畳を踏み締めるミシミシと言う音が聞き取れた。
てっきり屈服のストリップが始められたと思っていたのだが、それは私の早とちりだった。
私の顔に眩しいほどの明かりを照り掛けていた隣室の蛍光灯照明がサッと翳ると閉じ合わせた目蓋から入り込む真白い光線が一気に暗がりへと転じた。
「おい、奥さん!誰がそんな事をしろと言ったよ・・。俺達はじっとあんたの我侭に付き合ってやってるんだぜ・・いい加減あんたも素直に言われた事だけをやっちゃどうだ。仏の顔も三度までって言葉知らねえか。」
「で・・ですが・・ここが開いていると気に成って怖いんです。どうかここだけは締めさせて下さい。」
「はは・・奥さんご主人が目を覚ますのが怖いのは私達も同じなんですよ・・だから襖を開けた訳だ、そうしておけばご主人の眠りが浅くなったならちゃんと気が付く事が出来るでしょう。さあ何時までもだだっ子のような事を言わずに正面を向いて肝をお固めなさい。」
「・・・・。」
さすがに笙子も折れない訳にはいかなかったようで、途中まで引かれた襖は残りを閉ざす事無く放置された。

ところがこの笙子の行為は私に思わぬ幸運をもたらせた・・いや幸運などと言っては笙子に対して非常に不謹慎で恥ずべき発想なのかも知れないが・・兎に角、これは願ってもない事だったのである。

襖はまだ粗方、開け放たれたままでは有ったが、私の座してたたずむ場所が蔭に覆われたという事は前方の明度の高い部屋の視界から表情の細かい変化を読み取られる恐れが減少した事を意味する。
意を決すると慎重に辺りの気配に気をつけながらゆっくりと目蓋を上げてみた。
何とか物の所在が分かる程度まで細目を開くと、まず中央付近で開け放たれている襖のレールに沿うように笙子が両の手で胸前を庇い込むように交叉させて立ち尽している姿が見えた。
無言の視線が突き刺さるのであろう、しっかりと豊乳を手で覆い顎先を落として俯いている。その背筋は頭に合わせて前方に湾曲し、畳を踏み締め立つ脚はやや膝を内に折り曲げ太腿をきつく閉じ合わせて内股気味に下肢をやや開かせ尻を後方に逃がしている。
いつも胸を張り堂々と姿勢を伸ばした快活な笙子のイメージには凡そ程遠く、まるで叱られておどおどと脅えた娘のように見えた。

そうしてたたずみながら必死に耐え忍ぶ笙子の眼下には二組の夜具がのべられ、それぞれに観客の如き二人の管理官が揃って寝そべっていた。
私に近い向かって右側の夜具では若い方が肩肘を枕に付いた姿勢で両袖を抜き去った剥き出しの胸前をしきりにボリボリと掻いている。
やや斜交いに寝そべり肘で持ち上げられた上半身はまるで格闘技の選手のように堅そうな筋肉の束が巻き付いておりごつごつとした筋の影を縦横に走らせる。
また左方の夜具では年配の方が枕に頭を乗せて雑誌のような書物を右手に掲げて目を走らせていたが、その目はそこに長く止まる事はなく、ちらちらと値踏みするように上方に有る笙子の姿態を舐めるように見上げる。
この男も若い方に負けず劣らずの強固な肉体を有しているらしく雑誌を掲げるのに持ち上げられ袖から覗く上腕は見事な力瘤を形作りその径は痩せぎすの私の太腿以上の太さを持つように感じられた。
二人は非常にリラックスした様子で寝そべっているように見せてはいたが、その目には決してリラックスな
どは無く鋭く射るような視線を笙子に浴びせ掛けている。

「ああ・・・。」
突如、笙子の口からうめくような咆哮が漏れ出た。
二匹の淫獣は目を見合わせにやりとサインを送りあった。
「う・・くう・・」
胸を抱え込んでいた片方の手が思わず下にずり落ちる。
よほど生理的な苦境に立たされているのだろう、両肩がワナワナと震え膝頭を上下に擦り合わせる。
下げられた手は股間部まで辿り着くと前方の視線を忘れてでもいるかのように下腹に這い進み、しきりに手首から先全体の手の腹を使って苦痛を押さえ込みでもするかのように力一杯押し揉み始める。
そんな変調はやがて上部にまで伝わったと見えて、残された片腕で両乳を一擦りすると絶望の悲嘆を発しながらその場に腰から砕けてへたり込んでしまった。

それでも淫獣達はニタニタと蔑むような目を這わせるばかりで一言の言葉も発しようとはしなかった。
やおら上げた顔で笙子は二匹を見据えると遂には消え入るようにか細く泣き憂いた声で屈服を告げた。
「う・うう・・お・お願いです・・どうか・・これ以上苛めるのは・・苛めるのはよして・・もう・・もう・・き・・気が狂いそうです・・狂ってし・・しまう・・な・・何でも・・何でも言う通りに・・し・・します・・だから・・お・・お願い・・・。」
「ふむ・・それは大変だ・・分かりました、何とかしましょう・・その前に奥さん少々言葉に間違いが有るようですぞ。何でも言う通りにしますではなくて何かをして欲しいんでしょう奥さん自身がね、ならばそう言う風にお願いしてみては如何ですかな・・その方が我々としても気分が良いと言うものでしょう。」
「う・・くく・・」
悔しいのだろう奥歯をきつく噛み締め軋ませるような音が漏れる。
だが笙子には最早、屈辱に逆らえるだけの気力は残されてはいなかった。
「は・・はい・・も・・申し訳ありません・・しょ・・笙子は・・笙子は・・・う・・くくう・・。しょ・・笙子は・・したい・・したいの・・もう我慢が・・我慢が・・だから・・お願い・・しょ・・笙子・・笙子・・あああ・・・くくくく・・うっう・・笙子・・を・・して・・して下さい・・して・・して欲しいの・・。お願い・・お願い・・あーあああううううう。」
号泣を響かせる笙子の声に若い淫獣のけたたましい笑いが重なった。
  1. 2014/11/10(月) 01:16:31|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅥ

「そうですね、その方が失礼はないでしょうね。私達は別段何かを望んでる訳では有りませんしね・・。週休二日のサラリーマン所帯とは違って、明日には仕事だって待っております。分かりますなあ・・・あなたが時間をかければかける程、我々とて辛く成ってくる事が・・何せ今日はこの台風でも有りますしね。私達は公園管理官ですから台風が過ぎ去った後に何が待っておるのか、奥さん・・あなたも考えれば分かる事でしょう。」

子供だましのような見え見えの演技を続けながら壮年管理官は更に笙子に媚を売ろうとしていた。
歯痒かった・・笙子とてこのような戯言に普通ならば気が付かない訳は有るまい・・。
「も・・申し訳ありません・・考えが無くて・・。笙子がいけなかったです・・自分の事しか頭に無くて・・・。」
馬鹿な・・一体何を言っているんだ・・笙子の返答に胸が悪くなってきた・・。
それ以前の状況がどうであれ、人の女房に媚薬を与えておいて何が望みなど無いだ・・・そんな事に何故気がつかないんだ・・・。
笙子は何時からこんな愚かな女に成ってしまったのか・・聡明で賢明な筈の私の良く知る笙子は一体何処へ行ってしまったと言うのか・・。
媚薬の力と言うのは人の思考能力にさえも悪影響を与えてしまうのだろうか・・。
いやまてよ・・ひょっとすると笙子も彼らの企みは充分に承知しているのかもしれない・・その上で敢えて口上を合わせ自らの願望を満たそうとしているのかもしれない・・。
畳に両手を付いて浴衣の身体を丸め込むようにへたり込む笙子にそれを問い質す事はいずれにせよ不可能であった。

「随分と辛そうですな、良ければ手をお貸ししましょうか・・。それともお決めした通りご自分で開かれますかな・・如何なさいます、こうしておっても刻々と夜は深けていっておりますぞ・・、笙子さん。」
ますます思い通りに運ぶ流れに、さぞ気を良くしているのか遂には笙子を名前で呼び始めた。
「いえ・・け・・結構ですは・・じ・・自分で・・自分で・・で・・出来ますから。」
「ほう・・安心しましたよ。結局はこちらでお脱がせする羽目に成るのかと冷や冷やしながら見ておりました。なら問題ありませんね笙子さん、一刻も早くお互いに関を取り払い悦びを分かち合いましょうぞ。」
壮年管理官はまるで名人のように一歩づつ一歩づつ笙子を巧みな話術で魔窟へと誘導して行く。
昼間、嵐が襲う以前の燦燦と照る陽の元での屈託のない笑顔を浮かべていた笙子が強い風にさらわれ我が脳裏から消え去った。

残された力を振り絞るように全体重を二本の腕に乗せると、顔に覆い被さる髪の束を左右に揺すりながら、ふらつく足で懸命に腰を持ち上げ息を乱しながらも再び立ち上がった。
二匹の淫獣はそんな笙子の苦悶の態を下方から舐めるように凝視する。
虚ろに開かれた視界にその視線が重なるのが辛いのか、頬に掛かった髪を根元から束ねるように梳き落とし顔全体を覆い隠す。
息を呑む淫獣達の喉仏が静まりかえった室内に鳴ると、深く溜息を吐き意を決したように姿勢を正し背筋を張ると体側に沿って右の掌をゆっくりと左の襟首に差し込んだ。

襟布をじっと握り締めて暫し不動の直立を見せる笙子の全身から覚悟の時を探る逡巡が覗える。
淫獣達の目は赤く充血し、瞬き一つ見せずにその一点に凝集される。
恐らくは生れ落ちて以来、最大の屈辱の中で、右手の親指を襟立てに差し込むと肩のラインに沿ってゆっくりと寛げる。

ほの白い左肩が鎖骨の線や肩甲骨、左乳上部のなだらかな曲線までもを含めて白日の元に晒される。
更に高まる淫獣達の強い視線に攻め苛まれながらも、右肩も同様に左の手によって開放される。
浴衣は辛うじて胸部の頂きを隠す高さまで落とされ、その前部のつがい目を微かに震える拳が握り固める。
剥き出された両肩は、うら白き肌目にうっすらと汗の玉を浮かべ薄桃色に上気していた。
表情を覆い隠すために前に髪の毛が梳き集められたため、私の位置から真っ直ぐに見渡せる剥き出しの項が息使いと呼応して前後に崩れる様子が堪らない色香を漂わせて見えた。
壮絶な決意で両肩を晒した笙子だったが屈辱の開陳ショーはまだ始まったばかりであった。

小刻みに震えつづける握り拳には相当の力が込められていると見え手の腹を中心に鬱血して真っ赤に染まっている。
そして淫獣達の視線が集中する中、その戒めは徐々に緩められて行った。
  1. 2014/11/10(月) 01:17:29|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅦ

「ヒュ-!そのポーズ艶かしいな・・・ビンビン来ちまうぜ。さっさとやらずに勿体つけながらゆっくりお願いしとくよ・・。笙子みたいな別嬪が羞恥で頬を赤らめてスケベそうな分厚い唇を噛み締めながらオズオズと自ら肌を晒して行く姿、下半身には最高のご馳走だぜ。へへ・・」
笙子は羞恥心を煽るような卑猥な野次に、項垂れていた首を更に深く前方に折り曲げて暫し身体を硬直させた。
辛うじて突起を浴衣の布で覆い隠した豊乳は項垂れても尚、大きく迫り出し隆起する丘を露にする。
右手でそれを庇うように抱かかえながら、左手は帯の結び目に掛けられる。
「へへ・・帯が解けたら前がパックリ開いちまうなあ・・そうすりゃ念願の笙子の産まれたまんまをやっとの事で堪能できるってわけだ・・もう堪らねえや・・。」
若い管理官は寝そべっていた身体を起こし胡座姿勢で食い入るように笙子の真ん前にかぶり付きで座す。

それがイヤでも目に入るのであろう、笙子はしきりに頭を左右に揺すり帯に掛かった手指で結び目をきつく握り締める。
「お願いです・・おっしゃらないで下さい・・恥ずかしくて・・脱げません。」
「笙子さん、あなたのそんな様子が逆にこいつを喜ばせているのはお分かりでしょう。ここは決めた覚悟のままに潔くその邪魔な浴衣を脱いでおしまいなさい、その方が何倍もあなた自身が楽なはずですから。」
壮年管理官はなおも諭すように声を掛ける。
「ああ・・ですが・・恥ずかしいんです・・こんな事は始めての経験で・・出来たら電気を消して部屋を暗くしてもらえませんか。でないと・・手が動かないんです。」
「ふむ、まあそうでしょうね・・ですが笙子さん我々はこうしてあなたに付き合って差し上げている・・と言う事は先ほども申しましたよね。そうなのですよ付き合って差し上げている訳でね・・なのにあなたは、まだそうして御自分の身の事ばかりを主張される訳ですかな・・。成るべく我々の手間を省いて無駄な時間を割愛しようとは考えられないのですかな。」
声の調子は相変わらず穏やかではあったが、その言葉の端々には言い竦めるような強引さが混ざり始めていた。

「ああ・・ですが・・つ・・辛い。」
「辛くてもやるのです・・でないと又、身に変調が来しますぞ。」
がっくり折った首で大きく息を継ぐと帯に掛けた指先に力を込めて結び目を解き始める。だが胸部に片手を回しているために、固く結んだ目はなかなか解くことが出来なかった。
「笙子さん!あなたは何を横着にやっているんですか。私達はこうしてじっと待っておると、何度言わせるお積もりなのですか!」
壮年管理官は一転して激しく責めるように強い響きで声を荒げた。
笙子は背筋をビクッと震わせ明らかな動揺を見せた。
「す・・済みません・・急いでやりますから・・」
「出来なかったら両手でやるんだ。こんな事は子供でも分かっている事ですよ!」
「は・・はい・・」
既に壮年管理官の言いなりの人形に仕立てられた笙子は胸前に掲げられた右手を左手と揃えて結び目に移動させた。
肩の位置まで下げられた浴衣の布は手の支えを失うと豊乳の重みに耐え切れずに両の頂きをすっかり覗かせてUの字型に大きく割り開かれた。
「ひょー!ぶっとんだーー!!笙子、凄い重量感だな・・へへ・・ぶるーんって音を立てて飛び出して来たじゃねーか・・立派なもんだなー!ぶるぶる底が揺れてるぜ・・へへ・・まるでババロアみたいで・・。美味そうだ・・ふへへ・・そんな立派なボインでチンチン揉み揉みしてもらいたいな・・。直ぐ出しちゃいそうだよ、興奮して・・へへへへ。それにしてもよ、乳首もでっかいなービンビンに充血しておっ立ててるじゃねえか。ビコーンって飛び出して吸って吸ってっておねだりしてるようだぜ・・。違うか・・ええ・・笙子。」
若い管理官は必要に笙子に卑猥な表現で詰め寄る。
「や・・やめて・・く・・下さい・・恥ずかしい・・。」
べそをかいたような鼻声で懇願する笙子だったが、そのような猥褻な表現に身を焦がされていた事は直ぐに証明される事になる。

「恥ずかしい・・か・・笙子さん。ですがそんな言葉にあなた自身も興奮なさっていらっしゃるのでは有りませんかな。」
「こ・・興奮・・なんて・・そんな・・ただ、は・・恥ずかしくて・・隠れてしまいたい・・。」
「ふん、そうでしょうか・・そう言いながら益々、目の縁が赤らんで上気して来ている様子がここからはっきりと見えておるんですがなあ・・。」
「だ・・だから・・は・・恥ずかしいから・・・。」
「そうでしょうな・・恥ずかしいから・・興奮する。そうですな・・笙子さん。」
「はあ・・い・・苛めないで下さい・・とにかく恥ずかしいんです・・。」
今や笙子は露にした裸体の全てを真っ赤に上気させ、私の目にもその興奮状態は伝わって来るようだった。

やがて両手を回された帯は結び目を解かれ両端が畳に垂れ下がった。
  1. 2014/11/10(月) 01:18:48|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅧ

黒い浴衣帯が足元の畳表に無造作に横たわる。
浴衣の前合わせを再び掻き合わせ、その場にたたずむ笙子の眼前には二人の管理官が胡座座りで、今や遅しとショータイムのクライマックスを凝視していた。

「ああ・・そんなに近寄らないで下さい・・。本当に恥ずかしいんです。」
消え入るような声で訴える笙子の言葉は完全に無視され、ただ無言で微かな瞬きの間さえも惜しむかのように見開かれた両眼を血走らせる。
聞き入れられない事を悟ると笙子はがっくりと頭を項垂れて、両手をゆっくりと左右に押し開いた。

肘をやや折り曲げた両の手は、それぞれの掌に浴衣の前布を握り締めて大きく割り開かれた。
私の目には浴衣をマントのように大開にした笙子の後姿とみっともないほどにガタガタ震えながら裾から覗く足首の裏の腱が見て取れた。
浴衣の布地は完全に開陳し隣室の照明によって見事な身体のラインをシルエットにして浮かび上がらせている。
その内側ですっかり剥き身を晒した全裸を胡座座りでご前に陣取った二人の管理官は上体を乗り出すように齧り付かんばかりに紅顔を寄せる。

「見ろよおっさん、腿の内側ベタベタに汚してやがるぜ。」
「ふん・・相当、濃厚な匂いがするな・・。当に尋常では無いって感じだな。」
「ああ・・尋常じゃないよ。ほれオマンのビラビラをあんなに充血させて食み出させてやがる・・。」
「そのビラビラにも涎がベットリ乗っかって・・。ちょっと触ったら溢れて滴り落ちてしまいそうだな。」
「な・・俺が言った通りだろ・・この奥さん・・完璧な欲求不満だぜ。下から見てみろよ、あの豆粒・・皮を捲り上げて飛び出しちまってるぜ。」
「自分で弄くりすぎてるんじゃないかな、ありゃあ肥大症ってやつだ。」
「へへ・・風呂場でもグチュグチュやってたしなあ・・多分、主人の仕事中に毎日擦り回してたって口だろう・・。これだけのサイズにゃなかなかお目に掛かれねえぜ。」
彼らが言葉を吐く度に笙子の足元がブルブルと震える、有ること無い事をさも暴き切ったような口調で論評されるのは余程辛いに違いない。
「や・・やめて。嘘です・・そんな事はありません・・。」
「へへ・・違うって・・そう言うのか。ならちょっと検査してやるよ、ふふ・・。」
そう言うと若い管理官は股間部に寄せていた顔を更に前方に押し出した。

「う!やっ・・。」
途端に真っ直ぐに伸びていた笙子の上体が前部に折れ曲がった。
「む・・く・くう・・。」
奥歯を食い締めるような呻き声を発して腰を後方に逃そうと身を屈めるが、無骨な掌でがっちりと尻を抱え込まれ引き寄せられる。
「クウゥゥゥゥゥ・・・」
押し殺すような媚声に乗せて畳を踏み締める両の膝ががっくりと支えを失い折れ曲がって脹脛にピクピクと痙攣を起こす。
両の手で自らの股間に食い込む無頼漢の髪の毛を鷲掴むみ、押し付けるような動作さえも覗わせる。
「ほう・・笙子さん・・なかなか積極的じゃないですか、そんなに押し付けては窒息してしまいますぞ・・ふふふ。」
笙子はそんな壮年管理官の言葉は全く耳に届いていない様子で、なおも若い管理官の頭部を抱かかえる。

「ぐう・・」
ほんの数秒間の口愛であったが、笙子は首を後方に仰け反らせて言葉にもならないような言葉で呻くと、腰の戒めを外されて膝から畳に崩れ落ちてしまった。
「へへ・・おっさん、すげーぜ!オマン中が灼熱地帯だ。ドロドロの汁が吹き出して来やがる。」

畳に突っ伏して肩で息をする笙子の身体は背に纏った浴衣から肉付きの良いムッチリした両腿を剥き出した状態で不規則に痺れるような震えを見せ、強引に押し上げられ屈服させられた哀れな姿を横たえていた。
その前で勝ち誇ったような笑みを浮かべ、持ち上げられた若い管理官の顔は目から下の全てがビッショリと情の強い淫液で濡れ光っていた。
  1. 2014/11/10(月) 01:19:52|
  2. 風・フェレット
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風 ⅡⅩⅨ

裸体を辛うじて薄衣で覆い隠してはいるものの、夢のように目映い白さを湛えた柔肌の大半は蛍光灯の青澄んだ照明に暴き出されていた。

膝から崩れ落ちた笙子の下肢は両足裏を天に向け、折り畳まれた膝頭を基点に八の字を描くように緩んで開け放たれ、その台座の真上には身の力を失った上体が間を割るように乗り掛かり、持ち上がった尻を突き出すかのように顔を両膝の間だの畳面に擦りつける。
蹲り丸まった背筋が規則的に隆起する様からは笙子の激しい息使いが見て取れた。
浴衣の衣は確かに身体の上に被さってはいたが、既に衣類としての役目を果たしてはおらず激しい発汗で艶めく下肢や肩口、丸々と隆起した臀部でさえも下半分を曝け出していた。

「へへ・・ドスケベマダムは一遍、気をやって更に催して自制すら効かなく成っていらっしゃるようだぜ。」
驚いた事に若い管理官の指摘通り、食み出した尻たぼの下方で見え隠れする亀裂には身体の下部から這い出た中指が腹を食い込ませているのがまともに目に入った。
桃のマニキュアを被せた白く細い指は耳を寄せれば音が聞こえてきそうな勢いで淫裂を弄り、蠢きの度に濁った色の粘液を溢れさせていた。

「なあ・・笙子さん、こうして貴方の願望を叶えて差し上げても良いと言っておる男が二人も揃っているって言うのに、ご自分で悪戯などなさらんでも宜しかろう。」
壮年管理官は猥褻な笑みを満面に乗せて、なお笙子の自発を煽り続ける。
「へへ・・聞こえてるか!笙子、満足出来るまで可愛がってやろうって言ってんだ、分かるだろあんただって生娘じゃねえんだし・・。催促ってのをどうやってしたら良いのか知らねえ何て言わせやしないぜ!」

二人の管理官は勝ち誇ったような余裕で笙子を追い詰める。
「ふう・・う・・あたし・・へ・・変・変なの・・ジンジン痺れて・・た・堪りません・・。」
消え入るような声で窮状を告げつつも弄る手指は加速され、細肩はしゃくるように小刻みに震える。
「なあ、笙子さん。男ってのはなあ・・女が股を広げればそれだけで発情できるって奴ばかりじゃ無いんですよ。ご自分の願望を満たしたいのならば、自分でもそれなりの努力ってものが必要な時だって有るんですよ。それが良く分かっていらっしゃらないから、その様に欲求不満を溜め込まなくてはならなくなってしまったのではありませんかな。」
「お・・おっしゃるい・・意味が・よ・・良く分かりません・・うくっ・・な・・ああ・・あ・な・・何を言っていらっしゃるの・・・。」
「はは・・いや、他愛の無い疑問とでも申しましょうか・・つまりですな、演出も必要と言う事でしょうかな。特に我々のように始めてお相手させて頂くのならばいざ知らず毎日毎日、顔を突き合わせる相手なら尚の事でしょうね・・。そうだなあ・・聡明な女も良いものですがね・・男は時として娼婦の如く淫らに迫られてみたいと言う願望を持つ事だって有ると言う事ですよ。」
「み・・淫ら・・に・・ですか・・ううう・・もう・充分に淫らな姿を曝しているでは有りませんか・・・。」
「ははは・・おっさんが言ってるのはな、あんたの旦那の事だ!それくらいわからねえのかよ。」
「しゅ・・主人は・・うう・・。」
「ご主人は笙子さんに充分な満足を与えていらっしゃいますかな・・。如何ですかな・・笙子さん。」
「うう・・そ・・それは・・・。」
「ノーですかな・・笙子さん。」
「は・・はい。」
笙子の口から夫婦の秘房を白状する肯定の言葉が吐かれ、それに嗚咽が重なった。
  1. 2014/11/10(月) 01:20:55|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩ

嗚咽とも喘ぎとも判別の付かない微妙な音色が聞く者の過虐欲を掻き立てる。
「くうむ・・ふっふう・・う・・おう・・・。」
執拗に縁をなぞっていた指先は遂には、泥濘の壷に埋没する。

本音を吐露した笙子から、自らを律する自戒の念が失せつつ有る事は火を見るよりも明らかであった。
暗窟に消えた指先は、躊躇いがちに浅い抜き差しを暫く繰り返した後、堪え切れずに粘つく蜜を掻き分けながらズルズルと根元までも視界の端から消え失せた。
「くうう・・むむぐ・・ううう・は・はっ・・・。」
ここまで来れば、漏れ出る声が絶望からの悲嘆などではなく官能の疼きからのものであるのは明白だった。

「随分と刺激的な光景ですなあ・・笙子さん。その勢いならば御自力で解決なさってしまうかもしれませんなあ。」
「う~~む・・ふっ・・ふうう・・・。」
「早くも、お口さえ利けなくなっておしまいな様子ですな。良いのですよ我々なぞお気になさらんで派手に気を遣ってお仕舞いなさい、手間も省けようって言うもんですよ。」
「くむむう・・お・・お願い・・ひ・・灯を・・け・・消して・・・おねがい・・・」
「灯を・・このままで良いでは有りませんか、笙子さんの美しい表情を最後まで鑑賞させて頂けませんか、それこそ我々からお願いしますよ。」
「や・・い・・いけないの・・気になって・・ううう・・・」
「それは困りましたねえ、それじゃ笙子さん治まりが付かないでしょうね。」
「あああ・・お・おねがい~~・・も・・もう・・く・・苦しい・・はあああ・・・」
「わかりました・・では及ばずながらお手伝いを致しましょうかね。」
「くふう・・あ・・ありがとう・・ご・・ございます・・・」

もちろん消灯に対して礼を述べた筈だったが、立ち上がった壮年管理官は蛍光灯のスイッチには見向きもせずに、地に這いつくばる笙子の側面に歩み寄った。
気配を察した笙子は頬を畳に押し付けたまま脅えたような目線を上方に投げる。
「気の毒に・・酷い汗だ・・これでは身体が滑ってさぞ御不快でしょうな。」
言いながらその場に膝を曲げてしゃがみ込む。
「い・いえ・・それよりも・・電気を・・・電気をお願いします。」
流石に不安が胸をよぎるのであろう、すっかり姿を隠していた中指は僅かな最先端部を残して粗方を灯の光の下に現して動きを止めた。
引き抜かれた女陰部は左右の弁をすっかり割り開かれ、充血し切って真っ赤に変色した秘境までもしっかりと口を開いて中からは濃厚な濁汁をドロドロと垂れ流した。
「少し拭いて差し上げましょう、でないと冷房の冷気で風邪を引いてしまいますよ。」
「け・・結構です・・寒くはありません・・暑くて堪らないくらいなんです・・それよりも・・・」
「御遠慮は無用ですぞ、私達は手助けをして差し上げようと思っておるのですから。」
懇願を遮るように言葉を被せると、両膝立ちの低い姿勢の背を伸ばして唯一、笙子の背を覆う白地の浴衣に手を伸ばした。
「や・・ちょ・・・」
笙子は慌てたように唸ると空いている右手で壮年管理官の節くれ立った野太い手首に指を掛けたが不自由な姿勢からの制止は、何の役にも立たなかった。

笙子の意向など全く無視され、全裸を辛うじて遮っていた布切れは無慈悲に剥ぎ取られてしまった。
「い・・いやです・・恥ずかしい・・・。」
剥き出しになった白い背はビッショリと汗の玉を浮かべ妖しく上気している。
「ははは・・笙子さん、今更何が恥ずかしいのですか。こんな物が有ろうが無かろうが全部丸見えじゃないですか。」
「で・・でも・・何もないと・・・。」
役に立っていない衣類でさえ唯一の隠れ家だったのだろう。産まれたままの姿に剥かれた笙子は先程までの大胆極まりない自慰に回していた左手さえも引き篭もらせ、肩口を両腕に抱き締めて縮こまった。
「さあ笙子さん、これでちょっと汗を拭ってサッパリさせて上げましょう。な~に遠慮は要りませんぞ・・嬉しいくらいですからな・・ははは。」

壮年管理官は手にした浴衣を一纏めに丸め込むと、小刻みな震えを刻む笙子の背に沿って走らせる。
左の手で汗を拭う振りをしながら、右手は全く関係のない動きで背の肌の弾力を楽しむようにゆるゆると這い嬲る。
「ううん・・いや・・」
微妙な指先の愛撫にもじもじとした刺激を受けているのだろう背筋をピクッピクッと痙攣させる。
手指の動きは更にエスカレートして掴んだり、押し込んだりする動作を交えるが、笙子は只身を固くして耐えるのみであった。

壮年管理官はそっと後方を振り返り、若い方と何やら目配せを交わすとじっと座っていた片割れも立ち上がって先客とは逆の側面にしゃがみ込むと、おもむろに両手を笙子の脇腹に這わせた。
「い・・いやあ~~・・」
さすがに耐えかねたのか身を捩って逃れようともがいたが、回された若い方の筋肉質な両腕でウエストを引っ掴まれ、腰さえも浮かす事が出来なかった。
  1. 2014/11/10(月) 01:21:49|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩⅠ

汗を拭うと言う口実で用いられた浴衣は、当に投げ捨てられて無造作に笙子の腹の下に転がっていた。
拭うどころか、今やその全身は水をかぶった程にズクズクに濡れそぼり、髪の毛を額や頬にベッタリと張り付かせている。
四つん這いの姿勢を取らされ、畳を踏み締める四肢は崩れそうに力を失いかけたと思うと、逆に踏ん張るように突っ張る。
がっくりと崩れて肩の下へ沈み込んだ顔は、苦悶を訴えるかのように眉根に深い皺を刻み、ぎゅっと唇を噛み締める。
肌に纏わり付く二対の掌は、発汗の滑りを巧みに生かしながら、あくまでもソフトに毛穴をなぞるような愛撫を延々と繰り返していた。
背、腹・・・肩、首はおろか脇の下や脹脛、足首や二の腕に至るまで全身を隈なく這い回る。
豊乳の上下の縁や盛り上がる尻たぶ、腿の付け根から下腹、臍や陰毛など際どい部分にも矛先を向かわせているものの、まるで風船に水を蓄えて吊り下げたように重々しくぶら下がる乳房やバックリと開き切り果てしなく蜜を吐き出す陰部から上下に連なるラインには一向に向かおうとはしなかった。

「うむうう・・ああ・・・」
快楽の源泉に指先が近づく度に喘ぎをもらし、むづがるように腰をもじつかせるのだが、次の瞬間には強い摩擦を与えながら逆方向へと踵を返す。
その度に笙子の口からは深い溜息がもれ、折れた首を更に項垂れる。
そのような焦らしが何度、繰り返されたであろう遂に笙子の口からは絶望の悲嘆が零れた。

「ひ・・ひどい・・もう・・このままじゃ・・お・・おかしくなっちゃう・・・。」
管理官二人は顔を見合わせ満足げに頷きあった。
「笙子さん、このままおかしく成りたいですかな、それともここらで歯止めをかけましょうかねえ・・、如何なもんでしょう。」
「このままじゃ・・本当におかしく成ってしまいます・・もう勘弁して・・か・勘弁。」
哀願する言葉は泣き声で掠れる。
「勘弁ねえ・・どう言う意味なのかな・・やめてくれって事なんでしょうか・・ねえ。笙子さん。」
「い・いじわる・・言わないで・・・わ・分かってるじゃない・・そんな・・・。」
「はて、分かる・・いいや、分からんですがね・・何の事だかサッパリとねえ・・。お前分かるか。」
「いや、俺も分からねえなあ・・おかしくなっちゃう、おかしくなっちゃうって・・こっちが可笑しくなっちゃうぜ・・なあ、笙子・・一体お前はどうされたいんだよ・・ええっ!」
二人は笙子に回答を求めながらも、相変わらずゆるゆると官能を揺さぶり続ける。

「く・うう・・・」
分かり切った事なのに無慈悲にも聞き届けられないもどかしさが目の縁に涙を溢れさせる。
「さ・・さわって・・さわって下さい・・・。」
真っ赤に染まった頬を隠すように、肘を地に付き顔を両掌で覆うと噛み締めた唇を開いた。
「ほう、触って欲しいんですか・・・成るほどねえ・・・。」
「触ってやってるじゃねえか!ず~と俺達の手は塞がりっぱなしだぜ!」
強く言い放つと若い管理官は手を這わせていた陰毛を強く引っ張った。
「うう~~!い・・いたい・・いたい・・ひ・酷い・・・。」
「いい加減にしないと全部毟り取っちまうぜ!こっちだっていい加減、飽き飽きして来てるってのが分からねえか!」
「うあああ・・・・・」
一際大きな嗚咽が漏れ出て大粒の涙がぼろぼろと畳に滴った。

「お願い・・触って・・・お・・お・ち・ち・・・おちち触って・・・」
「ふっははははははは・・おちち、か・・こりゃ良いや。」
「ふ・・ふう・・・うう・・アソコも・・アソコもお願い・・・。」
「アソコだと・・あそこってなあ何処だよ・・んん・笙子。」
「お・まん・・・・・こ・・・おまん・・・こおおおおおおおおお・・・」
泣きべそを掻きながらの屈辱の告白を受けとると、両乳の麓を這っていた壮年管理官の両掌は笙子の肩を跨ぐように圧し掛かり、重く下がる乳を下から揉み潰すように鷲掴み捏ね回す。
「あ~あ・・あ~~~あああ・・・」
凄まじい善がり声を発した口元からは唾液の帯が流れ垂れ下がる。
そしてその次の瞬間には、一転して轟声はピタリと止むと奥歯を食い縛る軋み音を奏でる。
鯉の口のようにパクパクと開閉する膣口に若い管理官の中指と薬指の二本がズブリと突き刺さり、激しく吐き出されていた熱い息を詰めさせる。
笙子は噛み締めた奥歯の力で頬肉を引きつらせ、閉じた目を苦悶に歪める。

ゆさゆさと好き放題に揺さぶられる両乳は歪に変形しながら、食い込む十指にゴム毬のような弾力を伝え、
淫裂に押し入った二指は中の温水を掻き出すように、上部の襞を擦りながら抜き差しを始める。
「く・・・くく・・・」
必死で堪えている鼻腔から熱い息が漏れ、四肢はビリビリと筋肉の溝を深める。
笙子にとっては願望であった筈なのだが、絶頂へと向かおうとする本能の堰から踏み止まろうとする様は、彼女の最後の理性の抗いにも見えた。
だが、そんな笙子の頑張りも、所詮は儚い泡くずでしかなかった。

豊乳の先端で痛いくらいに尖り切っていた乳首が指の腹で押し潰され、乳房を鋭角に変形させる程の力で引っ張られ、丸々と容積を限界まで高めて充血する肉芽を弾かれて、膣に食い込む掌の空いた親指が菊のおちょぼ口に突き刺さると、項垂れた頭部は一瞬にして後方に仰け反り、汗を含んでてらつく髪を獅子の鬣の如く打ち振って、断末魔の震声を有らん限りに轟かす。
「おおおお・・おおおおおおお・・・おーーーお・・おーおーおー!!!」
絶頂と共に四つん這いの身体は崩れ落ちて、畳に這いつくばった全身は痙攣して打ち震える。
男達の歓声と嘲りの中、どうやら笙子は自失し意識が遠のいてしまったようだった。
腹這いの両脚は人の字に開き、その付け根では哀れな秘腔が大きく開いた開口部をパックリと曝していた。
  1. 2014/11/10(月) 01:22:36|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩⅡ

閉じた目蓋の長い睫毛が時折ピクリと瞬き、ぐったりと項垂れた頭が苦しげに前後に揺れる。
呆気なく気を往かされたまま意識を失った笙子は、そのまま眠りに落ちてしまったようだったが、その寝顔は少しも安らかではなく、苦痛に必死で耐えているように見えた。

「呆れたもんだぜ・・よくこんな格好で眠っていられるな。」
作業を終えた若い管理官は咥え煙草の灰を落としながら呟いた。
「薬が切れるとああ成るのさ、副作用って奴だな。」
壮年管理官は鞄から何やら取り出しながら答えた。
「成るほどな、強烈な薬効もお仕舞いって訳か・・道理で肌の色も赤みが失せてきやがったぜ。」
「まあ別に今切れたって訳じゃないがな、当に終わってたんだよ・・・。」
「へっ・・でもあんなに乱れていたじゃねえかよ・・・。」
「あれはな溜め込んでた欲求を薬で呼び起こされていただけでな・・後は効き目が切れても発情を止めてやらなければ止まらないって事だな。」
「ふ~ん・・成る程じゃさっきのアクですっきりしちまったって事かよ・・・。」
「そう言うことだな・・だから今の内に細工が必要って訳さ。」
壮年管理官は取り出した小さな群青色の薬種瓶を手渡しながら不気味な笑みを浮かべて笙子の裸体に目をやった。

がっくりと力を失った笙子の身体は部屋の中央に立て掛けられていた。
高く天上に向けて伸ばされた両腕は、奪い取られた浴衣の袖で両手首を一纏めに括られて、先ほど衣類を干した桟と同じように敷設された隣室の桟に残りの布でしっかりと固定されていた。
不安定な無意識の身体は前方に倒れるように斜行し逆海老状に胸を反らせ、首は崩れて胸前に垂れる髪が冷房の風にそよいでいる。
立ち姿勢を支えるべき下肢は左脚が大きく割られて、脇腹に腿の上部を接し膝から浴衣帯でやはり桟に縛り付けられている。
自分で支える事の叶わない正体の無い身体は立っているのではなく大股開きで桟からぶら下がっていた。
残された右脚は何とか畳に触れてはいるが、踵は浮き上がってしまっており、辛うじてつま先のみで地に着く事が出来ているに過ぎなかった。

ぶら下がる基点の肌の三点は重力をまともに受けて周囲を盛り上げながら肉に食い込み、鬱血した肌が痛々しい惨状を呈していた。
薬効が醒めたらしい全身の肌目は血の気を無くしたように青ざめ、蒼白の裸体がまるで生気を吸い取られてでもいるかのように映った。
「たっぷり塗っておけよ、一瓶空けてしまって構わんからな。」
「でもよ・・高いんだろ・・これ・・・。」
若い管理官は渡された小瓶に細い刷毛筆を突っ込みながら香りを嗅ぐ。
「ああ、目玉が飛び出るくらいな・・輸入規制で裏からしか手に入らんからな。だが心配は無用だ、これ程の上玉なら充分元は取れるからな。」
「でもよ・・やばいんだろ・・この薬・・もし壊れちまったら元も子も無くなっちまうんじゃないか。」
「ああ、多分かなりやばいだろうな。使われて放置された助が余りの苦しさで舌を噛み切っちまったって話を聞いてるよ。」
「大丈夫かよ・・。」
「まあ、そのまま放置する気は更々ないから大丈夫だろう。」
「そりゃそうだ、放置なんて勿体無い事は、息子が許してくれんだろうけどな・・。でも塗る量は加減した方が良くは無いか・・・。」

座り込んでビールをチビチビ舐めながら壮年管理官は鋭い目を笙子に向けると。
「お前だって見たろ、この女の勝気な所をよ・・正気に戻ればそう易々と屈服する玉じゃねえ・・・。無理やり犯すのは訳は無いがどうせなら徹底的に貶めなければ後々に問題が起こるかもしれんからな。」
「ふ~ん・・ま・そうだがな・・・大丈夫かな・・・。」
若い管理官は小瓶の口で刷毛筆に含ませた余分な液体を慎重に切り落としながら笙子の足元にしゃがみ込むと、惨いほど剥き出しにされた股間に顔を寄せた。
  1. 2014/11/10(月) 01:23:27|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩⅢ

打ち掛けられたブランケットの下で結ぶ、握り拳に冷や汗が滲む。
知らない振りを決め込む事で、笙子の身に取り返しの付かない傷を追わせる事に成ったとしたなら、二度と顔を上げる事が出来なくなるかもしれない。
いくら己の願望が屈折した性癖に起因しているとは言え、得体の知れない危険に晒されようとしている妻を見殺しにして、夫として・・いや人として許される筈はない。
それなのに、情けなくも私は間違いなく興奮の坩堝に居る。

元来の脆弱な精力は、昼間からの連淫により当に枯れ果てている筈なのだが、嘗て私に見せたこともない激しい妻の痴態が強く脳裏に焼き付き、驚いた事に限界を迎えた筈の淫茎をカチカチに昂ぶらせている。
笙子は既に巧妙な罠によって女の性を完璧に暴き出されてはいたが、今だ性器による接触さえ受けてはいなかった。
奴らは着衣の浴衣さえ一糸乱す事無いままに、笙子を糸の切れた土偶へと追い込んだ。
その凄まじいばかりの薬効と手際、そして笙子の業の深い性に圧倒されながら狂おしいばかりの嫉妬と興奮に駆られた。

今直ぐに行動を起こさねば、到底間に合わなかった。
跪いた若い管理官は左手の指先で笙子の秘貝を割り開き、薬液のたっぷり染み込んだ刷毛筆を近づける。
痛いほど握り締めた拳はぶるぶる震え心の動揺を表す。
飛び起きて妻の窮状を救ってやりたかった・・それなのにこのまま彼等の手に朽ち果てて行く姿を最後まで見続けてもいたかった。
何故、これほどまでに興奮するのか自分でも異常に感じたが、それこそが嘘偽りのない真実だった。
救い出す・・・それが果たして可能であろうか・・。肉体労働者のように野太く逞しい肉体が威圧する。しかも相手は屈強を極めた二人連れである、どの道体力に自信のない脆弱な自分に太刀打ちできる道理は皆無だった。
胸は早鐘を打ち鳴らし、全身に冷や汗が吹き出す。
卑劣にも不可能な理由を自ら肯定づけ、倒錯した性の痛みと妖しい誘惑に自らを押し込めると、切るような嫉妬が五感を刺激する。
知らない・・・笙子も・・誰も・・私の思いなど知らずに・・・ただの情けない罠に落ちた俘囚としてしか認識してはいない・・・いや、今はそう有って欲しいとだけ強く念じていた。
  1. 2014/11/10(月) 01:24:03|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩⅣ

「ホントだ・・おっさん、あんなに膨らみ切って飛び出してたクリトリスが、皮の中で縮こまってやがるぜ。」
息が掛かる程の間近で笙子の最恥部を食い入るように見詰めながら若い管理官は好奇の声を発した。
「うむ・・皮を剥いて豆粒にもしっかり塗りつけておけよ・・それと尻の穴もな・・ふふ・・勝気な奥様がどんな表情で泣いてくれるのか想像しただけで往っちまいそうだ。」

若い管理官は笙子の下肢に対峙し跪いた姿勢で慎重に右手を走らせていた。
「おう、この女のお道具、めちゃめちゃ複雑に出来てやがるぜ・・・。」
左手で膣の左右を寛げ内側に筆を運びながら興奮したような感嘆を漏らす。
「中で無数の襞が捩り合って、でこぼこしてやがる・・突っ込んだら擦られて気持ち良くて堪らねえだろうよ・・・。こりゃ本物の上玉らしいぜ・・・。」
「そうか、そりゃあ楽しみだな・・だがよ今は見蕩れていないで、しっかり仕事をしとけ・・その襞々の一枚一枚も全部捲り上げて塗り残すんじゃねえぞ。奥の奥までビッシリ塗っておけよ。」

手にした刷毛筆は更に膣奥に刺し進められ粘膜を擽る。
源泉に忍び込む異物感に刺激を受けているのか、笙子の口からくぐもった呻きが漏れる。
「く・ふうむ・・んん・・・」
夢の世界から引き戻されるように眉間に刻み込まれた縦皺が深みを増す。
「あ・うむ・・な・何・・・。」
遂に現実に引き戻された笙子だが直ぐには現状を把握できないでいるようだった。
ただ吊り下げられ引き絞られる、両手首と膝裏に辛さが走るのだろう、辛うじて地に付く右つま先に力を加えて身を支える。
「ああ・・何・・立てない・・い・・痛い・・どうしたの・・・。」
右の太腿に深く筋肉の筋を浮かび上がらせ、何とか身体を固定しようと力みながら、薄っすら開かれた霞みがかった視線を周囲に這わせる。
「何のまね!降ろして。」
どうやら置かれている状態が確認できたのか強い語気で、眼下で胡座座りを決め込む壮年管理官を罵倒する。

「ははは・・お目覚めですね、笙子さん・・良く眠っていらっしゃいましたぞ。」
「何を言ってるの!早く降ろしなさいよ!こんな真似してただじゃ済みませんよ。」
「ほう・・ただじゃ済まない・・さっきはあんなに悦んで泣いてらっしゃったのに、自分だけスッキリしたらもうそれですか・・勝手な奥さんですね笙子さんは・・・。」
「馬鹿なこと言わないで、あれは薬のせいじゃ有りませんか・・。勝手なのはそっちの方です!」
「ふふ・・まあまあ・・それよりもっと我々と楽しみませんか・・仲良くしといた方が笙子さんのためだと思うんですがな。」
「仲良くですって・・人をこんな風に縛り付けておいて仲良くなんて出来る訳ないじゃない!」
「へっ、知れた事を抜かすんじゃねえぞ・・俺達の手で失神するほど気を遣ったのは何処の誰だったと思ってるんだ!」
丁寧な言葉で受け答えしていた壮年管理官の語気が変化した。
「ふざけないで!破廉恥な卑怯者よ・・これ以上おかしな事をなさるなら、必ず訴えますわよ。」
「ふ~ん・・手前の欲求不満を棚に上げてそう言うことを言う訳か・・なら此方にも考えが有りますよ。」

「うっ・・何・・・」
笙子は自らの身に起こっている異変にようやく感ずいたようで、目線を真下に落とした。
無言の若い管理官は成り行きの推移を観察するように手の動きを止めていたが、再びゆるゆると筆を運び始めた。
「何やってるの~~!これ以上おかしな事しないで!」
「まあまあ、笙子さん・・じきに又、素直な笙子さんに戻れますよ・・そいつがね・・戻してくれるんですよ。はははは。」
「い!やだーー!!や・・やめてよ!変態!!きっと後悔なさいますよ!」
「へっ・・後悔だと・・ま、今に分かるぜ・・俺達同様あんただって変態の素質充分だって事がね・・へへへ」
垂れ落ちる事にも最早、無頓着で刷毛筆にタップリ液体を含ませると、最後に残されたおちょぼ口にも冷え冷えとした筆先を走らせた。
  1. 2014/11/10(月) 01:24:44|
  2. 風・フェレット
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風 ⅢⅩⅤ

頑強に無頼漢の所業に憤りを露にしていた笙子の様子に少しづつ変化が現れ始めたのを壮年管理官の目は見逃さなかった。

「どうしました・・笙子さん?いやに腰が揺れているんじゃないですか・・・生理現象でも起きましたかな?」
吊り下げられた笙子の引き伸ばされた裸体は、重力で身動きすら叶わないと言うのに、左右に見事に張り出した蜂腰が小刻みな縦振りを示し始めていた。
「何を塗ったの・・・?」
見開いた目尻を一層、険しく吊り上げて、作業を終えて空の小瓶を玩ぶ若い管理官を睨み付けた。
「へへ・・な~に、笙子に迷惑を掛けるような物じゃないから安心しな。それどころか感謝されるようなとっておきの秘密兵器さ・・へへへ」
「ど・・どこまで、卑劣なの・・身体の自由を奪った上、そんな真似までしなければ女一人扱えないなんて男として恥ずかしいと思わないの。」
「けっ!言わせておけば何処までも生意気な助だぜ・・。お望みなら今すぐに女で生まれた事を後悔させてやっても良いんだぜ。オオ笙子!覚悟は出来てるんだろうな。」
若い管理官は勢い良く立ち上がると、磔の裸体に詰め寄り抗う妻の顎先を強引に掴んで口を吸い付かせた。
「む・・ぐ!」
笙子は緊張で乾き切った厚めの唇をきつく結んで、割り裂かれまいと激しく抵抗する。
片方のつま先のみの不自由な身体で何とか肉体の接触を交わそうと必死で身を揺すると、渡された太い梁がギシギシと軋み音を響かせ括り付けられた手足の肉に浴衣布が食い込み鬱血した肌色を更に真っ赤に染め上げる。

細腰を抱え込まれ引き寄せられ、下腹部の撓みに浴衣越しの股間を押し付けられる。
出っ張りが突き立つのだろう、尻を引いて逃れようともがくのだが限界まで引き伸ばされた脚関節は、情けないくらいに微小にしか身を引くを許さなかった。
「やめて~~!」
思わず悲鳴のような抗議を発する口腔に待ちわびたとばかりにヤニ臭い舌が入り込む。
「ぐう・・むむうう・・・。」
口を汚されながら、必死に抗い首を仰け反らせるが、大きな掌で後頭部を掴まれ引き寄せられる。
粘膜同士が激しく接触し歪に形を拉げさせ、口端からドロリと唾液の帯が垂れ下がる。

笙子は自由の利かない身体を、それでも精一杯に捩じらせて何とか逃れようと儚い抵抗を繰り返す。
髪は乱れ、全身にびっしりと汗の玉を噴き出させる姿は凄惨な色合いを滲ませる。
大量に分泌される唾液を流し込まれる紅唇は激しく汚され、顎から喉元にかけて不潔な口臭の汁で濡れ光る。
「ぎゃっ!」
突然、猟姦者は小さくうめくと獲物の頭部を開放し、押さえ込んでいた掌で自らの口元を押さえた。
「貴様~~~!」
一転、両眼を吊り上げると笙子の黒髪を鷲掴んで引き摺り倒す。
「おいおい、乱暴は止せよ。言ったろう勝気な奥さんだってよ、そう易々と屈服はせんさ。」
大きく息を乱す笙子を忌々しげに睨み付けながら、若い管理官は噛まれて血の滲む舌の根を晒け出して風に当てながら吐き捨てた。
「覚えてやがれ・・百倍にして返してくれる。」

そんな雑言を聞いているのだかいないのだか笙子は項垂れ、ただ一旦開放された裸身を激しく震わせ息を乱す。
余す所なく暴き出された豊かな胸が速度を増した呼吸の度にプルプルと波打ち、盛り上がった裾野を揺すって、暗示するかのように蛍光灯の影で鳩尾を翳らせる。
  1. 2014/11/10(月) 01:25:24|
  2. 風・フェレット
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疑わしい行動・圭太 (9)
妻の絶頂・こうくん (5)
■隣人または友人 (491)
はちきれそう・ゆう (7)
仕掛けられた糸・赤いかげろう (6)
本当のこと。・一良 (14)
リフォーム・とかげ (22)
友達・悦 (13)
悪夢・覆面 (10)
ビデオ・はじめ (4)
言えない真実、言わない真実・JOE (17)
私しか知らなかった妻・一樹 (3)
妻の秘密・光一 (54)
清楚人妻 一夜の陵辱劇 ~親友に騙された~・仁 (6)
俺が負けたので、彼女が手コキした (5)
惨めな自分・子無き爺  (6)
田舎・マス夫 (16)
秘密・POST (14)
新妻の幻想・TAKA (4)
遠方よりの友・ちかこmy-love (11)
管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
抱かれていた妻・ミリン (18)
パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
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背信・流石川 (26)
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鬼畜++・柏原 (65)
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最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
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心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
胎動の夏・道明 (25)
それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (569)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
妻の黄金週間・夢魔 (23)
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臭市・ミミズ (17)
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